housemarriage

マンションの外廊下・内廊下の特徴やメリット・デメリットを解説

家づくりの基本

2024/11/27

2024/11/27

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

マンションの外廊下・内廊下の特徴やメリット・デメリットを解説

マンションを購入・賃貸する際に重要なポイントとなる「外廊下・内廊下」の違い。廊下の構造によって住み心地や快適性が大きく変わることから、物件選びの際には慎重に検討したい要素のひとつです。

そこで今回は、マンションの外廊下・内廊下それぞれの特徴やメリット・デメリット、向いている人の特徴などについて詳しく解説していきます。

マンションの外廊下・内廊下の特徴

外廊下の基本的な特徴

外廊下は、建物の外周に沿って廊下が設置された構造です。一般的に古い物件や中低価格帯のマンションでよく見られる形式で、以下のような特徴があります。

外廊下の外観的な特徴として、建物の片側に廊下が通っており、エレベーターや階段を降りてすぐに外気に触れる環境となっています。また、廊下側の窓からは、共用部分である廊下を通る人の姿が見えやすいという特徴があります。

構造的な特徴としては、建物の外周に廊下を設置することで、建築コストを抑えられる点が挙げられます。また、非常時の避難経路として外廊下を活用できることから、防災面でも利点があるとされています。

内廊下の基本的な特徴

内廊下は、建物の中央部分に廊下が配置された構造です。比較的新しい物件や高級マンションに多く採用されており、以下のような特徴が見られます。

内廊下の外観的な特徴として、建物の中心部に廊下があるため、外部からは廊下が見えにくい構造となっています。エレベーターを降りてから各住戸までの動線が建物内で完結するため、外気に触れることなく移動が可能です。

構造的な特徴としては、建物の中心部に廊下を配置することで、各住戸のプライバシーが保たれやすい設計となっています。また、廊下を挟んで両側に住戸を配置できるため、土地の有効活用が可能という特徴もあります。

共用部分の違いについて

外廊下と内廊下では、共用部分の使われ方にも大きな違いが見られます。外廊下の場合、廊下を物干し場として活用できる物件も多く見られますが、内廊下では一般的に共用部分での私物の設置は制限されています。

また、メンテナンス面でも違いがあり、外廊下は雨風の影響を直接受けるため、定期的な補修や清掃が必要となります。一方の内廊下は、外部からの影響を受けにくいものの、換気や採光に配慮が必要となります。

住戸の間取りへの影響

廊下の構造は、各住戸の間取りにも影響を与えます。外廊下の場合、廊下側の開口部が限られるため、そちらを水回りなどの設備スペースとして活用することが多くなっています。

内廊下の場合は、外周部分を自由に活用できるため、より柔軟な間取り設計が可能です。また、二面採光や三面採光を実現しやすいという特徴もあります。

防災・セキュリティ面での特徴

外廊下は、非常時の避難経路として活用できる一方で、不審者の侵入リスクも高くなる傾向があります。そのため、防犯カメラやセンサーライトなどの設備が重要となってきます。

内廊下は、建物内での動線が完結するため、セキュリティ面では有利とされています。ただし、火災時などの非常時には、避難経路が限定される可能性があることにも注意が必要です。

マンション外廊下のメリット・デメリット

外廊下マンションの主なメリット

外廊下マンションには、一般的に以下のようなメリットが挙げられます。物件選びの際の重要なポイントとなりますので、ご自身のライフスタイルに合わせて検討してみましょう。

通風・換気の良さは、外廊下の最大のメリットといえます。廊下側の窓を開けることで、住戸内に自然な風の流れを作りやすく、室内の空気を効率的に入れ替えることができます。特に、結露やカビの予防など、住戸内の衛生管理の面で大きな利点となっています。

建物の構造上、採光も確保しやすいという特徴があります。廊下側の窓からも光を取り入れることができ、住戸内を明るく保ちやすいでしょう。特に、朝日や夕日の光を効果的に取り入れられる場合は、季節の移ろいを感じられる住空間を演出できます。

価格面でも魅力があり、一般的に内廊下タイプと比べて建築コストを抑えられることから、購入価格や賃料が比較的抑えめになる傾向にあります。予算重視で物件を探している方にとっては、選択肢が広がるメリットがあります。

外廊下マンションの主なデメリット

一方で、外廊下マンションには以下のようなデメリットも存在します。これらの点も踏まえて、総合的に判断することが大切です。

プライバシーの確保が難しい点は、外廊下の最大のデメリットといえます。廊下を通行する人から室内が見えやすく、カーテンやブラインドなどの目隠し対策が必須となります。特に、1階や最上階の住戸は、さらなるプライバシー対策が必要になる場合があります。

騒音問題も気になるポイントです。廊下を通行する人の足音や、お子さんが廊下で遊ぶ際の声、ペットの鳴き声なども聞こえやすくなります。また、エレベーターの動作音や、階段の上り下りの音なども、生活音として気になる場合があります。

気候の影響を受けやすいことも、デメリットのひとつです。特に以下のような影響が考えられます:

季節による影響と対策

夏季は、直射日光により廊下が熱くなり、室温上昇の原因となる場合があります。また、廊下側の窓を開けづらい状況になると、せっかくの通風性を活かせない可能性もあります。

冬季は、廊下からの冷気が室内に入りやすく、暖房効率が低下する傾向にあります。特に、廊下側の窓や玄関周りからの冷気の侵入は、光熱費の上昇にもつながりかねません。

住戸の位置による影響

角部屋の場合、外廊下の特性がより顕著に表れます。通風や採光の面ではメリットが大きくなりますが、一方で気候の影響も受けやすくなる傾向があります。

最上階の住戸は、日照や通風の面で有利ですが、雨天時の音が気になりやすく、また夏場は暑さの影響を受けやすいという特徴があります。

メンテナンス面での考慮点

外廊下は建物の外部に位置するため、定期的なメンテナンスが必要となります。特に、雨風による劣化や、積雪地域での除雪作業など、管理組合による適切な維持管理が重要になってきます。

また、廊下側の窓の清掃や、サッシのメンテナンスなど、居住者自身による日常的な手入れも必要となってきます。これらの維持管理コストは、長期的な視点で考慮する必要があります。

マンション内廊下のメリット・デメリット

内廊下マンションの主なメリット

内廊下マンションには、以下のような特徴的なメリットがあります。特にプライバシーや快適性を重視する方にとって、魅力的な要素となっています。

プライバシーの確保は、内廊下の最大のメリットといえます。廊下が建物の内部にあるため、外部からの視線を気にすることなく生活できます。また、廊下を通行する人からも室内が見えにくい構造となっているため、より落ち着いた住空間を実現できます。

天候の影響を受けにくい点も大きな特徴です。雨や風、直射日光の影響を受けにくく、年間を通して快適な室内環境を保ちやすいといえます。特に、以下のような利点が挙げられます:

防音性能が高いことも重要な利点です。廊下が建物の内部にあることで、外部からの騒音が軽減されるほか、廊下を通行する人の足音なども緩和されます。また、エレベーターの動作音なども、外廊下に比べて気になりにくい傾向にあります。

室内環境の安定性

空調効率が良好な点も見逃せません。廊下が建物内部にあることで、外気による影響が少なく、冷暖房の効きが安定します。これにより、光熱費の削減にもつながる可能性があります。

結露やカビの発生リスクも、外廊下に比べて低くなる傾向にあります。これは、廊下側の壁面が外気に直接触れないことで、温度差による結露が起きにくいためです。

内廊下マンションの主なデメリット

一方で、内廊下マンションには以下のようなデメリットも存在します。物件選びの際は、これらの点も考慮に入れる必要があります。

通風・換気面での課題は、内廊下の最大のデメリットといえます。廊下側に窓を設置できないため、住戸内の空気の入れ替えがやや難しくなります。特に、以下のような状況で影響が出やすくなります:

建築コストが高くなりやすい点も、重要な検討事項です。内廊下の構造上、建物全体の面積に対する共用部分の割合が大きくなるため、一般的に建築費用が増加する傾向にあります。これは、購入価格や賃料にも反映される可能性があります。

住戸プランの制約

間取りの自由度が制限される場合があります。内廊下側のスペースは限られており、そこに玄関や水回りなどの設備を効率的に配置する必要があります。このため、理想とする間取りが実現できない可能性もあります。

採光面でも制約が生じることがあります。特に、廊下側に面した部屋は自然光が入りにくく、照明に頼る時間が長くなる傾向があります。

防災面での考慮点

非常時の避難経路が限定される点は、注意が必要です。内廊下は建物内部にあるため、火災時などの緊急時には、避難経路が制限される可能性があります。そのため、以下のような対策が重要となります:

また、停電時の対応も考慮が必要です。内廊下は自然光が入りにくいため、非常用照明の設置や、懐中電灯の常備などの備えが必要となります。

共用部分の管理

内廊下の清掃やメンテナンスには、独自の配慮が必要です。特に換気や照明の管理は重要で、これらは管理費にも影響を与える要因となります。

また、内廊下は住民同士の接触機会が増える空間でもあるため、コミュニティルールの設定や遵守が重要になってきます。特に、私物の放置や、過度な生活音への配慮などが求められます。

マンションの外廊下・内廊下、それぞれ向いている人の特徴

外廊下マンションに向いている人の特徴

自然を重視する方には、外廊下マンションがおすすめです。風通しの良さや日当たりを活かした生活を楽しみたい方、ベランダでガーデニングを楽しみたい方などに適しています。

コストパフォーマンスを重視する方にも外廊下がおすすめです。一般的に内廊下タイプより価格が抑えめなため、予算内で広めの住戸を希望する方や、住宅ローンの負担を抑えたい方に向いています。

ペットを飼っている方や、これから飼うことを検討している方にも外廊下が適しています。通風の良さは臭いの問題を軽減でき、また廊下を散歩コースとして活用できる場合もあります。

外廊下マンションに向いていない人の特徴

プライバシーを特に重視する方には、外廊下は向いていない可能性があります。人の視線を気にする方や、カーテンを開けて過ごすことが多い方は、内廊下を検討することをおすすめします。

防音性を重視する方も、外廊下は苦手かもしれません。廊下を通る人の足音や話し声が気になる方や、在宅ワークで静かな環境が必要な方は、内廊下の方が適している場合があります。

内廊下マンションに向いている人の特徴

プライベート空間を大切にしたい方には、内廊下マンションが適しています。他人の目を気にせずリラックスした生活を送りたい方や、セキュリティを重視する方におすすめです。

高級感のある住環境を求める方にも内廊下が向いています。一般的に内廊下マンションは、建物の品質や管理体制が充実している傾向があり、より快適な住環境を望む方に適しています。

静かな環境で暮らしたい方にも内廊下がおすすめです。外部からの騒音が軽減されるため、集中して作業をしたい方や、小さなお子さんのいる家庭にも適しています。

内廊下マンションに向いていない人の特徴

通風や採光を特に重視する方には、内廊下は向いていない可能性があります。自然の風や光を十分に取り入れたい方や、洗濯物を外干ししたい方は、外廊下を検討することをおすすめします。

価格を重視する方にとっても、内廊下は選択しづらい場合があります。建築コストが高くなる傾向があるため、予算に余裕がない方は、外廊下タイプも視野に入れる必要があります。

ライフスタイルごとの選び方

共働き世帯の場合、帰宅時間が遅くなりがちなため、内廊下の防犯性の高さが魅力となります。また、内廊下は管理体制が整っていることが多く、留守がちな生活でも安心です。

子育て世帯の場合は、両タイプにそれぞれメリットがあります。外廊下は子どもの外遊びの様子が確認しやすく、内廊下は防音性が高いため、お子さんの声が他の住戸に伝わりにくいという特徴があります。

物件選びのポイント

外廊下・内廊下どちらを選ぶにしても、実際の生活をイメージしながら検討することが大切です。可能であれば、実際に内見をして、廊下の様子や住戸内の雰囲気を確認することをおすすめします。

また、管理体制や修繕計画なども重要な判断材料となります。特に築年数が経過している物件の場合、廊下部分の補修や設備の更新なども考慮に入れる必要があります。

よくある質問

マンションの外廊下・内廊下に関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。物件選びの参考にしてください。

価格・費用に関する質問

Q. 外廊下と内廊下では、どちらが一般的に価格が安いですか?

A. 一般的に外廊下タイプの方が建築コストを抑えられるため、価格が安くなる傾向にあります。内廊下は共用部分の面積が大きくなり、設備も充実している分、建築コストが高くなりやすいです。

Q. 管理費は外廊下と内廊下でどちらが高くなりますか?

A. 一般的に内廊下の方が管理費は高くなりやすいです。内廊下は共用部分の照明や空調などの設備が多く、それらの維持管理費用が必要となるためです。

住環境に関する質問

Q. 内廊下は本当にプライバシーが保たれますか?

A. 外廊下に比べて格段にプライバシーは保たれますが、完全なプライバシーを確保するには、さらにカーテンなどの対策が必要な場合もあります。特に玄関付近は、必要に応じて目隠しの工夫をすることをおすすめします。

Q. 外廊下は本当に寒いのですか?

A. 外廊下は外気の影響を直接受けるため、寒冷地や冬季は廊下側が冷えやすい傾向にあります。ただし、最近の物件では断熱性能が向上しており、以前ほど寒さを感じることは少なくなっています。

防犯・安全性に関する質問

Q. 防犯面では内廊下と外廊下どちらが安全ですか?

A. 一般的に内廊下の方が防犯面では有利とされています。建物内での動線が完結するため、不審者の侵入リスクが低くなります。ただし、外廊下でも防犯カメラの設置など、適切な対策がとられている物件も多くあります。

Q. 災害時の避難は外廊下と内廊下でどちらが有利ですか?

A. 火災などの災害時は、一般的に外廊下の方が避難がしやすいとされています。ただし、どちらのタイプでも、日頃から避難経路を確認し、非常時の対応を把握しておくことが重要です。

設備・使用に関する質問

Q. 外廊下で物干しは可能ですか?

A. マンションの規約によって異なります。外廊下での物干しを認めている物件もありますが、禁止している場合も多いため、事前に確認が必要です。

Q. 内廊下は換気が悪いという話を聞きましたが本当ですか?

A. 構造上、外廊下に比べて通風は制限されます。ただし、24時間換気システムの設置など、適切な設備が整っている物件も多く、必ずしも換気が悪いというわけではありません。

住み心地に関する質問

Q. 外廊下は本当に騒音が気になりますか?

A. 廊下を通る人の足音や話し声は聞こえやすい傾向にありますが、最近の物件では防音対策が施されているものも多く、物件によって大きな差があります。内見時に実際の音環境を確認することをおすすめします。

Q. 内廊下は圧迫感がありますか?

A. 物件によって異なりますが、天井が高く、適度な明るさが確保されている内廊下では、さほど圧迫感を感じることは少ないです。ただし、実際に内見して確認することをおすすめします。

まとめ

マンションの外廊下・内廊下は、それぞれに特徴があり、一概にどちらが良いとは言えません。ご自身のライフスタイルや優先したい点を考慮しながら、納得のいく選択をすることが大切です。

特に、プライバシーを重視するか通風や採光を重視するかという点は、生活の質に大きく関わってきます。物件見学の際は、実際に廊下を歩いてみたり、室内の様子を確認したりするなど、慎重に検討することをおすすめします。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

サービスについて
詳しく知りたい方はこちら

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

    :地下鉄日比谷線都営浅草線東銀座駅より徒歩3分

housemarriage(住宅営業担当者とのマッチングサービス)についてご紹介します