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【二世帯住宅で多い後悔、失敗したこと】完全分離型でも起きうる6つのトラブル

間取り・住宅の特徴

2022/06/30

2023/08/04

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

【二世帯住宅で多い後悔、失敗したこと】完全分離型でも起きうる6つのトラブル

二世帯住宅を検討しているものの、「親子間で揉めたらどうしよう」「どんなトラブルが起こりやすいんだろう」などと不安を抱いている方も多いですよね。

今回の記事では二世帯住宅の3つの種類について説明した後、二世帯住宅のよくあるトラブルと成功のポイントについてまとめてみました。

二世帯住宅のパターンとは

一言で「二世帯住宅」といっても、実は以下の3つのタイプに大別されます。
● 同居型(共有型)
● 一部共用型(部分共有型)
● 完全分離型(独立型)

ここでは、それぞれの特徴について見ていきましょう。

同居型

同居型は、各個人・各世帯の個室以外を二世帯で共用することを指します。

キッチンや浴室、リビングを二世帯で利用するので部屋数がちょっと多い住宅のイメージです。

常に同じ空間で過ごすことになるため、お互いの譲り合いやルール決めをしておくことが欠かせません。
とはいえ、寝室や書斎などは間取りの工夫次第でプライベート空間を確保しておくことができます。

同居型のメリットとして、親世帯と子世帯の距離が近いことからコミュニケーションが取りやすく、わいわいとした雰囲気の中で過ごせることが挙げられるでしょう。

また、他の2パターンよりも建築費を抑えられるほか、水道光熱費なども節約できます。

一部共用型

一部共用型は、親世帯と子世帯で家の中を部分的に共有することを指します。

共有する場所として、メインキッチンや浴室、洗面所やトイレなどの水回りがよく挙げられるでしょう。

お客様の実例ですと、親世帯フロアのキッチンや浴室を大きめに設置して、子世帯フロアにミニキッチンやシャワー室を設置することもありました。

特定の部分のみを共有するため、親世帯と子世帯で適度な距離感を保ちやすく、常に顔を合わせることで生じるストレスを削減できます。

玄関部分のみ共有の方も意外と多くいらっしゃいます。
間取りの自由度が高いことから、どこを共有し、どこを分離するのかといったすり合わせをしておくことが大切です。

完全分離型

完全分離型は、玄関や水回りなどすべてを分離することを指します。
そのため、二つの独立した家が隣接して建っている状態に近く、マンションのお隣さん同士というとわかりやすいかもしれません。

先にも述べたように、すべての設備が世帯別にあるため、生活スタイルや時間が異なっていたとしても特段支障がないでしょう。

また、完全分離型では基本的には独立した形態をとりつつも、困ったときには助け合えるといったメリットも存在します。
旅行や長期の出張などで一時的に家を空けることになった場合でも、対応しやすいといえるでしょう。

完全分離型ですと将来利用しなくなった世帯部分を賃貸に出せたりします。

二世帯住宅でよくある6つのトラブル

二世帯住宅のタイプについて理解したところで、二世帯住宅でよくあるトラブルについて見ていきましょう。

生活する人数が増えればトラブルも増えやすいです。

ここで取り上げたトラブルは主に以下の6つです。
●生活音のトラブル
●間取りの自由度が減った
●居住スペースが狭くなった
●共有スペースが好きなときに使えない
●友人を呼びづらい
●プライバシーの確保、干渉度合い
●税金・生活費のトラブル

生活音のトラブル

一つ屋根の下で暮らさなければならないタイプの二世帯住宅において、騒音問題は特に生じやすいトラブルの一つです。

特に、生活音は自身で騒音だと認識していないケースも多く、世帯間で指摘し合える信頼関係を築いておくことも欠かせません。
この生活音のトラブルの主原因としてよく挙げられるのが、生活リズムの違いです。

働き盛り・子育て中の子世代と、仕事も子育てもやり終えた親世代では活動時間が大きく異なります。
また早朝出勤や深夜帰宅などの勤務形態の場合は特に配慮が必要かもしれません。

特に浴室やキッチンが共有の場合、より生活音が気になるかもしれません。
一時的であれば気にならないものの、四六時中、相手世帯の生活音が自分たちと異なる時間に響いていたら、ストレスを感じるのも無理はないでしょう。

間取りの自由度が減った

同居型や一部共用型の二世帯住宅では、一つの建物に二世帯分の住居スペースを確保しなければならないことから、間取りの自由度が低くなります。
そのため、「子ども部屋をもっと広くしたかったのに」「書斎スペースがほしかった」などといった後悔の声が上がるケースも少なくありません。

間取りによるトラブルを避けるためにも、家を建てる前に親世帯と子世帯できちんと話し合いの場を設けるようにしましょう。
すべての希望を実現することは難しいかも知れませんが、譲れない部分と譲歩できる部分を洗い出した上で、双方の考えを間取りに落とし込んでいくことが大切です。

居住スペースが狭くなった

間取りが狭くなったという意見と同様に、居住スペースが狭くなったという声もよく聞かれます。
特に今まで住んでいた住居を壊して建て替えする場合によく出るご意見です。

その中でも、生活の中で使用することが多いキッチンやお風呂といった水回りはもちろん、リビングやダイニングといったスペースは狭く感じることが多いでしょう。

間取りの考え方が昔と今では異なることもありますが、モノが溢れていた生活をそのまま二世帯住宅でも維持することは難しいです。

冒頭で二世帯住宅の3つの種類についてお伝えしましたが、そのうち「完全分離型」では二世帯分の設備を設置しなければならず、それ相応の敷地が必要です。

共有スペースが好きなときに使えない

親世帯、子世帯でさまざまなスペースを共有している場合、状況によっては好きなように使用できずにストレスを抱えてしまうこともあるかもしれません。

自由に使えないことによるストレスを感じやすい場所として、キッチンやトイレ、お風呂といった水回りのスペースが挙げられます。

同居型ではお互いの生活リズムを前もって理解しておくほか、思いやりの気持ちを持つことが大切でしょう。
また、一部共用型ではすべてを共用とする必要がないため、ストレスが比較的かかりにくい場所を共用とすることをおすすめします。

友人を呼びづらい

二世帯住宅にしたことによって、友人や知人を呼びづらくなったというのもよくある意見の一つです。

特に子世帯が子育て中の場合、なにかとママ友が家に来たり、こどもの友達が家に来たりする機会も多いかも知れません。

また親世帯が毎日のように友人を自宅に呼んでいるとリビングを利用しにくくなりママ友を呼びにくくなります。
そうした際、お互い気を遣わなくていいように玄関は共用にせず、別々に設置しミニリビングを設置することも検討するとよいでしょう。

また、玄関を別々に設置することが難しい場合、玄関から来客者を招き入れる客室までの動線を工夫するといった手段を講じることもできます。

プライバシーの確保、干渉度合い

プライバシーの確保が難しいのもよくある問題のひとつです。

特に玄関が一つしかない場合、郵便物や宅配で届く荷物を見られてしまうほか、出入りする度に落ち着かずなにかと監視されているように感じてしまうかもしれません。

そのため、プライバシーをしっかりと確保したいという場合、完全分離型の二世帯住宅を選択するようにしましょう。
また、プライバシーの問題と並んで、子育て・生活への過干渉もストレス要因のひとつ。

二世帯住宅でお互いが気持ちよく暮らすためには、適度な距離感を保つことが欠かせません。
すこしでも気になることや不快に感じることがあれば、なるべく早い段階で相手に伝えてみることをおすすめします。

税金、生活費のトラブル

二世帯住宅ならではといえるかも知れませんが、税金・生活費に関するトラブルが起きることも少なくありません。

一緒に住み始める前に取り決めておきたい項目として、「水道光熱費」と「固定資産税」が挙げられます。
「水道光熱費」ですが、親子間でお互いどの程度使用しているか把握することは難しいです。

単純に折半するケースもあれば一定金額まで片方の家族が出して残りはもう一方の家族が払うことも。

「固定資産税」も折半のケースもありますが、土地は親世帯で建物は子世帯が支払うケースは多く見られます。

また「同居型」の二世帯住宅を選択した場合、テレビやエアコン、家具など購入する時に金銭負担をどうするのか。
親子だからといって曖昧な取り決めにしていると、ゆくゆく大きなトラブルに発展する恐れもあるため事前に取り決めましょう。

二世帯住宅のメリット

二世帯住宅でよくあるトラブルをいくつかお伝えしましたが、二世帯住宅ならではのメリットも存在します。

具体的には以下の項目が挙げられるでしょう。
● 経済的な負担が減る
● 家事・育児を協力して行える
● 介護負担が減る
● より安心して日々を過ごせる

地域にもよりますが、親御様の土地を活用して建築する場合土地代がかからないので金銭的なメリットは大きいです。

また、子世帯が子育て中の場合、家族が側にいる安心感は大きなメリットといえるかもしれません。

共働きが一般的になりつつある昨今、子どもが小さいうちは保育園に預けていても何かとお迎え依頼が絶えません。
そうしたときに、一緒に親世帯が住んでいることで代わりにお迎えを頼めるほか、一時的に子どもの世話も頼めるでしょう。

また、子育て中に限らず自身の具合が悪いときや、将来的に介護問題が浮上したときもすぐに適切な行動を起こせます。
離れて住んでいますと急に向かうことが難しいですし、昨今の自然災害の増加を考えても一緒に住んでいると安心ですね。

自然災害に加えて、最近増えた悪質な訪問や不審人物が来た時にも対応しやすいです。

二世帯住宅を成功させるポイント

最後に、二世帯住宅を成功させる3つのポイントを取り上げてみました。
● 両世帯が公平と感じるような間取りとする
● 家族全員の意見をしっかりと聞き、取り入れる
● 共用部分におけるルールを決める

記事の中でも再三お伝えしましたが、二世帯住宅でトラブルなく過ごすには、事前の話し合いが何よりも重要です。
お互いの生活リズムを理解していないことが多く話してみて初めて知ることも多いようです。

ただ、実際には生活リズムに関してあまり話すことなく間取りの打合せを開始するケースがあまりに多いです。
お互いを理解せずに建物が完成してしまうと多くの後悔が待ち受けてます。

全員の希望をすべてそのまま取り入れることは難しいかも知れませんが、なるべく不公平感がないような間取りにするように心がけましょう。

また、金銭や共用部のルールについても定めるほか、互いの生活リズムを把握することも欠かせません。
親世帯・子世帯がきちんと納得した上で、二世帯住宅での生活をスタートできるようにしましょう。

まとめ

今回の記事では二世帯住宅の概要や、よくある後悔・失敗例についてお伝えしました。

二世帯住宅と聞いてどちらかといえばネガティブなイメージを抱く方も多いかも知れませんが、一概にすべてが悪いとはいえません。
メリット・デメリットをきちんと把握した上で、二世帯にするのかどうか考えることが大切です。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

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