プロが教える!注文住宅のための理想の土地探し7つのポイントと注意点
家づくりの基本
2024/08/13
2024/08/13
注文住宅を建てるにあたり、土地選びは非常に重要なステップです。適切な土地を選ぶことで、理想の住まいづくりの第一歩を踏み出すことができます。しかし、土地選びには様々な要素を考慮する必要があり、適切な準備や知識がないと後悔する可能性があります。この記事では、後悔しない土地探しのためのチェックポイントや、依頼先の選び方、事前準備などについて詳しく解説します。これから注文住宅を建てようと考えている方々にとって、有益な情報となるでしょう。
土地探しの事前準備
土地探しを始める前に十分な準備をすることは、後悔のない土地選びにつながります。ここでは、土地探しを始める前に行うべき重要な準備について詳しく解説します。
希望を洗い出し、優先順位を決める
まずは、自分たちが求める土地の条件を細かく洗い出すことから始めましょう。家族で話し合い、それぞれの希望を出し合うことが大切です。考慮すべき主な項目には以下のようなものがあります。
・立地条件(駅や職場からの距離、周辺環境など)
・土地の広さ
・日当たり
・周辺の生活利便施設(スーパー、病院、学校など)の有無
・静かさや騒音の程度
・景観や眺望
・将来の資産価値
これらの条件を列挙したら、次に優先順位をつけていきます。例えば、「駅から徒歩10分以内」を最優先にするのか、それとも「広さ40坪以上」を譲れない条件とするのかなど、家族で十分に話し合って決めましょう。優先順位を決めておくことで、土地探しの際に迷いが生じても、重要な条件から順に検討していくことができます。
土地の予算を決める
次に、土地にかけられる予算を決めることが重要です。注文住宅の場合、総予算から建築費用を引いた額が土地の予算となります。一般的には、土地代は総予算の30〜40%程度とされていますが、地域や立地条件によって大きく変わることもあります。
予算を考える際には、以下の点に注意しましょう。
・諸費用(不動産仲介手数料、登記費用、税金など)も考慮に入れる
・土地の造成や解体が必要な場合は、そのコストも計算に入れる
・将来のリフォームや増築の可能性も考えて、余裕を持った予算設定をする
・住宅ローンを組む場合は、返済計画を立てて無理のない予算を設定する
予算をしっかり決めておくことで、土地探しの範囲が明確になり、効率的に探すことができます。また、予算オーバーの物件に心を奪われて後悔することも避けられます。
古家付きや建築条件付きなど土地の特性もチェック
土地には様々な特性があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。主な特性として以下のようなものがあります。
更地:そのまま建築可能ですが、一般的に価格が高めです。
古家付き:解体費用が必要ですが、更地より安く購入できる可能性があります。
建築条件付き:指定された業者との契約が必要ですが、土地代が安めに設定されていることが多いです。
造成前の土地:造成費用が必要ですが、希望通りの整地ができる可能性があります。
これらの特性を理解し、自分たちのニーズや予算に合っているかを検討することが大切です。例えば、古家付きの土地を検討する場合は、解体費用も含めた総額を計算し、更地の土地と比較検討するとよいでしょう。
また、土地の形状(整形地、不整形地、旗竿地など)についても事前に学んでおくと、土地探しの際に役立ちます。それぞれの形状によって、建築可能な家の形や駐車場の配置などが変わってくるため、自分たちの希望する家が建てられるかどうかを事前に確認することが重要です。
これらの準備を丁寧に行うことで、土地探しの効率が上がり、後悔のない選択につながります。土地選びは住まいづくりの重要な第一歩です。焦らず、じっくりと準備を進めていきましょう。
注文住宅用の土地探しの方法
注文住宅を建てるための土地探しには、様々な方法があります。それぞれの方法にメリット・デメリットがありますので、複数の方法を組み合わせて効率的に探すことをおすすめします。ここでは、主な土地探しの方法について詳しく解説します。
SUUMOなどインターネットサイトから探す
インターネットの不動産サイトを利用することは、土地探しの第一歩として非常に効果的です。SUUMOやHOME’S、アットホームなどの大手不動産ポータルサイトでは、以下のような利点があります。
・広範囲の物件情報を一度に閲覧できる
・希望条件(価格、面積、駅からの距離など)で絞り込み検索ができる
・新着物件をチェックしやすい
・物件の写真や周辺情報を確認できる
これらのサイトを利用する際は、以下の点に注意しましょう。
・情報更新のタイミングにより、すでに売約済みの物件が掲載されている場合がある
・掲載情報が実際の状況と異なる可能性がある
・良い物件はすぐに売れてしまうため、気になる物件はすぐに問い合わせることが大切
また、各不動産会社の公式サイトや、地域密着型の不動産サイトもチェックすると、大手ポータルサイトには掲載されていない物件情報を見つけられる可能性があります。
住みたいエリアに出向いて「売地」看板を探すなど足を使う
実際に住みたいエリアに足を運んで探す方法も、非常に重要です。この方法には以下のような利点があります。
・「売地」の看板を見つけたら、その場で不動産会社に連絡を取ることができる
・周辺環境や雰囲気を直接確認できる
・インターネットに掲載されていない物件を見つけられる可能性がある
・地元の不動産会社で情報を得られる可能性がある
効果的に探すためには、以下のポイントを押さえましょう。
・休日や祝日に出かける(不動産会社が開いている日時に合わせる)
・地図アプリを活用して効率的に回る
・気になる土地があれば、周辺の様子も含めて写真を撮っておく
・地元の不動産会社に立ち寄り、直接相談してみる
また、実際に足を運ぶことで、日当たりや風通し、騒音レベルなど、インターネットだけでは分からない情報も得られます。これらの情報は、後々の生活に大きく影響する重要な要素ですので、必ず確認しましょう。
不動産会社やハウスメーカー、工務店に依頼する
プロの力を借りて土地探しをすることも、非常に効果的な方法です。不動産会社やハウスメーカー、工務店に依頼するメリットには以下のようなものがあります。
・豊富な情報と経験を持つプロが適切なアドバイスをしてくれる
・インターネットには出ていない物件情報を得られる可能性がある
・法規制や地域の特性など、専門的な知識を得られる
・交渉のサポートをしてもらえる
依頼する際は、以下の点に注意しましょう。
・複数の会社に相談することで、より多くの選択肢を得られる
・ハウスメーカーや工務店に依頼する場合、その会社での家づくりが前提となる場合がある
・不動産会社の場合、仲介手数料がかかることを念頭に置く
また、地元の不動産会社は地域の詳しい情報を持っていることが多いので、大手だけでなく地元の不動産会社にも相談してみるとよいでしょう。
これらの方法を組み合わせることで、より効果的に土地探しを進めることができます。インターネットで大まかな情報を集め、気になるエリアに実際に足を運び、そして専門家のアドバイスを受けるという流れが一般的です。土地探しには時間がかかることも多いですが、焦らず慎重に進めることが、後悔のない選択につながります。
後悔しない土地探しで押さえたいポイント
土地選びは、家づくりの根幹となる重要な決断です。後悔しない土地選びをするためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。ここでは、土地探しで特に注意すべきポイントについて詳しく解説します。
現地でしか確認できないポイントをチェック
インターネットや資料だけでは分からない、現地でしか確認できない重要なポイントがたくさんあります。以下のような点を必ずチェックしましょう。
日当たりと風通し
・朝、昼、夕方と時間帯を変えて訪れ、日当たりの変化を確認する
・周囲に日光を遮る高い建物や樹木がないかチェック
・風の通り道を確認し、夏場の暑さ対策を検討する
騒音レベル
・平日と休日、朝昼夜と時間帯を変えて訪れ、騒音の程度を確認する
・近くに線路や幹線道路、工場などがないかチェック
・静かすぎる場所だと、逆に生活音が気になる可能性もあるので注意
周辺環境
・近隣の建物の状態や種類(戸建て、マンション、店舗など)を確認
・空き家や廃屋がないかチェック
・将来的な開発計画がないか、市役所や不動産会社に確認
地形と水はけ
・土地の傾斜を確認し、造成の必要性を検討
・大雨の際の浸水リスクを確認(ハザードマップなども参照)
・地盤の状態を確認し、必要に応じて地盤調査を実施
道路状況
・前面道路の幅員を確認(建築基準法の接道義務をクリアしているか)
・車の出し入れがしやすいか確認 ・通学路や生活動線としての安全性を確認
電柱や街灯の位置
・電柱が敷地内にないか、または建築の支障にならないか確認
・夜間の明るさや、街灯の光が寝室に差し込まないかチェック
眺望と景観
・周囲の建物や自然の景観を確認
・将来的に眺望を遮る可能性のある開発計画がないか確認
生活利便施設へのアクセス
・実際に歩いて、最寄りの駅やスーパー、病院などへの距離や経路を確認
・坂道や階段などがないか、日常の生活動線をチェック
これらのポイントは、実際に現地に足を運ばないと確認できません。できれば家族全員で訪れ、それぞれの視点で土地を評価することが大切です。また、近隣住民の方々の様子を観察したり、可能であれば直接話を聞いてみるのも良いでしょう。
さらに、以下のような点も重要なチェックポイントです。
土地の形状と向き
・整形地か不整形地か、使いやすい形状かを確認
・南向きが理想的だが、土地の形状によっては東向きや西向きでも工夫次第で快適な住まいづくりが可能
将来性
・周辺の開発計画や、地域の将来ビジョンを市役所などで確認
・人口動態や地価の推移など、長期的な視点での評価も重要
インフラ整備状況
・上下水道、ガス、インターネット回線などの整備状況を確認
・必要に応じて、これらの引き込み工事の費用も考慮
災害リスク
・ハザードマップで浸水リスクや土砂災害リスクを確認
・過去の災害履歴や、地域の防災対策についても調査
これらのポイントを丁寧にチェックすることで、後悔のない土地選びにつながります。ただし、すべての条件を完璧に満たす土地を見つけることは難しいかもしれません。自分たちにとって最も重要な条件は何か、優先順位を付けて判断することが大切です。
土地探しには時間がかかることも多いですが、焦らずじっくりと検討することが、将来の幸せな暮らしにつながります。必要に応じて不動産の専門家や建築士のアドバイスも受けながら、慎重に選んでいきましょう。
土地にかかわる法律をチェックしよう
土地の購入や家の建築を検討する際、様々な法律や規制を理解することは非常に重要です。これらの法律や規制は、建てられる建物の種類、大きさ、形状などに大きな影響を与えます。ここでは、土地に関わる主な法律や規制について詳しく解説します。
建てられる建物が制限される法律がある
土地利用に関する主な法律や規制には以下のようなものがあります。
都市計画法
・用途地域制度により、その地域で建てられる建物の用途が制限されます。
・第一種低層住居専用地域では、主に戸建て住宅しか建てられません。
・市街化区域と市街化調整区域の区分も重要で、市街化調整区域では原則として新しい建物を建てることができません。
建築基準法
・建物の構造、設備、用途などに関する最低限の基準を定めています。
・接道義務(建築敷地は一定幅員以上の道路に2m以上接していなければならない)などが規定されています。
景観法
・地域の景観を保護するための法律で、建物の高さや外観、色彩などが制限される場合があります。
文化財保護法
・歴史的な建造物や遺跡の近くでは、建築に制限がかかる場合があります。
農地法
・農地を宅地に転用する場合、許可が必要です。
地区計画
・特定の地区における詳細なルールを定めるもので、建物の高さや外観などが細かく規制されることがあります。
これらの法律や規制は、地域によって異なる場合があります。また、複数の規制が重なっていることも珍しくありません。そのため、土地を購入する前に、必ず該当地域の自治体に確認することが重要です。
土地から建てられる家の広さを知る
土地の面積だけでなく、実際に建てられる家の広さを知ることは非常に重要です。これには主に以下の二つの指標が関係します。
建ぺい率
・建築面積(建物の水平投影面積)の敷地面積に対する割合を示します。
・200㎡の土地で建ぺい率が60%の場合、1階の床面積は最大120㎡までとなります。
容積率
・延べ床面積の敷地面積に対する割合を示します。
・200㎡の土地で容積率が200%の場合、延べ床面積は最大400㎡までとなります。
これらの数値は用途地域によって異なり、例えば第一種低層住居専用地域では、建ぺい率30〜60%、容積率50〜150%といった具合に定められています。
ただし、注意すべき点として以下のようなものがあります。
・道路斜線制限や隣地斜線制限により、建物の高さや形状が制限される場合があります。
・北側斜線制限により、北側に接する土地との関係で建物の高さが制限される場合があります。
・前面道路幅員による容積率の制限があり、細い道路に面している場合は規定の容積率まで建てられない可能性があります。
・敷地が不整形な場合、実際に建てられる面積が想定よりも小さくなることがあります。
これらの制限を考慮すると、単純に建ぺい率と容積率だけで建てられる家の大きさを判断することはできません。専門家のアドバイスを受けながら、実際にどの程度の大きさの家が建てられるかを慎重に検討する必要があります。
また、将来的な拡張の可能性も考えておくと良いでしょう。例えば、建ぺい率や容積率に余裕がある場合、将来的な増築の余地が残されています。
土地に関わる法律や規制は複雑で、専門的な知識が必要な場合も多いです。不動産会社や建築士、行政の窓口などに相談し、正確な情報を得ることが重要です。また、これらの法律や規制は時代とともに変更される可能性もあるため、最新の情報を確認することも忘れずに。慎重に検討し、理想の家づくりの基盤となる土地を選びましょう。
よくある質問(Q&A)
土地探しや購入に関して、多くの方が同じような疑問や不安を抱えています。ここでは、よくある質問とその回答をQ&A形式で詳しく解説します。
Q1: 土地を見に行く際、何を持っていくべきですか?
A1: 土地を見学する際には、以下のものを持参すると便利です。
メジャー:土地の寸法を実測するのに使用します。
コンパス:方角を確認するために重要です。日当たりの良し悪しに直結します。
カメラ:土地や周辺環境の写真を撮影し、後で見返すことができます。
メモ帳とペン:気づいたことをその場でメモします。
地図アプリが入ったスマートフォン:周辺施設の確認や移動に便利です。
飲み物:特に夏場は熱中症対策として必須です。
帽子や日傘:日差しが強い日に備えて用意しましょう。
歩きやすい靴:現地や周辺を歩き回ることになるので、動きやすい服装と靴を選びましょう。
また、可能であれば以下のものも用意すると良いでしょう。
ハザードマップ:その地域の災害リスクを確認できます。
物件資料:不動産会社から事前に入手できる場合は持参しましょう。
Q2: 土地の形状で注意すべき点はありますか?
A2: 土地の形状は家の設計や生活のしやすさに大きく影響します。主な注意点は以下の通りです。
旗竿地
・道路に細長い通路でつながっている土地です。
・プライバシーは確保しやすいですが、駐車場の配置に制限がかかる可能性があります。
・細長い部分の管理や除雪が面倒な場合があります。
変形地(不整形地)
・四角形ではない、複雑な形状の土地です。
・家の設計に制限がかかったり、使いづらい空間ができたりする可能性があります。
・工夫次第でユニークな家づくりができる可能性もあります。
傾斜地
・平坦ではなく、傾斜のある土地です。
・造成費用がかかったり、家の設計に工夫が必要になったりします。
・眺望が良くなる可能性がある一方、地盤の安定性に注意が必要です。
細長い土地
・奥行きが長く、間口が狭い土地です。
・採光や通風に工夫が必要になる場合があります。
・駐車スペースの確保が難しくなる可能性があります。
これらの特徴を踏まえ、自分たちのニーズに合っているかを慎重に判断しましょう。また、不整形地や傾斜地でも、適切な設計により快適な住まいを実現できる可能性があるので、建築の専門家に相談するのも良いでしょう。
Q3: 土地の履歴を確認する方法はありますか?
A3: 土地の履歴を確認することは、将来のトラブルを回避する上で非常に重要です。主な確認方法は以下の通りです。
登記簿謄本の取得
・法務局で取得できます。過去の所有者や権利関係を確認できます。
・オンラインでも取得可能です。
土地利用履歴の確認
・市町村の環境課などで、過去の土地利用状況を確認できる場合があります。
・特に工場跡地などの場合、土壌汚染の可能性がないか確認することが重要です。
古い地図や航空写真の確認
・国土地理院や地元の図書館で、過去の地図や航空写真を閲覧できる場合があります。
・土地の形状の変化や周辺環境の変遷を確認できます。
近隣住民や不動産業者への聞き込み
・地元の方々から、その土地にまつわる情報を得られる可能性があります。
・ただし、噂レベルの情報もあるので、公的な情報と照らし合わせる必要があります。
土壌汚染状況報告書の確認
・土壌汚染対策法に基づいて作成された報告書がある場合があります。
・自治体の環境部署で閲覧できる場合があります。
地盤調査
・専門業者に依頼して地盤の状態を調査することができます。
・特に軟弱地盤や埋立地の場合は重要です。
土地の履歴を知ることで、過去の土地利用による問題(例:工場跡地による土壌汚染、埋立地による地盤沈下リスクなど)を事前に把握できる可能性があります。これらの情報は、土地購入の判断材料として非常に重要です。不明な点がある場合は、専門家や行政機関に相談することをおすすめします。
土地選びは家づくりの重要な第一歩です。これらの質問と回答を参考に、慎重に、そして楽しみながら理想の土地を探していきましょう。疑問点があれば、遠慮なく不動産の専門家や行政機関に相談することが、後悔のない土地選びにつながります。
まとめ
後悔しない土地探しには、十分な準備と知識が必要です。希望条件の洗い出しや予算設定といった事前準備、インターネットや現地での探索、専門家への相談など、様々な方法を組み合わせることが大切です。また、法律や規制についての理解を深め、現地でしか確認できないポイントをしっかりとチェックすることも重要です。土地選びは一生に関わる大きな決断です。焦らず、慎重に、そして楽しみながら理想の土地を探していきましょう。適切な土地選びが、あなたの夢のマイホーム実現への大きな一歩となるはずです。
なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。
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