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シロアリの注意点や駆除方法、予防策などのポイントを解説

家づくりの基本

2025/01/06

2025/01/06

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

シロアリの注意点や駆除方法、予防策などのポイントを解説

シロアリは住宅に深刻な被害をもたらす害虫です。日本では年間約3,000億円もの被害額が報告されており、早期発見と適切な対策が重要です。本記事では、シロアリの基礎知識から具体的な駆除方法、効果的な予防策まで詳しく解説します。

シロアリとは

シロアリは、体長約4〜5mmの社会性昆虫であり、アリと似ているように見えますが、実際にはゴキブリに近い昆虫です。日本において主に建物被害をもたらす種類は、イエシロアリとヤマトシロアリの2種類です。

シロアリの種類と特徴

イエシロアリは、主に関東以西の温暖な地域に生息し、地下深くに巣を作る地下シロアリです。体色は乳白色で、大規模なコロニーを形成し、被害範囲が広いのが特徴です。1つの巣には数十万匹から数百万匹ものシロアリが生息しています。

一方、ヤマトシロアリは日本全国に分布し、木材の中に直接巣を作る乾材シロアリです。体色は黒褐色で、コロニーの規模は数千匹程度とイエシロアリより小さいものの、木材を直接食害するため、発見が遅れると深刻な被害をもたらします。

シロアリの生態と役割分担

シロアリの群れには明確な階級制度があり、それぞれが特定の役割を担っています。女王アリは産卵を担当し、1日に数千個の卵を産むことができます。王アリは女王アリと交尾をする役割を持ちます。働きアリは巣の建設、餌の収集、卵や幼虫の世話を行い、兵隊アリは外敵から巣を守る防衛を担当します。

シロアリの活動と生息環境

シロアリは24時間休みなく活動し、特に温度が20〜30度で湿度が80%以上の環境を好みます。主な餌は木材のセルロースで、木材に含まれるセルロースを分解する特殊な腸内微生物を持っています。建物内では主に床下や土台部分に生息し、木材を食べながら巣を拡大していきます。

シロアリによる被害の特徴

シロアリは建物の構造材を内部から食い荒らすため、外観からは被害が見えにくいのが特徴です。特に木材の繊維に沿って食害を進めるため、被害が発見された時には既に深刻な状態になっていることが多くあります。年間を通じて活動を続けるため、放置すると被害は確実に拡大していきます。

生態系における役割

自然界においてシロアリは、枯れ木や倒木を分解し土壌に還す重要な役割を担っています。しかし、人工的な建造物に侵入した場合は深刻な害虫となり、建物の構造的な損傷を引き起こす可能性があります。

シロアリの注意点

シロアリによる建物被害は、早期発見と迅速な対応が重要です。被害が進行すると建物の構造安全性に関わる深刻な問題となり、修繕費用も高額になる可能性があります。以下に重要な注意点を詳しく解説します。

シロアリ被害の主な兆候

床を歩いた際の違和感は最も一般的な兆候です。具体的には、床の沈み込み、床鳴り、軋みなどの異常な音が発生します。また、壁や柱を叩いた時に空洞音がする場合も、内部で食害が進んでいる可能性が高いため注意が必要です。

建具(ドアや窓)の開閉不良も要注意サインです。建物の歪みによってドアや窓枠が変形し、スムーズに開閉できなくなることがあります。このような症状は、シロアリによる構造材の劣化が原因である可能性があります。

羽アリの発生と巣の形成

春から初夏にかけて発生する羽アリは、新しい巣を作るために飛び立つ生殖シロアリです。特に雨上がりの暖かい日の夕方に多く見られます。室内で羽アリを発見した場合、既に建物内に巣が形成されている可能性が高く、早急な調査が必要です。

蟻道(アリミチ)の発見

シロアリは光を嫌い、土でできたトンネル(蟻道)を作って移動します。この蟻道は基礎や土台、柱などに見られ、鉛筆程度の太さで茶色や灰色をしています。蟻道を発見した場合、活発なシロアリの活動の証拠となります。

木材の劣化状態

シロアリは木材の内部を食い荒らすため、外見は正常に見えても内部が空洞化していることがあります。ドライバーなどで木材を軽く突いてみて、簡単に刺さってしまう場合は、シロアリによる被害の可能性が高いです。

被害の進行度合いを見極めるポイント

建物の構造材における被害の進行度は、建物の安全性に直結します。床下点検口から確認できる範囲で、土台や大引、根太などの木材の状態を定期的にチェックすることが重要です。また、床下に湿気がこもっているような環境は、シロアリの活動を促進する要因となります。

見落としやすい場所の注意点

シロアリ被害は、普段目にすることの少ない床下や壁の中で進行することが多いため、定期的な専門家による点検が推奨されます。特に、水回りの周辺、日当たりの悪い場所、建物と地面が近い場所などは、シロアリの被害を受けやすい要注意箇所です。

経済的な影響

シロアリ被害を放置すると、修繕費用が著しく高額になる可能性があります。特に構造材の交換が必要になった場合、数百万円規模の費用が発生することも珍しくありません。そのため、早期発見・早期対応による被害の最小化が、経済的な観点からも重要です。

シロアリ被害の疑いがある場合は、すぐに専門家に相談し、適切な調査と対策を講じることが推奨されます。定期的な点検と予防措置を行うことで、大きな被害を未然に防ぐことができます。

シロアリの駆除方法

シロアリの駆除には、複数の方法が存在し、建物の状況や被害の程度によって最適な方法を選択する必要があります。専門業者による適切な駆除方法の選択と施工が、効果的な駆除の鍵となります。

土壌処理による駆除方法

土壌処理は、建物周囲の土壌に薬剤を注入して防護層を形成する方法です。地面から建物に侵入するシロアリを防ぐ効果があり、新築時の予防処理としても広く採用されています。薬剤の効果は通常5〜8年程度持続し、最も一般的な駆除方法の一つとして知られています。

ベイト工法による駆除

ベイト工法は、毒餌を設置してシロアリのコロニー全体を駆除する方法です。働きアリが毒餌を巣に持ち帰ることで、女王アリを含むコロニー全体に効果が及びます。効果の発現までに時間がかかりますが、確実にコロニーを駆除できる利点があります。

木部処理による駆除

木部処理は、被害を受けた木材や周辺の木材に直接薬剤を注入・塗布する方法です。即効性があり、特定の場所の被害に対して効果的です。ただし、木材内部まで薬剤を十分に浸透させる必要があるため、技術と経験が必要となります。

熱処理による駆除

熱処理は、シロアリの生息する木材を高温で加熱して駆除する方法です。薬剤を使用しないため環境への負荷が少なく、文化財などの貴重な建造物の処理にも適しています。ただし、設備投資が必要で、費用が比較的高額になる傾向があります。

化学的防除と物理的防除の組み合わせ

より確実な駆除効果を得るために、複数の駆除方法を組み合わせることも有効です。例えば、土壌処理とベイト工法を併用したり、木部処理と物理的なバリア設置を組み合わせたりする方法が採用されています。

駆除後のモニタリング

駆除処理後も定期的な点検とモニタリングが重要です。トラップを設置して活動の有無を確認したり、定期的な専門家による点検を行ったりすることで、再発を早期に発見することができます。

DIY駆除の限界と注意点

市販の駆除剤でのDIY対策も可能ですが、表面的な対処に留まり、根本的な解決には至らないことが多いです。また、不適切な薬剤使用は健康被害のリスクもあるため、原則として専門業者への依頼が推奨されます。

費用と保証について

駆除費用は建物の規模や被害状況によって大きく異なりますが、一般的な戸建て住宅で30万円から100万円程度が目安となります。多くの専門業者では施工後の保証期間を設けており、その間に再発した場合は無償で再処理を行うサービスを提供しています。

業者選択のポイント

駆除業者を選ぶ際は、実績や保証内容、アフターケアの充実度などを総合的に判断することが重要です。複数の業者から見積もりを取り、現地調査での説明内容や提案される駆除方法の適切性を比較検討することをお勧めします。

シロアリの予防策

シロアリ被害を未然に防ぐためには、適切な予防策と日常的なメンテナンスが重要です。建物の構造や環境に応じた効果的な予防対策を実施することで、シロアリの侵入や被害のリスクを大幅に低減できます。

湿気対策の重要性

シロアリは湿気の多い環境を好むため、建物の湿気対策が最も重要な予防策となります。床下換気口の確保や定期的な換気、結露の防止など、建物全体の通気性を良好に保つことが必要です。特に梅雨時期は湿度が上がりやすいため、より注意が必要です。

建物周辺の水はけ改善

建物周辺の排水環境を整えることも重要な予防策です。雨どいの定期的な清掃や補修、建物周辺の地面の傾斜調整、排水溝の清掃などを行い、雨水が建物に溜まらないようにします。特に、建物の基礎付近に水が溜まりやすい場所がある場合は、早急な改善が必要です。

定期的な点検と早期発見

年に2回程度の定期点検を行うことで、シロアリの兆候を早期に発見できます。特に春から夏にかけては羽アリの発生時期であり、注意深い観察が必要です。床下点検口からの目視確認や、建物周りの状態チェックを定期的に実施することが推奨されます。

新築時の防蟻処理

新築時には、建築基準法で定められた防蟻処理を確実に実施することが重要です。土壌処理や防蟻シートの設置、木材への防蟻処理など、複数の予防措置を組み合わせることで、より効果的な予防が可能になります。

既存住宅の予防処理

既存住宅でも、定期的な防蟻工事を実施することが推奨されます。5〜7年程度の間隔で専門業者による予防処理を行うことで、シロアリの侵入リスクを低減できます。特に築年数が古い建物や、過去にシロアリ被害があった建物では、より慎重な予防措置が必要です。

庭木や植栽の管理

建物周辺の庭木や植栽は、適切な間隔を保って配置し、定期的な剪定を行うことが重要です。特に、木の根が建物の基礎に近づきすぎないよう注意が必要です。また、落ち葉や枯れ枝は速やかに除去し、シロアリの餌となる有機物を減らすことが効果的です。

建材の選択と管理

木材を使用する際は、防腐・防蟻処理された材料を選択することが推奨されます。また、木材の含水率を適切に管理し、過度な湿気にさらされないよう注意が必要です。特に、地面に接する部分や水回りの木材は、より慎重な管理が求められます。

保険や保証の活用

シロアリ保険や、住宅メーカーによる保証プログラムを活用することも有効な予防策の一つです。定期点検サービスが付帯している場合も多く、専門家による継続的なモニタリングが可能になります。

予防コストの考え方

予防対策には一定のコストがかかりますが、シロアリ被害が発生した後の修繕費用と比較すると、はるかに経済的です。計画的な予防投資を行うことで、長期的な建物の維持管理コストを抑えることができます。

よくある質問(Q&A)

シロアリ対策について、多くの方が疑問や不安を抱えています。ここでは、特に問い合わせの多い質問とその回答を詳しく解説します。

発見・診断に関する質問

Q: シロアリがいるかどうかを自分で確認する方法はありますか?

A: 床下点検口から目視で確認できます。主なチェックポイントは、蟻道(茶色い土のトンネル)の有無、木材の変色や劣化、床の沈みや違和感、羽アリの発生などです。ただし、素人では見落としの可能性もあるため、定期的な専門家による点検をお勧めします。

Q: シロアリと普通のアリの違いは何ですか?

A: シロアリは体が乳白色で、胸部と腹部の間のくびれがなく、触角は真っすぐです。一方、普通のアリは黒や茶色で、胸部と腹部の間が細くくびれており、触角が折れ曲がっています。

費用に関する質問

Q: シロアリ駆除の費用相場はいくらですか?

A: 一般的な戸建て住宅で30万円から100万円程度です。建物の規模、被害の程度、選択する駆除方法によって費用は大きく変動します。また、保証期間や点検サービスの有無によっても価格が異なります。

Q: シロアリ保険はどのような補償がありますか?

A: 通常の火災保険では補償対象外ですが、特約として付帯できる場合があります。補償内容は保険会社によって異なりますが、一般的に駆除費用や修繕費用が対象となります。ただし、既存の被害は補償対象外となることが多いです。

施工に関する質問

Q: 駆除作業中も家に住めますか?

A: 多くの場合、居住しながらの施工が可能です。ただし、使用する薬剤や工法によって一時的な退去が必要な場合もあります。事前に業者と施工方法や所要時間について確認することをお勧めします。

Q: DIYでの駆除は効果がありますか?

A: 市販の駆除剤での対処は一時的な効果にとどまることが多く、根本的な解決には至りにくいです。また、不適切な薬剤使用は健康被害のリスクもあるため、専門業者への依頼が推奨されます。

予防・再発に関する質問

Q: 新築でもシロアリ対策は必要ですか?

A: はい、必要です。建築基準法でも防蟻処理が義務付けられています。新築時の予防処理は、将来的なシロアリ被害のリスクを大きく低減します。

Q: 駆除後の保証期間はどのくらいですか?

A: 一般的に5年から10年程度の保証が付きます。保証期間中は定期点検や再発時の無償処理などのサービスが含まれることが多いです。業者選びの際は、保証内容を詳しく確認することが重要です。

健康・環境に関する質問

Q: 駆除剤は人体に影響ありませんか?

A: 現在使用されている駆除剤は、人体への安全性が確認されたものです。ただし、施工直後は換気を十分に行う必要があります。特に小さなお子様やペットがいる家庭では、業者と相談の上で適切な薬剤を選択することが重要です。

Q: 環境に配慮した駆除方法はありますか?

A: ベイト工法や熱処理など、環境負荷の少ない駆除方法も開発されています。これらの方法は、従来の薬剤散布と比べて環境への影響が小さいとされています。具体的な方法については、専門業者に相談することをお勧めします。

まとめ

シロアリ被害は早期発見と適切な対策が重要です。定期的な点検と予防措置を行い、少しでも異常を感じたら専門家に相談することをお勧めします。適切な維持管理と予防策を講じることで、大切な住まいを長く守ることができます。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

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    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

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