失敗しない外構フェンス選び 〜フェンス材別比較と施工のポイントを徹底解説〜
家づくりの基本
2024/07/29
2024/07/31
外構工事において、フェンスは防犯や目隠し、さらには住宅の外観デザインを決める重要な要素です。しかし、フェンスの種類や材質は多岐にわたり、選択に迷う方も多いでしょう。この記事では、フェンスの機能や種類、費用について詳しく解説します。フェンス選びの参考にしてください。
目次
外構フェンスの機能
外構フェンスは、単なる境界線を示すだけでなく、様々な重要な機能を持っています。それぞれの機能について詳しく解説します。
1. 防犯機能
フェンスの最も重要な機能の一つが防犯です。
・侵入者の抑止:高さや構造によって、不審者の侵入を物理的に防ぎます。
・視認性の確保:透過性のあるフェンスを選ぶことで、外部からの視線を確保し、不審者を抑止します。
・センサーとの連動:防犯センサーと連動させることで、さらに高度な防犯システムを構築できます。
2. プライバシー保護
外部からの視線を遮ることで、居住者のプライバシーを守ります。
・目隠し効果:高さや素材を工夫することで、外部からの視線を適度に遮ります。
・音の遮断:材質によっては、ある程度の防音効果も期待できます。
・生活空間の確保:庭やテラスなどのプライベート空間を確保します。
3. 境界線の明確化
敷地の境界を明確に示すことで、トラブルを予防します。
・所有地の明示:隣接する土地との境界を明確にします。
・不法侵入の防止:意図せぬ侵入や通り抜けを防ぎます。
・法的保護:境界線を明確にすることで、所有権の主張がしやすくなります。
4. 美観の向上
住宅の外観デザインを引き立て、街並みの美観にも貢献します。
・外観の統一感:住宅のデザインと調和したフェンスを選ぶことで、統一感のある外観を作り出せます。
・個性の表現:デザインや色を工夫することで、住宅の個性を表現できます。
・緑化との調和:植栽と組み合わせることで、自然と調和した美しい外観を実現できます。
5. 安全性の確保
特に子どもやペットがいる家庭では、安全性の確保が重要です。
・飛び出し防止:道路への急な飛び出しを防ぎます。
・転落防止:高低差がある場所では、転落防止の役割も果たします。
・危険箇所の隔離:プール等の危険箇所を隔離し、不慮の事故を防ぎます。
6. 環境制御
外部環境からの影響を軽減し、快適な生活環境を作り出します。
・防風:強風を軽減し、庭や外部空間を快適に保ちます。
・日射調整:材質や構造によっては、強い日差しを和らげる効果があります。
・防塵:道路からの粉塵や砂埃を軽減します。
7. ペット対策
ペットを飼っている家庭では、特に重要な機能となります。
・脱走防止:ペットの外への脱走を防ぎます。
・他の動物の侵入防止:野良猫や野生動物の侵入を防ぎます。
・ストレス軽減:外部からの刺激を軽減し、ペットのストレスを和らげます。
これらの機能を考慮し、自身の生活スタイルや環境に合わせて最適なフェンスを選択することが重要です。また、一つのフェンスで全ての機能を完璧に満たすことは難しいため、優先順位をつけて選ぶことをおすすめします。
フェンス材の種類と費用、それぞれの特徴について
フェンス材には様々な種類があり、それぞれに特徴や適した用途があります。ここでは、主なフェンス材について詳しく解説します。
1. アルミ形材(かたざい)フェンス
特徴
・軽量で施工が容易
・耐久性に優れ、錆びにくい
・デザインが豊富
・メンテナンスが比較的容易 価格目安:1mあたり1万5000円〜3万円
メリット
・長寿命で経年劣化が少ない
・カラーバリエーションが豊富
デメリット
・金属特有の冷たい印象がある
・衝撃に弱い場合がある
2. アルミ鋳造フェンス
特徴
・高級感のある重厚なデザイン
・耐久性が非常に高い
・カスタマイズが可能 価格目安:1mあたり3万円〜10万円
メリット
・独特の高級感がある
・強度が高い
デメリット
・価格が高い
・重量があるため、施工に手間がかかる
3. 木粉(もくふん)入り樹脂フェンス
特徴
・天然木に近い風合い
・耐久性と耐候性に優れる
・メンテナンスが比較的容易 価格目安:1mあたり1万5000円〜3万円
メリット
・木の温かみと樹脂の耐久性を兼ね備える
・リサイクル材料を使用しているため環境にやさしい
デメリット
・完全な木の質感ではない
・経年で多少の色褪せがある
4. スチールフェンス
特徴
・シンプルなデザイン
・比較的安価
・塗装の種類で耐久性が変わる 価格目安:1mあたり1万円〜2万円
メリット
・コストパフォーマンスが高い
・強度がある
デメリット
・錆びやすいため定期的なメンテナンスが必要
・デザインの選択肢が比較的少ない
5. 木製フェンス
特徴
・自然な風合いと温かみがある
・経年変化を楽しめる
・比較的安価 価格目安:1mあたり1万円〜3万円
メリット
・自然な雰囲気を演出できる
・DIYが可能な場合がある
デメリット
・腐食や虫害のリスクがある
・定期的なメンテナンスが必要
6. 竹製フェンス
特徴
・和風の趣がある
・自然素材で環境にやさしい
・軽量 価格目安:1mあたり1万円〜2万円
メリット
・独特の和風の雰囲気を演出できる
・比較的安価
デメリット
・耐久性が低い ・頻繁なメンテナンスが必要
7. 生垣(植栽)
特徴
・自然な外観
・季節の変化を楽しめる
・環境にやさしい 価格目安:1mあたり1万円〜5万円(植栽の種類による)
メリット
・自然な目隠し効果
・空気清浄効果がある
デメリット
・成長に時間がかかる
・定期的な剪定など手入れが必要
フェンス材の選択は、予算、デザイン、耐久性、メンテナンス性などを総合的に考慮して行うことが重要です。また、地域の気候条件や住宅の外観との調和も考慮に入れると良いでしょう。専門家に相談しながら、自分の生活スタイルに合った最適なフェンス材を選択することをおすすめします。
フェンスの外構工事費用を施工シーン別に解説
フェンスの施工費用は、材質や長さ、高さ、デザイン、そして施工の難易度によって大きく異なります。ここでは、いくつかの典型的なシーンに分けて、施工費用を詳しく解説します。
1. 一般的な戸建て住宅(敷地面積約50坪)の場合
・フェンスの長さ:約20m
・高さ:1.2m〜1.8m
・アルミ形材フェンス:40万円〜80万円
・木粉入り樹脂フェンス:35万円〜70万円
・スチールフェンス:30万円〜60万円
この価格には、材料費、施工費、基礎工事費が含まれています。地域や施工業者によって価格は変動する可能性があります。
2. 角地の住宅の場合
・フェンスの長さ:約30m
・高さ:1.2m〜1.8m
・アルミ形材フェンス:60万円〜120万円
・木粉入り樹脂フェンス:55万円〜110万円
・スチールフェンス:45万円〜90万円
角地の場合、道路に面する部分が多くなるため、全体の長さが増え、それに伴い費用も増加します。また、視認性や安全性を考慮したデザインが必要になる場合もあります。
3. 高級住宅地の場合
・フェンスの長さ:約20m
・高さ:1.8m〜2m
・アルミ鋳造フェンス:100万円〜200万円
・石材を組み合わせたハイブリッドフェンス:150万円〜300万円
・デザイン性の高いカスタムフェンス:200万円〜400万円
高級住宅地では、デザイン性や材質にこだわることが多く、それに伴い費用も高額になります。また、門扉や車庫まわりの設計も含めると、さらに費用が上がる可能性があります。
4. マンションやアパートの敷地境界の場合
・フェンスの長さ:約50m
・高さ:1.8m〜2m
・メッシュフェンス:75万円〜150万円
・ネットフェンス:50万円〜100万円
・簡易的なアルミフェンス:100万円〜200万円
集合住宅の場合、比較的安価で実用的なフェンスが選ばれることが多いです。ただし、長さが長くなるため、全体の費用は高くなります。
5. 部分的な補修や交換の場合
・フェンスの長さ:約5m
・高さ:既存のフェンスに合わせる
・既存フェンスの部分補修:5万円〜15万円
・部分的な交換(材料費込み):15万円〜30万円
部分的な補修や交換の場合、既存のフェンスとの調和を考慮する必要があります。また、小規模な工事になるため、1mあたりの単価は新規設置より高くなる傾向があります。
追加費用について
以下のような場合、追加費用が発生する可能性があります。
・地盤が軟弱で特殊な基礎工事が必要な場合:10万円〜30万円増
・急斜面や段差のある敷地の場合:工事の難易度に応じて20%〜50%増
・既存のフェンスの撤去が必要な場合:1mあたり5000円〜1万円増
・デザイン性の高い門扉を設置する場合:20万円〜100万円増
フェンスの施工費用は、様々な要因によって大きく変動します。正確な見積もりを得るためには、複数の業者に相談し、現地調査を依頼することをおすすめします。また、単に価格だけでなく、品質や保証内容、アフターサービスなども総合的に判断して、最適な選択をすることが大切です。
フェンスの外構工事費用を抑えるポイントについて詳しく
フェンスの外構工事は、住宅の外観や安全性に関わる重要な要素ですが、費用が高額になることも少なくありません。ここでは、フェンスの外構工事費用を抑えるためのポイントを詳しく解説します。
1. シンプルなデザインを選ぶ
・装飾の少ないシンプルなデザインを選ぶことで、材料費と施工費を抑えられます。
・直線的なデザインは、曲線や複雑な形状に比べて施工が容易で、費用を抑えられます。
・標準的なデザインを選ぶことで、カスタム製作の費用を避けられます。
2. フェンスの高さを抑える
・必要最小限の高さに抑えることで、材料費を節約できます。 法令で定められた上限いっぱいの高さにする必要がない場合は、20〜30cm低くすることで、10〜15%程度のコスト削減が可能です。ただし、プライバシーや防犯面で必要な高さは確保しましょう。
3. 比較的安価な素材を選ぶ
・アルミ形材やスチールなど、比較的安価な素材を選択します。
・高級感のあるアルミ鋳造や天然石などの高価な素材は避けます。
ただし、耐久性やメンテナンス性も考慮に入れ、長期的なコストバランスを検討しましょう。
4. 部分的に異なる素材を組み合わせる
・道路に面した部分は見栄えの良い素材を使い、他の部分は安価な素材を使うなど、メリハリをつけます。 例えば、前面はアルミフェンス、側面や背面はネットフェンスを使用するなどの工夫ができます。この方法で、20〜30%程度のコスト削減が可能な場合があります。
5. DIYで施工できる部分は自分で行う
・基礎工事や本体の設置は専門家に任せ、塗装や簡単な組み立ては自分で行うことで、労務費を抑えられます。ただし、技術や経験が必要な作業は無理をせず、専門家に依頼しましょう。DIYで行える部分を自分で施工することで、総費用の10〜20%程度を節約できる可能性があります。
6. 複数の業者から見積もりを取る
・少なくとも3社以上の業者から見積もりを取り、比較検討します。見積もり内容を細かく確認し、不要な項目がないか精査します。相見積もりを取ることで、10〜20%程度の価格差が生じることもあります。
7. オフシーズンに工事を行う
・外構工事の繁忙期(春〜秋)を避け、比較的暇な冬場に工事を行うことで、割引が適用される場合があります。オフシーズン割引で、5〜10%程度の費用削減が期待できます。
8. 既存の構造物を活用する
・既存のブロック塀やフェンスの基礎を活用できる場合、撤去費用と新規基礎工事費用を削減できます。この方法で、基礎工事費の50〜70%程度を節約できる可能性があります。
9. フェンスの長さを最適化する
・必要最小限の範囲にフェンスを設置し、不要な部分は植栽で代用するなどの工夫をします。フェンスの総延長を10%削減できれば、それに応じて総費用も10%程度削減できます。
10. 補助金や助成金を活用する
・地域によっては、防犯対策やバリアフリー化に関連する補助金制度がある場合があります。自治体の担当窓口に問い合わせて、活用できる制度がないか確認しましょう。
これらのポイントを組み合わせることで、大幅なコスト削減が可能になります。ただし、安全性や耐久性を犠牲にしないよう注意が必要です。また、長期的な視点で、メンテナンス費用も含めたトータルコストを考慮することが重要です。適切な方法でコストを抑えつつ、品質と機能性のバランスの取れたフェンスを設置することをおすすめします。
よくある質問(Q&A)について詳しく
フェンスの外構工事に関して、多くの方が疑問や不安を抱えています。ここでは、よくある質問とその回答を詳しく解説します。
Q1: フェンスの耐用年数はどれくらいですか?
A1: フェンスの耐用年数は、材質や環境によって大きく異なります。
・アルミ製フェンス:20〜30年
・スチール製フェンス:15〜20年
・木製フェンス:10〜15年
・樹脂製フェンス:15〜20年
ただし、これらは適切なメンテナンスを行った場合の目安です。定期的な点検と補修を行うことで、さらに長持ちさせることができます。
Q2: フェンスの高さに制限はありますか?
A2: フェンスの高さには、地域の建築基準法や条例によって制限が設けられている場合があります。
・一般的には、道路に面した部分で1.8m〜2mが上限とされることが多いです。 ただし、地域や用途地域によって異なる場合があるため、必ず地域の規制を確認してください。 高さ制限を超える場合は、建築確認申請が必要になることがあります。
Q3: フェンスのメンテナンス方法は?
A3: フェンスのメンテナンス方法は、材質によって異なります。
・アルミ製・スチール製:年に1〜2回程度の水洗いと、5〜10年ごとの塗装の塗り直し
・木製:年に1〜2回の洗浄と、2〜3年ごとの塗装や防腐処理
・樹脂製:年に1〜2回の水洗いで十分ですが、10年程度で色あせが目立つ場合があります。
いずれの場合も、定期的な点検を行い、破損や腐食が見られた場合は早めに補修することが大切です。
Q4: フェンスの設置に許可は必要ですか?
A4: 一般的に、個人の敷地内にフェンスを設置する場合、特別な許可は必要ありません。ただし、以下の場合は注意が必要です。
・高さが1.8mを超える場合:建築確認申請が必要な場合があります。
・共有地や公道に接する場合:自治体や隣接する土地の所有者との協議が必要な場合があります。
・景観条例がある地域:デザインや色彩に制限がある場合があります。
Q5: DIYでフェンスの設置は可能ですか?
A5: 簡易的なフェンスであれば、DIYでの設置も可能です。ただし、以下の点に注意が必要です。
・基礎工事が必要な場合は、専門家に依頼することをおすすめします。重量のあるフェンスや高さのあるフェンスは、安全性の観点から専門家に依頼しましょう。DIYの場合、保証がないため、不具合が生じた際の対応は自己責任となります。
Q6: フェンスの色は後から変更できますか?
A6: フェンスの色の変更は、材質によって対応が異なります。
・アルミ製・スチール製:専用の塗料を使用して塗り直すことが可能です。
・木製:塗装の塗り直しで色を変更できます。
・樹脂製:塗装が難しいため、基本的に色の変更は困難です。
色の変更を検討する場合は、専門家に相談することをおすすめします。
Q7: フェンスの撤去費用はどれくらいかかりますか?
A7: フェンスの撤去費用は、長さや材質、基礎の有無によって異なります。
・一般的な戸建て住宅の場合:10万円〜30万円程度
・基礎のあるコンクリートブロック塀の場合:30万円〜50万円程度
撤去後の処分費用や、新たなフェンスの設置費用は別途必要となります。
これらの質問と回答は、フェンスの外構工事に関する基本的な疑問点をカバーしています。ただし、個々の状況によって最適な対応は異なるため、具体的な案件については専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
フェンスは、防犯やプライバシー保護だけでなく、住宅の外観デザインを決める重要な要素です。材質やデザイン、予算に応じて最適なフェンスを選ぶことが大切です。また、長期的な視点でメンテナンス性や耐久性も考慮に入れましょう。適切なフェンス選びと定期的なメンテナンスにより、長く美しく安全な住環境を実現できます。
なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。
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