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家づくりの流れ・ポイントをプロが解説ー家づくりを始める前に知っておきたい基礎情報ー

家づくりの基本

2021/12/16

2023/09/26

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

家づくりの流れ・ポイントをプロが解説ー家づくりを始める前に知っておきたい基礎情報ー

住宅購入は多くの方にとって人生最大の買い物になります。雑誌やネット、SNSを色々見ながら夢を膨らませていく家づくりはとっても楽しい時間になります。
しかし家づくりの進め方を間違えますと思い通りの建物が完成せず不満足な結果になってしまいます。ここでは家づくりを本格的に始める前に知っておいて欲しいことをいくつか述べていきます。

家づくりの基礎は具体的なイメージ作りから

新しい家が欲しいと思ったらいきなり住宅展示場や住宅相談所に行ったりしてませんか?
この行動は少し待ったほうが良いです。なぜかと言いますと、家づくりを深く考えずに訪れますと色々目移りしてしまうほどの提案を次々に受けてしまいその時の雰囲気や思い付きで決めてしまいかねません。
まずは何よりも一緒に住む方との話し合いが最重要になってきます。家づくりの主役はそこに住む人です。

 

なぜ住宅を購入するのか考える

何よりもまず最初に考えて欲しいことはなぜ今住宅を購入するのかというになります。
家づくりのきっかけは、「友人が購入したから」「家賃がもったいないから」「子供が生まれたから」「親に二世帯建てようと言われたから」等だと思います。
勿論このまま家づくりを進めても良いのですが、もしかしたら中途半端な結果に終わるかもしれません。何故建てるのかという明確な答えが見つかっていない気がします。
例えば、家賃はもったいないかもしれませんが、どこで建てるのか適切かきちんと決まってないでしょうし、子供が生まれたから家を建てるとしても子供部屋は幾つにするのかも決まってないかもしれません。親から二世帯住宅を建てる話を言われたとしてもそもそも同居することに問題は無いのか等考えることは沢山あります。

もしかしたら今は家を建てない方が良いという結果になるかもしれません。
それはそれで良いと思います。皆の意見が一致したら一気に家づくりは加速します。答えが出るまでじっくり腰を据えて話し合ってください。

私も家づくりのお手伝いをしていた時に、打ち合わせ途中で中断になったケースを沢山見てきました。
家族間の打ち合わせで、建てる場所や建てる時期で揉めてしまい、結局妥協点を見出せずに家づくりは無くなりました。
特に二世帯住宅を検討している方は慎重に考えてください。親子間の意見の食い違いは想像以上に起こります。

建物の具体的なイメージを持つ

住宅を購入するという答えが出たら思う存分イメージを膨らませていきましょう。
まずは「どんな暮らしをしたいか」というイメージ作りです。家で趣味に没頭したり家族とやりたいことがあれば最優先に検討すべきです。
頭の中でイメージしているだけではなく、紙に書いたりイメージに近い写真を用意したりして家族みんなで共有してください。
なるべく細かく具体的にイメージしておくと間取りや設備の打合せがスムーズに進みます。

忘れてはいけないことは、今から10年先位までのイメージではなくもっと先までイメージしてみましょう。
今のうちに取り入れるべき項目が見つかったら忘れずに盛り込んでいきましょう。
具体的な間取り作りはまだ必要ありません。間取り作りはハウスメーカーの営業担当者と一緒に考えたり提案を受けたりしてください。

幅広く情報収集してイメージを具体化する

イメージを具体化する時には幅広く情報収集しておきましょう。
特に趣味やこだわりをお持ちの方は参考例が雑誌やインターネットに溢れています。実際の施工例を見るとイメージが付きやすいですし新居で取り入れたいことが具体化する手助けにもなります。
そしてその幾つかイメージした空間をどのように結び付けていきたいかを図などで描いてみましょう。ゾーニングと言われる作業の一種です。

住宅の完成時期をイメージする

いつ頃までに新しい家に住みたいのか話し合いの中で出てくると思いますが、あまりにも早期の完成を目票としますと施工可能な会社が限定されるかもしれません。
ご家族の勤務先や通学先の兼ね合いもあるでしょうし、土地自体に法的な規制や物理的な規制があって早期に建築出来ない場合もありますので注意が必要です。
通常は1年後くらいの完成目標ならばある程度ゆとりを持って計画が進められるでしょう。

建築予算をイメージする

住宅予算も大まかにイメージしてください。100%満足のいく住宅を建てようとしても予算が大幅に超えてしまう可能性もあります。
頭金と月々の返済額、ボーナス時の返済額、ご援助してもらう金額をある程度把握しておきましょう。
よく打ち合わせをしていますと、月々の支払いは家賃と同じくらいが良いと仰る方が多いです。
しかしその家賃をどうやって決めたのか質問しても曖昧な答えをなさる方が多いです。一度家賃のことは忘れて家計を見直しながら返済額のイメージを掴んでいきましょう。

家をつくる施工会社の種類

では、どのような施工会社に建築を依頼すことが出来るのか先に確認しておきます。
大きく分けますと、大手ハウスメーカー、ローコストメーカー、地域のビルダー(工務店)、建築事務所になります。それぞれの特徴をまとめました。

大手ハウスメーカー

全国展開していて知名度があり信用度が高く感じられます。工場生産を導入して効率良い建築システムを取り入れ、様々な工法で現場施工されていきます。
建築価格は高いことが多いですが、建物の保証期間は長期間に設定されております。間取りや設備はある程度選択することが可能です。
何よりも大手という安心と保証を確保したい方には向いています。

ローコストメーカー

間取りや設備を幾つかパターン化して建築価格を抑えているいる他地域に渡って施工している会社になります。
保証期間は「初期保証10年」を基本としていることが多いです。
家のこだわりがあまり無く最低限の機能があれば充分だという考えで、家族との旅行や趣味等家以外のことにお金をかけたい方に向いています。

地域のビルダー(工務店)

特定の地域に根差した施工会社です。
その地域の風土や特徴を理解していて、ちょっとしたことも親身になってくれそうな安心感があります。
建築価格も抑えていることが多いですが、会社の存続可能性が継続的な住宅メンテナンスに影響する点は気になる点かもしれません。
その地域と深く付き合いたい方や建てた後のメンテナンスも一緒に楽しみたい方に向いています。

建築事務所

会社の実態として分かりにくく敷居も高く感じる施工会社です。
工法や建築資材含めどんな建築でも可能なので一番夢を叶えやすいかもしれませんが、設計料含め建築価格は一般的には高額になる可能性が高いです。
最近はパターン設計して金額を抑えた施工会社も出てきました。建築事務所と施工会社が別会社のことも多く打合せ時間は長くなることが多いです。
他人とは違うこだわりある家を求める方にはピッタリだと思います。

家づくりの流れ

では、家づくりはどのように進めて行くのが良いのでしょうか?何から始めたらよいのか分からない方も多いと思います。
手順を間違えますと時間だけかかりますのできちんと家づくりの流れを把握していきましょう。

状況により順序が前後することもありますが、ここでは一般的な流れでご説明致します。

【土地と建物のイメージを膨らます】
そもそも何の為に住宅を購入するのか、考えをきちんとまとめてください。
その上でどんな住宅が欲しいのかイメージしてください。

【ライフプランを作り予算を把握する】
イメージが湧いてきたら予算の把握です。
ご家族のライフプランを踏まえた予算作りが大切です。

【土地と建物を検討する】
実際に土地と建物を検討します。
予算配分をある程度決めていきましょう。

【土地、建物を契約】
緊張する瞬間です。
契約内容をきちんと確認して、気になる点は先に伝えましょう。

【細かい仕様を打ち合わせる】
一番楽しく充実した時間です。
理想をカタチにしていきましょう。

【着工】
徐々に住まいがカタチになります。
イメージとの違いがあれば修正していきましょう。

【完成】
念願の住まいの完成です。新しい生活のスタートです。


ポイントは、具体的に土地や建物の打合せを行う前に購入する目的と予算をきちんと把握することです。
そして、土地と建物を検討する場合は予算配分も気にしなくてはいけませんのでどちらか一方のみ話を進めることはあまり望ましくないです。
よくある進め方として、土地探しに関しては施工会社経由で紹介してもらった方が最新情報が入手しやすいこともあります。

詳しくはこちらの記事をご参考にしてください。
https://housemarriage.net/column/basic/column-005/

家づくりでよくある失敗例・後悔例

ハウスメーカー等と順調に打ち合わせが進んでいる時は心配事も少なくスムーズに完成に向かっています。
家づくりをお手伝いしたお客様と会話をすると、大小様々な後悔の話が聞こえてきます。
幾つか述べますが、これから家づくりを進める方には参考になる話だと思います。

土地選びの後悔

お客様に聞きましたらきりがないくらい後悔した話が多い土地選びです。実際にどのようなことが起こってるのでしょうか?

・近隣からの音やにおいが気になる
・駅からの道が暗い
・日当たりや水はけが悪い
・前面道路がラッシュ時の抜け道になっていた
・広すぎて手入れが大変
・広すぎて外構費用が予算オーバー
・狭すぎて希望の家が作れなかった
・法的な話を理解せずに購入してしまった
・近隣道路からの振動が気になる
・上下水道の費用が高くついた

どの話も我が身には起きて欲しくない内容です。ではこの後悔を回避するにはどうすれば良いでしょうか。
まずは現地をきちんと確認することです。朝昼夜に土地の周りの状況を確認したり平日と休日でも近隣の様子が異なることもあります。
現地の状況を把握するだけである程度後悔するリスクは減ります。
もし可能ならば、ハウスメーカー等の専門家と一緒に確認して欲しいです。見落としがちな箇所に気づいてくれるかもしれません。
安いから飛びつくのは危険です。土地には相場がありますので適切な価格と内容になっているのか注意が必要です。

施工会社の後悔

家づくりを大きく左右する施工会社選びです。この選択を間違えてしまうと一生後悔するかもしれません。多くの住宅購入者がどんな後悔をしているのでしょうか。

・要望を聞いてくれない
・評判と実情が違っていた
・会社の経営が悪いらしい
・保証制度が聞いていた話と違う
・担当者がコロコロ変わった
・どんどん予算が上がってしまった
・進められた金利の高い住宅ローンを組んでしまった
・打合せ期間が短くて慌ただしかった
・間取りの提案が欲しかった
・夏暑くて冬寒い

SNSやネット検索して事前に把握できることありますが、多くはその施工会社と打合せしてみないと分かりません。
住宅展示場や住宅相談カウンターでご相談いただくのも良いですが、偏った情報提供を受けてしまいむしろ分かりにくくなることもあります。
まずは特定の会社とじっくり話し込む前に情報収集をきちんと行って中立な状況で検討してください。
施工会社の選択で後悔したという方も沢山いらっしゃいますが、実際には担当者との相性が悪くて後悔している方が沢山いらっしゃいます。家づくりは時間をかけて進める作業ですから些細なことで後悔するとその後の打合せにも影響が出てきます。

担当者とは言いたい事が言えて聞きたい事が聞ける関係でいて欲しいです。私も家づくりのお手伝いをしていた時に怒られたことは沢山ありました。今思えば怒られて当然だなと思うことが多いです。
ただきちんと解決しながら家づくりを進めて行きましたので今でもお付き合いさせて頂いているお客様ばかりです。施工会社の力量も重要ですが、担当者の力量がお客様の家づくりの満足度に大きく貢献すると強く思います。

詳しくはこちらの記事で解説しておりますので合わせてご一読ください。
https://housemarriage.net/column/failure-case/column-001/

まとめ

「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、家づくりにも大いに当てはまります。
間取りや設備の話はとても楽しいと思いますが、土地の決め方、家づくりの目的や予算をきちんと決めた上で打ち合わせを進めてください。
現地を見たり実際の建物を見ると改めて感じることがあるはずです。その時湧き出た気持ちを大切にしてください。
どんなに慎重に家づくりを進めても後悔することは起きるかもしれません。
ただその後悔を最小限に抑える努力は惜しまず行動していきましょう。事前の情報収集は広く浅く行ってください。偏った情報は禁物ですよ。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の予算計画からもご相談を承っております。サービス詳細は以下をご参照ください。

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ハウスメーカーの垣根を超えて地域ごとに担当者をご紹介しておりますので、まずは希望地域を絞って頂き、その地域に登録している担当者の様々な趣味嗜好や家づくりに対する熱い思いを確認してください。きっと皆さんの家づくりに対するこだわりをきちんと受け止めてくれて、どうすればその夢を解決できるのか一緒に悩みながらも満足のいく家づくりを導いてくれる担当者に出会えるはずです。担当者との偶然の引き合わせも良いかもしれませんが、ご自身で家づくりのパートナーを指名してしてください。

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

    :地下鉄日比谷線都営浅草線東銀座駅より徒歩3分

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