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ハザードマップの概要や見方、詳しい読み解き方について解説

家づくりの基本

2024/12/27

2024/12/27

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

ハザードマップの概要や見方、詳しい読み解き方について解説

災害から身を守るために欠かせないハザードマップ。本記事では、ハザードマップの基本的な概要から具体的な見方・使い方まで、詳しく解説します。いざという時のために、ご家族でハザードマップの確認を行いましょう。

ハザードマップとは:基本的な知識

ハザードマップは、「災害予測地図」や「防災地図」とも呼ばれ、自然災害による被害を予測し、その被害範囲や避難経路、避難施設などの情報を地図上に示したものです。地域住民の防災意識向上と、災害時の迅速な避難行動を支援することを目的としています。

ハザードマップの種類

災害の種類に応じて、様々なハザードマップが作成されています。主な種類には、洪水ハザードマップ、土砂災害ハザードマップ、津波ハザードマップ、火山ハザードマップなどがあります。近年では、複数の災害リスクを1枚の地図に重ねて表示する総合ハザードマップも作成されています。

法的根拠と作成義務

水防法や土砂災害防止法などの法律により、市区町村には特定の災害についてハザードマップの作成と住民への周知が義務付けられています。特に洪水ハザードマップは、浸水想定区域内の市町村に作成が義務付けられており、定期的な更新も必要とされています。

ハザードマップに記載される主な情報

ハザードマップには、想定される被害の範囲や程度、避難所や避難場所の位置、避難経路、危険箇所、病院や警察署などの公共施設の場所、連絡先や緊急時の注意事項などが記載されています。これらの情報は、地域の特性や想定される災害の種類に応じて、適切に選択され掲載されています。

ハザードマップの重要性

ハザードマップは単なる地図ではなく、防災・減災のための重要なツールです。日常的に確認し、家族で話し合うことで、災害時の適切な判断と行動につながります。また、土地利用や建築計画を立てる際の参考資料としても活用されています。

デジタル化の進展

従来の紙媒体のハザードマップに加えて、スマートフォンやタブレットで閲覧できるデジタルハザードマップの整備も進んでいます。位置情報と連動した表示や、リアルタイムの気象情報との組み合わせなど、より使いやすく実用的な機能が実装されています。

限界と注意点

ハザードマップは想定に基づいて作成されているため、実際の災害はこの想定を超える可能性があります。また、災害の規模や発生場所によっては、示されている避難経路が使えない場合もあります。ハザードマップは参考情報の一つとして捉え、実際の状況に応じて柔軟に判断することが重要です。

ハザードマップは、地域の災害リスクを理解し、適切な避難行動につなげるための重要な防災ツールです。定期的な確認と更新、家族での共有、そして実際の避難訓練との組み合わせにより、その効果を最大限に活用することができます。

ハザードマップの見方と詳しい読み解き方

災害から身を守るために重要なハザードマップですが、正しく理解して活用することが大切です。ここでは、ハザードマップの具体的な見方や読み解き方について解説します。

色分けの意味を理解する

ハザードマップでは、災害の種類や危険度によって色分けが行われています。洪水ハザードマップの場合、浸水の深さによって色が異なり、濃い青色ほど浸水深が深いことを示します。例えば、5m以上の浸水が予想される区域は紫色、3m~5mは濃い青、0.5m~3mは水色というように表示されます。土砂災害の場合は、警戒区域が黄色、特別警戒区域が赤色で示されることが一般的です。

避難施設の種類と記号

避難施設は目的や機能によって異なる記号で表示されています。指定緊急避難場所(災害の危険から一時的に避難する場所)、指定避難所(避難生活を送るための施設)、福祉避難所(高齢者や障害者などが避難する施設)などが区別して表示されています。また、それぞれの避難所が対応している災害種別も確認することができます。

避難経路の確認方法

避難経路は通常、太い矢印や線で示されています。ただし、示された経路が災害時に使用できない可能性もあるため、複数の避難経路を確認しておくことが重要です。また、地域によっては、土砂災害の危険箇所や冠水しやすい場所なども表示されているため、それらを避けた経路を検討する必要があります。

地域特有の災害リスクの把握

地形や地域特性に応じた災害リスクが示されています。例えば、急傾斜地の崩壊危険箇所、地滑り危険箇所、土石流危険渓流などが表示されている場合があります。これらの情報は、その地域特有の災害リスクを理解する上で重要な指標となります。

凡例の確認ポイント

ハザードマップの凡例には、色や記号の意味だけでなく、想定される災害の規模や発生頻度などの重要な情報も記載されています。また、避難情報の種類や避難時の注意事項なども記載されているため、これらの情報も丁寧に確認することが大切です。

使用上の注意事項

ハザードマップには、作成時点での予測や想定が反映されています。気象条件や地形の変化により、実際の災害は想定と異なる可能性があることを理解しておく必要があります。また、避難時には気象情報や避難情報と併せて総合的に判断することが重要です。

地域固有の情報

地域によって異なる避難のルールや連絡先、地域の防災施設の場所なども記載されています。特に、避難所の開設・運営方法、地域の防災組織の連絡先、災害時の情報伝達手段などは、地域ごとに確認しておくことが重要です。

ハザードマップの効果的な活用には、色分けや記号の意味を理解するだけでなく、地域特有の災害リスクや避難のルールも把握することが重要です。定期的に家族で確認し、実際の避難経路を歩いてみるなど、実践的な理解を深めることで、いざという時の適切な避難行動につながります。

国交省のハザードマップポータルサイトの活用方法

国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」は、全国の災害リスク情報や避難施設等の情報をワンストップで閲覧できる総合的な防災情報サイトです。住所検索から3D表示まで、様々な機能を備えた使いやすいプラットフォームとなっています。

ポータルサイトの主要機能

「重ねるハザードマップ」では、災害リスク情報を地図上に重ねて表示することができ、洪水や土砂災害、地震などの様々な災害リスクを一度に確認できます。「わがまちハザードマップ」では、市区町村が作成したハザードマップをPDF形式で閲覧・ダウンロードすることができます。

地点別の詳細な災害リスク情報

地図上で任意の地点をクリックすると、その場所における想定浸水深や土砂災害警戒区域などの情報が詳しく表示されます。また、その地点の標高データや過去の災害履歴なども確認することができ、より具体的な防災対策の検討に役立ちます。

3D表示機能の特徴

浸水想定区域を3Dで表示する機能により、立体的に浸水の深さを把握することができます。これにより、より直感的に災害リスクを理解することが可能となり、避難計画の検討や防災意識の向上に効果的です。

スマートフォン対応と位置情報連動

スマートフォンでも快適に閲覧できるよう最適化されており、GPSと連動して現在地周辺の災害リスク情報をすぐに確認することができます。また、避難所までのルート検索なども可能で、実際の避難行動の支援ツールとしても活用できます。

活用のポイント

日常的な確認はもちろん、災害時の避難行動の判断材料として活用することが重要です。また、土地の購入や建物の建築時にも、その場所の災害リスクを確認するツールとして有効です。ただし、情報は定期的に更新されるため、最新の情報を確認する習慣をつけることが大切です。

データの更新と信頼性

掲載されている情報は、国や地方公共団体が作成した信頼性の高いデータに基づいています。各種データは定期的に更新され、より精度の高い想定に基づいた情報に更新されていきます。特に、大規模な災害後には、その教訓を踏まえた見直しが行われることがあります。

国交省のハザードマップポータルサイトは、誰でも簡単に災害リスク情報にアクセスできる重要なプラットフォームです。日頃から活用し、地域の災害リスクを理解することで、より効果的な防災・減災対策につなげることができます。定期的なチェックと、家族や地域での情報共有を心がけましょう。

ハザードマップに関するよくある質問(Q&A)

ハザードマップの利用や理解を深めるため、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。実践的な防災・減災活動に役立つ情報を、Q&A形式で詳しく解説します。

基本的な質問

Q:ハザードマップはどこで入手できますか?

A:お住まいの市区町村役所や出張所で入手できます。また、各自治体のホームページや国土交通省のハザードマップポータルサイトでも確認できます。スマートフォンアプリでも閲覧可能な自治体が増えています。

Q:ハザードマップは最新のものですか?

A:災害の想定や避難所の位置などは変更される可能性があるため、定期的な更新が行われています。最新版は自治体のホームページで確認することをお勧めします。特に大きな災害が発生した後には、想定が見直されることがあります。

災害リスクに関する質問

Q:ハザードマップに示されていない場所は安全なのですか?

A:ハザードマップは想定される最大規模の災害を基に作成されていますが、想定を超える災害が発生する可能性もあります。示されていない場所でも油断は禁物です。常に最新の気象情報や避難情報に注意を払う必要があります。

Q:複数の災害リスクが重なっている場所に住んでいますが、どうすれば良いですか?

A:複数の災害リスクがある地域では、災害の種類に応じた避難計画を立てることが重要です。また、避難所が災害によって使用できない可能性もあるため、複数の避難先を確保しておくことをお勧めします。

避難に関する質問

Q:ハザードマップに示されている避難所まで遠いのですが、必ずそこまで行く必要がありますか?

A:必ずしもハザードマップに示された避難所に行く必要はありません。安全が確保できる親戚や知人宅への避難も有効な選択肢です。ただし、避難先は事前に決めておき、家族で共有しておくことが重要です。

Q:夜間や悪天候時の避難はどうすれば良いですか?

A:夜間や悪天候時の避難は危険を伴うため、避難勧告等が出された場合は、空が明るいうちに早めの避難を心がけましょう。また、日頃から避難経路を歩いて確認し、危険箇所を把握しておくことが大切です。

デジタル版に関する質問

Q:スマートフォンでハザードマップを見るメリットは何ですか?

A:現在地の表示や避難所までのナビゲーション機能、リアルタイムの気象情報との連携など、紙の地図にはない便利な機能があります。また、いつでもどこでも最新の情報にアクセスできる点も大きなメリットです。

Q:紙の地図とデジタル版、どちらを使うべきですか?

A:両方を併用することをお勧めします。停電時でも使える紙の地図と、詳細な情報にアクセスできるデジタル版、それぞれの特徴を活かした使い方が効果的です。

更新・変更に関する質問

Q:ハザードマップはどのくらいの頻度で更新されますか?

A:法令改正や新たな災害想定、地域の開発状況などに応じて更新されます。特に大きな災害が発生した地域では、その教訓を踏まえた見直しが行われることがあります。定期的に最新版の確認をすることをお勧めします。

ハザードマップは防災・減災のための重要なツールですが、それだけに頼るのではなく、実際の状況に応じた判断が必要です。日頃から家族で防災について話し合い、地域の特性を理解した上で、適切な避難行動がとれるよう準備しておくことが大切です。

まとめ

ハザードマップは、私たちの命を守るための重要なツールです。日頃から家族で確認し、避難経路や避難場所を把握しておくことが大切です。また、スマートフォンなどでいつでも確認できるよう、デジタル版のハザードマップも活用しましょう。災害への備えは、「まさか」ではなく「もしも」という意識を持って行うことが重要です。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

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    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
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    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

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