家を建てるときはなにから始めたら良い?手順、コツをプロが解説
家づくりの基本
2022/06/28
2023/09/26
ほとんどの人にとって人生に一度あるかないかの大きなイベントとなる、マイホームの購入。建てようと決めたのはいいものの、何から始めて良いかわからない人も多いですよね。
理想のマイホームを手に入れるには、事前に家づくりに関しての知識を身に着けておくことが欠かせません。そこで、今回は家を建てる際の手順やコツについてまとめてみました。
目次
家を建てる手順や期間について
住宅が完成するまでにかかる期間は、工法や家の大きさ、季節によっても異なりますが一般的に約8~15ヵ月といわれています。
特にスケジュールを大きく左右するのが、土地やハウスメーカーの選定、そして間取りや仕様決めの工程です。
また、なかなか土地が見つからない、打ち合わせが長期に及んでしまったという場合には1年以上の期間がかかることも少なくありません。
一般的には、以下のスケジュールで家づくりは進行していきます。
1. イメージづくりと予算計画
2. ハウスメーカー選び
3. 土地探し
4. 間取りや仕様の打ち合わせ
5. 詳細の見積もり提示
6. 工事請負契約
7. 間取りや仕様の最終決定
8. 着工
9. 完成・引き渡し
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1.イメージづくりと予算計画
理想の家づくりをスムーズに実現させるためには、情報収集を行ったうえで自身のイメージを明確にすることが必要です。
イメージづくりの際は、下記3つのポイントを意識しましょう。
● 家族でこだわる条件を出し合う
● 理想の間取りをいくつかピックアップする
● 外観デザインのイメージをつかむ
情報収集の手段として、住宅カタログの閲覧やモデルハウスの見学をイメージする方も多いかもしれません。
とはいえ、昨今ではインスタグラムやツイッターなどのSNSで間取りについて情報を発信しているアカウントがあるほか、マイホームについて発信している人も増えています。
そうしたアカウントを参考とするのも一つの手でしょう。
ある程度のイメージがつかめたところで、建築事例などを参考に予算をざっくりと計算します。そのうえで、必要となる自己資金額や、住宅ローンで借りられる金額を把握しておきましょう。
1つ気を付ける点は家づくりは建物金額だけではないという事です。
屋外工事費やインテイリア、外構工事費などが別にかかりますので注意が必要です。
建物以外にかかる費用は少なくても500~1,000万円になります。
なお、住宅ローンの借入額は、各金融機関のホームページでシミュレーションできるため活用してみてください。
2.ハウスメーカーを選ぶ
次にハウスメーカー選びですが、こちらは土地を探す前に行いましょう。
というのも、ハウスメーカーが土地を探してくれるほか、建築条件付きの土地を紹介してくれるケースがあるためです。
なお、建築条件付きの土地は比較的安価である一方、指定されたハウスメーカーで建てなくてはなりません。
そのため、ハウスメーカーからこだわりたいといった方は注意が必要です。
また、ハウスメーカーを選ぶときは一度モデルハウスに足を運ぶことをおすすめします。
その際、自身の中で重視したいポイントを事前に考えておくほか、見学するハウスメーカーを3~5社程度にしぼっておくと混乱せずに済むでしょう。
実際にモデルハウスに行くことで、担当者との相性を確かめられるなどのメリットがあります。
総合住宅展示場では、複数のハウスメーカーの見学ができるため、比較がしやすいでしょう。
ただあまり大きな声では言いにくいのですが、安易に名前や住所を記帳しないようにしましょう。
各ハウスメーカーの営業担当者が次から次に訪問してきます。
3.土地探し
ハウスメーカーで土地を探してくれるケースが多いものの、自身でも予算や条件を考慮しながら土地を探してみましょう。
そのうえで気になる物件があれば、実際に土地を見に行くことをおすすめします。
自分の目で現地の雰囲気を感じ取れるほか、生活圏内にどういった商業施設があるのかも確認できるでしょう。
また、土地を持っている場合には敷地調査の実施が必要になります。
敷地調査を通じて、法的にどのような家が建てられるかなどを事前に知れるでしょう。
良くお客様から質問を受けますが、土地探しを誰に依頼するかです。
不動産屋が一般的かもしれませんが、ハウスメーカーでも同じように土地情報を提供してくれます。
ハウスメーカーが提供してくる土地情報はきちんと住宅が建築できる土地のみ案内してくれますが、悪質な不動産屋は建築が難しい低価格な土地を案内するケースがありますので注意が必要です。
4.間取りや仕様の打ち合わせ
イメージに見合うハウスメーカーを何社かに絞ったら、間取りや仕様について打ち合わせをしていきます。
打ち合わせをスムーズに行うためにも、事前に家族と話をしておくと良いでしょう。
予算はもちろん、譲れないこだわりの条件などを整理しておくことで具体的なイメージが浮かびやすくなります。
また、複数社と打ち合わせをする場合にはハウスメーカーの提案力や、人間性を見極めた上で、自身のニーズに見合った先を見つけるようにしましょう。
この打合せは家族みんなが納得するまでじっくり時間をかけて欲しいです。
5.詳細の見積もり提示
ある程度の間取りや仕様が決まったら、各ハウスメーカーに見積もりを提示してもらいましょう。
この際に、合計金額が安いからという理由だけで依頼するハウスメーカーを決めることは危険です。
というのも、ハウスメーカーによってプランの作り方が異なるため、諸経費をどこまで含んだ見積もり書なのか分からないといったことが挙げられます。
特に、エアコン費用やインテリア費用、外構費用を安く見積もっているケースは実に多いです。
イメージ図と見積もり上の内容が異なることは多々ありますので注意が必要です。
また価格を安く見せる為に「別途見積もり」と設定しているケースをよく見かけます。
これでは各社の見積もり書を比較することは容易ではないですね。
そのほか、アフターサービスや保証内容などもハウスメーカーごとに異なることから、詳細の確認はきちんと行うようにしましょう
6.工 事請負契約
依頼するハウスメーカーが決まったら、そのハウスメーカーと工事請負契約を結びます。工事請負契約とは、工事を行う際に交わされる契約書のことで、主に次の内容がかかれています。
● 間取りや設備
● 見積もり金額
● 支払い条件
● 引き渡し時期
● 契約を解除した場合の条件
トラブルを回避するためにも、上記の内容が希望通りの契約内容になっているか確認しましょう。
通常は契約時に一通り読んでそのままご署名となることが多いようです。
出来たら事前に入手してきちんと読み込んでおきましょう。
また、この際に建築費の最高10%の申込金が必要なケースがあるため、キャンセルした場合の対処などもあわせてハウスメーカーに確認しておくとよいでしょう。
7.間取りや仕様の最終決定
工事請負契約を結んだら、窓の位置やトイレ、キッチンの備品などさらに細かな間取りや仕様を決めていきます。
一番楽しい時間かもしれません。
いつまでに内容を確定させるのか確認した上できちんと打合せ時間を確保して欲しいです。
その上で必ず仕様変更の申し出期限を確認してください。
それらが決まったら再度見積書を提示してもらい、予算と大幅にずれていないかの確認を怠らないようにしましょう。
また、この時点で住宅ローンの仮審査を申し込むほか、本審査を受けて契約を結ぶ人も多く見受けられます。
8.着工
打ち合わせをして決定したプランをもとに、建物本体の工事が始まります。
工事が始まると騒音やほこりなどで近隣住民に迷惑をかける恐れがあるため、工事が始まる前に担当者と一緒に挨拶回りを済ませておくようにしましょう。
また、工事の無事を祈る地鎮祭や上棟式を行うことは自身でやるかどうかを選択できます。
建築途中で見に行くことも可能ですが、なるべく工事の邪魔にならない程度にしましょう。
よくお客様から工事関係者に毎日のお茶出しは必要かと聞かれますが、特に必要ではないです。
たまに建築現場に訪れた時に缶コーヒーやペットボトルのお茶など差し入れすると喜ばれます。
9.完成・引き渡し
建物が完成したら、ハウスメーカーと立ち合いで図面通りに仕上がっているか、設備の不具合はないかを確認し、問題がなければ引き渡しとなります。
大きな不具合がある場合はきちんと仕上げてもらってから引き渡しを受けてください。
引き渡しはハウスメーカーにとって売上になりますので何があっても引き渡しをしたいので急いで対応します。
引渡し後で良いというと後回しにさせる可能性があります。
気になる点がある場合は、この時点でハウスメーカーに伝えておきましょう。
ローンの手順を解説
住宅ローンは、一般的に3~4回に分けて支払います。
とはいえ、支払い条件は各金融機関によって異なるため、前もって確認するようにしましょう。
また、住宅ローンではマイホームが完成して引き渡しをして初めて融資がなされます。
そのため、着工時から完成時まで「つなぎ融資」を利用する人も少なくありません。
つなぎ融資を利用した場合、マイホームが完成するまでは一時的な借り入れができるつなぎ融資で支払い、完成後の残代金については住宅ローンで支払うケースが一般的です。
注文住宅を購入する場合の費用相場
ここでは、家を建てる際に必要な3つの費用について見ていきましょう。
本体工事費
予算の大部分を占める本体工事費は、家を作るための工事費になります。
主な内容として、仮設工事、基礎工事、外装・内装、キッチン、浴室、建物を建てる人件費などです。
本体工事費は30坪程度で1,500~3,000万円が一般的な価格帯といえるでしょう。
その他工事費
その他工事費は付帯工事費と呼ばれており、建物本体以外にかかる工事費のことを指します。
電気・ガス・水道などの引き込み作業にかかる費用や、駐車場や庭といった外構工事費が主な項目です。
また、土地が弱い地盤だと判断された場合には地盤改良費も必要となるでしょう。
諸費用
諸費用とは、先に述べた「本体工事費」と「付帯工事費」などの工事以外にかかる費用のことで、手数料や引っ越し代などが該当します。
一般的に諸費用の総額は約100万~150万円がとされていますが、ハウスメーカーによっては見積書に諸費用が記載されていないことも少なくありません。
そのため、見積書で不明点がある場合には打ち合わせの時点で確認しておくことをおすすめします。
また、諸費用は基本的に工事費の扱いとならず、通常は住宅ローンで借りられません。
一部の金融機関では諸費用ローンを融資してくれますが、金利が住宅ローンよりも高くなります。
一定の諸費用が生じることを念頭に置いた上で、それ相応の自己資金を用意しておくことが大切です。
費用相場を計算するときに役立つ書類
家の購入を購入するにも、自分の収入や予算で購入できるのかがわからなければ、検討が進みません。
そのため、まずは以下の書類を元に自身で予算を計算することが大切です。
● 実印・印鑑証明(ローン契約の場合)
● 印紙税・手付金(現金/預金小切手)
● 収入証明書(源泉徴収票など)
● 住民票
これらの書類は予算の計算だけでなく、営業担当者に相談する上でも役に立ちます。
家の購入をスムーズに進めるためのコツ
家を建てる際には、次の3つのコツを意識しながら進めていきましょう。
● 予算をしっかりと把握しておく
● こだわり条件の優先順位を決めておく
● 見積書をしっかりと確認する
担当者とスムーズな打ち合わせをするにあたり、事前にイメージや予算を把握しておくことが欠かせません。
とはいえ、全てのこだわりを実現するのは難しいことから、事前に家族で話し合って優先順位を決めておくとよいでしょう。
私の過去の経験上、家族内の話し合いがきちんと出来れば家づくりの失敗はほとんどないです。
また、見積書をしっかりと確認することで、想定していたより遙かに高い予算を請求されたなどのトラブルを防げます。
見積書の見方はもちろん、何か少しでも気になることがあれば、その都度担当者に聞く姿勢を持つことが大切です。
まとめ
今回の記事では、家を建てるときの手順やコツについて、お伝えしました。
初めて家を建てる際は分からないことも多く、思った以上の手間や労力がかかってしまうケースも少なくありません。
とはいえ、焦りが失敗や後悔に繋がることはもちろん、取り返しのつかないミスを引き起こしてしまうのもまた事実。
理想のマイホームを手に入れるためにも、下調べなどに時間をかけて慎重に検討していくことを心がけましょう。
なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーの営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の予算計画からもご相談を承っております。サービス詳細は以下をご参照ください。
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