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建坪の基礎知識、他の面積用語との違い、計算方法、坪単価との関係を詳しく解説

家づくりの基本

2024/08/19

2024/08/20

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

建坪の基礎知識、他の面積用語との違い、計算方法、坪単価との関係を詳しく解説

住宅を建てる際に必ず目にする「建坪」という言葉。しかし、その正確な意味や関連する用語との違いを理解している人は意外と少ないかもしれません。本記事では、建坪の定義から計算方法、他の面積を表す用語との違い、そして建築費用との関係まで、建坪に関する重要なポイントを詳しく解説します。家づくりを始める前に、これらの知識を身につけることで、より賢明な判断ができるようになるでしょう。

建坪のキホン

建坪(たてつぼ)は、住宅の広さを表す際によく使われる用語です。しかし、その正確な意味や関連する概念を理解していないと、家づくりの過程で混乱を招く可能性があります。ここでは、建坪の定義から計算方法、関連する概念まで詳しく解説していきます。

建坪は、建物の水平投影面積を坪単位で表したものです。つまり、建物を真上から見た時の面積のことを指します。一般的に、1階部分の床面積とほぼ同じになりますが、厳密には違いがあります。建坪は、外壁の外側で囲まれた面積を指すため、壁の厚みも含まれます。

「建ぺい率」との関係

建ぺい率は、敷地面積に対する建築面積の割合を示す重要な指標です。建坪は建築面積を坪で表したものなので、建ぺい率を計算する際の基準となります。例えば、建ぺい率60%の地域で100坪の土地に家を建てる場合、最大で60坪まで建てることができます。この制限は、都市計画法によって定められており、地域ごとに異なります。密集した都市部では低く、郊外では高く設定されることが多いです。

「坪」と「m2」の違い

坪は日本の伝統的な面積単位で、1坪は約3.3m2に相当します。現在の法律では、正式には平方メートル(m2)を使用しますが、住宅業界では慣習的に坪が使われることが多いです。これは、日本の住宅設計が長年坪を基準に行われてきたことや、坪の方が感覚的に理解しやすいという理由からです。ただし、公的な書類や契約書では必ずm2表記が使用されるため、両方の単位を理解しておくことが重要です。

建坪の計算方法

建坪は、建物の外壁の外側で囲まれた面積を計算します。具体的な計算方法は以下の通りです。

1. 建物の縦と横の長さをメートル単位で測ります。

2. 測った長さを掛け合わせて、平方メートル(m2)の面積を算出します。

3. 算出したm2を3.3で割ることで、坪数が得られます。

例えば、縦10m、横8mの建物の場合、

10m × 8m = 80m2

80m2 ÷ 3.3 ≈ 24.24坪

となります。ただし、建物の形状が複雑な場合は、部分ごとに計算して合計する必要があります。

建坪の概念を正確に理解することは、家づくりの計画段階で非常に重要です。建ぺい率との関係を把握することで、法律に則った適切な家の大きさを決定できます。また、m2と坪の両方の単位を理解しておくことで、様々な場面でスムーズなコミュニケーションが可能になります。家づくりを始める前に、これらの基本的な知識を身につけておくことをおすすめします。

建坪と他の面積用語との違い

建坪以外にも、住宅の広さを表す用語はいくつかあります。これらの用語の違いを正確に理解することは、家づくりの過程で非常に重要です。ここでは、建坪と他の広さを示す言葉との違いについて詳しく解説していきます。

「建築面積」との違い

建築面積は建坪とほぼ同じ意味ですが、単位が異なります。建築面積はm2で表されるのに対し、建坪は坪で表されます。つまり、建築面積を3.3で割ったものが建坪となります。建築面積は建築基準法で定義されており、建ぺい率の計算に使用される正式な用語です。一方、建坪は慣習的に使用される用語で、特に住宅業界でよく用いられます。

「床面積」との違い

床面積は、各階の床の面積を合計したものです。建坪が建物の外形で計算されるのに対し、床面積は内法(うちのり)で計算されるため、通常は建坪よりも小さくなります。内法とは、壁の内側の寸法のことを指します。具体的には、壁の厚みや柱の面積は床面積に含まれません。そのため、同じ建物でも、床面積は建坪よりも小さな数値になります。床面積は、実際に使用できる空間の広さを示すため、生活のイメージを掴むのに役立ちます。

「延床面積」との違い

延床面積は、建物の全階層の床面積を合計したものです。2階建ての家であれば、1階と2階の床面積を足したものが延床面積となります。延床面積は、建物全体の大きさを表す指標として使用され、建築確認申請や固定資産税の算定などに用いられます。建坪が1階部分のみの面積を指すのに対し、延床面積は建物全体の広さを表すため、通常は建坪よりも大きな数値になります。また、延床面積は容積率(敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合)の計算にも使用されます。

「建物面積」との違い

建物面積は一般的に延床面積と同じ意味で使われますが、文脈によっては建坪を指すこともあります。用語の使用には注意が必要です。建物面積という言葉は法律で明確に定義されているわけではないため、使用される状況によって意味が変わることがあります。例えば、不動産広告や住宅メーカーのカタログなどでは、建物面積が建坪を指していることもあれば、延床面積を指していることもあります。そのため、建物面積という言葉を目にした場合は、それが具体的に何を指しているのか確認することが重要です。

これらの用語の違いを理解することは、家づくりの過程で非常に重要です。例えば、建坪だけを見て家の広さを判断すると、2階建ての場合は実際の生活空間よりも狭く感じてしまう可能性があります。また、建ぺい率や容積率の計算には建築面積や延床面積が使用されるため、これらの概念を正確に理解しておくことで、法律に則った適切な家の計画を立てることができます。

家づくりを進める際は、これらの用語の違いを意識しながら、建築士や不動産業者とコミュニケーションを取ることをおすすめします。わからない点があれば、遠慮なく質問をすることが大切です。正確な理解に基づいて判断することで、より満足度の高い家づくりが実現できるでしょう。

建坪の表記について気を付けること

建坪は住宅の広さを示す重要な指標ですが、その表記や計算方法には注意すべき点がいくつかあります。ここでは、建坪の表記について特に気を付けるべきポイントを詳しく解説します。

建坪は軒やひさし、バルコニー、出窓の面積を含まないことが多い

建坪の計算では、通常、軒やひさし、バルコニー、出窓などの突出部分は含まれません。これは、建築基準法における建築面積の定義に基づいています。具体的には以下のような扱いになります。

1. 軒やひさし:出幅が1m以内であれば、建坪に含まれません。1mを超える場合は、その超えた部分が建坪に含まれます。

2. バルコニー:床面積が2m2以下で、かつ手すりの高さが1.1m以上であれば、建坪に含まれません。これらの条件を満たさない場合は建坪に含まれる可能性があります。

3. 出窓:床面積が2m2以下で、かつ突き出し幅が0.5m以下であれば、建坪に含まれません。これらの条件を超える場合は建坪に含まれます。

ただし、これらの部分が大きい場合は含まれることもあるので、詳細は確認が必要です。特に、デザイン性の高い住宅や大型の軒・バルコニーを設ける場合は、建坪の計算に影響する可能性があります。

建坪はカーポートの面積を含まないことが多い

カーポートは通常、建坪に含まれません。これは、カーポートが建築基準法上の「建築物」ではなく、「工作物」として扱われることが多いためです。ただし、以下のような場合は建坪に含まれる可能性があります。

1. 屋根付きで壁のある車庫の場合:これは「建築物」として扱われるため、建坪に含まれます。

2. カーポートが住宅本体と一体化している場合:住宅の一部として扱われ、建坪に含まれることがあります。

3. 大規模なカーポートの場合:規模や構造によっては「建築物」として扱われ、建坪に含まれることがあります。

これらの点に加えて、建坪の表記について気を付けるべき他のポイントもあります。

1. 小数点以下の扱い:建坪は通常、小数点第二位まで表記されることが多いですが、契約書などでは切り上げや切り捨てが行われることもあります。表記方法を確認することが重要です。

2. 共同住宅の場合の扱い:マンションなどの共同住宅の場合、専有部分の面積と共用部分の面積の扱いが異なることがあります。建坪や床面積の表記が何を指しているのか、明確に確認する必要があります。

3. 地域による違い:建築基準法の解釈や運用が地域によって微妙に異なる場合があります。特に建ぺい率の計算に関わる部分では、地域の建築指導課などに確認することが重要です。

4. 設計図面と実際の建物の違い:設計段階での建坪と、実際に建築された後の建坪が若干異なることがあります。最終的な確認を怠らないようにしましょう。

建坪の表記について正確に理解することは、家づくりの過程で非常に重要です。特に、建ぺい率や容積率の計算に影響するため、法令順守の観点からも慎重に扱う必要があります。また、実際の生活空間を想像する際にも、建坪に含まれない部分があることを念頭に置くことが大切です。

家づくりを進める際は、これらのポイントについて建築士や不動産業者と十分にコミュニケーションを取ることをおすすめします。不明な点があれば遠慮なく質問し、正確な理解に基づいて判断することで、トラブルを避け、満足度の高い家づくりを実現できるでしょう。

建坪と坪単価の関係について

建坪と坪単価は、住宅の建築費用を考える上で非常に重要な要素です。これらの関係を正しく理解することで、より適切な予算計画を立てることができます。ここでは、建坪と坪単価の関係について詳しく解説していきます。

坪単価とは

坪単価は、1坪あたりの建築費用を示す指標です。建築費用を延床面積(坪)で割ることで算出されます。例えば、総工事費が3,000万円で、延床面積が30坪の家の場合、坪単価は100万円となります(3,000万円 ÷ 30坪 = 100万円/坪)。

坪単価は、住宅の価格を比較する際によく使われる指標ですが、単純に低ければ良いというわけではありません。建材の質や設備の グレード、デザインの複雑さなどによって大きく変動します。

坪単価に含む工事・含まれない工事

坪単価には通常、以下のような基本的な建築費用が含まれます。

1. 基礎工事

2. 本体工事(躯体、内装、外装)

3. 屋根工事

4. 設備工事(電気、給排水、空調)

しかし、以下のような費用は通常、坪単価に含まれません。

1. 外構工事(庭、フェンス、カーポートなど)

2. 設計費

3. 諸経費(申請費用、保険料など)

4. 家具・カーテン

5. 太陽光発電システムなどのオプション設備

そのため、見積もりを比較する際は、何が含まれていて何が含まれていないのかを必ず確認することが重要です。

坪単価の傾向や建坪との関係は?

一般的に、建坪が大きくなるほど坪単価は下がる傾向にあります。これには以下のような理由があります。

1. スケールメリット:建物が大きくなると、材料の大量購入や作業の効率化により、単位面積あたりのコストが下がります。

2. 高コスト設備の割合:キッチンやバスルームなどの高コストな設備の割合が、建物全体に対して相対的に小さくなります。

3. 基本工事の分散:基礎工事や屋根工事などの基本的な工事費用が、より広い面積に分散されます。

例えば、20坪の家の坪単価が100万円だとすると、40坪の家では90万円程度になる可能性があります。ただし、この傾向は無限に続くわけではなく、ある程度の規模を超えると効果は薄れていきます。

また、以下のような要因によっては、この傾向が当てはまらないこともあります。

1. デザインの複雑さ:特殊な形状や凝ったデザインの場合、建坪が大きくても坪単価が高くなることがあります。

2. 高級素材の使用:大きな家でも高級素材を多用すれば、坪単価は高くなります。

3. 特殊な立地条件:傾斜地や軟弱地盤など、特殊な条件下での建築は、規模に関わらず坪単価が高くなる可能性があります。

4. 設備のグレード:高性能な空調システムや最新のホームオートメーションシステムなどを導入すると、建坪が大きくても坪単価は高くなります。

建坪と坪単価の関係を理解することは、予算計画を立てる上で非常に重要です。ただし、坪単価だけで判断するのではなく、家の品質や自分のニーズとのバランスを考慮することが大切です。例えば、同じ坪単価でも、デザイン重視の家と機能性重視の家では、得られる価値が大きく異なる可能性があります。

また、坪単価は地域によっても大きく異なります。都市部と地方では労務費や材料費に差があるため、同じ仕様でも坪単価が異なることがあります。

家づくりを進める際は、複数のハウスメーカーから見積もりを取り、それぞれの坪単価の内訳を詳しく確認することをおすすめします。また、単に価格だけでなく、提案される家の品質や、アフターサービスの内容なども総合的に判断することが重要です。正確な情報と慎重な検討に基づいて判断することで、予算内で理想の家を実現できる可能性が高まります。

よくある質問(Q&A)

建坪に関しては、多くの方が疑問や不安を抱えています。ここでは、よくある質問とその回答をQ&A形式で詳しく解説します。

Q1: 建坪と延床面積はどちらが大きいですか?

A1: 通常、延床面積の方が建坪よりも大きくなります。建坪は1階の面積のみを指しますが、延床面積は全階層の床面積の合計だからです。例えば、2階建ての家で1階が30坪、2階が25坪の場合、建坪は30坪ですが、延床面積は55坪になります。ただし、平屋の場合は建坪と延床面積がほぼ同じになります。この違いを理解することで、家の全体的な広さをより正確に把握できます。

Q2: 建坪を増やすと建築費用は比例して上がりますか?

A2: 必ずしも比例して上がるわけではありません。建坪が大きくなると、単位面積あたりのコストは下がる傾向にありますが、全体の建築費用は増加します。これは、キッチンやバスルームなどの高コストな設備の割合が相対的に小さくなるためです。また、基礎工事や屋根工事などの基本的な工事費用が広い面積に分散されるため、坪単価は下がる傾向にあります。ただし、デザインの複雑さや使用する素材のグレードによっては、この傾向が当てはまらないこともあります。

Q3: 建坪と建ぺい率はどう関係していますか?

A3: 建ぺい率は、敷地面積に対する建築面積(建坪をm2に換算したもの)の割合です。建ぺい率の制限内で建坪を決定する必要があります。例えば、200m2の敷地で建ぺい率が60%の場合、最大で120m2(約36.36坪)まで建てることができます。建坪を決める際は、必ず建ぺい率を確認し、法律の範囲内で計画を立てることが重要です。建ぺい率は地域によって異なるため、土地を購入する前に確認しておくことをおすすめします。

Q4: 建坪に含まれない部分はありますか?

A4: はい、建坪に含まれない部分があります。通常、軒やひさし(出幅1m以内)、バルコニー(床面積2m2以下で手すりの高さ1.1m以上)、出窓(床面積2m2以下で突き出し幅0.5m以下)などは建坪に含まれません。また、カーポートも通常は含まれません。ただし、これらの条件を超える場合や、建物と一体化している場合は建坪に含まれることがあるので、詳細は建築士や行政に確認することが大切です。

Q5: 建坪と実際の生活空間は同じですか?

A5: 建坪と実際の生活空間(床面積)は異なります。建坪は建物の外壁の外側で囲まれた面積を指しますが、生活空間は内壁の内側の面積を指します。そのため、壁の厚みなどの分だけ、実際の生活空間は建坪よりも小さくなります。例えば、30坪の建坪であれば、実際の生活空間は約27〜28坪程度になることが一般的です。家具のレイアウトや収納計画を考える際は、この違いを念頭に置くことが重要です。

Q6: 建坪を決める際に気をつけるべきことは何ですか?

A6: 建坪を決める際は、以下の点に気をつける必要があります。

1. 法的制限(建ぺい率、容積率)を確認する

2. 予算との兼ね合いを考える

3. 家族の人数や生活スタイルに合わせる

4. 将来的な変化(家族の増減など)を考慮する

5. 維持管理のしやすさを考える

6. 土地の形状や周辺環境との調和を考える

これらの点を総合的に検討し、最適な建坪を決定することが大切です。

これらの質問と回答を理解することで、建坪に関する基本的な知識を得ることができます。家づくりの過程で疑問が生じた場合は、遠慮なく専門家に相談することをおすすめします。正確な情報に基づいて判断することで、より満足度の高い家づくりが実現できるでしょう。

まとめ

建坪は住宅の広さを示す重要な指標ですが、他の面積を表す用語との違いや、建築費用との関係を正しく理解することが大切です。建坪には含まれない部分があることや、坪単価との関係性にも注意が必要です。これらの知識を活用することで、より賢明な住宅計画を立てることができるでしょう。家づくりの際は、専門家とよく相談しながら、自分に合った最適な住まいを見つけていくことをおすすめします。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

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