注文住宅に言った言わないのトラブルはつきもの【回避するためのポイントを元営業マンが解説】
家づくりの基本
2023/05/02
2023/09/26
注文住宅を購入する際、打ち合わせや契約時に”言った言わない”で担当者との間にトラブルが発生したという事例は少なくありません。
昔営業マンだった私も「言った言わないトラブル」が発生したことあります。
そうなってしまった理由の背景として、担当者との情報共有があいまいなことや認識のズレが挙げられるでしょう。もし家の完成後にトラブルが起きてしまうと取り返しがつかなくなる恐れがあるため、事前に回避すべきポイントを知っておくことが大切です。
そこで、今回は注文住宅にまつわる”言った言わない”のトラブルの事例を含め、対策や対処法についてまとめてみました。
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目次
注文住宅における”言った言わない”のトラブル事例
注文住宅でのトラブル事例として、主に以下の3つが起こりやすいといわれています。
● 工期が遅れた
● 仕上がりと図面が違った
● 追加費用が必要になった
それぞれ見ていきましょう。
工期が遅れた
工期が遅れてしまう事例は多く見受けられるトラブルのひとつです。注文住宅の場合、工期は一般的に半年から1年半程度と長い期間を要することになります。
しかし、途中でトラブルが発生してしまうと、手直し工事や追加の工事が必要になるでしょう。そうなれば、工期が予定通りに進みません。
それに伴い、新居へ引越すタイミングに大きな影響を及ぼしてしまいます。たとえば、子どもの進級や賃貸の契約期間満了のタイミングなどに合わせて引越しを予定していた場合、仮住まいをするしかなくなるでしょう。そうなれば場所探しや費用の発生など、多くの手間やコストがかかってしまう恐れがあります。
仕上がりが図面と違った
注文住宅の場合、完成してみなければ実際の仕上がりが確認できないため、図面と完成後のイメージが違ったというケースも珍しくありません。
中でも、外観や内装に関するトラブルが多く見受けられます。その理由として、色味やデザインのイメージを正確に伝えるのが難しいことが挙げられるでしょう。
また、壁紙の張り間違えなども起こりがちなトラブルのひとつです。たとえば、壁と天井で壁紙を違うものにしたはずが、全て同じ壁紙になっていた事例などが該当します。
私が昔トラブルになったケースは、床材の色やキッチンの扉の色違いでした。
追加費用が必要になった
数あるトラブル事例の中でも特に困るのが、完成後に追加費用が発生するケースです。
特に設備など必要なものが揃っていなかったケースであれば、追加工事を依頼しなくてはなりません。そうなれば別途費用が請求されることになるでしょう。少額であれば問題ないものの、多額の場合は資金計画に狂いが生じる恐れがあります。
最近噂で聞く事例で、材料費が予想以上に高騰したので追加費用を請求されたというトラブルです。
建築会社は口頭で伝えたと主張したり、契約時の書類に追加請求に関する書類を貰ったけど説明を受けていないというケースです。
なぜ”言った言わない”のトラブルが発生するのか
注文住宅において、“言った言わない”のトラブルが発生してしまう理由として、主に以下の3つが挙げられます。
● 決めなければならない事項が多いから
● 打ち合わせの期間が長いから
● 口頭のみでやりとりしてしまったから
ひとつひとつ見ていきましょう。
決めなければならない事項が多いから
家づくりは決めなければならないことが多いうえ、それぞれの決定事項が細部に渡ります。また、途中で変更が生じるケースも珍しくありません。そのため、結果として決めたことを忘れてしまい、トラブル発生の原因になると考えられます。
壁紙や床材は数十~数百種類もありますし、キッチンや浴室だけでも決める項目は20以上あります。
打ち合わせの期間が長いから
注文住宅の打ち合わせに要する期間は、一般的に4~6ヵ月、長い場合は1年以上かかることもあります。
その間、打ち合わせを何度も行う必要があるため、その都度やりとりを明確に覚えておくことは難しいでしょう。
1回の打ち合わせ時間が長時間に及ぶことも多く集中力が落ちていくことも原因と言えます。
口頭のみでやりとりしてしまったから
上記のように、決めることが多いことに加えて打ち合わせ期間が長ければ、口頭のみでやりとりすることも多くなるでしょう。そうなればどちらが何を言ったか忘れてしまう可能性が高まります。結果として、決定事項があいまいとなってしまい、トラブルに発展するケースが多く見受けられます。
トラブルを回避するためのポイント
”言った言わない”のトラブルを回避するためには、以下の3つのポイントに気を付けることが大切です。
● 打ち合わせ時は記録をとる
● イメージを共有し合う
● 確認やコミュニケーションを積極的に行う
それぞれ見ていきましょう。
打ち合わせ時は記録をとる
打ち合わせの内容は記録を残すことが大切です。記録を残しておくことで、”言った言わない”のトラブルが起きたとしても困らずに済むでしょう。
また、記録を残す際は相手任せにするのではなく、自身でもメモを取るなどして双方で記録を取ることが大切です。メモを取る際に文書にして記録するのが最も好ましいですが、打ち合わせが重なれば重なるほど記録するのが大変になってくるかもしれません。その場合は、相手に許可を取ったうえでスマートフォンやボイスレコーダーなどを使用して録音しておくのもひとつの手です。
このように記録を残しておくことで、後でトラブルが発生した際に確認ができるほか、大事な証拠となります。
イメージを共有し合う
人はそれぞれ価値観が異なるため、言葉だけのやりとりではイメージしているものが一致するとは限りません。
また、色や形などは特に解釈が異なるともいわれています。そのため、写真などを使って正確にイメージを共有し合うように心がけましょう。また、近所に参考としたい住まいがあれば、担当者に実物を見てもらったうえで話を進めることができます。
確認やコミュニケーションを積極的に行う
疑問や不安に思っていることがある場合、その都度確認を怠らないようにしましょう。「こんなことを聞いて大丈夫かな、迷惑じゃないかな」と心配する方もいるかもしれませんが、疑問点を曖昧にしたまま放置してしまうと、取り返しのつかない事態を招く恐れが高まります。
そのため、常日頃から積極的にコミュニケーションを取り、気軽に質問ができる関係性を築くことが大切です。そうした積み重ねが、トラブルを回避することにも繋がるでしょう。また、ここで確認したことについても記録を残しておくことをおすすめします。
トラブルになりにくい業者・担当者の選び方は?
なるべくトラブルを発生しないようにするためには、信頼できる業者や担当者選びが大切です。以下の2つのポイントに注目しながら選ぶとよいでしょう。
● 対応が誠実であるかどうか
● 進捗状況について名確認説明してくれるか
ひとつひとつ見ていきましょう。
対応が誠実であるかどうか
家づくりをする上で、業者の対応が誠実であるかどうかは重要です。ただでさえ工期が長いことに加え、何度も打ち合わせ等で顔をあわせる機会があることから、信頼の置ける関係を築いておくようにしましょう。レスポンスが遅い、返答がないといった業者である場合は注意したほうが無難です。
特に契約後に豹変して流れ作業のように淡々と説明をしてくる担当者も少なくありません。説明がわかりにくいと双方の認識にズレが生じやすいだけでなく、場合によってはトラブルにも繋がりかねないでしょう。そのため、業者を選ぶ際は、きちんと顧客の立場に立って説明してくれるかどうかもあわせて判断することをおすすめします。
進捗状況について明確に説明してくれるか
今後のスケジュールや進捗状況など、大切なことをその都度連携してくれる担当者は信頼できます。家づくりが本格的に始まると忙しさから進捗の報告が疎かになるケースも少なくありません。事前にきちんと打ち合わせをしたうえで、定期的に進捗状況を報告してもらうようにしましょう。
契約前も同様に、今後のスケジュールや日程の説明はもちろん、親身に寄り添いながら現状を伝えてくれる担当者であれば安心して任せられるでしょう。
打合せ中に金額が増額しそうなときには概算でも伝えてくれる担当者は安心ですね。
トラブルが起きてしまった際の対処法
どんなに対策をしていてもトラブルが起きてしまうこともあるでしょう。ここではトラブルが起きてしまった際の対処法を2つ、お伝えします。
打ち合わせ記録を確認したうえで早急に相談する
トラブルに気付いた時点ですぐに担当者に相談するようにしましょう。というのも、時間が経ってからでは対応しにくくなってしまうからです。
また、相談する際は事前に打ち合わせ記録を確認しておくと話をスムーズに進められます。誰しもトラブルが発生すると冷静ではいられなくなるものですが、そういうときこそ落ち着いた態度で物事に向き合うことが大切です。状況を冷静に判断した上で、話し合いに臨むようにしましょう。
現状で最適な対応策を提案してもらう
時に、自分ではどうにもならないトラブルが起こることがあるかもしれません。その場合は速やかに担当者に連絡を取り、現状をふまえて最適な対応策の提案をしてもらうことをおすすめします。これまで数多くの現場を担当してきたプロだからこその意見を聞けることも多く、早期解決に一歩近づくかもしれません。そのため、もちろん自分の意見を伝えることは大切ですが、担当者のアイディアに耳を傾けることも怠らないようにしましょう。
まとめ
今回の記事では、注文住宅における”言った言わないの”トラブルについて、よくある事例や回避するためのポイントについてお伝えしました。
注文住宅を建てる際、決めなくてはならない事項が多いことに加えて、打ち合わせ期間を長く要することになります。そうなると、担当者と口頭でやりとりする機会も増えてしまうでしょう。その結果トラブルが発生してしまうケースが多く見受けられます。
このような事態にならないためにも、打ち合わせ時には必ず記録を取ることが欠かせません。また、担当者に伝える際にも写真を使うなどして、イメージのズレが生じないように心がけましょう。
ハウスメーカーの垣根を超えて地域ごとに担当者をご紹介しておりますので、まずは希望地域を絞って頂き、その地域に登録している担当者の様々な趣味嗜好や家づくりに対する熱い思いを確認してください。
きっと皆さんの家づくりに対するこだわりをきちんと受け止めてくれて、どうすればその夢を解決できるのか一緒に悩みながらも満足のいく家づくりを導いてくれる担当者に出会えるはずです。
担当者との偶然の引き合わせも良いかもしれませんが、ご自身で家づくりのパートナーを指名してしてください。
注文住宅に関する失敗例や予防法、回避方法は下記記事でも解説しています。ぜひご覧ください。
注文住宅によくある失敗例と対策をプロが解説-後悔しない家づくりのポイント
注文住宅でよくあるトラブル事例をプロが解説-予防法と相談先-
なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の予算計画からもご相談を承っております。サービス詳細は以下をご参照ください。
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