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欄間障子の種類や価格相場、選び方、メンテナンス方法まで解説

家づくりの基本

2024/08/16

2024/08/16

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

欄間障子の種類や価格相場、選び方、メンテナンス方法まで解説

欄間障子は、日本の伝統的な建築様式において重要な役割を果たす装飾的な要素です。和室の雰囲気を高め、光や風を柔らかく通す欄間障子の魅力と実用性について、詳しく解説していきます。欄間障子の特徴や役割、適した場所、メリット・デメリット、価格相場、さらには他の欄間装飾の種類まで幅広く紹介します。和の趣を大切にしたい方、伝統的な日本家屋に興味がある方にとって、参考になる情報をお届けします。

欄間障子の特徴

欄間障子は、日本の伝統的な建築様式において重要な役割を果たす装飾的な要素です。主に和室の上部、具体的には襖や障子の上に設置される横長の障子のことを指します。

欄間障子の主な特徴は以下の通りです。

1. 構造:薄い木枠に和紙を貼り付けた軽量な構造になっています。この構造により、光を柔らかく通し、空間に柔らかな雰囲気をもたらします。

2. 位置:通常、部屋と部屋の間、あるいは部屋と廊下の間の上部に設置されます。天井から少し下がった位置に取り付けられることが多いです。

3. 機能:主に装飾的な役割を果たしますが、同時に光や空気の流れを調整する機能も持っています。完全に仕切ることなく、空間に開放感を与えます。

4. デザイン:単純な格子模様から、複雑な幾何学模様、さらには風景や動植物を描いた絵柄まで、多様なデザインがあります。これにより、和室の雰囲気や季節感を演出することができます。

5. 材質:枠には主に木材(杉、ヒノキなど)が使われ、障子紙には和紙が用いられます。高級なものになると、ガラスや絹を使用することもあります。

6. 歴史:欄間障子の起源は江戸時代にさかのぼります。当時の建築技術の発展により、天井が高くなり、その空間を有効活用する方法として欄間障子が生まれました。

7. 現代での活用:伝統的な和室だけでなく、現代の住宅でも和洋折衷のインテリアデザインの一部として取り入れられることがあります。和の要素を取り入れたモダンな空間づくりに活用されています。

欄間障子は、単なる装飾品ではなく、日本の住空間における光と影、開放感と仕切り、そして美しさと機能性を巧みに調和させた要素といえます。現代の生活様式に合わせつつ、日本の伝統的な美意識を保つ上で、欄間障子は重要な役割を果たしています。

欄間障子をつけるのに適している場所と役割

欄間障子は、日本の伝統的な建築様式において特定の場所に設置され、重要な役割を果たします。適している場所と主な役割について、詳しく解説します。

欄間障子に適している場所

1. 和室と和室の間:二つの和室を仕切る襖や障子の上部に設置されます。これにより、空間を分けつつも視覚的なつながりを保ちます。

2. 和室と廊下の間:廊下側から和室を見たときに、上部に欄間障子があることで和の雰囲気を強調します。

3. 和室と縁側の間:内と外の中間的な空間である縁側と和室の間に設置することで、自然との調和を演出します。

4. 床の間の上部:床の間の上に欄間障子を設けることで、格式高い空間を創出します。

5. 玄関と廊下の間:来客を迎える玄関から室内への視線を和らげつつ、開放感を保ちます。

欄間障子の主な役割

1. 光の調節:薄い和紙を通して柔らかな光を室内に取り入れます。直射日光を和らげ、落ち着いた雰囲気を作り出します。

2. 通気性の確保:完全に密閉せずに上部を開けることで、適度な空気の流れを生み出します。

3. 空間の仕切り:視線を遮りつつも、完全に空間を分断しない柔軟な仕切りの役割を果たします。

4. 装飾性:様々な模様や絵柄が施された欄間障子は、和室の美観を高める重要な装飾要素となります。

5. 季節感の演出:季節に応じて欄間障子のデザインを変えることで、室内に季節感をもたらします。

6. 音の緩和:隣接する空間からの音を和らげる効果があります。完全な遮音ではありませんが、生活音を柔らかくします。

7. 視線のコントロール:プライバシーを完全に遮断することなく、適度な距離感を保つことができます。

8. 空間の拡張感:天井まで仕切りを設けず、上部に欄間障子を置くことで、空間に広がりを感じさせます。

9. 伝統的な雰囲気の創出:日本の伝統的な建築様式の象徴として、和の趣を強調します。

欄間障子は、これらの場所と役割を通じて、日本の住空間に独特の味わいと機能性をもたらします。現代の住宅設計においても、これらの特性を活かしつつ、新しい解釈や用途が模索されています。伝統と現代の調和を図る上で、欄間障子は重要な要素の一つとなっているのです。

欄間障子のメリット・デメリット

欄間障子は日本の伝統的な建築要素として広く親しまれていますが、現代の生活様式に合わせて考えると、いくつかのメリットとデメリットがあります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

欄間障子のメリット

1. 和の雰囲気を演出:欄間障子は、日本の伝統的な建築様式を象徴する要素の一つです。和室に取り入れることで、落ち着いた和の雰囲気を醸し出し、日本らしい空間を作り出すことができます。

2. 光の調節:薄い和紙を通して柔らかな光を室内に取り込みます。直射日光を和らげ、穏やかで落ち着いた光環境を作り出します。これにより、目に優しく、リラックスできる空間を演出できます。

3. 装飾性:欄間障子には様々なデザインがあり、インテリアのアクセントとして機能します。季節や好みに合わせてデザインを変えることで、空間の印象を大きく変えることができます。

4. プライバシーの確保:完全に視線を遮らずにプライバシーを保護します。隣接する空間との間に適度な距離感を作り出し、開放感を保ちつつもプライベート空間を確保できます。

5. 通気性:完全に密閉されないため、適度な通気性を確保できます。これにより、空気の淀みを防ぎ、快適な室内環境の維持に役立ちます。

6. 空間の拡張感:天井まで仕切りを設けずに上部に欄間障子を配置することで、空間に広がりを感じさせます。小さな部屋でも開放感を演出できる効果があります。

7. 音の緩和:隣接する空間からの音を和らげる効果があります。完全な遮音ではありませんが、生活音を柔らかくし、静かな空間づくりに貢献します。

欄間障子のデメリット

1. メンテナンスが必要:和紙は経年劣化や破損しやすいため、定期的な張り替えが必要です。通常、2〜3年に1回程度の張り替えが推奨されており、これにはコストと手間がかかります。

2. 断熱性が低い:薄い和紙を使用しているため、断熱効果は限定的です。冬場の寒さや夏場の暑さを十分に遮断できないため、エネルギー効率の面で課題があります。

3. 耐久性:紙製のため、破れやすく長期的な使用には注意が必要です。特に子どもやペットがいる家庭では、不意の破損リスクが高くなります。

4. 現代の建築様式との不調和:洋風の家屋や現代的なデザインの住宅には馴染みにくい場合があります。インテリアのテイストによっては、ミスマッチを起こす可能性があります。

5. 防音性の低さ:薄い構造のため、効果的な防音性能は期待できません。プライバシーを重視する現代の生活様式には、やや適さない面があります。

6. 価格:伝統的な技術を用いて作られるため、特に高品質なものは比較的高価になります。また、定期的なメンテナンスにもコストがかかります。

7. 設置の制限:欄間障子を設置するためには、適切な空間(欄間)が必要です。既存の建物に後から取り付けるのは難しい場合があります。

8. 埃の堆積:横向きの面に埃が溜まりやすく、清掃が必要です。特に高所にあるため、日常的な掃除が難しい場合があります。

欄間障子は、日本の伝統的な美意識と機能性を体現する素晴らしい建築要素です。しかし、現代の生活様式や建築技術との兼ね合いを考慮する必要があります。メリットとデメリットを十分に理解した上で、自身の生活スタイルや好みに合わせて採用を検討することが大切です。また、現代的な材料や技術を組み合わせることで、デメリットを軽減しつつ、欄間障子の魅力を活かす工夫も可能です。

欄間障子の料金と採寸取付

欄間障子の導入を検討する際、料金や採寸、取り付け方法は重要な検討事項です。これらの要素について詳しく解説していきます。

欄間障子の料金

欄間障子の価格は、サイズ、デザイン、材質、製作方法によって大きく異なります。一般的な価格帯は以下の通りです。

1. 既製品の欄間障子

・ 標準的なサイズ(幅90cm×高さ40cm程度):1枚あたり2万円〜5万円

・ 高級品や特殊サイズ:1枚あたり5万円〜10万円以上

2. オーダーメイドの欄間障子

・ シンプルなデザイン:1枚あたり5万円〜10万円

・ 複雑なデザインや高級材料使用:1枚あたり10万円〜30万円以上

3. 修理や張り替え

・ 障子紙の張り替えのみ:1枚あたり5千円〜1万5千円

・ 枠の修理を含む場合:1枚あたり1万5千円〜3万円

これらの価格は目安であり、地域や施工業者によって変動する可能性があります。また、取り付け工事費用は別途必要となる場合が多いです。

欄間障子の採寸

欄間障子の採寸は正確に行う必要があります。以下の手順で採寸を行います。

1. 幅の測定:欄間の内側の幅を測ります。左右の端から3か所(上部、中央、下部)測定し、最も狭い寸法を採用します。

2. 高さの測定:欄間の内側の高さを測ります。左右と中央の3か所を測定し、最も低い寸法を採用します。

3. 奥行きの確認:欄間の奥行きを測り、障子が収まるスペースがあるか確認します。

4. 余裕幅の確保:測定した寸法から5mm程度差し引いた寸法で製作すると、スムーズな開閉が可能になります。

5. 既存の欄間障子がある場合:取り外して直接寸法を測ることで、より正確な採寸が可能です。

欄間障子の取り付け

欄間障子の取り付けは、以下の手順で行います。

1. 準備:必要な工具(ドライバー、水平器、木槌など)を用意します。

2. 古い障子の撤去:既存の欄間障子がある場合は丁寧に取り外します。

3. 欄間の清掃:欄間の溝やレールをきれいに掃除します。

4. レールの確認:既存のレールが使用可能か確認し、必要に応じて新しいレールを取り付けます。

5. 障子の取り付け:欄間障子を慎重にレールに沿って挿入します。この際、障子が傾いていないか水平器で確認します。

6. 調整:障子がスムーズに開閉するか確認し、必要に応じて調整します。

7. 仕上げ:取り付けた周囲に隙間がある場合は、木材や化粧材で補修します。

欄間障子の取り付けは、経験と技術を要する作業です。特に古い家屋や特殊な形状の欄間の場合、予期せぬ問題が発生する可能性があります。そのため、専門の業者に依頼することをおすすめします。

また、取り付け後のメンテナンスも重要です。定期的に開閉具合を確認し、必要に応じて調整や修理を行うことで、長く美しい状態を保つことができます。

欄間障子の料金、採寸、取り付けは、家の構造や好みのデザインによって大きく変わってきます。事前に複数の業者から見積もりを取り、自身の予算や要望に合った選択をすることが大切です。また、長期的な維持管理コストも考慮に入れて検討することをおすすめします。

よくある質問(Q&A)

欄間障子に関して、多くの方が疑問に思う点について、Q&A形式で詳しく解説します。

Q1: 欄間障子は洋室にも使えますか?

A1: 基本的には和室向けですが、和洋折衷のインテリアデザインでは洋室にも使用されることがあります。ただし、全体の雰囲気との調和が重要です。モダンなデザインの欄間障子を選んだり、ステンドグラス風の欄間を使用したりすることで、洋室にも馴染むよう工夫できます。部屋全体のコンセプトに合わせて、慎重に選択することをおすすめします。

Q2: 欄間障子の手入れはどのくらいの頻度で必要ですか?

A2: 通常の清掃は月に1回程度、和紙の張り替えは2〜3年に1回程度が目安です。ただし、使用環境によって異なります。日々の清掃では、柔らかい布で軽く拭く程度で十分です。障子紙が破れたり、黄ばんだりした場合は早めに張り替えを検討しましょう。湿気の多い環境では、カビの発生に注意が必要で、より頻繁な点検と清掃が求められます。

Q3: DIYで欄間障子を作ることは可能ですか?

A3: 基本的な木工技術があれば可能ですが、正確な寸法と繊細な作業が必要です。初心者の場合は、既製品や専門家に依頼することをおすすめします。DIYで作成する場合は、以下の点に注意が必要です。

・正確な採寸と木材の選択

・適切な工具の使用(のこぎり、かんな、のみなど)

・障子紙の張り方(のりの選択、気泡の除去など)

・仕上げの品質(塗装、細部の処理など)

Q4: 欄間障子は断熱効果がありますか?

A4: 欄間障子単体での断熱効果は限定的です。薄い和紙や木枠の構造上、高い断熱性能は期待できません。ただし、空気の流れを緩やかにする効果はあるため、室内の温度変化を若干緩和する働きはあります。断熱性を高めたい場合は、以下のような対策が考えられます。

・断熱性の高い特殊な障子紙を使用する

・二重構造の欄間障子を採用する

・欄間部分に断熱材を施工する

Q5: 欄間障子は防音効果がありますか?

A5: 欄間障子の防音効果は非常に限定的です。薄い構造のため、音を効果的に遮断することは難しいです。ただし、音の反射や拡散を緩和する効果はあるため、隣室からの音をやや和らげる働きはあります。高い防音性能が必要な場合は、以下のような対策を検討してください。

・防音性能のある特殊な障子紙を使用する

・欄間部分に防音パネルを設置する

・欄間障子の代わりに防音性能のある建材を使用する

Q6: 欄間障子の価格はどのくらいですか?

A6: 欄間障子の価格は、サイズ、デザイン、材質によって大きく異なります。一般的な価格帯は以下の通りです。

・既製品:1枚あたり2万円〜10万円程度

・オーダーメイド:1枚あたり5万円〜30万円以上

・修理や張り替え:1枚あたり5千円〜3万円程度

高級品や特殊なデザインの場合、さらに高額になる可能性があります。また、取り付け工事費用は別途必要となる場合が多いです。

Q7: 欄間障子は取り外しできますか?

A7: 多くの欄間障子は取り外し可能な設計になっています。通常、上部のレールに引っ掛ける形で設置されているため、持ち上げて手前に引くことで取り外せます。ただし、建物の構造や欄間障子の取り付け方法によっては、簡単に取り外せない場合もあります。取り外しの際は、以下の点に注意してください。

・欄間障子の重さを確認し、安全に作業できるか判断する

・取り外し方法を事前に確認する(必要に応じて専門家に相談)

・取り外した後の保管場所と方法を考えておく

Q8: 欄間障子は現代の住宅にも合いますか?

A8: 現代の住宅デザインに合わせた欄間障子も多く存在します。和モダンやミニマリストデザインの家屋に合わせて、シンプルでスタイリッシュな欄間障子を選ぶことで、伝統と現代性を融合させることができます。以下のようなアプローチが考えられます。

・幾何学的なデザインの組子欄間を採用する

・モノトーンカラーの障子紙を使用する

・金属製の現代的な欄間を選択する

・ガラスと和紙を組み合わせた斬新なデザインを取り入れる

これらの質問と回答は、欄間障子に関する一般的な疑問をカバーしています。ただし、具体的な状況や個別の案件については、専門家に相談することをおすすめします。欄間障子は日本の伝統的な建築要素ですが、現代の生活様式やデザイン傾向に合わせて進化を続けています。機能性と美しさを兼ね備えた欄間障子を選ぶことで、快適で魅力的な空間を創出することができるでしょう。

まとめ

欄間障子は、日本の伝統的な建築様式において重要な役割を果たす装飾要素です。和室の雰囲気を高め、柔らかな光を取り入れる効果があります。一方で、メンテナンスや断熱性などの課題もあります。欄間障子を選ぶ際は、その特徴やメリット・デメリットを十分に理解し、自宅の雰囲気や生活スタイルに合わせて検討することが大切です。また、欄間障子以外にも様々な欄間装飾があるので、好みや予算に応じて最適な選択をしましょう。伝統的な和の趣を大切にしつつ、現代の生活に調和した空間づくりを楽しんでいただければと思います。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

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    :渡辺知光

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