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自分でできる?土地家屋調査士に頼む?建物滅失登記の基礎知識と注意点

家づくりの基本

2024/08/16

2024/08/16

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

自分でできる?土地家屋調査士に頼む?建物滅失登記の基礎知識と注意点

建物を取り壊した後、その事実を法務局に届け出る「建物滅失登記」。実は多くの人が見落としがちな重要な手続きです。この記事では、建物滅失登記の意味や必要性、手続きの流れ、費用などについて詳しく解説します。自分で手続きできるのか、専門家に依頼すべきかの判断材料も提供しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

建物滅失登記について

建物滅失登記とは、建物が取り壊されたり、火災や自然災害で焼失・倒壊したりして、実際には存在しなくなった建物の登記を抹消する手続きのことです。この手続きにより、法務局が管理する不動産登記簿から当該建物の記載が削除されます。

建物が存在しなくなったにもかかわらず、登記簿上にその建物の記載が残っていると、様々な問題が生じる可能性があります。そのため、建物滅失登記は重要な手続きとなります。

建物滅失登記が必要になるとき

建物滅失登記が必要になる主な場面は以下の通りです。

1. 老朽化した建物を解体したとき

2. 火災や地震、台風などの自然災害で建物が焼失・倒壊したとき

3. 建て替えのために既存の建物を取り壊したとき

4. 区分所有建物(マンションなど)の一部が取り壊されたとき

これらの状況で建物が物理的に存在しなくなった場合、速やかに建物滅失登記を行う必要があります。

建物滅失登記をしないことの問題点

建物滅失登記を行わないと、以下のような問題が生じる可能性があります。

固定資産税がかかり続ける可能性がある

建物滅失登記を行わないと、実際には存在しない建物に対して固定資産税が課税され続ける可能性があります。これは、市区町村の税務署が建物の存在を把握する主な手段が不動産登記簿だからです。登記簿上に建物が存在する限り、その建物に対する固定資産税が課税され続けることになります。

特に、建物を解体した後に建物滅失登記を忘れてしまうと、気づかないうちに何年も余計な固定資産税を支払い続けてしまう可能性があります。これは、家計に大きな負担をかける可能性がある重大な問題です。

土地を売却するのが難しくなる

建物が存在しないにもかかわらず登記簿に記載が残っていると、土地の売却時に問題が生じる可能性があります。例えば、以下のような問題が考えられます。

1. 買主が金融機関からローンを組めない:登記簿上に存在しない建物の記載があると、金融機関が融資を躊躇する可能性があります。

2. 二重ローンの問題:買主が新しく建物を建てる際に、登記簿上の古い建物が障害となり、建物のローンが組めない可能性があります。

3. 売買契約の遅延:建物滅失登記を行っていないことが判明した場合、売買契約の締結が遅れる可能性があります。

これらの問題により、土地の売却が難しくなったり、売却までに時間がかかったりする可能性があります。

新しい建物を登記できない可能性がある

古い建物の登記が残ったままだと、その場所に新しく建てた建物の登記ができない場合があります。不動産登記法上、同一の土地に複数の建物の登記をすることはできません。そのため、建て替えを行う際には、必ず古い建物の滅失登記を行ってから、新しい建物の登記を行う必要があります。

建物滅失登記を忘れたまま新しい建物を建てて居住を始めてしまうと、後から大きな問題に発展する可能性があります。例えば、新しい建物に住宅ローンを組もうとしても、登記ができないために融資が受けられないといった事態が起こりうるのです。

以上のように、建物滅失登記を行わないことで生じる問題は決して小さくありません。固定資産税の二重払い、土地売却の困難、新築建物の登記不能など、深刻な問題につながる可能性があります。そのため、建物が滅失した場合は、できるだけ早く建物滅失登記の手続きを行うことが重要です。手続きに不安がある場合は、専門家である土地家屋調査士に相談するのも良いでしょう。

建物滅失登記は誰が、いつすればいいのか

建物滅失登記ができる人

建物滅失登記を行える人は主に以下の3つのカテゴリーに分類されます。

建物の所有権がある人

建物滅失登記を申請できるのは、まず第一に建物の所有者です。登記簿上に所有者として記載されている人が、申請の権利を持ちます。共有名義の場合は、共有者全員の同意が必要となります。

ただし、注意が必要なのは、登記簿上の所有者と実際の所有者が異なる場合です。例えば、相続が発生しているのに相続登記を行っていない場合などがこれに該当します。このような場合、まず相続登記を行ってから建物滅失登記を申請する必要があります。

建物の相続人

建物所有者が亡くなっている場合は、その相続人が建物滅失登記を申請することができます。この場合、相続関係を証明する書類(戸籍謄本や遺産分割協議書など)が必要になります。

相続人が複数いる場合は、原則として相続人全員の同意が必要です。ただし、相続人の中に行方不明者がいるなど、全員の同意を得ることが困難な場合は、家庭裁判所に相続放棄の申述をするなどの対応が必要になることがあります。

土地家屋調査士

専門知識を持つ土地家屋調査士に依頼して、建物滅失登記の手続きを行うこともできます。土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記手続きの専門家です。

土地家屋調査士に依頼するメリットとしては以下のようなものがあります。

1. 専門的な知識に基づいた正確な手続き

2. 複雑なケースへの対応

3. 時間と労力の節約

4. トラブルの回避

特に、相続が絡む場合や、登記簿と現況が一致していない場合など、複雑なケースでは土地家屋調査士に依頼することをおすすめします。

建物滅失登記の期限

建物滅失登記には、法律で定められた明確な期限はありません。しかし、様々な問題を避けるためにも、建物が滅失した後はできるだけ早く手続きを行うことが望ましいです。

具体的には、以下のようなタイミングで建物滅失登記を行うことをおすすめします。

1. 建物解体直後: 計画的に建物を解体した場合は、解体工事が完了し、建物滅失証明書を入手したらすぐに手続きを行いましょう。

2. 災害発生後できるだけ早く: 火災や地震などの災害で建物が滅失した場合は、安全が確保され次第、できるだけ早く手続きを行いましょう。

3. 固定資産税の納付期限前: 固定資産税の二重払いを避けるためには、市区町村の固定資産税の納付期限前に手続きを完了させることが理想的です。

4. 新築や売却の前: 建て替えや土地の売却を予定している場合は、それらの手続きを始める前に必ず建物滅失登記を完了させておきましょう。

建物滅失登記を行わないまま時間が経過してしまった場合でも、気づいた時点ですぐに手続きを行うことが重要です。場合によっては、過去に遡って固定資産税が還付される可能性もあるので、市区町村の税務課に相談してみるとよいでしょう。

また、建物を解体する際には、解体業者に建物滅失証明書の発行を依頼することを忘れないようにしましょう。この証明書は建物滅失登記に必要な書類の一つです。

建物滅失登記は、不動産に関する重要な手続きの一つです。適切なタイミングで確実に手続きを行うことで、将来的なトラブルを防ぎ、スムーズな不動産管理が可能になります。手続きに不安がある場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

建物滅失登記の必要書類

建物滅失登記を行う際には、いくつかの書類が必要になります。これらの書類は、建物が実際に滅失したことを証明し、申請者が正当な権利を持っていることを示すために重要です。必要な書類は大きく分けて、どんなケースでも必要になる書類と、状況により必要になる書類の2種類があります。

どんなケースでも必要になる書類

建物滅失登記申請書

建物滅失登記を申請するための公式書類です。この申請書には以下の情報を記入します。

– 申請人の氏名・住所

– 建物の所在地

– 建物の種類・構造

– 滅失の原因と年月日

– 申請の年月日

法務局で入手するか、法務省のウェブサイトからダウンロードすることができます。記入方法がわからない場合は、法務局の窓口で相談することもできます。

滅失した建物の関係書類

滅失した建物の登記に関する書類が必要です。具体的には以下のようなものです。

– 登記識別情報(登記済証)

– 登記事項証明書

これらの書類は、その建物の登記上の所有者を確認するために必要です。登記識別情報を紛失している場合は、法務局で所有者であることを確認する手続きが必要になる場合があります。

建物滅失証明書

建物が実際に滅失したことを証明する書類です。通常、解体業者が発行します。この証明書には以下の情報が記載されています。

– 解体した建物の所在地

– 建物の種類・構造

– 解体の完了年月日

– 発行年月日

– 解体業者の名称・所在地・代表者名

建物が災害で滅失した場合は、市区町村が発行する罹災証明書で代用できることもあります。

解体事業者の代表者事項証明書と印鑑証明書

建物滅失証明書を発行した解体事業者の代表者事項証明書と印鑑証明書が必要です。これらは、建物滅失証明書の真正性を確認するために必要となります。通常、解体業者に依頼すれば一緒に準備してくれます。

状況により必要になる書類

委任状

土地家屋調査士などの専門家に手続きを依頼する場合に必要です。委任状には以下の内容を記載します。

– 委任者(所有者)の氏名・住所

– 受任者(土地家屋調査士など)の氏名・住所

– 委任する内容(建物滅失登記申請の委任)

– 委任の年月日 委任状には委任者の実印の押印が必要です。

相続関係を示す書類

相続人が申請する場合、相続関係を証明する書類が必要になります。具体的には以下のような書類です。

– 被相続人(故人)の出生から死亡までの戸籍謄本

– 相続人全員の戸籍謄本

– 遺産分割協議書(相続人が複数いる場合)

これらの書類は、申請者が正当な相続人であることを証明するために必要です。

住民票や戸籍謄本など

申請者の本人確認のために必要な場合があります。具体的には以下のような書類が求められることがあります。

– 申請者の住民票

– 申請者の戸籍謄本

– 申請者の印鑑証明書

これらの書類は、申請者が登記簿上の所有者と同一人物であることを確認するために使用されます。

以上の書類を準備することで、建物滅失登記の申請が可能になります。ただし、ケースによっては追加の書類が必要になることもあります。例えば、建物の一部のみが滅失した場合や、共有名義の建物の場合などは、それぞれの状況に応じた追加書類が求められることがあります。

また、これらの書類には有効期限があるものもあります。例えば、住民票や印鑑証明書は通常3ヶ月以内に発行されたものが求められます。申請の際は書類の有効期限にも注意が必要です。

必要書類の準備に不安がある場合や、複雑なケースの場合は、土地家屋調査士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。専門家のアドバイスを受けることで、スムーズな手続きが可能になります。

自分で建物滅失登記を申請する方法

建物滅失登記は、基本的に自分で行うことができます。ただし、手続きの複雑さや時間的制約によっては、専門家に依頼することも検討すべきでしょう。ここでは、自分で申請する場合の手続きの流れについて詳しく説明します。

必要書類をそろえて申請書に記入する

まず、建物滅失登記に必要な書類をすべて揃えます。主な必要書類は以下の通りです。

1. 建物滅失登記申請書

2. 登記識別情報(登記済証)

3. 建物滅失証明書

4. 解体事業者の代表者事項証明書と印鑑証明書

5. 申請者の本人確認書類(住民票や印鑑証明書など)

これらの書類を揃えたら、建物滅失登記申請書に必要事項を記入します。申請書の記入には以下の点に注意しましょう。

– 申請人の氏名・住所を正確に記入する

– 建物の所在地、種類、構造を登記簿の記載通りに記入する

– 滅失の原因と年月日を正確に記入する

– 申請年月日を忘れずに記入する

記入に不安がある場合は、法務局の窓口で相談することもできます。

法務局に書類を提出する

必要書類がすべて揃ったら、管轄の法務局に書類一式を提出します。提出方法には以下の3つがあります。

1. 窓口での直接提出

2. 郵送での提出

3. オンラインでの提出(事前に登記・供託オンライン申請システムの利用者登録が必要)

窓口で直接提出する場合は、法務局の開庁時間内に訪問します。書類に不備がある場合はその場で指摘してもらえるため、初めて手続きを行う方にはこの方法がおすすめです。 郵送で提出する場合は、書留郵便など配達記録が残る方法を利用しましょう。また、返信用封筒(切手貼付)を同封することを忘れずに。 オンラインでの提出は、24時間365日申請が可能で便利ですが、電子証明書が必要なため、事前の準備が必要です。

登記完了証を受け取る

書類の提出後、法務局で内容の審査が行われます。問題がなければ登記が完了し、登記完了証が発行されます。 窓口で直接申請した場合は、その場で登記完了証を受け取れることもありますが、通常は後日郵送されます。 郵送で申請した場合は、同封した返信用封筒で登記完了証が送られてきます。 オンライン申請の場合は、申請システム上で登記完了通知を受け取ることができます。 登記完了証を受け取ったら、内容に間違いがないか確認しましょう。これで建物滅失登記の手続きは完了です。

注意点

自分で建物滅失登記を行う際には、以下の点に注意が必要です。

1. 書類の準備に時間がかかることがあるため、余裕を持って手続きを始める

2. 記入ミスや書類の不備があると手続きが遅れるため、慎重に確認する

3. 法務局の混雑状況によっては、手続きに時間がかかることがある

4. 相続が絡む場合など、複雑なケースでは専門家に相談することを検討する

また、建物滅失登記が完了したら、市区町村の税務課に連絡し、固定資産税の課税状況を確認することをおすすめします。登記情報と課税情報に齟齬が生じている可能性があるためです。

建物滅失登記は確かに自分で行うことができますが、手続きの複雑さや時間的制約、専門知識の必要性を考慮すると、土地家屋調査士などの専門家に依頼することも賢明な選択肢と言えるでしょう。特に、相続が絡む場合や登記簿と現況が一致していない場合など、複雑なケースでは専門家のサポートが有効です。自分で行うか専門家に依頼するかは、各自の状況や能力に応じて判断しましょう。

建物滅失登記にかかる費用

建物滅失登記にかかる費用は、自分で手続きを行うか専門家に依頼するかによって大きく異なります。ここでは、それぞれのケースについて詳しく説明します。

自分で手続きを行う場合の費用

自分で建物滅失登記の手続きを行う場合、主に以下の費用がかかります。

登録免許税

建物滅失登記は、登録免許税が非課税となっています。そのため、登録免許税の支払いは不要です。これは、建物の滅失という事実を登記簿に反映させるだけの手続きであり、新たな権利の設定や移転を伴わないためです。

書類取得費用

必要書類の取得にかかる費用として、主に以下のものが挙げられます。

– 登記事項証明書:数百円〜1,000円程度

– 住民票:数百円程度 – 印鑑証明書:数百円程度

– 戸籍謄本(相続の場合):数百円〜1,000円程度

これらの書類取得費用の合計は、通常3,000円〜5,000円程度になります。ただし、必要な書類の種類や通数によって変動する可能性があります。

郵送料

郵送で申請する場合は、書類の送付にかかる郵送料(数百円程度)が必要です。また、登記完了証を受け取るための返信用封筒の切手代も必要になります。

交通費

法務局に直接出向く場合は、交通費がかかることがあります。これは居住地と管轄法務局の距離によって異なります。

専門家に依頼する場合の費用

土地家屋調査士や司法書士などの専門家に依頼する場合、上記の費用に加えて報酬が必要になります。

専門家への報酬

専門家への報酬は、一般的に以下の範囲内になることが多いです。

– 土地家屋調査士:5万円〜15万円程度

– 司法書士:3万円〜10万円程度

ただし、これらの金額は目安であり、案件の複雑さや地域によって変動します。例えば、相続が絡む場合や登記簿と現況が一致していない場合などは、より高額になる可能性があります。

追加費用

専門家に依頼する場合、以下のような追加費用が発生することがあります。

– 現地調査費用:建物が確実に滅失していることを確認するための費用

– 書類作成費用:委任状など、追加で必要になる書類の作成費用

– 交通費:専門家が現地や法務局に出向く際の交通費

これらの追加費用は、通常報酬に含まれていることが多いですが、事前に確認しておくとよいでしょう。

費用を抑えるためのポイント

建物滅失登記の費用を抑えるためには、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。

1. 可能な限り自分で手続きを行う

2. 必要書類を事前にしっかり確認し、無駄な書類取得を避ける

3. 郵送での申請を利用し、交通費を節約する

4. 専門家に依頼する場合は、複数の事務所から見積もりを取る

5. 建物解体時に建物滅失証明書の発行を忘れずに依頼する(後から取得すると追加費用がかかることがある)

建物滅失登記にかかる費用は、自分で手続きを行う場合は数千円程度で済みますが、専門家に依頼する場合は5万円〜15万円程度かかることが一般的です。ただし、これらの金額はあくまで目安であり、個々の状況によって変動します。

費用面だけでなく、手続きの複雑さや自身の時間的制約なども考慮して、自分で行うか専門家に依頼するかを判断するとよいでしょう。特に、相続が絡むケースや登記簿と現況が一致していない場合など、複雑なケースでは専門家に依頼することで、長期的に見ればコストを抑えられる可能性もあります。

いずれにしても、建物滅失登記は重要な手続きですので、費用を気にするあまり手続きを怠ることのないよう注意しましょう。適切に手続きを行うことで、将来的なトラブルや余計な出費を防ぐことができます。

建物滅失登記は土地家屋調査士に依頼しよう

建物滅失登記は自分で行うことも可能ですが、確実に手続きを完了させたい場合は、土地家屋調査士に依頼することをおすすめします。ここでは、土地家屋調査士に依頼するメリットや注意点について詳しく説明します。

土地家屋調査士に依頼するメリット

土地家屋調査士に建物滅失登記を依頼することには、以下のようなメリットがあります。

専門的な知識と経験

土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記手続きの専門家です。建物滅失登記に関する法律や手続きについて深い知識を持っており、複雑なケースにも適切に対応できます。

正確な手続き

書類の作成や申請手続きを正確に行うことができるため、手続きの遅延やミスを防ぐことができます。これにより、余計な時間や費用がかかるリスクを軽減できます。

時間と労力の節約

必要書類の収集から申請手続きまで、すべてを土地家屋調査士に任せることができます。自分で行う場合に比べて、大幅な時間と労力の節約になります。

トラブルの回避

登記簿と現況が一致していない場合や、相続が絡む場合など、複雑なケースでも適切に対応してくれます。これにより、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。

関連手続きのサポート

建物滅失登記に関連する他の手続き(例:固定資産税の課税変更手続きなど)についてもアドバイスやサポートを受けられることがあります。

土地家屋調査士への依頼方法

土地家屋調査士に建物滅失登記を依頼する際は、以下の手順を踏むとよいでしょう。

土地家屋調査士を探す

地域の土地家屋調査士会のウェブサイトや、知人の紹介などを通じて、信頼できる土地家屋調査士を探します。

初回相談

電話やメール、面談で初回相談を行います。この際、建物滅失の状況や登記の状態などを詳しく説明します。

見積もりの取得

手続きにかかる費用の見積もりを取得します。複数の土地家屋調査士から見積もりを取ることで、適正な価格を知ることができます。

契約と委任

依頼を決めたら、正式に契約を結び、委任状を作成します。この際、手続きの内容や費用について十分に確認しましょう。

必要書類の提供

土地家屋調査士の指示に従って、必要な書類を提供します。

手続きの完了

土地家屋調査士が手続きを行い、完了後に報告を受けます。

依頼する際の注意点

土地家屋調査士に依頼する際は、以下の点に注意しましょう。

資格の確認

依頼する土地家屋調査士が正規の資格を持っているか確認します。土地家屋調査士会のウェブサイトで確認できます。

費用の明確化

見積もりを取る際は、すべての費用(報酬、実費、追加費用の可能性など)について明確に確認しましょう。

手続きの範囲の確認

依頼する手続きの範囲を明確にし、契約書に記載してもらいます。

コミュニケーション

手続きの進捗状況について、定期的に報告を受けられるよう依頼しておきます。

建物滅失登記を確実に行いたい場合、土地家屋調査士に依頼することは賢明な選択といえます。専門的な知識と経験を持つ土地家屋調査士に依頼することで、手続きの正確性が高まり、将来的なトラブルを防ぐことができます。

ただし、費用面では自分で行う場合よりも高くなることが一般的です。そのため、案件の複雑さや自身の時間的制約、費用面での余裕などを総合的に考慮して、依頼するかどうかを判断するとよいでしょう。特に、相続が絡む場合や登記簿と現況が一致していない場合など、複雑なケースでは専門家に依頼することをおすすめします。

建物滅失登記は、不動産に関する重要な手続きの一つです。確実な手続きを行うことで、将来的なトラブルや余計な出費を防ぐことができます。土地家屋調査士の活用を検討し、適切かつ円滑な手続きを行いましょう。

よくある質問(Q&A)

建物滅失登記に関して、多くの人が抱く疑問について、Q&A形式で詳しく解説します。

Q1: 建物滅失登記の期限はありますか?

A1: 建物滅失登記には法律で定められた明確な期限はありません。しかし、様々な問題を避けるためにも、建物が滅失した後はできるだけ早く手続きを行うことをおすすめします。特に以下のようなタイミングを意識しましょう。

1. 建物解体直後

2. 災害発生後、安全が確保され次第

3. 固定資産税の納付期限前

4. 新築や土地売却の計画がある場合は、それらの手続きを始める前

早めに手続きを行うことで、固定資産税の二重払いや、土地売却時のトラブルを防ぐことができます。

Q2: 建物滅失登記を忘れていた場合、どうすればいいですか?

A2: 建物滅失登記を忘れていたことに気づいた場合でも、慌てる必要はありません。以下の手順で対応しましょう。

1. まず、気づいた時点で速やかに建物滅失登記の手続きを行います。

2. 固定資産税の還付が可能な場合もあるので、市区町村の税務課に相談してみましょう。通常、過去5年分までの固定資産税であれば還付を受けられる可能性があります。

3. 滅失の事実を証明する書類(建物滅失証明書など)が必要になるので、解体業者に連絡を取り、書類の発行を依頼します。時間が経っている場合、発行に時間がかかったり、追加費用が必要になったりする可能性があるので注意が必要です。

4. 手続きが複雑になる可能性があるため、土地家屋調査士などの専門家に相談することをおすすめします。 できるだけ早く対応することで、問題を最小限に抑えることができます。

Q3: 建物滅失登記は必ず行わなければいけませんか?

A3: 建物滅失登記は法律上の義務ではありませんが、行うことを強くおすすめします。理由は以下の通りです。

1. 固定資産税の二重払いを防ぐことができます。

2. 土地売却時のトラブルを避けることができます。

3. 新しい建物を建てる際の登記がスムーズに行えます。

4. 将来的な相続手続きが簡単になります。

建物滅失登記を行わないことで生じる問題は、時間が経つほど複雑化する傾向があります。そのため、建物が滅失した時点で速やかに手続きを行うことが賢明です。

Q4: 建物の一部だけを取り壊した場合も、建物滅失登記が必要ですか?

A4: 建物の一部だけを取り壊した場合、通常は「建物変更登記」という手続きが必要になります。これは建物の面積や構造が変更された場合に行う登記です。手順は以下の通りです。

1. 変更内容を正確に把握します(減少した面積、変更後の構造など)。

2. 土地家屋調査士による現地調査を行います。

3. 必要書類(建物図面、取り壊し証明書など)を準備します。

4. 変更登記の申請を行います。

建物の一部取り壊しであっても、変更内容が大きい場合は複雑な手続きになる可能性があります。専門家に相談することをおすすめします。

Q5: 建物滅失登記の費用を抑える方法はありますか?

A5: 建物滅失登記の費用を抑えるには、以下の方法が考えられます。

1. 可能であれば自分で手続きを行う:専門家に依頼すると5万円〜15万円程度かかりますが、自分で行えば数千円程度で済みます。

2. 必要書類を事前にしっかり確認し、無駄な書類取得を避ける。

3. 郵送での申請を利用し、交通費を節約する。

4. 建物解体時に建物滅失証明書の発行を忘れずに依頼する(後から取得すると追加費用がかかることがある)。

5. 専門家に依頼する場合は、複数の事務所から見積もりを取る。

ただし、相続が絡むケースや登記簿と現況が一致していない場合など、複雑なケースでは専門家に依頼することで、長期的に見ればコストを抑えられる可能性もあります。自身の状況を考慮して判断しましょう。

Q6: 建物滅失登記を行わないと、具体的にどのようなペナルティがありますか?

A6: 建物滅失登記を行わないことに対する直接的な法的ペナルティはありません。しかし、以下のような不利益が生じる可能性があります。

1. 存在しない建物に対して固定資産税が課税され続ける。

2. 土地の売却や新たな建物の建設が難しくなる。

3. 相続時に手続きが複雑化する。

4. 災害時の各種支援を受けにくくなる可能性がある。

これらの問題は時間が経つほど深刻化する傾向があるため、できるだけ早く手続きを行うことが重要です。

以上の Q&A を参考に、建物滅失登記について理解を深め、適切に対応していただければと思います。不明点がある場合は、法務局や土地家屋調査士などの専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

建物滅失登記は、建物が存在しなくなった事実を法務局に届け出る重要な手続きです。固定資産税の二重払いや、土地売却時のトラブルを避けるためにも、建物が滅失したらできるだけ早く手続きを行いましょう。自分で手続きすることも可能ですが、確実に行いたい場合は土地家屋調査士に依頼するのがおすすめです。建物の解体や建て替えを考えている方は、建物滅失登記の必要性を忘れずに、適切に対応していきましょう。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

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    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

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    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

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