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グラスウールの断熱性能から施工方法まで、プロが教える活用術

家づくりの基本

2024/07/29

2024/07/31

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

グラスウールの断熱性能から施工方法まで、プロが教える活用術

断熱材は住宅の快適性と省エネ性能を左右する重要な要素です。中でもグラスウールは、その優れた断熱性能と経済性から広く使用されています。この記事では、グラスウールの特徴や施工方法、メリット・デメリットについて詳しく解説します。断熱材選びの参考にしてください。

目次

グラスウールの概要について

グラスウールは、住宅や建築物の断熱材として広く使用されている素材です。その特性や製造方法、主な用途について詳しく解説します。

1. グラスウールの定義

グラスウールは、ガラスを原料として作られた繊維状の断熱材です。主に以下の特徴を持っています。

・細い繊維が絡み合った構造

・繊維間に多数の空気層を含む

・軽量で柔軟性がある

・熱や音を遮断する性質がある

2. 製造方法

グラスウールの製造プロセスは以下の通りです。

1. 原料(ガラス屑や珪砂など)を高温で溶解

2. 溶けたガラスを高速回転する円盤に流し込み、遠心力で繊維化

3. 繊維を結合剤で固め、マットやボード状に成形

4. 必要に応じて、防湿フィルムなどを貼り付け

3. 主な用途

グラスウールは、その優れた断熱性能と扱いやすさから、以下のような用途で広く使用されています。

・住宅の壁、天井、床の断熱材

・ビルや工場の断熱材

・配管や設備機器の保温材

・音響設備の吸音材

・自動車や家電製品の断熱材

4. グラスウールの特性

グラスウールには以下のような特性があります。

・高い断熱性能:空気を多く含む構造により、熱の移動を抑制

・優れた吸音性能:音波を吸収し、反射を抑える

・軽量性:施工が容易で、建物への負荷が少ない

・不燃性:燃えにくく、防火性能がある

・経済性:他の断熱材と比較して比較的安価

・リサイクル性:使用後のリサイクルが可能

5. グラスウールの形状

グラスウールは、用途に応じて様々な形状で提供されています。

・ロールタイプ:巻いた状態で提供され、現場でカットして使用

・マットタイプ:一定サイズにカットされた平板状

・ボードタイプ:高密度で成形された板状

・吹き込みタイプ:粒状で、専用の機械で吹き込んで使用

6. 環境への配慮

グラスウールは、環境面でも優れた特性を持っています。

・原料の多くがリサイクルガラス

・製造過程でのエネルギー消費が比較的少ない

・使用時の省エネ効果が高い

・使用後のリサイクルが可能

このように、グラスウールは断熱材としての優れた性能だけでなく、環境面や経済性においても多くの利点を持つ素材です。ただし、適切な施工と維持管理が重要であり、それによって最大の効果を発揮することができます。

グラスウールの種類について詳しく

グラスウールには、用途や施工方法に応じて様々な種類があります。ここでは、主要な種類とその特徴について詳しく解説します。

1. マット状のグラスウール

最も一般的な形状で、柔軟性があり扱いやすい特徴があります。

特徴

・軽量で施工が容易

・壁や天井の断熱に適している

・様々な厚さや密度が用意されている

主な用途

・木造住宅の壁内断熱

・天井裏の断熱

・金属系プレハブ建築の内装材

2. ボード状のグラスウール

マット状のものより密度が高く、圧縮強度があります。

特徴

・形状が安定しており、取り扱いが容易

・高い断熱性能と吸音性能

・表面に化粧材を貼ることも可能

主な用途

・床下の断熱

・屋根裏の断熱

・外壁の外張り断熱

3. 吹き込み用グラスウール

小さな粒状のグラスウールで、専用の機械で吹き込んで使用します。

特徴

・隙間なく充填できる

・既存住宅の断熱改修に適している

・施工が比較的簡単

主な用途

・天井裏の断熱

・壁内の断熱(既存住宅のリフォーム時)

・床下の断熱

4. 高密度グラスウール

通常のグラスウールより密度を高めた製品です。

特徴

・より高い断熱性能

・圧縮に強い

・防音性能が高い

主な用途

・高断熱住宅の壁内断熱

・音楽スタジオなどの防音材

・工場や大型建築物の断熱

5. 押出成形グラスウール

特殊な製法で成形された高密度のグラスウールです。

特徴

・高い圧縮強度

・優れた断熱性能

・防湿性が高い

主な用途

・外壁の外張り断熱

・基礎断熱

・屋根の断熱

6. グラスウールフェルト

薄くて柔軟性の高いグラスウール製品です。

特徴

・柔軟性が高く、曲面にも対応可能

・薄いため、狭いスペースにも使用可能

・軽量で取り扱いが容易

主な用途

・配管の保温

・空調ダクトの断熱

・自動車や家電製品の断熱

7. 化粧グラスウール

表面に化粧材を施したグラスウール製品です。

特徴

・見た目が美しく、仕上げ材としても使用可能

・防湿性が高い

・施工後の仕上げ作業が省略可能

主な用途

・天井の断熱兼仕上げ材

・壁面の断熱兼仕上げ材

・工場や倉庫の内装材

これらの種類は、それぞれ特徴や適した用途が異なります。建築物の構造や断熱目標、施工条件などを考慮して、最適な種類を選択することが重要です。また、複数の種類を組み合わせて使用することで、より効果的な断熱性能を実現できる場合もあります。

グラスウールのメリット

グラスウールは多くの優れた特性を持つ断熱材です。以下に、グラスウールの主なメリットについて詳しく解説します。

1. 高い断熱性能

グラスウールの最大の利点は、その優れた断熱性能です。

・繊維間の空気層が熱の移動を抑制

・密度を調整することで断熱性能を最適化可能

・夏の暑さと冬の寒さの両方に効果的

2. 優れた吸音性能

グラスウールは音を吸収する性質も持っています。

・外部騒音の低減に効果的

・室内の音響環境を改善

・防音対策としても使用可能

3. 軽量で施工しやすい

グラスウールは非常に軽量な材料です。

・取り扱いが容易で施工性が高い

・建物への負荷が少ない

・既存建築物への追加施工も比較的簡単

4. コストパフォーマンスが良い

グラスウールは経済性に優れています。

・他の断熱材と比較して比較的安価

・高い断熱効果により長期的な光熱費削減が可能

・耐久性が高く、長期間使用可能

5. 防火性能がある

グラスウールは不燃材料として認定されています。

・火災時の延焼を防ぐ効果がある

・建物の安全性向上に貢献

・建築基準法の防火規定に適合

6. リサイクル可能

環境に配慮した素材です。

・使用後のリサイクルが可能

・廃棄物の削減に貢献

・環境負荷の低減につながる

7. 様々な形状や密度が選択可能

用途に応じて多様な製品が用意されています。

・マット状、ボード状、吹き込み用など多様な形状

・密度や厚さを選択可能

・施工場所や目的に応じた最適な製品選択が可能

8. 化学的に安定

グラスウールは化学的に安定した素材です。

・腐食や劣化が少ない

・有害な化学物質の放出が極めて少ない

・長期間性能を維持できる

9. 省エネ効果が高い

高い断熱性能により、建物の省エネルギー化に貢献します。

・冷暖房効率の向上

・CO2排出量の削減

・エネルギー消費量の低減

10. 湿気対策にも有効

適切に施工することで、湿気対策にも効果を発揮します。

・結露の防止に役立つ

・カビの発生リスクを低減

・建物の耐久性向上に貢献

これらのメリットにより、グラスウールは住宅や商業施設、工場など様々な建築物の断熱材として広く使用されています。ただし、これらのメリットを最大限に活かすためには、適切な設計と施工が不可欠です。建物の構造や用途、地域の気候条件などを考慮し、専門家の助言を得ながら最適な使用方法を選択することが重要です。

グラスウールのデメリット

グラスウールは多くの利点を持つ一方で、いくつかのデメリットも存在します。以下に、グラスウールの主なデメリットについて詳しく解説します。

1. 湿気に弱い

グラスウールは湿気に弱い性質があります。

・湿気を吸収すると断熱性能が低下する

・結露が発生すると、カビやダニの繁殖の原因となる可能性がある

・適切な防湿対策が不可欠

2. 圧縮されると性能が低下する

グラスウールは圧縮に弱い特性があります。

・圧縮されると空気層が減少し、断熱性能が低下する

・重い物を置いたり、踏み込んだりすると簡単に変形する

・施工時や使用時の取り扱いに注意が必要

3. 施工時に粉塵が発生する

グラスウールの施工時には、微細な繊維(粉塵)が発生します。

・吸引すると健康被害の可能性がある

・皮膚や目に刺激を与える可能性がある

・適切な防護具の着用が必須

4. 長期間使用すると沈降する可能性がある

時間の経過とともに、グラスウールが沈降する可能性があります。

・天井や壁の上部に隙間ができる可能性がある

・断熱性能が不均一になる可能性がある

・定期的な点検と補充が必要な場合がある

5. 動物や昆虫の侵入を完全には防げない

グラスウールは、小動物や昆虫の侵入を完全には防ぐことができません。

・ネズミなどの小動物が巣を作る可能性がある

・虫の侵入経路になる可能性がある

・適切な防虫

・防鼠対策が必要

6. リサイクル時に手間がかかる

グラスウールはリサイクル可能ですが、実際のリサイクル処理には課題があります。

・他の建材と分離する作業が必要

・汚れや異物の混入があると再利用が難しい

・リサイクル施設が限られている

7. 重量のある物を支えられない

グラスウールは軽量で柔らかいため、重量物を支える構造材としては使用できません。

・天井や壁に重い物を取り付ける際は別途補強が必要

・床下断熱材として使用する場合、荷重に注意が必要

8. 紫外線に弱い

グラスウールは紫外線に弱い性質があります。

・直射日光にさらされると劣化が早まる

・外部に露出させて使用することはできない

・施工時や保管時に注意が必要

9. 断熱性能が他の高性能断熱材に劣る場合がある

最新の高性能断熱材と比較すると、単位厚さあたりの断熱性能で劣る場合があります。

・同じ断熱性能を得るためにより厚い施工が必要な場合がある

・高断熱住宅では他の断熱材と組み合わせて使用されることもある

10. 施工後の点検が難しい

壁内や天井裏に施工されるため、施工後の状態確認が難しい場合があります。

・経年劣化や沈降の確認が困難

・湿気や害虫の侵入を早期に発見しにくい

これらのデメリットは、適切な設計、施工、そしてメンテナンスによって多くを軽減または回避することができます。グラスウールを使用する際は、これらのデメリットを十分に理解し、適切な対策を講じることが重要です。また、建物の用途や環境条件によっては、他の断熱材との併用や代替を検討することも有効な選択肢となります。

グラスウールの断熱性能

グラスウールの断熱性能は、その構造と特性に由来する重要な特徴です。以下、グラスウールの断熱性能について詳しく解説します。

1. 断熱のメカニズム

グラスウールの断熱性能は、主に以下のメカニズムに基づいています。

・繊維間の静止空気層による熱伝導の抑制

・繊維自体の低熱伝導率

・放射熱の反射と吸収

2. 熱伝導率

グラスウールの熱伝導率は、一般的に以下の範囲にあります。

・通常品:0.038〜0.052 W/(m·K)

・高性能品:0.033〜0.036 W/(m·K)

熱伝導率が低いほど、断熱性能が高いことを示します。

3. 密度と断熱性能の関係

グラスウールの密度は断熱性能に影響を与えます。

・低密度(10〜16 kg/m³):一般的な壁内断熱用

・中密度(16〜24 kg/m³):天井断熱や外張り断熱用

・高密度(24 kg/m³以上):高性能断熱や防音用

一般的に、密度が高くなるほど断熱性能は向上しますが、コストも上がります。

4. 厚さと断熱性能の関係

グラスウールの厚さも断熱性能に大きく影響します。

・厚さが増すほど断熱性能は向上する

・一般的な住宅では、100mm〜200mmの厚さが使用される

・高断熱住宅では、さらに厚い断熱材が使用されることもある

5. 熱貫流率(U値)への影響

グラスウールを使用した場合の壁や屋根の熱貫流率は、以下のように改善されます。

・無断熱の壁(U値 約2.7 W/m²K)→ 100mm厚のグラスウール使用(U値 約0.4 W/m²K)

・無断熱の屋根(U値 約4.0 W/m²K)→ 200mm厚のグラスウール使用(U値 約0.2 W/m²K)

6. 温度変化に対する安定性

グラスウールの断熱性能は、広い温度範囲で安定しています。

・-200℃から400℃までの温度範囲で使用可能

・温度変化による性能低下が少ない

7. 湿気の影響

湿気はグラスウールの断熱性能に影響を与えます。

・湿気を吸収すると断熱性能が低下する

・適切な防湿対策が重要

・結露が発生すると著しく性能が低下する

8. 経年変化

グラスウールの断熱性能は、適切に施工された場合、長期間維持されます。

・一般的に20〜30年は性能を維持

・沈降や圧縮により若干の性能低下が起こる可能性がある

・定期的な点検と必要に応じた補充が推奨される

9. 他の断熱材との比較

グラスウールの断熱性能を他の断熱材と比較すると。

・一般的な発泡プラスチック系断熱材よりやや劣る

・セルロースファイバーと同程度

・羊毛やコットンなどの天然繊維系断熱材よりやや優れる

グラスウールの断熱性能は、その構造や施工方法、使用環境によって変動します。最適な断熱効果を得るためには、適切な製品選択と施工が不可欠です。また、断熱性能だけでなく、コスト、施工性、環境への影響なども総合的に考慮して断熱材を選択することが重要です。

グラスウールの施工方法

グラスウールの施工方法は、使用する部位や形状によって異なります。ここでは、主な施工方法とその特徴、注意点について詳しく解説します。

1. 充填工法

壁や天井の内部にグラスウールを充填する一般的な工法です。

1. 柱や間柱の間にグラスウールを挿入

2. 適切なサイズにカットして隙間なく充填

3. 必要に応じて防湿シートを施工

4. 内装材で仕上げ

注意点

・隙間ができないよう丁寧に施工する

・圧縮しすぎないよう注意する

・防湿シートの施工位置に注意(結露防止)

2. 吹き込み工法

粒状のグラスウールを専用の機械で吹き込む工法です。

1. 吹き込み口を設ける

2. 専用機械でグラスウールを吹き込む

3. 均一に充填されていることを確認

4. 吹き込み口を塞ぐ

注意点

・適切な密度で充填されるよう調整する

・天井裏や壁内の配線に注意

・吹き込み後の沈降を考慮して充填する

3. 外張り工法

建物の外側からグラスウールを施工する方法です。

1. 構造材の外側にグラスウールを取り付け

2. 防水シートを施工

3. 通気層を設ける

4. 外装材を取り付け

注意点

・防水性能を確保する

・通気層の確保が重要

・風圧に耐える固定方法を選択

4. 床下施工

床下空間にグラスウールを施工する方法です。

1. 床下に防湿シートを敷く

2. グラスウールを敷き詰める

3. 必要に応じて上部に防湿シートを施工

4. 床材を施工

注意点

・床下の湿気対策を十分に行う

・配管や配線を避けて施工する

・圧縮されないよう適切な厚さを保つ

5. 屋根裏施工

屋根裏空間にグラスウールを施工する方法です。

1. 屋根裏の清掃と点検

2. 防湿シートを施工(必要に応じて)

3. グラスウールを敷き詰める

4. 換気口の確保を確認

注意点

・十分な換気を確保する

・電気配線や照明器具に注意

・適切な厚さを確保する

施工上の一般的な注意点

1. 適切な防護具の着用(マスク、手袋、ゴーグルなど)

2. 隙間なく施工し、熱橋を作らない

3. 適切な厚さと密度を確保する

4. 防湿層の連続性を確保する

5. 圧縮しすぎないよう注意する

6. 施工後の点検を確実に行う

グラスウールの施工は、その方法や注意点を十分に理解し、適切に行うことが重要です。特に防湿対策や隙間のない施工は、断熱効果を最大限に発揮させるために欠かせません。また、施工環境や建物の構造によって最適な方法が異なる場合もあるため、専門家の助言を得ながら進めることをおすすめします。

グラスウールの施工上の注意点について詳しく

グラスウールを効果的に施工し、その性能を最大限に引き出すためには、いくつかの重要な注意点があります。以下に、グラスウールの施工上の主な注意点を詳しく解説します。

1. 適切な防護具の着用

グラスウールの施工時には、作業者の安全を確保するために適切な防護具の着用が不可欠です。

・防塵マスク:微細な繊維の吸引を防ぐ

・保護メガネ:目への繊維の侵入を防ぐ

・長袖の作業着と手袋:皮膚への刺激を防ぐ

・帽子:頭部への繊維の付着を防ぐ

2. 隙間のない施工

断熱効果を最大化するためには、隙間のない施工が重要です。

・柱や梁の間にぴったりとグラスウールを充填する

・切り込みを入れて配管や配線を避ける

・複数枚を重ねる場合は、継ぎ目をずらす

・端部や隅々まで丁寧に施工する

3. 適切な厚さと密度の確保

設計で指定された厚さと密度を確保することが重要です。

・指定された厚さを守り、圧縮しすぎない

・天井や床下では、たるみや沈降を考慮して若干多めに施工

・密度の異なる製品を混在させない

4. 防湿層の適切な施工

湿気対策は断熱性能維持のために非常に重要です。

・室内側に必ず防湿シートを施工する

・防湿シートの継ぎ目は必ず重ねて密閉する

・配管や配線の貫通部は確実にシールする

・防湿層が破れたり、穴があいたりしないよう注意する

5. 適切な換気の確保

結露を防ぎ、建物の耐久性を高めるために適切な換気が必要です。

・屋根裏や壁体内の通気を確保する

・換気口や軒裏換気を適切に設置する

・防湿層と外装材の間に通気層を設ける

6. 電気配線への配慮

電気配線との接触による火災リスクを防ぐ必要があります。

・配線に直接グラスウールが接触しないようにする

・配線周りには必要に応じてスペースを設ける

・ダウンライトなどの発熱する照明器具周りは適切に処理する

7. 圧縮や変形の防止

グラスウールの性能を維持するために、圧縮や変形を防ぐ必要があります。

・施工後に重い物を置かない

・人が踏み込まないよう注意する

・天井裏などでは踏み板を設置する

8. 適切な保管と取り扱い

施工前の保管と取り扱いにも注意が必要です。

・湿気のない場所で保管する

・直射日光を避ける

・開封後はなるべく早く使用する

・運搬時に変形や破損しないよう注意する

9. 他の部材との相性確認

使用する他の建材との相性を確認することも重要です。

・防腐剤や防蟻剤との併用可否を確認する

・接着剤や塗料との相性を確認する

・金属部材との接触による腐食リスクを考慮する

10. 施工後の点検

施工完了後の点検も忘れずに行います。

・隙間や圧縮がないか確認する

・防湿層の破れや隙間がないか確認する

・換気経路が確保されているか確認する

これらの注意点を守ることで、グラスウールの性能を最大限に引き出し、長期間にわたって効果的な断熱を実現することができます。また、適切な施工は建物の耐久性向上や省エネ効果の最大化にもつながります。専門的な知識と経験が必要な作業も多いため、可能な限り専門家による施工を推奨します。

よくある質問(Q&A)

グラスウールに関して、多くの方が疑問や不安を抱えています。ここでは、よくある質問とその回答を詳しく解説します。

Q1: グラスウールは人体に有害ですか?

A1: 適切に施工され、壁内に封入されていれば問題ありません。ただし、以下の点に注意が必要です。

・施工時や露出時には粉塵を吸い込まないよう注意が必要

・長期的な健康影響については、現在のところ明確な証拠はない

・アレルギー反応を起こす可能性がある人もいるため、個人差に注意

Q2: グラスウールの寿命はどれくらいですか?

A2: 適切に施工され、湿気などの問題がなければ、建物の寿命と同程度持続します。

・一般的に20〜30年以上の性能維持が期待できる 。ただし、湿気や圧縮により性能が低下する可能性がある

・定期的な点検と必要に応じた補修や交換が推奨される

Q3: グラスウールは防音効果がありますか?

A3: はい、グラスウールは吸音性能も優れているため、ある程度の防音効果が期待できます。

・特に高周波音の吸収に効果的

・壁や天井の遮音性能向上に寄与する。ただし、完全な防音には他の対策も併用する必要がある

Q4: グラスウールは湿気に弱いのですか?

A4: はい、グラスウールは湿気に弱い性質があります。

・湿気を吸収すると断熱性能が低下する

・結露が発生すると、カビやダニの繁殖の原因となる可能性がある

・適切な防湿対策(防湿シートの使用など)が不可欠

Q5: グラスウールは燃えやすいですか?

A5: グラスウールは不燃材料として認定されており、燃えにくい素材です。

・ただし、結合剤は可燃性の場合がある

・高温にさらされると溶融する可能性がある

・防火性能を期待する場合は、適切な施工方法を選択する必要がある

Q6: グラスウールは圧縮すると性能が落ちますか?

A6: はい、グラスウールは圧縮すると断熱性能が低下します。

・空気層が減少するため、断熱効果が低下する

・元の厚さに戻しても、完全には性能が回復しない場合がある

・施工時や使用時に圧縮しないよう注意が必要

Q7: グラスウールはリサイクル可能ですか?

A7: はい、グラスウールはリサイクル可能な材料です。

・他の建材と分離する必要がある

・汚れや異物が混入していると再利用が難しい

・リサイクル施設が限られているため、地域によっては困難な場合もある

Q8: グラスウールと他の断熱材を比べてどうですか?

A8: グラスウールは、コストパフォーマンスが良く、広く使用されている断熱材です。

・断熱性能は一般的な発泡プラスチック系よりやや劣る

・吸音性能は優れている

・施工性が良く、様々な形状に対応できる

・環境負荷が比較的低い

Q9: DIYでグラスウールを施工できますか?

A9: 簡単な作業であれば可能ですが、専門知識と適切な装備が必要です。

・適切な防護具(マスク、手袋、ゴーグルなど)の着用が不可欠

・防湿層の正しい施工など、専門的な知識が必要な部分がある

・大規模な工事や複雑な部分は専門家に依頼することを推奨

Q10: グラスウールの施工後、室内の空気質に影響はありますか?

A10: 適切に施工されれば、室内の空気質への悪影響はほとんどありません。

・施工直後は若干の臭いがする可能性がある

・防湿層が適切に施工されていないと、繊維が室内に漏れ出す可能性がある

・化学物質過敏症の方は、事前に材料の成分を確認することをおすすめする

これらの質問と回答は、グラスウールに関する基本的な疑問点をカバーしています。ただし、個々の状況によって最適な対応は異なるため、具体的な案件については専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

グラスウールは、高い断熱性能と経済性を備えた優れた断熱材です。適切に施工することで、快適な室内環境と省エネ効果を実現できます。ただし、湿気対策や施工時の注意点にも留意する必要があります。断熱材の選択と施工は住宅の性能に大きく影響するため、専門家と相談しながら最適な選択をすることをおすすめします。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

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    :渡辺知光

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