住まいの価値を高める犬走り~メリット・素材選びから施工方法まで徹底解説!
家づくりの基本
2024/08/06
2024/08/06
犬走りは、住宅の外壁に沿って設けられる通路のことです。機能性とデザイン性を兼ね備えた外構要素として、多くの住宅で採用されています。この記事では、犬走りの意味や目的、メリット、素材別の特徴などについて詳しく解説します。家づくりの参考にしてください。
犬走りってなに?
犬走りは、住宅の外壁に沿って設けられる通路のことを指します。一般的に地面よりも少し高く設置され、外壁と地面の間に位置する重要な外構要素です。
家の外壁周りに設けられた通路
犬走りの主な特徴は以下の通りです。
幅:通常30cm〜1m程度の幅を持ちます。家の大きさや用途によって適切な幅が異なります。
高さ:地面より数cm〜10cm程度高く設置されることが多いです。これにより、雨水や泥はねから外壁を保護する効果が高まります。
素材:コンクリート、砂利、タイル、レンガなど、様々な素材が使用されます。それぞれに特徴があり、機能性やデザイン性を考慮して選択されます。
形状:多くの場合、家の外周に沿って設置されますが、部分的に設置されることもあります。
犬走りという名称の由来については諸説ありますが、最も有力なのは、かつて番犬が家の周りを走り回るためのスペースだったという説です。現代では番犬のためではなく、住宅の機能性と美観を高めるために設置されています。
犬走りは単なる通路以上の役割を果たしており、外壁の保護、庭の手入れのしやすさ、防犯効果の向上など、多様な目的で設置されています。また、外構デザインの重要な要素としても注目されており、住宅の外観の美しさを引き立てる役割も担っています。
新築時に設置されることが多い犬走りですが、既存の住宅にも後から追加することが可能です。ただし、地面の掘削や基礎工事が必要になる場合もあるため、専門業者に相談しながら計画を進めることが推奨されます。
このように、犬走りは住宅の機能性と快適性を高める重要な要素として、多くの住宅で採用されています。家づくりや外構リフォームの際には、ぜひ検討してみてください。
犬走りのメリット
犬走りは法律上の設置義務はありませんが、多くの住宅で採用されています。その理由は、犬走りが住宅に様々なメリットをもたらすからです。以下、犬走りの主な目的とメリットについて詳しく解説します。
メリット1 外壁に泥や雨が跳ねるのを防ぐ
犬走りの最も重要な役割の一つが、外壁への雨や泥はねを防ぐことです。地面と外壁の間に犬走りを設けることで、雨天時や庭の水やりの際に泥や水が外壁に直接跳ねることを防ぎます。これにより、外壁の汚れや劣化を軽減し、長期的には外壁のメンテナンス費用の削減にもつながります。特に1階部分の外壁保護に効果を発揮し、住宅の耐久性向上に貢献します。
メリット2 歩きやすくなる
犬走りは、家の周りを歩く際の通路としても機能します。地面よりも少し高くなっているため、雨上がりでも靴が泥で汚れにくくなります。また、庭の手入れや外壁の清掃など、家のメンテナンス作業を行う際にも便利です。特に、エアコンの室外機や給湯器などの設備機器へのアクセスが容易になり、点検や修理の際に役立ちます。さらに、緊急時の避難路としても活用できる可能性があります。
メリット3 雑草が生えにくくなる
犬走りを設置することで、家の周りの地面が覆われるため、雑草の生育を抑制する効果があります。これにより、庭の手入れの手間が軽減され、外構の美観を保ちやすくなります。特にコンクリートやタイルなどの素材を使用した場合、雑草の生育をほぼ完全に防ぐことができます。結果として、庭の維持管理コストを抑えることができ、長期的には経済的なメリットもあります。
メリット4 防犯効果を期待できる
犬走りは、不審者が家に近づく際の障害物となります。また、砂利などの音の出る素材を使用することで、侵入者の足音を立てやすくし、防犯効果を高めることができます。さらに、センサーライトなどの防犯設備を設置する際の土台としても活用でき、総合的な防犯対策の一環として機能します。夜間の照明設置場所としても適しており、防犯と景観の両面で効果を発揮します。
メリット5 外構のデザイン性を高められる
犬走りは、外構デザインの重要な要素の一つです。素材や色、パターンを工夫することで、住宅の外観の美しさを引き立てることができます。例えば、和風の住宅には砂利や飛び石を、モダンな住宅にはスタイリッシュなタイルを使用するなど、家の雰囲気に合わせた設計が可能です。また、植栽スペースとしても活用でき、家の周りに緑を取り入れやすくなります。これにより、季節感のある庭づくりや、プライバシーを確保するための植栽も容易になります。
以上のように、犬走りには多様なメリットがあります。外壁保護や防犯効果といった実用的な面から、デザイン性の向上まで、住宅の価値を総合的に高める要素といえるでしょう。新築時はもちろん、リフォームの際にも犬走りの設置を検討する価値は十分にあります。ただし、敷地の広さや予算、個人の好みなどを考慮して、最適な犬走りの設計を行うことが重要です。
犬走りの施工素材別、メリット・デメリットや費用目安
犬走りの素材選びは、機能性、デザイン性、そして予算を考慮して行う必要があります。以下に主な素材のメリット・デメリットと費用目安を詳しく解説します。
コンクリート
メリット
1. 耐久性が高く、長期間使用できる
2. メンテナンスが容易で、清掃も簡単
3. 比較的安価で施工できる
4. 雑草が生えにくい
5. さまざまな仕上げ方法(洗い出し、スタンプなど)で表情を変えられる
デメリット
1. 単調な印象になりやすい
2. ひび割れが発生する可能性がある
3. 夏場は熱くなりやすい
4. 冬場は凍結しやすい
費用目安:5,000円〜10,000円/㎡
砂利
メリット
1. 防犯効果が高い(足音が出やすい)
2. 水はけが良く、雨水の排水性に優れている
3. 比較的安価で施工できる
4. 自然な風合いを出せる
5. DIYでも施工可能
デメリット
1. 雑草が生えやすい
2. 歩きにくい場合がある(特にハイヒールなど)
3. 長期使用で沈下や散らばりが生じる
4. 定期的な補充が必要になる可能性がある
費用目安:3,000円〜8,000円/㎡
タイル
メリット
1. デザイン性が高く、多様な色柄や形状が選べる
2. 耐久性があり、長期間美観を保てる
3. 清掃が容易
4. 防水性に優れている
5. 滑り止め加工のものを選べば安全性も高い
デメリット
1. 施工費が高めになる
2. 滑りやすい場合がある(特に雨天時)
3. 凍結による剥離や割れのリスクがある
4. 補修や部分交換が難しい場合がある
費用目安:10,000円〜20,000円/㎡
レンガ
メリット
1. 高級感があり、重厚な雰囲気を演出できる
2. 耐久性が高い
3. 保温性・蓄熱性に優れている
4. 経年変化で味わいが増す
5. 様々な積み方でデザインを楽しめる
デメリット
1. コストが高め
2. 経年劣化で苔が生えやすい
3. 凍結による劣化のリスクがある
4. 施工に技術と時間がかかる
5. 重量があるため、地盤の状況によっては不向き
費用目安:15,000円〜25,000円/㎡
ウッドチップ
メリット
1. 自然な雰囲気を演出できる
2. クッション性があり、歩きやすい
3. 防音効果がある
4. 比較的安価
5. DIYでも施工可能
デメリット
1. 耐久性が低く、定期的な補充が必要
2. 腐食や虫の発生のリスクがある
3. 強風で飛散する可能性がある
4. 雑草抑制効果は限定的
5. 長期的には他の素材より高コストになる可能性がある
費用目安:5,000円〜10,000円/㎡
素材選びの際は、これらのメリット・デメリットを考慮しつつ、住宅の外観デザインや周辺環境との調和、気候条件、メンテナンスの手間、長期的なコストなども検討することが重要です。また、複数の素材を組み合わせることで、それぞれの長所を活かしたデザインも可能です。専門家のアドバイスを受けながら、最適な選択をすることをおすすめします。
よくある質問(Q&A)
犬走りに関して、多くの方が疑問に思う点について、Q&A形式で詳しく解説します。
Q1:犬走りの幅はどれくらいがいいですか?
A1:一般的に30cm〜1m程度が適しています。幅の選択は以下の要因を考慮して決定します。
・家の大きさ:大きな家には広めの犬走りが調和しやすい
・用途:単なる雨よけなら30cm程度、歩行用なら60cm以上
・敷地の広さ:狭い敷地では幅を抑えめにする
・法規制:建築基準法による建蔽率の制限に注意
狭すぎると機能性が損なわれ、広すぎると庭のスペースが減ってしまいます。バランスを考えて適切な幅を選びましょう。
Q2:犬走りは必ず必要ですか?
A2:法律上の設置義務はありませんが、以下の理由から設置をおすすめします。
・外壁の保護:雨はねや泥はねから外壁を守る
・メンテナンス性の向上:外壁清掃や設備点検が容易になる
・防犯効果:不審者の侵入を抑制する
・美観の向上:外構デザインの一部として家の印象を良くする
ただし、敷地に余裕がない場合や、特定のデザインコンセプトがある場合は、設置しないという選択肢もあります。
Q3:後から犬走りを設置することはできますか?
A3:既存の住宅にも後から犬走りを設置することは可能です。ただし、以下の点に注意が必要です。
・地面の掘削や基礎工事が必要になる場合がある
・既存の植栽や設備(エアコンの室外機など)の移動が必要な場合がある
・建蔽率の関係で設置できない可能性がある
・デザイン面で既存の外観との調和を考慮する必要がある
これらの理由から、専門業者に相談しながら計画を進めることをおすすめします。
Q4:犬走りの素材はどのように選べばいいですか?
A4:素材選びは以下の要因を考慮して決定します。
・予算:コンクリートや砂利は比較的安価、タイルやレンガは高価
・メンテナンス性:コンクリートやタイルは手入れが容易
・デザイン:家の外観や庭のスタイルとの調和
・機能性:防犯効果を重視するなら砂利、歩きやすさを重視するならタイルなど
・耐久性:寒冷地ではフリーズ(凍結)に強い素材を選ぶ
素材ごとの特徴をよく理解し、自身のニーズに合った選択をしましょう。
Q5:犬走りの施工は自分でできますか?
A5:素材や規模によっては、DIYで施工することも可能です。しかし、以下の点に注意が必要です。
・基礎工事が必要な場合は専門知識が必要
・排水勾配の調整など、技術的な面での難しさがある
・大規模な施工の場合、重機が必要になることもある
・建築基準法や地域の条例に適合しているか確認が必要
初心者の場合は、砂利敷きなど比較的簡単な方法から始めるのがよいでしょう。本格的な施工は専門業者に依頼することをおすすめします。
Q6:犬走りのメンテナンス方法を教えてください。
A6:素材によってメンテナンス方法が異なります。
・コンクリート・タイル:定期的な清掃と、必要に応じて高圧洗浄
・砂利:定期的な水まきと、沈下や散らばりの補修
・レンガ:苔や雑草の除去、目地のメンテナンス
・ウッドチップ:定期的な補充と、腐食した部分の除去
また、全ての素材に共通して、排水溝の清掃や雑草の除去を定期的に行うことが大切です。適切なメンテナンスにより、犬走りの機能と美観を長く保つことができます。
まとめ
犬走りは、外壁の保護や防犯、メンテナンス性の向上など、多くの利点を持つ重要な外構要素です。素材選びや幅の決定など、設計段階でしっかりと検討することで、より機能的で美しい住まいづくりにつながります。予算や好みに合わせて最適な犬走りを選び、快適な住環境を実現しましょう。
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