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マンション・一戸建てで可能な防音対策「防音・遮音シート編」

家づくりの基本

2024/12/27

2024/12/27

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

マンション・一戸建てで可能な防音対策「防音・遮音シート編」

近年、マンションや一戸建ての防音対策として注目を集めている防音・遮音シート。上下階や隣室からの生活音を軽減する効果が期待できる防音材として、DIYでも取り入れやすい特徴があります。今回の記事では、防音・遮音シートの基本的な性能や効果、選び方のポイント、そして具体的な取り付け方法についてまとめてみました。

防音・遮音シートの防音性能や効果

防音・遮音シートの防音性能や効果について、詳しく見ていきましょう。一般的な防音・遮音シートでは、音の種類や使用環境によって10〜20デシベル程度の遮音効果が期待できます。

音の種類による効果の違い

防音・遮音シートは、主に以下の音に対して効果を発揮します。重量床衝撃音(子供の飛び跳ねる音、歩行音など)に対しては、シートの重量と厚みによって振動を吸収することで15デシベル程度の低減効果が期待できます。軽量床衝撃音(食器の落下音、家具の引きずり音など)については、最大で20デシベル程度の遮音性能を発揮します。

設置場所による効果の違い

床への設置の場合、上階からの衝撃音を軽減する効果が高く、特にフローリングの下に敷設することで効果的です。壁面への設置では、隣室からの会話や音楽などの空気伝播音に対して10〜15デシベル程度の遮音効果が期待できます。天井への設置は、下階への生活音の伝わりを抑制する効果があります。

素材による効果の違い

防音・遮音シートの素材は、大きく分けて高分子ポリマー系、ゴム系、複合材系の3種類があります。高分子ポリマー系は軽量で施工性に優れ、中〜高周波数帯域の音に効果的です。ゴム系は重量床衝撃音に強く、特に低周波数帯域の振動を効果的に抑制します。複合材系は、両者の特徴を併せ持ち、幅広い周波数帯域に対応できます。

期待できる具体的な効果

日常生活における具体的な効果としては、上階からの子供の走り回る音が半分程度に低減したり、隣室からのテレビの音が気にならなくなったりといった効果が報告されています。ただし、完全に音を遮断することは難しく、あくまでも音を軽減する効果と考えるのが適切です。

効果を最大限に引き出すためのポイント

防音・遮音シートの効果を最大限に引き出すためには、適切な施工が不可欠です。特に継ぎ目の処理や端部の処理を丁寧に行うことで、期待される遮音性能を発揮することができます。また、他の防音材と組み合わせることで、より高い効果を得ることも可能です。

効果の持続性について

防音・遮音シートの効果は、適切に施工され、過度な負荷がかからない場合、一般的に5〜10年程度持続します。ただし、頻繁な歩行や重い家具の設置などにより、徐々に性能が低下することがあります。定期的な点検と、必要に応じたメンテナンスを行うことで、長期的な効果を維持することができます。

防音・遮音シートの選び方

防音・遮音シートを選ぶ際は、使用目的や環境に合わせて適切な製品を選択することが重要です。ここでは、選び方のポイントについて詳しく解説していきます。

遮音性能による選び方

まずは遮音性能を示す遮音等級(T値)をチェックしましょう。T-1からT-5まであり、数値が大きいほど高い遮音性能を持ちます。一般的な住宅用途であればT-2〜T-3クラスの製品で十分な効果が期待できます。特に防音に気を使いたい場合は、T-4以上の製品を検討するとよいでしょう。

素材による選び方

防音・遮音シートの素材は、使用目的によって選び分けることをおすすめします。高分子ポリマー系は施工性に優れ、軽量なため天井や壁への設置に適しています。ゴム系は重量床衝撃音への効果が高く、床への設置に最適です。複合材系は価格は高めですが、総合的な遮音性能に優れています。

厚みと重さによる選び方

厚みは一般的に1mm〜10mm程度の製品が主流です。床に設置する場合は3mm以上の製品を選ぶことをおすすめします。ただし、ドアの開閉に支障が出る可能性もあるため、設置場所の状況に応じて適切な厚みを選びましょう。重さについても、床の耐荷重を考慮して選択する必要があります。

施工性による選び方

DIYで施工する場合は、特に施工のしやすさを重視して選びましょう。両面テープタイプは比較的簡単に設置できますが、接着剤タイプに比べると耐久性に劣ります。また、カットのしやすさや重さも考慮に入れる必要があります。施工の手間を考えると、適度なサイズにカットされた製品を選ぶのもひとつの方法です。

価格帯による選び方

価格は1平方メートルあたり数千円から2万円程度まで幅広く存在します。一般的な住宅用途であれば、5千円から1万円程度の製品がコストパフォーマンスに優れています。ただし、安価すぎる製品は期待する効果が得られない可能性があるため、ある程度の予算は確保しておくことをおすすめします。

メーカーによる選び方

信頼できるメーカーの製品を選ぶことも重要です。施工実績が豊富で、製品保証がしっかりしているメーカーを選びましょう。また、製品の技術サポートが充実しているかどうかも確認しておくとよいでしょう。施工後のアフターフォローも考慮に入れて選択することをおすすめします。

使用環境による選び方

設置する場所の環境によっても、選ぶべき製品は異なってきます。水回りに設置する場合は防水性能のある製品を、直射日光の当たる場所では耐候性の高い製品を選ぶなど、使用環境に応じた適切な製品選びが重要です。また、火災時の安全性を考慮し、防炎性能を持つ製品を選ぶことも検討しましょう。

防音・遮音シートの取り付け方

防音・遮音シートの取り付けは、適切な手順と丁寧な作業が効果を大きく左右します。ここでは、効果的な取り付け方法について詳しく解説していきます。

取り付け前の準備

まずは施工前の準備として、以下の作業を行います。設置面の清掃を入念に行い、ゴミや埃を完全に除去します。凹凸がある場合は、パテ材などで平滑に補修しておきましょう。また、コンセントやスイッチなどの周辺は、カバーを外して作業できるよう準備します。使用する工具や材料をあらかじめ揃えておくことも重要です。

必要な工具と材料

基本的な工具として、カッターナイフ、メジャー、定規、ハサミ、ヘラ、ローラーなどが必要です。材料については、防音・遮音シートの他に、専用の接着剤や両面テープ、継ぎ目用のテープなどを用意します。また、養生テープや保護手袋なども準備しておくと作業がスムーズに進みます。

床への取り付け手順

床への取り付けは、部屋の端から開始します。まずシートを仮敷きして、部屋の形状に合わせてカットします。その後、専用接着剤を塗布するか、両面テープを貼り付けて固定していきます。継ぎ目は必ず密着させ、専用テープで補強することが重要です。また、巾木との取り合い部分は、隙間が生じないよう慎重に処理します。

壁面への取り付け手順

壁面への取り付けは、天井から床に向かって作業を進めます。シートのたるみや気泡が発生しないよう、上から順に慎重に貼り付けていきます。コンセントボックス周りは、シートを十字にカットして折り込み、隙間が生じないように処理します。継ぎ目は床と同様に、専用テープでしっかりと補強します。

天井への取り付け手順

天井への取り付けは最も作業が難しく、できれば2人以上で行うことをおすすめします。照明器具やダウンライトの周りは、専用のカバーを使用するなど、適切な処理が必要です。また、重力の影響で剥がれやすいため、接着剤と固定具を併用するなど、より確実な固定方法を選択しましょう。

取り付け後の注意点

施工完了後は、24時間程度は重いものを置いたり、強い衝撃を与えたりすることを避けます。また、接着剤を使用した場合は、完全に硬化するまでの間、室内の換気を十分に行うようにしましょう。定期的に継ぎ目や端部の状態を確認し、必要に応じてメンテナンスを行うことで、長期的な効果を維持することができます。

よくある施工ミスと対策

施工時によくある失敗として、継ぎ目の処理が不十分な場合や、接着剤の塗布ムラによる浮きなどが挙げられます。これらを防ぐために、作業は慎重に行い、各工程でしっかりと確認することが重要です。また、気泡が発生した場合は、中心から外側に向かってローラーで押し出すなど、適切な対処を行いましょう。

よくある質問(Q&A)

防音・遮音シートについて、お客様からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。設置を検討されている方の不安や疑問の解消にお役立てください。

基本的な質問

Q:防音・遮音シートは賃貸住宅でも使用できますか?

A:基本的に使用は可能ですが、必ず事前に管理会社や大家さんに確認を取るようにしましょう。特に接着剤を使用する場合は、撤去時の原状回復についても相談しておくことが重要です。

Q:防音・遮音シートの耐用年数はどのくらいですか?

A:適切に施工され、過度な負荷がかからない場合、一般的に5〜10年程度の効果持続が期待できます。ただし、日常的な振動や熱、湿気などの影響で徐々に性能が低下することがあります。

効果に関する質問

Q:本当に効果はありますか?

A:適切な製品選択と施工を行えば、10〜20デシベル程度の遮音効果が期待できます。ただし、完全に音を遮断することは難しく、音を軽減する効果と考えるのが適切です。

Q:どのくらいの時間で効果を実感できますか?

A:設置直後から効果を感じることができます。特に上階からの重量床衝撃音や、隣室からの生活音については、設置後すぐに効果を実感できる方が多いようです。

施工に関する質問

Q:DIYでの施工は可能ですか?

A:基本的な工具があれば、DIYでの施工も可能です。ただし、確実な効果を得るためには、専門業者への依頼をおすすめします。特に天井への施工は難易度が高いため、専門家に相談することをお勧めします。

Q:施工にかかる時間はどのくらいですか?

A:6畳程度の部屋で、床面のみの施工の場合、DIYで半日から1日程度かかります。壁面や天井も含める場合は、2〜3日程度の作業時間を見込んでおく必要があります。

メンテナンスに関する質問

Q:日常的なお手入れは必要ですか?

A:特別な日常メンテナンスは必要ありませんが、定期的に継ぎ目や端部の状態を確認し、剥がれや浮きが見られた場合は補修することをおすすめします。また、表面の清掃は柔らかい布での軽い拭き掃除程度にとどめましょう。

Q:貼り替えの目安はありますか?

A:明確な貼り替え時期の目安はありませんが、効果が感じられなくなってきた場合や、表面の劣化が目立ってきた場合が貼り替えのタイミングとなります。一般的には5〜10年程度で検討することをおすすめします。

コストに関する質問

Q:費用の相場はどのくらいですか?

A:材料費は1平方メートルあたり5千円から1万円程度が一般的です。施工を業者に依頼する場合は、6畳の部屋で床のみの施工で15万円前後、壁や天井も含めると30万円前後が相場となります。

Q:分割施工は可能ですか?

A:可能です。まずは騒音が気になる場所から始めて、徐々に範囲を広げていく方法もおすすめです。ただし、継ぎ目の処理が重要となるため、計画的な施工を心がけましょう。

まとめ

防音・遮音シートは、比較的手軽に導入できる防音対策材として人気があります。効果を最大限に引き出すためには、設置する場所や目的に応じた適切な製品選びと、丁寧な施工が重要です。まずは小さな範囲から試してみて、効果を確認しながら範囲を広げていくことをおすすめします。この記事が、あなたの快適な住環境づくりの参考になれば幸いです。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

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    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

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    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

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