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検査済証の重要性やトラブル回避術、取得から活用まで徹底解説

家づくりの基本

2024/08/15

2024/08/15

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

検査済証の重要性やトラブル回避術、取得から活用まで徹底解説

住宅を建てる際や購入する際に避けて通れない「検査済証」。この重要な書類について、多くの方が疑問を抱えているのではないでしょうか。本記事では、検査済証の基本的な概要から、その必要性、発行の流れ、さらには紛失した場合の対処法まで、詳しく解説していきます。家づくりや不動産取引に関わる方々にとって、必読の内容となっています。

検査済証の概要

検査済証は、建築基準法に基づいて行われる完了検査に合格したことを証明する重要な書類です。この証明書は、建築物が法令に適合し、安全性が確保されていることを示す公的な証明となります。

検査済証とは?

検査済証は、建築主事または指定確認検査機関が発行する公的な証明書です。この証明書は、新築や増改築、用途変更などの建築工事が完了し、その建築物が建築基準法をはじめとする関連法令に適合していることを証明します。つまり、検査済証は建物の「合格証」のような役割を果たしているのです。

検査済証には通常、以下のような情報が記載されています。

・建築主の氏名

・建築物の所在地

・建築物の用途

・建築面積や延べ面積

・検査年月日

・発行者(建築主事または指定確認検査機関)の名称と印

検査済証の目的は?

検査済証の主な目的は以下の通りです。

1. 法令適合性の証明: 建築物が建築基準法や関連法令に適合していることを公的に証明します。これにより、建物の安全性や居住性が確保されていることが保証されます。

2. 所有者・利用者の安心: 検査済証があることで、建物の所有者や利用者は、その建物が法的に問題ないことを確認できます。これは、建物を安心して使用したり、取引したりする上で重要な要素となります。

3. 不動産取引の円滑化: 不動産売買や賃貸借の際、検査済証の有無が取引の判断材料となることがあります。検査済証があることで、取引がスムーズに進む可能性が高まります。

4. 融資の円滑化: 金融機関が住宅ローンなどの融資を行う際、検査済証の提出を求めるケースが増えています。検査済証があることで、融資の審査がスムーズに進むことがあります。

5. 将来の増改築や建替えへの対応: 検査済証があることで、将来的な増改築や建替えの際に、現在の建物の状況を正確に把握できます。これにより、新たな建築計画を立てやすくなります。

検査済証は、建築物のライフサイクル全体にわたって重要な役割を果たす書類です。建築主や所有者は、この証明書を適切に保管し、必要に応じて活用することが大切です。また、建物を購入する際には、検査済証の有無を確認することで、その建物の法的な状況を把握することができます。

検査済証の義務化

検査済証の制度は、建築基準法の制定とともに始まりましたが、その義務化の歴史は複雑で、段階的に強化されてきました。ここでは、検査済証の義務化の経緯と重要な転換点について詳しく解説します。

検査済証の発行は義務?いつから義務化された?

検査済証の取得自体は、1950年の建築基準法制定時から制度として存在していました。しかし、当初は完了検査の受検率が低く、検査済証の取得が実質的に義務化されたとは言い難い状況でした。

検査済証の義務化に関する重要な転換点は以下の通りです。

1. 1950年:建築基準法制定 建築基準法が制定され、完了検査と検査済証の制度が導入されました。しかし、この時点では罰則規定が弱く、多くの建築物で完了検査が行われていませんでした。

2. 1999年:建築基準法改正 この改正により、完了検査の受検が実質的に義務化されました。具体的には以下の変更が行われました。

・検査済証のない建築物の使用制限が強化されました。

・建築確認申請時に工事完了予定日を記載することが義務付けられ、その日から4日以内に完了検査の申請をしなければならなくなりました。

・完了検査を受けずに建物を使用した場合の罰則が強化されました。

3. 2006年:建築基準法改正 いわゆる構造計算書偽装問題を受けて、さらなる法改正が行われました。

・特定行政庁による職権検査の実施が可能になりました。

・完了検査の申請期限が工事完了後4日以内から7日以内に延長されました。

・検査済証の交付前に建築物を使用することへの罰則が強化されました。

4. 2007年:建築基準法改正

・中間検査制度が拡充され、対象となる建築物が増加しました。

・構造計算適合性判定制度が導入され、一定規模以上の建築物の構造安全性チェックが厳格化されました。

これらの法改正により、検査済証の取得はより厳格に義務付けられるようになりました。現在では、建築物を適法に使用するためには、原則として検査済証の取得が必要不可欠となっています。

ただし、注意すべき点として、1999年以前に建てられた建築物の中には、完了検査を受けていないものも多く存在します。これらの建物については、検査済証がないからといって必ずしも違法というわけではありません。しかし、増改築や建て替えを行う際には、現行の法令に適合させる必要があり、その際に検査済証の有無が問題になる可能性があります。

このような背景から、検査済証は建築物の適法性を証明する重要な書類として、その重要性が年々高まっています。建築主や所有者は、検査済証の取得と保管に十分注意を払う必要があります。

検査済証をもらうために必要な「建築確認、完了検査、中間検査」について

検査済証を取得するためには、建築のプロセスにおいて「建築確認」「中間検査」「完了検査」という3つの重要なステップを経る必要があります。これらの手続きは、建築物の安全性と法令適合性を確保するために不可欠です。それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

建築確認

建築確認は、建築工事を始める前に行われる重要な手続きです。この段階では、建築計画が建築基準法をはじめとする関連法令に適合しているかどうかを、建築主事または指定確認検査機関が審査します。

建築確認の主な内容は以下の通りです。

1. 設計図書の審査:建築物の構造、設備、防火対策などが法令に適合しているかを確認します。

2. 敷地の規制確認:用途地域、建ぺい率、容積率などの土地利用規制に適合しているかを確認します。

3. 構造計算書の審査:一定規模以上の建築物では、構造計算適合性判定が行われます。

建築確認の申請が受理されると「確認済証」が交付されます。これにより、建築工事を開始することができます。

完了検査

完了検査は、建築工事が完了した後に行われる検査です。この検査では、実際に建てられた建築物が、建築確認を受けた設計図書通りに施工され、建築基準法などの関連法令に適合しているかを確認します。

完了検査の主な内容は以下の通りです。

1. 現場検査:建築主事または指定確認検査機関の検査員が実際に建築現場を訪れ、建物を調査します。

2. 書類審査:工事監理報告書や施工状況報告書などの書類を確認します。

3. 設備検査:給排水設備、電気設備、エレベーターなどの建築設備が適切に施工されているかを確認します。

完了検査に合格すると、建築主事または指定確認検査機関から「検査済証」が交付されます。これにより、建築物を適法に使用することができるようになります。

中間検査

中間検査は、建築工事の途中で行われる検査です。主に建築物の構造耐力上重要な部分や防火上重要な部分について、施工状況を確認します。

中間検査の主な特徴は以下の通りです。

1. 対象建築物:全ての建築物で必要というわけではなく、規模や用途によって義務付けられます。

2. 検査時期:通常、躯体工事の終了時(木造の場合は軸組工事の終了時)に行われます。

3. 検査内容:主に構造耐力上重要な部分(基礎、柱、梁、壁など)と防火上重要な部分(防火区画、防火戸など)を確認します。

中間検査に合格すると「中間検査合格証」が交付されます。これにより、次の工程に進むことができます。

これら3つの手続きは、建築物の安全性と法令適合性を段階的に確認するためのものです。建築確認で計画の適法性を確認し、中間検査で重要な部分の施工状況を確認し、完了検査で建物全体の適法性を最終確認します。この一連のプロセスを経て、はじめて検査済証が交付されるのです。

建築主や施工者は、これらの手続きを適切に行うことで、安全で法令に適合した建築物を実現することができます。また、将来的な不動産取引や増改築の際にも、これらの証明書が重要な役割を果たすことになります。

「検査済証」の発行までの流れ

検査済証は建築工事の完了後、完了検査に合格することで発行されます。ここでは、検査済証の発行までの流れと、その期間について詳しく解説します。

検査済証発行までの一般的な流れは以下のようになります。

1. 建築工事の完了: 建築工事が設計図書通りに完了し、建築物が使用可能な状態になります。

2. 完了検査の申請: 建築主または工事施工者は、工事完了後7日以内に建築主事または指定確認検査機関に完了検査の申請を行います。

3. 完了検査の実施: 申請を受けた建築主事または指定確認検査機関は、原則として申請から7日以内に完了検査を行います。検査官が実際に建築現場を訪れ、建物の外観や内部、設備などを詳細にチェックします。

4. 検査結果の判定: 完了検査の結果、建築物が建築基準関係規定に適合していると認められた場合、検査済証の交付が決定されます。

5. 検査済証の発行: 検査に合格した場合、建築主事または指定確認検査機関から検査済証が交付されます。

検査から発行までの期間

完了検査の申請から検査済証の発行までの期間は、通常7日以内とされています。建築基準法では、建築主事または指定確認検査機関は、完了検査を申請された日から7日以内に検査を行い、その結果を通知することが定められています。

ただし、以下のような場合には、この期間が延長されることがあります。

1. 検査の結果、建築基準関係規定に適合していないと認められた場合: この場合、是正工事が必要となり、再度の検査が行われるまで検査済証の発行が延期されます。

2. 検査の過程で追加の資料や説明が必要となった場合: 建築主事または指定確認検査機関が、検査のために必要な追加資料の提出や説明を求めた場合、それらが提出されるまでの期間は検査期間に含まれません。

3. 繁忙期や災害時など、特殊な状況下の場合: 検査機関の業務が著しく混雑している場合や、災害などの特殊な状況下では、検査や発行の期間が延長される可能性があります。

4. 大規模または複雑な建築物の場合: 建築物の規模が大きい場合や、特殊な構造や設備を持つ複雑な建築物の場合、検査に時間がかかることがあります。

なお、検査済証の発行が遅れる場合でも、建築主事または指定確認検査機関は、その理由と見込み期間を建築主に通知することが一般的です。

検査済証の発行を円滑に進めるためには、以下の点に注意することが重要です。

1. 工事完了後、速やかに完了検査の申請を行う。

2. 必要な書類(工事監理報告書、施工状況報告書など)を漏れなく準備する。

3. 検査当日は、建築主や工事施工者、工事監理者が立ち会い、検査官の質問に適切に答えられるようにする。

4. 万が一、検査で指摘事項があった場合は、速やかに是正措置を講じる。

検査済証は、建築物が法令に適合していることを証明する重要な書類です。建築主は、この証明書を適切に保管し、必要に応じて活用することが大切です。また、将来的な増改築や建物の売買の際にも、検査済証が重要な役割を果たすことを念頭に置いておく必要があります。

「確認済証」と「検査済証」の違いや見本

建築プロセスにおいて、「確認済証」と「検査済証」は両方とも重要な書類ですが、その役割と発行のタイミングが異なります。ここでは、両者の違いを詳しく解説し、検査済証の見本についても説明します。

検査済証とは?

確認済証と検査済証の主な違いは以下の通りです。

1. 発行のタイミング

・確認済証:建築工事の着工前に発行されます。

・検査済証:建築工事の完了後、完了検査に合格した時点で発行されます。

2. 証明内容

・確認済証:建築計画が建築基準法などの関連法令に適合していることを証明します。

・検査済証:実際に建てられた建築物が、確認を受けた設計図書通りに施工され、建築基準法などの関連法令に適合していることを証明します。

3. 発行目的

・確認済証:建築工事を適法に開始するために必要な書類です。

・検査済証:建築物を適法に使用するために必要な書類です。

4. 有効期限

・確認済証:原則として、取得後1年以内に工事に着手しない場合は失効します。

・検査済証:有効期限はありません。建物が存在する限り有効です。

5. 後続の手続き

・確認済証:この証明書を得た後、建築工事を開始することができます。

・検査済証:この証明書により、建物の使用開始や登記などの手続きが可能になります。

検査済証の見本については、実際の書類を示すことはできませんが、一般的に以下のような情報が記載されています。

1. 検査済証番号

2. 建築主の氏名または名称

3. 建築場所(住所)

4. 建築物の概要(主要用途、構造、階数、延べ面積など)

5. 検査年月日

6. 検査機関名(建築主事または指定確認検査機関の名称)

7. 建築主事または指定確認検査機関の公印

検査済証のデザインや様式は、発行する機関によって若干異なる場合がありますが、上記の情報は必ず含まれています。

検査済証は、建築物が法令に適合していることを証明する重要な書類です。不動産取引や増改築、建て替えの際に必要となることが多いため、建築主や所有者は大切に保管しておく必要があります。紛失した場合は、発行した機関に再発行を依頼することができますが、手続きに時間がかかる場合もあるため、注意が必要です。

確認済証と検査済証は、建築物の安全性と法令適合性を確保するための重要な制度の一部です。これらの証明書を適切に取得し、保管することで、建築主や所有者は安心して建物を使用し、また将来的な不動産取引や改築などにも備えることができます。

検査済証の必要性や再発行の可否

検査済証は建築物の適法性を証明する重要な書類です。ここでは、検査済証の必要性、もらっていない場合のリスク、そして再発行の可能性について詳しく解説します。

「検査済証」は銀行の融資や登記、増改築の場合に必要?

検査済証が必要となる主な場面は以下の通りです。

1. 不動産取引: 建物の売買や賃貸の際、検査済証の有無が取引の判断材料となることがあります。検査済証がない場合、取引が難しくなったり、価格が下がったりする可能性があります。

2. 銀行融資: 住宅ローンなどの融資を受ける際、銀行が検査済証の提出を求めるケースが増えています。検査済証がないと、融資が受けられない、または条件が不利になる可能性があります。

3. 建物の登記: 建物の表題登記(新築建物の登記)を行う際、検査済証が必要となります。検査済証がない場合、登記ができず、法的な建物の存在が認められない可能性があります。

4. 増改築: 既存建物の増改築を行う際、元の建物の検査済証が必要になることがあります。検査済証がない場合、増改築の計画に制限がかかる可能性があります。

5. 法的トラブルの回避: 将来的な紛争や訴訟のリスクを減らすためにも、検査済証は重要です。建物の安全性や適法性が問われた際、検査済証は強力な証拠となります。

検査済証をもらっていない場合のリスクは以下の通りです。

1. 建物の使用制限: 検査済証がない建物は、法律上、使用が制限される可能性があります。

2. 売買・賃貸の困難: 検査済証がないと、不動産取引が困難になったり、価値が下がったりする可能性があります。

3. 融資の困難: 銀行融資を受けにくくなる、または条件が厳しくなる可能性があります。

4. 増改築の制限: 既存建物の増改築が制限される可能性があります。

5. 法的リスク: 建物の安全性や適法性が問われた際、立証が困難になる可能性があります。

検査済証がない場合の再発行については、以下のような対応が考えられます。

1. 検査済証の再発行: 検査済証を紛失した場合、建築確認申請をした自治体や指定確認検査機関に相談し、再発行を依頼することができます。ただし、発行元によって手続きや必要書類が異なる場合があります。

2. 既存建築物に関する指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査: 2016年6月の改正建築基準法施行規則により、指定確認検査機関等による建築基準法適合状況調査(通称:ガイドライン調査)が可能になりました。これにより、検査済証がない建築物でも、現行の建築基準法への適合状況を公的に証明することができるようになりました。

3. 建築基準法第12条5項の規定による「既存建築物に関する報告書」の交付: 特定行政庁(建築主事を置く市町村の長)に依頼することで、建築基準法への適合状況を示す報告書を得ることができる場合があります。

4. 違反建築物の是正: 検査済証がなく、かつ建築基準法に適合していない場合は、是正工事を行い、改めて検査を受けることで検査済証を取得する方法もあります。

検査済証は建築物の適法性を証明する重要な書類です。建築主や所有者は、この証明書を適切に保管し、必要に応じて活用することが大切です。検査済証がない場合でも、上記のような方法で対応することが可能ですが、専門家や行政機関に相談しながら進めることをおすすめします。

「検査済証」がない場合は要確認。ただし、古い建築物は「検査済証」がない場合も

検査済証は建築物の適法性を証明する重要な書類ですが、特に古い建築物の場合、検査済証がないケースも少なくありません。ここでは、検査済証がない場合の対応や、古い建築物における検査済証の扱いについて詳しく解説します。

「検査済証」をもらっていない場合のリスクは?

検査済証をもらっていない場合、以下のようなリスクが考えられます。

1. 法的リスク: 建築基準法に違反している可能性があり、是正命令や使用制限を受ける可能性があります。

2. 経済的リスク: 不動産取引の際に価値が下がったり、取引自体が困難になったりする可能性があります。

3. 融資リスク: 住宅ローンなどの融資を受けるのが難しくなる可能性があります。

4. 安全性のリスク: 建築基準法に適合していない可能性があるため、建物の安全性が担保されていない恐れがあります。

5. 増改築のリスク: 既存不適格建築物として扱われ、増改築に制限がかかる可能性があります。

ただし、古い建築物の場合、以下の点に注意が必要です。

1. 建築年代による差異: 1999年の建築基準法改正以前は、完了検査の受検率が低く、検査済証がない建物も多く存在します。

2. 既存不適格: 建築時は適法であっても、その後の法改正により現行法に適合しなくなった建物(既存不適格)もあります。これらは直ちに違法というわけではありません。

3. 書類の紛失: 検査済証を取得していても、長年の間に紛失してしまったケースもあります。

「検査済証」の再発行は?紛失したらどうする?

検査済証がない場合や紛失した場合の対応方法は以下の通りです。

1. 再発行の申請: 検査済証を紛失した場合、建築確認申請をした自治体や指定確認検査機関に再発行を依頼できます。ただし、古い建築物の場合、記録が残っていない可能性もあります。

2. 建築基準法適合状況調査(ガイドライン調査): 指定確認検査機関等による調査を受け、現行の建築基準法への適合状況を証明することができます。

3. 既存建築物に関する報告書の交付: 特定行政庁に依頼して、建築基準法への適合状況を示す報告書を得ることができる場合があります。

4. 図面等による確認: 設計図面や工事記録などの書類が残っている場合、これらを基に建築基準法への適合性を確認することができる場合があります。

5. 遵法性調査: 不動産取引の際に、専門家による遵法性調査を行い、建築基準法への適合状況を確認する方法もあります。

6. 是正工事と再検査: 建築基準法に適合していない部分がある場合、是正工事を行い、改めて検査を受けて検査済証を取得する方法もあります。

古い建築物で検査済証がない場合、直ちに違法というわけではありません。しかし、建物の安全性や法令適合性を確認することは重要です。特に不動産取引や増改築を検討している場合は、専門家や行政機関に相談し、適切な対応を取ることをおすすめします。

また、今後新たに建築物を建てる際や、大規模な改修を行う際には、必ず完了検査を受け、検査済証を取得するようにしましょう。これにより、将来的なトラブルを防ぎ、建物の価値を守ることができます。

よくある質問(Q&A)

検査済証に関して、多くの方が抱く疑問について、Q&A形式で詳しく解説します。

Q1: 検査済証がない古い建物を購入しても大丈夫ですか?

A1: 古い建物の場合、検査済証がないケースも珍しくありません。ただし、以下の点に注意が必要です。

1. 建築年:1999年以前の建物は、完了検査の受検率が低かったため、検査済証がない可能性が高くなります。

2. 法令適合性:検査済証がなくても、建築時の法令に適合している可能性はあります。

3. 調査の必要性:購入前に、専門家による建物状況調査(インスペクション)を行うことをおすすめします。

4. 将来的な影響:増改築や建て替えの際に制限がかかる可能性があることを念頭に置く必要があります。

5. 融資への影響:住宅ローンの審査に影響する可能性があります。

購入を検討する場合は、これらのリスクを十分に理解した上で判断することが重要です。

Q2: 検査済証がない場合、どのような対処法がありますか?

A2: 検査済証がない場合の対処法としては、以下のようなものがあります。

1. 建築基準法適合状況調査(ガイドライン調査):指定確認検査機関等による調査を受け、現行の建築基準法への適合状況を証明する方法です。

2. 既存建築物に関する報告書の交付:特定行政庁に依頼して、建築基準法への適合状況を示す報告書を得る方法です。

3. 遵法性調査:専門家による調査を行い、建築基準法への適合状況を確認する方法です。

4. 是正工事と再検査:法令に適合していない部分がある場合、是正工事を行い、改めて検査を受けて検査済証を取得する方法です。

状況に応じて、適切な方法を選択することが重要です。専門家や行政機関に相談することをおすすめします。

Q3: 検査済証の再発行は可能ですか?

A3: 検査済証を紛失した場合、原則として再発行が可能です。以下の点に注意してください。

1. 申請先:建築確認申請をした自治体や指定確認検査機関に再発行を依頼します。

2. 必要書類:再発行申請書、本人確認書類、委任状(代理人が申請する場合)などが必要です。具体的な必要書類は申請先によって異なる場合があります。

3. 手数料:再発行には手数料がかかる場合があります。

4. 処理期間:通常は数日から数週間程度で再発行されますが、古い建物の場合は時間がかかる可能性があります。

5. 記録の有無:非常に古い建物の場合、行政機関に記録が残っていない可能性もあります。

Q4: 検査済証がないと、増改築はできないのですか?

A4: 検査済証がなくても増改築が全くできないわけではありませんが、以下のような制限や注意点があります。

1. 既存不適格:検査済証がない建物は、既存不適格建築物として扱われる可能性があります。

2. 増改築の規模:小規模な改修であれば可能な場合もありますが、大規模な増改築の場合は制限がかかる可能性が高くなります。

3. 現況調査:増改築を行う前に、建物の現況調査が必要になる可能性があります。

4. 是正工事:法令に適合していない部分がある場合、是正工事が必要になることがあります。

5. 新たな検査:増改築後に改めて完了検査を受け、新たな検査済証を取得する必要があります。

増改築を検討している場合は、事前に建築士や行政機関に相談し、適切な対応を取ることが重要です。

Q5: 検査済証は建物を取り壊す際にも必要ですか?

A5: 建物を取り壊す際に検査済証は直接必要ではありませんが、以下の点に注意が必要です。

1. 解体届:建物を解体する際は、自治体に解体届を提出する必要があります。この際、検査済証の有無は問われません。

2. 跡地利用:取り壊し後の土地利用計画によっては、元の建物の検査済証が必要になる場合があります。

3. 違法建築の可能性:検査済証がない建物を取り壊す場合、違法建築だった可能性を考慮する必要があります。

4. 記録の保管:将来的な土地利用のために、建物の履歴として検査済証を含む書類は保管しておくことをおすすめします。

建物の取り壊しを検討している場合は、地域の建築関連法規や条例を確認し、必要に応じて専門家や行政機関に相談することが賢明です。

まとめ

検査済証は、建築物の安全性と法令適合性を証明する重要な書類です。建築確認から完了検査、そして検査済証の発行まで、一連のプロセスを理解することが、トラブルのない家づくりや不動産取引の鍵となります。検査済証の取得や保管には十分注意を払い、紛失した場合は速やかに再発行の手続きを行うことが大切です。建物に関わる重要な決定を行う際は、検査済証の有無を必ず確認し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

    :地下鉄日比谷線都営浅草線東銀座駅より徒歩3分

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