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家を建てる期間はどのくらいかかるのか?必要な期間と短縮のポイントを解説

家づくりの基本

2021/11/02

2023/09/26

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

家を建てる期間はどのくらいかかるのか?必要な期間と短縮のポイントを解説

これから注文住宅を検討していく方でも、どのくらい時間をかければ新居に住めるのか分からない人は多いと思います。
住宅が完成して入居するまでの間には数多くの手順を踏む必要があります。今のうちにその手順をきちんと理解して、ハウスメーカーに振り回されない住まいづくりを目指してください。今回は注文住宅の住まいづくりはどのような手順で進んでいくのかを御案内致します。

家を建てるまでに必要な期間はどのくらい?

では、実際に住宅が完成するまでどのくらいの期間がかかるのでしょうか?
工法や間取り、大きさ、季節によっても変わりますが、一般的には6ヶ月~12か月くらいはかかります。

事前打ち合わせ期間を含めると更に数ヶ月かかります。特に工法で期間の差が出るケースもあります。ユニット工法と言われる工場生産がメインの場合は比較的短期間で完成しますが、建築事務所が手がけるような住宅や、現場工事を伴う木造住宅は長い期間を必要とします。

《スケジュール一例》
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情報収集、イメージ作り:1ヶ月~2ヶ月
土地探し、ハウスメーカー選定:2ヶ月
間取りや設備の決定:2ヶ月
着工:6ヶ月
完成、引き渡し手続き:1ヶ月

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また建築中に間取りや仕様の変更が発生しますと更に期間は長くなりますし、天候の影響も期間に響いてきます。
土地探しに時間がかかるケースですとメーカー選定時期も遅くなることが多いです。

家づくりの準備から完成までの手順まとめ

理想の家はどのようなスケジュールで完成していくのか先に知っておくと、心の準備が出来ます。ハウスメーカーにより多少の工程の順序が入れ替わりますが、概ね下記のように進んでいきます。

①イメージ作り
②ショールーム、建築現場、入居宅、工場の見学
③資金計画の打合せ(住宅ローン相談)
④土地の打合せ(敷地調査や土地探し)
⑤間取りの打合せ
⑥土地購入
⑦ハウスメーカー決定
⑧間取りや仕様の最終決定
⑨着工
⑩完成、お引き渡し

いざ打合せが始まると、どんどん時間は過ぎていきます。決めることの多さにびっくりして疲れてしまうかもしれません。私がお手伝いしたお客様は初めて住宅展示場でお会いしてから建物が完成するまで4年かかりました。時間はかかりましたが満足度は非常に高かったです。皆さんにも高い満足度を得て欲しいので1つずつスケジュールをご案内します。

① イメージ作り【1ヶ月~2ヶ月】

建売住宅と異なり、注文住宅は建築場所から建物の間取りや設備まで自由に決めることが出来ます。
ただ自由過ぎると1つのことを決めるまでに時間がかかり家づくりの期間も延びてしまう可能性が高いです。

まず最初に取り組んで欲しいことは下記のポイントです。

・どのエリアにどんな家を建てたいのか
・予算は幾らまで可能なのか
・最低限欲しい土地の広さ
・最低限欲しい建物の間取り、広さ

何よりも検討すべき項目ですから、きちんと出てきた意見を紙に書いて見比べると意見が集約されてきます。

私も過去に経験がありますが、御家族内で意見がまとまらないときは専門家を交えて打合せしてください。
第三者の意見が役に立つことも多いです。いきなり不動産屋や住宅展示場に行って売り込まれないように気を付けてください。

②ショールーム、建築現場、入居宅、自社工場の見学【1ヶ月】

各ハウスメーカーの特徴を見て聞いて感じることが出来る機会です。個人的には家づくりで一番大切なイベントだと思います。
実際にどんな工場でどのように生産され、建築現場ではどんな人が作業していて、建物完成後の住み心地はどうなのかを見たり聞いたり体験できるチャンスです。最近は宿泊施設を設けてより実体験出来るハウスメーカーも増えました。
ネットやSNSの情報だけに頼らずにご自身の目で確かめてください。

③資金計画の打合せ(住宅ローン相談)【1ヶ月】

具体的な打ち合わせを進める前にまず家づくりに出せる予算を把握していきます。
いきなり土地を探したり間取りを作る方もいらっしゃいますが、予算も決めずに話を進めていくと軌道修正が発生するケースがあります。
土地の価格が高過ぎて建物の予算を削る話はよくあります。現在の家計の状況を把握した上で、将来に向けての家計シミュレーションを立ててください。その上で現実的に組める予算を一度出しておきましょう。
また住宅ローンを組む場合は先に金融機関に事前審査を行ってください。予算通りの家づくりが可能なのか把握して欲しいです。契約後に住宅ローンが通らなかった方を何組も見てきました。これは悲劇になります。

④土地の打合せ(敷地調査や土地探し)【1ヶ月~3ヶ月】

土地をお持ちの方は敷地調査を行います。法的にどのような建物を建てることが可能なのかチェックし、給水や排水、電気の引き込み位置を確認していきます。同時に測量や解体する建物があれば解体費用の見積もりを準備したり地盤調査を行い地盤改良工事の概算費用を確認します。
地盤調査は建物を解体した後に再度行うこともあります。先に金額を知っておくと安心ですね。
一般的な住宅地であれば特に問題ありませんが、農地や特別な地域(埋蔵文化財包蔵地等)ですと、予定よりも完成時期が半年から1年くらい延びるケースがあります。

⑤間取りの打合せ【1ヶ月~2ヶ月】

一番時間をかけたい打合せですね。夢を膨らませた希望の間取りが建てられるのか、法的にチェックしたり、ハウスメーカーの工法上可能なのか確認していきます。
初めて担当者と会った時から少しづつ打合せしているケースも多いですが、段取りとしてまずは概要をお伝えください。
例えば、洋風、和風、アジアンテイスト、北欧風なのか外観の希望から始まり、室内の部屋数や設備の配置、大まかな動線の希望を伝えます。家相が気になる方は事前に伝えましょう。
契約前の段階では細かい仕様を決めることはあまり無いです。外観や間取りが確定しないと各居室の仕様を決めにくいのです。過去の経験では半年間間取りに頭を悩ませたご家族がいらっしゃいましたが、結局最初に決めた間取りに落ち着きました。よくある笑い話です。

⑥土地購入【1ヶ月】

まずはじめに、土地購入は「買付予約」を入れて売主に購入の意思を伝えます。購入希望価格等希望条件を記入した書類を「買付証明書」と言いますが、この書類を提出することで土地購入の意思を売主や仲介業者に伝えることになります。購入の意思を明確にすることにより、売買契約締結に向けた打合せがいよいよ始まることになります。
ちなみにこの買付証明書の提出は法的な効力は無く、不動産業界で昔から行われているだけなのです。決まったひな型があるわけではなく不動産会社が用意してくれます。記入項目は土地の住所(地番)、購入希望価格、手付金額、住宅ローンに関する情報等売買契約に必要な情報を記載します。一般的には提出してから1~2週間が書類の有効期間となってます。
では買付予約すれば購入出来るかというと実にややこしく、場合によっては複数の購入希望者から買付予約が入っていることもあります。私のお客様も2番目ですとか3番目ですと言われたことがあります。場合によっては2番目のお客様が1番目の購入希望者よりも良い条件を出したら優先順位が変わることもあります。非情なことです。
そして、売主と売買契約を行います。重要事項説明を受け土地に関する状況を確認します。気になる点は質問しましょう。ただ専門用語が多いので、ハウスメーカーの担当者の同席をお願いしましょう。そして手付金の確認と残金(住宅ローン)の決済の段取りを行い引き渡し時期を決めます。住宅ローンを組む場合は、ローン審査を済ませていることも多いです。

⑦ハウスメーカー決定【1ヶ月】

打合せを重ねたハウスメーカーといよいよ契約です。注文住宅の場合は「売買契約」ではなく「請負契約」となります。
請負契約書はこれから建物が完成する場合に交わされる契約書になります。建売住宅の場合は建物が完成していますと売買契約書になります。契約時にはある程度の間取りや設備を決めていますが、家づくりのスタート(基準)となる請負契約時に確認することは幾つかあります。

1.どの間取り、設備での契約か
2.見積金額
3.支払条件
4.引き渡し時期
5.契約を解除した場合の条件

上記の内容を確認して契約を交わしますが、契約書にはたくさんの専門用語があります。気になる方は事前に契約書のひな型をもらって内容を確認しても良いでしょう。
特に契約解除を行った場合に発生する費用は必ず確認してください。契約前に作業を依頼していると費用がかさむこともあります。

⑧間取りや仕様の最終決定【2ヶ月~3ヶ月】

契約後からは、いよいよ細かい間取りや仕様の打合せ開始です。1~2か月で決めていきます。
窓やドアの位置からコンセント、スイッチの位置、キッチンやトイレ、風呂の設備の仕様も1つづつ決めていきます。外観や建物の配置、外構も決めます。沢山決めることはありますが、段取り上手な営業担当者ならスムーズに進むので安心です。
契約後に新しい設備を追加すると予算は増えますので数回の打合せのタイミングで予算の確認をしましょう。最終的に予算が大幅UPして再度打合せが始まると時間の無駄になります。一通り決めるべき項目が終わったら予算の再確認を行います。同時に現金と住宅ローンの内訳も確認してください。

⑨着工【4ヶ月~6ヶ月】

打ち合わせた図面がカタチになります。一般的には古い建物があれば解体を行い更地にします。
その後、地盤調査を行います。その後地鎮祭を行ったり建物の配置を確認して基礎工事に取り掛かります。解体工事は1週間~10日程度、地盤改良工事は10日~2週間程度、基礎工事は2週間程度かかります。
そして、いよいよ建物本体の工事が始まります。ハウスメーカーでは上棟式を行うこともあります。ここから2か月~6ヶ月かけて完成に向かいます。建築途中で現場立ち合いがあります。図面だとイメージがつきにくかった箇所を再確認してイメージ通りに仕上がるか注意しましょう。

⑩完成、お引き渡し【1ヶ月】

建物が完成すると、先にハウスメーカー内で竣工検査が行われます。図面通りに仕上がっているか、設備の不具合はないか、傷や色の間違いはないかチェックしていきます。
その後、施主検査を行います。各居室ごとにチェックしていきます。気になる点があったらこの時点で伝えましょう。
お引き渡し後になると対応してくれないこともあります。お引き渡しを受ける前に気になる点は全て解消してください。そして一通りチェックが終わりますと鍵をもらいお引き渡しです。現金で支払う部分はお引き渡し日までに済ませます。

家を建てる工事期間が延びてしまう原因

ハウスメーカーと契約時に決めたスケジュールよりも時間がかかってしまうケースがいくつかあります。どのようなことが原因になるのか予め知っておきましょう。

①間取りや設備の仕様変更が建築中に発生した場合

図面で見た場合と実際に建築現場で見たイメージが違い過ぎて変更を希望すると時間がかかります。
特に壁や窓の位置変更になりますと工法によっては根本的な見直しになり大がかりな作業となります。新たな建築資材の取り寄せを行う為日数もかかるケースもあります。ハウスメーカーと事前の打合せをきちんと行い分かりやすい説明を受けるようにしましょう。

②工事期間中に悪天候が続く場合

梅雨の時期や台風の時期、雪の多い時期は予め工事期間は長めに設定します。
ただ、自然現象なので予想以上に影響が出ることも多いです。これは諦めるしかないです。
絶対に辞めたほうが良いことは完成を急かすことです。確実に仕上がりは悪くなり、随所に汚れや傷があるかもしれません。雨で濡れてる木材に壁を貼り付け蓋をするとカビの発生源になりますし腐ってしまうこともあります。最悪のケースでは欠陥住宅になってしまいます。

③作業者不足や資材不足の場合

ハウスメーカーや大規模工務店はある程度作業者の確保と資材の確保を行いスムーズに現場作業が出来るようになっています。
建築現場が同時期に集中したり、社会情勢の影響で建築資材が入手しにくくなると工事期間は延びてしまいます。特に建築資材は入手しにくいモノが増えてきましたので余裕を持ったスケジュールで組んでいるのかハウスメーカーに確認しておきましょう。

家を建てる期間を短くするためのポイントとは?

建物完成まで無駄な時間を減らしてスムーズに進めることは理想です。スムーズに進めるポイントを述べていきます。

ポイント①おおまかな入居希望時期を決める

子供の学校の時期(入学や転校)や賃貸住宅の更新時期もしくは建物売却時期により新しい建物の完成時期を決めるケースは多いです。
その期間がどの程度確保出来ているのかによって打合せの期間や工事の期間が見えてきます。時間はあっという間に過ぎていきますのでまずは大まかなスケジュールを組んで今までの述べたような項目がいつ頃行われるのか確認しましょう。

ポイント②土地探しは早めにスタートする

意外と時間がかかるのが土地探しです。エリアによっては全然希望の土地が出てこないこともよくあります。
ハウスメーカーによっては自社分譲地も保有してますので、エリアを絞った土地探しを行うときはより多くの情報を収集しておきましょう。
ハウスメーカーだけではなく地元の不動産屋にも声をかけてみましょう。見つかった土地自体もいつ引き渡してもらえるのか聞き忘れないようにしてください。

ポイント③譲れる部分と譲れない部分を決めておく

家づくりに対する思いは人それぞれです。譲れない部分と妥協できる部分を皆さんで認識しておきましょう。
特に2世帯の場合はコミュニケーションが重要です。間取りや設備、金額など意見調整を必要とするポイントは次々に出てきます。まずはじっくり話し合いましょう。

ポイント④短い工事期間で完成する工法を選ぶ

工法により工事期間に差はあります。一般的には「ユニット工法」は工事期間が短く2か月程度になります。「鉄骨軸組み工法」や「ツーバイフォー工法」は3~4か月程度、「木造軸組み方法」は4~6か月程度かかります。
最近は建築資材の調達に時間がかかるケースも増え工事期間が更に数ケ月延びるケースも増えてきました。契約前に完成時期の設定はゆとりを見ているのかどうかも確認してください。

ポイント⑤行動力のある営業担当者を見つける

何よりもハウスメーカーの担当者の力量に依るところは大きいです。住宅が完成するまでには多くの方の力が必要です。
設計士、インテリア担当、外構担当、工事担当、、住宅ローン担当者等とのスケジュール管理は重要です。
担当者に建築に関する知識を求めるのはは勿論ですが、社内外の部署との連携も重要になりますから安心して任せられるかが重要です。

まとめ

家づくりは検討し始めてから完成するまで1年以上かかることもあります。特にハウスメーカーを決めるまでに多くの時間がかかることもあります。受け身の姿勢ではなかなか進まないイベントです。希望を出し合って、どんな家を望んでいるのか積極的に打ち合わせてください。
入居希望時期を決めますと、打合せ期間や工事期間のスケジュールを把握が分かりますし、いつまでに何をすべきか段取りを組むことが見えてきます。何よりもハウスメーカーを困らせない余裕を持ったスケジュールを組んでください。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の予算計画からもご相談を承っております。サービス詳細は以下をご参照ください。

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ハウスメーカーの垣根を超えて地域ごとに担当者をご紹介しておりますので、まずは希望地域を絞って頂き、その地域に登録している担当者の様々な趣味嗜好や家づくりに対する熱い思いを確認してください。きっと皆さんの家づくりに対するこだわりをきちんと受け止めてくれて、どうすればその夢を解決できるのか一緒に悩みながらも満足のいく家づくりを導いてくれる担当者に出会えるはずです。担当者との偶然の引き合わせも良いかもしれませんが、ご自身で家づくりのパートナーを指名してしてください。

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

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