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新築なのに結露?高性能住宅の落とし穴と対策ガイド

家づくりの基本

2024/08/16

2024/08/16

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

新築なのに結露?高性能住宅の落とし穴と対策ガイド

新築の家で結露が発生するのは、多くの人にとって意外かもしれません。せっかく高気密・高断熱にこだわって建てたのに、なぜ結露が起こるのでしょうか。この記事では、新築住宅での結露の原因や対策、結露しにくい家づくりのポイントについて詳しく解説します。快適で健康的な住まいづくりのために、結露対策の重要性を理解し、適切な対策を講じましょう。

目次

新築住宅で結露することがあるのか

新築住宅で結露が発生するというと、多くの方が驚かれるかもしれません。せっかく高気密・高断熱にこだわって建てたのに、なぜ結露が起こるのでしょうか。この疑問について、詳しく解説していきます。

そもそも結露ってどうして起こるの?

結露は、空気中の水蒸気が冷たい表面に触れて水滴になる現象です。室内の湿度が高く、壁や窓などの表面温度が低いときに発生しやすくなります。新築住宅でも、適切な換気や断熱対策が不十分な場合、結露が起こる可能性があるのです。

具体的には、以下のような条件が揃うと結露が発生しやすくなります。

1. 室内の湿度が高い

2. 室内と室外の温度差が大きい

3. 壁や窓などの表面温度が低い

新築なのに結露するとき、考えられる原因は?

新築住宅で結露が発生する主な原因として、以下のようなものが考えられます。

1. 換気不足:24時間換気システムを正しく使用していない、または給気口をふさいでしまっている場合、室内の湿気が適切に排出されず、結露の原因となります。

2. 断熱性能の不均一:壁や天井、床などの一部の箇所で断熱性能が低く、冷橋(熱橋)となっている場合があります。これにより、その部分の表面温度が下がり、結露が発生しやすくなります。

3. 施工不良:断熱材の施工が不適切で、隙間があいている場合、その部分から冷気が侵入し、結露の原因となることがあります。

4. 過剰な加湿:新築住宅は気密性が高いため、加湿器の使用過多や室内干しによる湿度上昇が起こりやすくなります。これが結露の原因となることがあります。

5. 建築資材の乾燥不足:新築時の木材や壁材に含まれる水分が徐々に放出されることで、室内の湿度が上昇し、結露を引き起こす可能性があります。

住宅に結露は大敵っていわれるのはどうして?

結露は単なる見た目の問題だけではありません。放置すると以下のような深刻な問題を引き起こす可能性があります。

1. カビやダニの発生:結露によって湿気が溜まると、カビやダニが繁殖しやすくなります。これらは健康被害の原因となる可能性があります。

2. 建材の劣化:木材や壁材が湿気を吸収することで、強度が低下したり腐食したりする恐れがあります。これは住宅の耐久性に影響を与える可能性があります。

3. 室内環境の悪化:カビの胞子やダニによってアレルギー症状が引き起こされる可能性があります。特に子どもやお年寄り、アレルギー体質の方には注意が必要です。

4. 断熱性能の低下:断熱材が湿気を含むことで、本来の断熱効果が失われてしまいます。これにより、エネルギー効率が悪くなり、光熱費の増加にもつながります。

新築住宅であっても、結露のリスクは存在します。高気密・高断熱にこだわって建てたからこそ、適切な換気や湿度管理が重要になるのです。結露を防ぐためには、家の性能だけでなく、住まい方にも注意を払う必要があります。日々の生活の中で、換気を心がけ、湿度管理に気を配ることで、快適で健康的な住環境を維持することができるでしょう。

新築住宅を結露させない対策

新築住宅での結露を防ぐためには、日々の生活の中でいくつかの対策を講じることが重要です。ここでは、具体的な対策方法について詳しく解説していきます。

水蒸気を発生するものを減らす

結露を防ぐためには、室内の湿度を適切に保つことが重要です。以下のような対策を心がけましょう。

1. 調理時は換気扇を使用し、なるべく蓋をする:調理中は大量の水蒸気が発生します。換気扇を使用し、鍋やフライパンには可能な限り蓋をすることで、水蒸気の拡散を抑えることができます。

2. 入浴後は浴室の扉を開け、換気扇を回す:お風呂の後は浴室に多量の水蒸気が残っています。扉を開けて換気扇を回すことで、水蒸気を効果的に排出できます。

3. 洗濯物は室内干しを避け、外干しや乾燥機を利用する:やむを得ず室内干しをする場合は、除湿機を併用するなどして湿度上昇を抑えましょう。

4. 観葉植物の数を控える、または室内の風通しの良い場所に置く:植物からも水分が蒸発します。数を控えめにしたり、風通しの良い場所に置くことで、湿度上昇を抑えることができます。

部屋に寒い場所をつくらない

結露は温度差が大きいところで発生しやすいため、室内の温度ムラをなくすことが重要です。

1. カーテンやブラインドを閉めて、窓からの冷気を遮断する:特に夜間や冬季は、窓からの冷気侵入を防ぐことが効果的です。

2. 家具は壁から少し離して配置し、空気の流れを確保する:壁に家具を密着させると、その部分の温度が下がりやすくなります。少し隙間を空けることで、空気の流れを作り、温度ムラを軽減できます。

3. 暖房は部屋全体を均一に暖まるように設定する:スポット暖房ではなく、部屋全体を均一に暖めることで、温度ムラによる結露を防ぐことができます。

24時間換気の給気口はふさがない

24時間換気システムは、室内の湿気を効果的に排出するために重要な役割を果たします。

1. 給気口や排気口を家具やカーテンでふさがない:換気システムが正しく機能するためには、給気口と排気口が適切に開いていることが必要です。これらをふさぐと、換気効率が大幅に低下してしまいます。

2. フィルターは定期的に清掃し、目詰まりを防ぐ:フィルターが目詰まりすると換気効率が落ちるため、製造元の推奨に従って定期的に清掃や交換を行いましょう。

3. 常時運転を心がけ、特に湿度の高い時期はしっかりと換気を行う:24時間換気システムは、名前の通り常時運転することで効果を発揮します。特に梅雨時期や冬季など、湿度が高くなりやすい時期は、しっかりと換気を行うことが重要です。

これらの対策を日常的に実践することで、新築住宅での結露リスクを大幅に軽減することができます。結露対策は、快適で健康的な住環境を維持するための重要な要素です。家族全員で意識を高め、適切な湿度管理と換気を心がけることが大切です。

また、これらの対策を行っても結露が改善されない場合は、住宅の構造や設備に問題がある可能性があります。そのような場合は、専門家に相談し、適切な対策を講じることをおすすめします。新築住宅であっても、結露対策は重要な維持管理の一部であることを忘れずに、快適な住まいづくりに取り組んでいきましょう。

結露しにくい家づくり

結露しにくい家づくりには、高気密・高断熱・適切な通気計画が不可欠です。これらの要素を組み合わせることで、快適で健康的な住環境を実現できます。ここでは、結露しにくい家づくりのための具体的な方法について詳しく解説します。

複層ガラスや二重窓、樹脂サッシを選ぶ

窓は熱の出入りが最も多い場所です。断熱性能の高い窓を選ぶことで、結露を効果的に防ぐことができます。

1. 複層ガラス:2枚以上のガラスの間に空気層を設けることで断熱性能を高めます。最新の製品では、空気層に断熱効果の高いガスを封入したものもあります。

2. 二重窓:内窓を追加することで、さらに高い断熱効果が得られます。既存の窓に後付けで内窓を設置することも可能です。

3. 樹脂サッシ:熱伝導率が低く、結露が発生しにくい素材です。アルミサッシと比べて断熱性能が高く、温度差による結露を効果的に防ぎます。

窓を小さく少なくする

窓の面積を必要最小限に抑えることで、熱損失を減らし結露のリスクを低減できます。

1. 採光や通風を考慮しつつ、適切なサイズの窓を選択する:必要以上に大きな窓は避け、部屋の用途に合わせて適切なサイズを選びましょう。

2. 北側の窓は特に小さくするか、できるだけ設けないようにする:北側は日光が当たりにくく、冷気が入りやすいため、窓を最小限に抑えることが効果的です。

3. 大きな窓が必要な場合は、断熱性能の高い製品を選ぶ:リビングなど、大きな窓が必要な場合は、特に断熱性能の高い製品を選択しましょう。

吹き付けタイプの断熱材や漆喰(しっくい)、珪藻土などを選ぶ

壁材や断熱材の選択も結露対策に重要です。調湿性能の高い素材を使用することで、室内の湿度を適切に保つことができます。

1. 吹き付けタイプの断熱材:隙間なく施工でき、高い断熱性能を発揮します。特に、ウレタンフォームなどの発泡系断熱材は、気密性も高く効果的です。

2. 漆喰(しっくい):吸放湿性に優れ、室内の湿度を調整する効果があります。自然素材で環境にも優しく、抗菌作用もあります。

3. 珪藻土:多孔質構造により、優れた調湿効果を持っています。空気清浄効果もあり、快適な室内環境づくりに貢献します。

天井を設けるなら屋根裏の換気を良くする

屋根裏の換気不足は、天井裏での結露の原因となります。適切な換気対策を講じることが重要です。

1. 軒裏換気口や棟換気を設置し、自然換気を促進する:屋根裏の熱気や湿気を効果的に排出することができます。

2. 屋根裏換気扇を設置し、強制的に換気を行う:特に大規模な屋根裏空間がある場合は、機械換気を検討しましょう。

3. 屋根裏に断熱材を敷き詰め、温度差を小さくする:屋根裏と室内の温度差を小さくすることで、結露のリスクを低減できます。

床断熱ではなく基礎断熱にする

基礎断熱を採用することで、床下空間の温度変化を抑え、結露のリスクを低減できます。

1. 基礎の外側に断熱材を施工し、床下空間を室内と同等の環境にする:これにより、床下空間の温度が安定し、結露のリスクが低下します。

2. 床下空間の湿気対策として、防湿シートを敷設する:地面からの湿気の上昇を防ぎ、床下空間を乾燥した状態に保ちます。

3. 必要に応じて床下換気扇を設置し、湿気を排出する:機械的に換気を行うことで、より確実に床下の湿気を管理できます。

換気は給気と排気のどちらも機械でおこなう

第3種換気(給気は自然、排気は機械)よりも、第1種換気(給気も排気も機械)の方が効果的に換気を行えます。

1. 熱交換型換気システムを導入し、換気による熱損失を最小限に抑える:排気の熱を利用して給気を温めることで、エネルギー効率を高めることができます。

2. 給気口と排気口のバランスを適切に保ち、効率的な換気を実現する:室内の空気の流れを考慮し、効果的な換気ができるよう計画します。

3. 季節や生活スタイルに合わせて、換気量を調整できるシステムを選ぶ:冬季と夏季で換気量を調整できるなど、柔軟性のあるシステムが望ましいです。

すき間風が入りにくい部材を選ぶ

気密性の高い部材を使用することで、外気の侵入を防ぎ、結露のリスクを低減できます。

1. 気密性の高いサッシや玄関ドアを選択する:高気密住宅に適した製品を選びましょう。

2. 配管や配線の貫通部には気密パッキンを使用する:壁や床を貫通する部分は特に注意が必要です。

3. 気密シートを適切に施工し、壁体内の気密性を高める:壁体内の気流を防ぐことで、結露のリスクを低減できます。

これらの方法を総合的に取り入れることで、結露しにくい高性能な住宅を実現することができます。ただし、これらの対策を施しても、日々の適切な換気や湿度管理が重要であることを忘れずに、快適な住まいづくりを心がけましょう。

結露しにくい住宅を建てるときのポイントと注意点

結露しにくい家を建てるには、設計段階から施工、そして完成後の生活まで、様々な点に注意を払う必要があります。ここでは、結露しない家を建てる際の重要なポイントと注意点について詳しく解説します。

補助金・助成金制度を活用しよう

高気密・高断熱住宅の建築には、様々な補助金や助成金制度が利用できる場合があります。これらの制度を活用することで、より高性能な住宅を手の届く価格で実現できる可能性があります。

1. ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金:年間の一次エネルギー消費量が正味でゼロ以下になる住宅の建築に対する補助金制度です。高断熱・高気密・高効率設備が要件となるため、結露対策にも有効です。

2. 長期優良住宅化リフォーム推進事業:既存住宅の長寿命化に資する性能向上リフォームに対する支援制度です。断熱改修も対象となるため、結露対策にも活用できます。

3. 各自治体独自の省エネ住宅補助金制度:地域によっては、独自の省エネ住宅建築やリフォームに対する補助金制度があります。地元の自治体に問い合わせて確認しましょう。

これらの制度を利用する際は、申請時期や条件、必要書類などを事前によく確認し、漏れのないように注意しましょう。

高気密・高断熱の家づくりが得意な建築会社に依頼しよう

結露対策を含む高性能住宅の建築には、専門的な知識と技術が必要です。そのため、実績のある信頼できる建築会社を選ぶことが重要です。

1. 実績やポートフォリオを確認し、高気密・高断熱住宅の施工経験が豊富な会社を選ぶ:過去の施工例や顧客の声などを参考に、信頼できる会社を選びましょう。

2. 気密測定や熱損失計算など、性能を数値で示せる会社を選択する:単に「高気密・高断熱」と言うだけでなく、具体的な数値で性能を示せる会社は信頼性が高いと言えます。

3. アフターフォローが充実している会社を選び、長期的なサポートを受けられるようにする:住宅の性能は経年変化します。定期的なメンテナンスや相談ができる体制が整っている会社を選びましょう。

建築会社を選ぶ際は、複数の会社から見積もりを取り、それぞれの提案内容を比較検討することが大切です。単に価格だけでなく、提案の質や対応の丁寧さなども重要な判断基準となります。

設計段階での注意点

結露対策は、家の設計段階から考慮することが重要です。以下の点に注意しましょう。

1. 適切な断熱材の選択と配置:断熱材の種類や厚さ、施工方法を適切に選択し、熱橋(ヒートブリッジ)を作らないよう注意します。

2. 換気計画の策定:24時間換気システムの適切な配置や、自然換気を促進する窓の配置などを考慮します。

3. 結露が発生しやすい箇所の特定と対策:浴室や洗面所など、湿気が多く発生する場所の換気や断熱に特に注意を払います。

4. 日射の活用と遮蔽:冬は日射を取り入れ、夏は遮蔽するなど、季節に応じた温度制御を考慮した設計を行います。

施工段階での注意点

設計通りの性能を実現するためには、施工段階での注意も重要です。

1. 断熱材の隙間なし施工:断熱材の施工時には隙間を作らないよう、丁寧に施工することが重要です。

2. 気密層の確実な施工:気密シートの継ぎ目や開口部周りの処理を確実に行い、気密性を確保します。

3. 防湿層の適切な施工:壁体内への湿気の侵入を防ぐため、防湿層を確実に施工します。

4. 設備配管の断熱処理:給排水管や空調設備の配管周りの断熱にも注意を払います。

完成後の生活での注意点

高気密・高断熱住宅での生活には、従来の住宅とは異なる注意点があります。

1. 適切な換気の実施:24時間換気システムを常時運転し、必要に応じて窓開けなどの自然換気も行います。

2. 室内湿度の管理:加湿器の使用は控えめにし、除湿器の活用を検討します。

3. 結露の早期発見と対処:結露が発生した場合は早めに拭き取り、原因を特定して対策を講じます。

4. 定期的なメンテナンス:換気システムのフィルター清掃や、断熱性能の点検など、定期的なメンテナンスを行います。

結露しない家を建てるためには、設計、施工、生活の各段階で適切な対策を講じることが重要です。専門家のアドバイスを受けながら、長期的な視点で快適な住まいづくりを目指しましょう。

結露しにくい家にするときにできる工夫まとめ(チェックリスト)

結露しにくい家づくりには、様々な工夫が必要です。以下に、設計から施工、そして日々の生活における工夫をチェックリスト形式でまとめました。これらの項目を確認し、可能な限り多くの対策を講じることで、結露のリスクを大幅に低減できます。

□ 複層ガラスや樹脂サッシを採用している

複層ガラスは単板ガラスに比べて断熱性能が高く、結露を抑制します。また、樹脂サッシはアルミサッシよりも熱伝導率が低いため、結露しにくくなります。これらの採用で、窓まわりの結露リスクを大きく低減できます。

□ 断熱材の施工に隙間がないか確認している

断熱材の施工時に隙間ができると、そこが熱橋となり結露の原因になります。施工中や完了後に、断熱材が隙間なく充填されているか確認することが重要です。特に、壁と床、壁と天井の接合部などは注意が必要です。

□ 24時間換気システムを導入している

適切な換気は結露防止に不可欠です。24時間換気システムを導入し、常に室内の湿気を排出することで、結露のリスクを低減できます。システムの能力は家の広さや間取りに応じて適切なものを選びましょう。

□ 調湿性能の高い内装材を使用している

珪藻土や漆喰などの調湿性能の高い内装材を使用することで、室内の湿度を適切に保つことができます。これらの材料は湿気を吸収・放出する性質があり、結露の防止に役立ちます。

□ 基礎断熱を採用している

基礎断熱を採用することで、床下空間の温度変化を抑え、床下結露のリスクを低減できます。特に、寒冷地では効果的な対策となります。

□ 熱交換型換気システムを導入している

熱交換型換気システムは、排気の熱を利用して給気を温めることができるため、換気による熱損失を最小限に抑えられます。これにより、室内温度の急激な変化を防ぎ、結露のリスクを低減できます。

□ 気密性の高い建材を使用している

気密性の高いサッシや玄関ドア、気密テープなどを使用することで、外気の侵入を防ぎ、室内環境を安定させることができます。これにより、結露のリスクを低減できます。

□ 屋根裏や床下の換気対策を行っている

屋根裏や床下の換気不足は、これらの空間での結露の原因となります。適切な換気口の設置や、必要に応じて換気扇を導入するなど、十分な換気対策を講じましょう。

□ 結露が発生しやすい箇所に断熱補強を施している

窓まわりや外壁の柱・梁部分、コンクリート打ち放し壁などは結露が発生しやすい箇所です。これらの部分に断熱補強を施すことで、結露のリスクを低減できます。

□ 専門家によるシミュレーションや性能評価を受けている

結露のリスクは、住宅の構造や地域の気候条件によっても変わってきます。専門家による熱・湿気シミュレーションや性能評価を受けることで、より確実な結露対策を講じることができます。

□ 適切な暖房計画を立てている

室内の温度ムラは結露の原因となります。床暖房や輻射暖房など、室内を均一に暖める暖房方式を採用することで、結露のリスクを低減できます。

□ 窓の結露対策として、二重窓や内窓を採用している

特に寒冷地では、二重窓や内窓の採用が効果的です。これにより、窓の断熱性能が高まり、結露のリスクを大幅に低減できます。

□ 浴室や洗面所など湿気の多い場所の換気に特に注意を払っている

浴室や洗面所は特に湿気が多く発生する場所です。これらの場所には高性能な換気扇を設置し、使用後は十分に換気を行うようにしましょう。

□ 結露対策を考慮した間取り設計を行っている

水蒸気の発生源となる浴室やキッチンを集中させ、他の居室との間に緩衝空間を設けるなど、間取りの工夫も結露対策として効果的です。

□ 日々の生活における結露対策の重要性を理解し、実践している

適切な換気や湿度管理、結露が発生した際の早期対応など、日々の生活における結露対策も重要です。家族全員で結露対策の重要性を理解し、実践することが大切です。

これらのチェック項目を確認し、可能な限り多くの対策を講じることで、結露のリスクを大幅に低減し、快適で健康的な住環境を実現することができます。ただし、すべての項目を完璧に満たすことは難しい場合もあるため、優先順位を付けて取り組むことが重要です。

よくある質問(Q&A)

結露対策に関して、多くの方が疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。これらの質問と回答を参考に、効果的な結露対策を講じましょう。

Q1. 新築なのに結露が発生するのはなぜですか?

A1. 新築住宅でも結露が発生する主な理由は以下の通りです。

1. 換気不足:高気密住宅では適切な換気が行われないと湿気がこもりやすくなります。

2. 建築資材の乾燥不足:新築時は壁や床に含まれる水分が徐々に放出され、室内の湿度が高くなることがあります。

3. 断熱性能の不均一:一部の箇所で断熱性能が低く、そこが結露の原因となることがあります。

4. 生活習慣の変化:高気密住宅での生活に慣れていないと、適切な換気や湿度管理ができずに結露が発生することがあります。

Q2. 結露を完全に防ぐことは可能ですか?

A2. 完全に結露を防ぐことは難しいですが、適切な対策を講じることで大幅に軽減することは可能です。以下の点に注意しましょう。

1. 高性能な断熱材と気密材の使用

2. 適切な換気システムの導入と活用

3. 湿度管理の徹底

4. 結露が発生しやすい箇所への重点的な対策

Q3. 結露対策にかかる費用の目安はどれくらいですか?

A3. 結露対策にかかる費用は、住宅の規模や採用する対策によって大きく異なります。一般的な目安として、

1. 断熱改修:数十万円〜数百万円

2. 換気システムの導入:20万円〜50万円程度

3. 窓の断熱改修(二重窓化など):1窓あたり10万円〜30万円程度

新築時に高性能な断熱・気密・換気システムを採用する場合、建築費全体の5〜10%程度のコスト増となることが多いです。

Q4. 結露対策と省エネ効果は関係ありますか?

A4. はい、結露対策と省エネ効果には密接な関係があります。

1. 高断熱・高気密化は結露防止と同時に、暖冷房効率を向上させます。

2. 熱交換型換気システムは、結露防止と共に換気時の熱損失を低減します。

3. 窓の断熱性能向上は、結露防止と共に熱の出入りを抑制し、省エネにつながります。

結露対策を行うことで、快適性向上と共に光熱費の削減も期待できます。

Q5. 結露対策で最も重要なポイントは何ですか?

A5. 結露対策で最も重要なポイントは「バランスの取れた対策」です。具体的には、

1. 断熱性能の向上

2. 適切な気密性の確保

3. 効果的な換気システムの導入

4. 日々の適切な湿度管理

これらをバランス良く実施することが、効果的な結露対策につながります。どれか一つだけでは十分な効果が得られないことに注意しましょう。

Q6. 結露が発生したらどうすればいいですか?

A6. 結露が発生した場合は、以下の対応を行いましょう。

1. すぐに拭き取る:結露を放置すると、カビの発生や建材の劣化につながります。

2. 換気を行う:室内の湿気を外に排出し、湿度を下げます。

3. 原因を特定する:結露が発生した場所や時間帯を記録し、原因を探ります。

4. 対策を講じる:特定した原因に応じて、断熱強化や換気改善などの対策を行います。

5. 専門家に相談する:繰り返し結露が発生する場合は、建築の専門家に相談することをおすすめします。

Q7. 結露対策と室内の快適性は両立できますか?

A7. はい、結露対策と室内の快適性は十分に両立可能です。むしろ、適切な結露対策を行うことで、室内の快適性が向上します。

1. 断熱性能の向上により、室温のムラが減少し、快適性が向上します。

2. 適切な換気により、室内の空気質が改善され、健康的な環境が作られます。

3. 湿度管理により、カビやダニの発生が抑制され、アレルギー症状の軽減につながります。

4. 結露による建材の劣化を防ぐことで、長期的に快適な住環境を維持できます。

これらの質問と回答を参考に、自宅の状況に合わせた適切な結露対策を検討してください。結露対策は、快適で健康的な住環境づくりの重要な要素の一つです。疑問点がある場合は、建築や設備の専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

新築住宅での結露対策は、快適で健康的な住環境を実現するための重要な要素です。高気密・高断熱住宅であっても、適切な対策を講じなければ結露のリスクは存在します。以下に、結露対策の主なポイントをまとめます。

設計段階からの配慮:高性能な断熱材の選択、適切な換気計画、結露が発生しやすい箇所への重点的な対策など、家づくりの初期段階から結露対策を考慮することが重要です。

適切な施工:断熱材の隙間なし施工、気密層の確実な施工、防湿層の適切な設置など、設計通りの性能を実現するための丁寧な施工が必要です。

換気システムの導入と活用:24時間換気システムや熱交換型換気システムの導入、そして適切な使用が結露防止に効果的です。

日々の生活における対策:適切な換気の実施、室内湿度の管理、結露の早期発見と対処など、居住者の意識と行動も重要な要素です。

定期的なメンテナンス:換気システムのフィルター清掃や、断熱性能の点検など、定期的なメンテナンスを行うことで、長期的に結露を防ぐことができます。

結露対策は、断熱・気密・換気のバランスが重要です。どれか一つだけでは十分な効果が得られません。また、結露対策は省エネ効果とも密接に関連しており、快適性の向上と共に光熱費の削減も期待できます。

新築住宅で結露に悩まされた場合は、建築会社や設備の専門家に相談し、適切な対策を講じることが大切です。結露対策は一度行えば終わりではなく、継続的な取り組みが必要です。家族全員で結露対策の重要性を理解し、日々の生活の中で実践していくことが、長期的に快適で健康的な住環境を維持するポイントとなります。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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    :渡辺知光

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