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ウッドショックによる住宅価格の変動や2024年以降の見通しを解説

家づくりの基本

2024/08/23

2024/08/23

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

ウッドショックによる住宅価格の変動や2024年以降の見通しを解説

2020年以降、住宅業界を揺るがしてきた「ウッドショック」。その影響は現在も続いており、2024年の住宅市場にも大きな影響を与えています。本記事では、ウッドショックの概要や不動産価格への影響、今後の見通しについて、不動産のプロの視点から詳しく解説します。住宅購入や建築を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

目次

ウッドショックとは

ウッドショックという言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。ここでは、ウッドショックの概念と背景について詳しく解説します。

ウッドショックとは「輸入木材の価格高騰」のこと

ウッドショックとは、主に北米からの輸入木材の価格が急激に高騰し、木材の調達が困難になる現象を指します。日本の住宅建築では、木造住宅が大きな割合を占めているため、この現象は住宅業界に大きな影響を与えました。

具体的には、2020年後半から2021年にかけて、木材価格が通常の2倍から3倍、一時期には5倍近くまで高騰しました。これにより、住宅建築のコストが大幅に上昇し、工期の遅延や価格の見直しなど、さまざまな問題が発生しました。

最大の原因は、新型コロナウイルス感染症による住宅ニーズの変化

ウッドショックの最大の原因は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う住宅ニーズの変化です。在宅勤務の増加や巣ごもり需要により、北米を中心に住宅需要が急増しました。これにより木材の需要が急激に高まり、供給が追いつかなくなったのです。

具体的には、以下のような要因が複合的に作用しました。

1. 北米での住宅需要の急増

コロナ禍による在宅時間の増加に伴い、より広い住宅や郊外の一戸建てへの需要が高まりました。これにより、北米での新築住宅着工数が急増し、木材需要が大幅に増加しました。

2. 生産体制の混乱

コロナ禍初期の経済活動の停滞により、多くの製材所が生産を縮小または停止しました。その後、需要が急増した際に、生産体制の立て直しが間に合わず、供給が需要に追いつかない状況が発生しました。

3. 輸送コストの上昇

世界的な物流の混乱により、コンテナ不足や輸送コストの上昇が発生しました。これにより、木材の輸入コストが上昇し、価格高騰に拍車をかけました。

4. 為替の影響

円安ドル高の進行も、輸入木材の価格上昇要因となりました。

日本の住宅業界への影響

日本の住宅業界は、建築用木材の多くを輸入に依存しています。そのため、ウッドショックの影響は深刻でした。具体的には以下のような影響がありました。

1. 建築コストの上昇

木材価格の高騰により、住宅建築のコストが大幅に上昇しました。一般的な木造住宅で数百万円単位のコスト増加が発生したケースもあります。

2. 工期の遅延

木材の調達が困難になったことで、工期が遅延するケースが多発しました。これにより、住宅の引き渡し時期が遅れるなど、顧客にも影響が及びました。

3. 契約内容の見直し

コスト上昇に伴い、すでに契約済みの案件でも価格の見直しが必要になるケースがありました。これにより、建築会社と顧客との間でトラブルが発生することもありました。

このように、ウッドショックは単なる木材価格の高騰にとどまらず、住宅業界全体に大きな影響を与える現象となりました。その影響は2024年現在も続いており、住宅取得を検討する上で重要な要素の一つとなっています。

ウッドショックによる住宅購入や建築への影響

ウッドショックは、家の購入や建築に大きな影響を与えています。その影響は多岐にわたり、住宅市場全体に波及しています。ここでは、ウッドショックが家の購入や建築にどのような影響を与えているのか、詳しく見ていきましょう。

ウッドショックは住宅の建築工事費を上昇させた

ウッドショックの最も直接的な影響は、住宅の建築工事費の上昇です。木材価格の高騰により、木造住宅の建築コストが大幅に増加しました。

具体的には以下のような影響がありました。

1. 建築費の上昇

一般的な木造住宅では、建築費が数百万円単位で上昇したケースもあります。例えば、3000万円程度の住宅で300万円から500万円程度のコスト増加が見られることもありました。

2. 見積もりの変更

木材価格の急激な変動により、建築会社が見積もりを頻繁に変更せざるを得ない状況が発生しました。これにより、計画段階での予算立てが困難になりました。

3. 工期の延長

木材の調達難により、工期が延長されるケースが増加しました。これは間接的にコスト増加につながる要因となりました。

影響は中古の戸建住宅の価格にも

ウッドショックの影響は、新築住宅だけでなく、中古の戸建住宅の価格にも波及しています。

1. 中古住宅への需要増加

新築住宅の価格上昇により、相対的に割安感が出た中古住宅への需要が高まりました。これにより、中古住宅市場全体の価格が上昇傾向にあります。

2. リフォーム費用の上昇

中古住宅購入後のリフォーム費用も上昇しています。木材を使用するリフォーム工事では、コストが増加しています。

3. 価格の平準化

新築と中古の価格差が縮小する傾向にあり、住宅市場全体の価格が平準化しつつあります。

その他の影響

ウッドショックは、家の購入や建築に関して、価格面以外にも様々な影響を与えています。

1. 契約内容の変更

建築費の上昇により、すでに契約済みの案件でも、価格の見直しや仕様の変更が必要になるケースが発生しました。これにより、建築会社と施主との間でトラブルが生じることもありました。

2. 建材の選択肢の変化

木材価格の高騰により、代替建材の使用を検討するケースが増加しています。例えば、鉄骨造や鉄筋コンクリート造への切り替え、あるいは木材と他の素材のハイブリッド構造を採用するなど、建築方法の多様化が進んでいます。

3. 住宅ローンへの影響

建築費の上昇に伴い、必要な住宅ローンの金額も増加傾向にあります。これにより、住宅取得のハードルが上がっている面があります。

4. 設計・仕様の見直し

コスト増加を抑えるため、住宅の設計や仕様を見直すケースが増えています。例えば、床面積を縮小したり、一部の設備をグレードダウンしたりするなどの対応が見られます。

今後の見通し

ウッドショックの影響は、徐々に落ち着きを見せつつありますが、完全に解消されたわけではありません。木材価格は高止まりの傾向にあり、建築コストへの影響は今後も続くと予想されます。

家の購入や建築を検討している方は、これらの影響を十分に考慮し、慎重に計画を立てる必要があります。また、最新の市場動向や価格情報を常にチェックし、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることも重要です。

ウッドショックの現状

ウッドショックの影響は2020年から2021年にかけて最も顕著でしたが、その後の状況にも注目が集まっています。ここでは、現在のウッドショックの状況について詳しく解説します。

海外の住宅需要の落ち着きに伴い収束傾向に

2023年以降、ウッドショックは全体的に収束傾向にあります。主な要因としては以下が挙げられます。

1. 北米の住宅需要の落ち着き

コロナ禍で急増した北米の住宅需要が徐々に落ち着きを見せ始めました。これにより、木材需要が緩和され、価格の安定化につながっています。

2. 生産体制の回復

製材所の生産体制が徐々に回復し、供給量が増加しています。これにより、需給バランスが改善されつつあります。

3. 物流の正常化

世界的な物流の混乱が徐々に解消され、輸送コストが低下傾向にあります。これも木材価格の安定化に寄与しています。

完全な収束には至っていない現状

しかし、ウッドショックの影響が完全に解消されたわけではありません。以下のような課題が残っています。

1. 価格の高止まり

木材価格は、ピーク時ほどの高騰は見られなくなりましたが、ウッドショック以前の水準には戻っていません。多くの木材で、以前より20%から30%程度高い価格で推移しています。

2. 為替の影響

円安傾向が続いているため、輸入木材の調達コストは依然として高い状態が続いています。これが価格の高止まりの一因となっています。

3. 地政学的リスク

世界情勢の不安定化により、木材の安定供給に対する不安が完全には払拭されていません。例えば、ロシアからの木材輸入制限などが影響しています。

住宅業界への継続的な影響

ウッドショックの収束傾向に関わらず、その影響は住宅業界に継続的に及んでいます。

1. 建築コストの高止まり

木材価格の高止まりにより、住宅の建築コストも高い水準で推移しています。これは、新築住宅の価格にも反映されています。

2. 代替材料の検討

木材価格の不安定さを受けて、鉄骨造や鉄筋コンクリート造など、代替材料を用いた建築方法の検討が進んでいます。

3. 契約形態の変化

木材価格の変動リスクを考慮し、建築会社と施主の間で、価格変動に対応できる柔軟な契約形態を採用するケースが増えています。

今後の見通し

ウッドショックの今後の見通しについては、以下のような予測がなされています。

1. 緩やかな価格低下

木材価格は今後も緩やかに低下していく可能性がありますが、ウッドショック以前の水準に戻る可能性は低いと考えられています。

2. 需給バランスの安定化

生産体制の回復と需要の安定化により、木材の需給バランスは徐々に改善されていくと予想されています。

3. 新たなリスク要因の出現

気候変動による自然災害の増加や、地政学的リスクなど、新たな要因による木材供給の不安定化の可能性も指摘されています。

以上のように、ウッドショックは収束傾向にあるものの、その影響は依然として継続しています。住宅の購入や建築を検討している方は、これらの状況を踏まえた上で、慎重に計画を立てることが重要です。また、最新の市場動向や価格情報を常にチェックし、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

今後の住宅価格の見通し

ウッドショックの影響が徐々に落ち着きを見せる中、多くの人が今後の住宅価格の動向に注目しています。ここでは、専門家の見解を踏まえながら、今後の住宅価格の見通しについて詳しく解説します。

建築工事費は上がり続ける可能性が高い

ウッドショックの収束傾向に関わらず、建築工事費は今後も上昇し続ける可能性が高いと予測されています。その主な理由は以下の通りです。

1. 原材料価格の高止まり

木材価格は落ち着きを見せているものの、ウッドショック以前の水準には戻っていません。また、鉄やアルミニウムなど、他の建築資材の価格も高止まりしています。

2. 人件費の上昇

建設業界では慢性的な人手不足が続いており、人件費の上昇傾向が続いています。熟練工の高齢化や若手の人材不足が、この傾向に拍車をかけています。

3. 技術革新によるコスト増

住宅の性能向上や新技術の導入に伴い、建築コストが上昇しています。例えば、省エネ性能の向上や耐震性能の強化などが挙げられます。

円安も建築工事費を押し上げている

円安の進行は、輸入建材や設備機器の調達コストを上昇させ、建築工事費を押し上げる要因となっています。

1. 輸入木材への影響

日本の住宅建築で使用される木材の多くが輸入品であるため、円安は直接的に木材調達コストを上昇させています。

2. その他の輸入資材への影響

住宅設備機器や金属資材など、輸入に依存する他の建材も円安の影響を受けています。

住宅のハイスペック化も上昇の一因に

住宅に求められる性能や機能が年々高度化しており、これも価格上昇の要因となっています。

1. 省エネ性能の向上

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)などの高い省エネ性能を持つ住宅の普及が進んでおり、これらの住宅は従来の住宅よりも建築コストが高くなります。

2. 耐震性能の強化

地震大国である日本では、より高い耐震性能が求められており、これも建築コストを押し上げる要因となっています。

3. スマートホーム化

IoT技術を活用したスマートホームの普及も進んでおり、これらの先進的な機能の導入がコスト増加につながっています。

土地の価格も上昇傾向にある

住宅価格を考える上で、建物だけでなく土地の価格動向も重要です。

1. 都市部での地価上昇

特に大都市圏では、再開発や利便性の向上などにより、地価が上昇傾向にあります。

2. 地方での二極化

地方都市では、中心部と郊外で地価の二極化が進んでいます。中心部では上昇傾向、郊外では下落傾向が見られる地域もあります。

3. 災害リスクの影響

近年の自然災害の増加により、災害リスクの低い地域の土地価格が相対的に上昇する傾向が見られます。

今後の住宅価格の見通し

これらの要因を総合的に考慮すると、今後の住宅価格は以下のような傾向が予想されます。

1. 緩やかな上昇傾向

建築工事費の上昇や土地価格の動向を考えると、住宅価格は今後も緩やかに上昇していく可能性が高いと予想されます。

2. 地域差の拡大

大都市圏と地方、また同じ地域内でも立地条件による価格差が拡大する可能性があります。

3. 高性能住宅の需要増加

省エネ性能や耐震性能が高い住宅への需要が増加し、これらの住宅の価格は相対的に高くなる傾向が続くと予想されます。

以上のように、今後の住宅価格は全体的に上昇傾向が続くと予想されますが、その程度は地域や物件の特性によって大きく異なります。住宅購入を検討している方は、これらの動向を踏まえつつ、自身のニーズや予算に合わせて慎重に検討することが重要です。また、専門家のアドバイスを受けることも、適切な判断を行う上で有効でしょう。

住宅価格上昇の対策

住宅価格の上昇傾向が続く中、多くの人々が住宅取得に対して不安を感じています。しかし、適切な対策を講じることで、この状況に対応することは可能です。ここでは、住宅価格の上昇に対してとれる具体的な対策について詳しく解説します。

補助金制度をチェックしておこう

住宅価格の上昇に対しては、各種補助金制度を活用することで、負担を軽減できる可能性があります。以下に、主な補助金制度をいくつか紹介します。

1.子育てエコホーム支援事業

子育て世帯やこれから子育てを行う世帯を対象に、省エネ性能等の高い新築住宅の建設や購入、リフォームに対して支援を行う制度です。具体的な支援内容は以下の通りです。

– 対象:子育て世帯または若者夫婦世帯

– 補助額:最大100万円

– 条件:一定以上の省エネ性能を有する住宅であること

2.戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH※) 化等支援事業

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及を目的とした補助金制度です。高い省エネ性能を持つ住宅の建築や購入を支援します。

– 対象:ZEHの要件を満たす住宅を新築または購入する個人

– 補助額:定額70万円(または、 ZEH+の場合は115万円)

– 条件:年間の一次エネルギー消費量が正味でゼロまたはマイナスになる住宅であること

3.地域型住宅グリーン化事業

地域の木材を活用した木造住宅の建築を支援する制度です。地域経済の活性化と環境負荷の低減を目的としています。

– 対象:地域の中小工務店などが建築する木造住宅

– 補助額:最大100万円(長期優良住宅の場合)

– 条件:地域材の使用、一定の省エネ性能を満たすことなど

その他の対策

補助金制度の活用以外にも、以下のような対策を検討することができます。

1. 住宅ローンの賢い活用

金利の動向をよく確認し、固定金利と変動金利のメリット・デメリットを比較検討しましょう。また、住宅ローン減税制度などの税制優遇措置も活用できる可能性があります。

2. 中古住宅の検討

新築住宅に比べて相対的に価格が抑えられる中古住宅の購入を検討するのも一つの選択肢です。リノベーションを行うことで、新築に近い住環境を実現できる可能性があります。

3. 建築方法の見直し

木造以外の工法(鉄骨造や鉄筋コンクリート造など)を検討したり、プレハブ住宅やユニット住宅など、工期短縮やコスト削減が可能な建築方法を検討したりすることも有効です。

4. 規模や仕様の最適化

必要以上に大きな住宅を建てるのではなく、自身のライフスタイルに合わせた適切な規模の住宅を検討しましょう。また、高額な設備や素材にこだわりすぎず、必要な機能を絞り込むことでコストを抑えることができます。

5. 立地の見直し

都心部や人気エリアにこだわらず、郊外や地方都市など、比較的土地価格が安い地域での住宅取得を検討するのも一つの方法です。

6. 段階的な建築・改修

初期投資を抑えるために、最初は必要最小限の仕様で建築し、後から徐々に改修や増築を行っていく方法もあります。

7. 省エネ設備への投資

太陽光発電システムや高効率給湯器など、初期投資は高くても長期的にはランニングコストを抑えられる設備への投資を検討しましょう。

住宅価格の上昇に対しては、補助金制度の活用や様々な工夫により、ある程度の対策を講じることが可能です。しかし、最も重要なのは、自身の財政状況とライフプランをしっかりと見極め、無理のない範囲で住宅取得を計画することです。

また、これらの対策を検討する際は、最新の情報を収集し、必要に応じて不動産の専門家や住宅メーカー、金融機関などに相談することをおすすめします。慎重に計画を立てることで、価格上昇の中でも満足度の高い住宅取得を実現することができるでしょう。

2024年、住宅購入・住宅建設の注意点

2024年の住宅市場は、ウッドショックの影響や経済情勢の変化など、様々な要因が複雑に絡み合っています。この状況下で住宅取得を検討する際には、以下の点に特に注意を払う必要があります。

住宅ローン金利の動向に注目を

2024年は住宅ローン金利の動向に特に注目が集まっています。金利の上昇傾向が続く可能性があるため、住宅ローンの選択には慎重な検討が必要です。

1. 金利上昇の可能性

日本銀行の金融政策の変更に伴い、長期金利の上昇が予想されています。これに連動して、住宅ローン金利も上昇する可能性が高くなっています。

2. 固定金利と変動金利の比較

金利上昇局面では、固定金利型の住宅ローンが人気を集める傾向にあります。しかし、個々の事情に応じて、変動金利型との比較検討が重要です。

3. 借入期間の検討

金利上昇を見越して、できるだけ短い借入期間を選択することで、総支払額を抑える方法も考えられます。ただし、月々の返済額が増加するため、慎重な検討が必要です。

4. 金利優遇制度の活用

多くの金融機関が提供している金利優遇制度を積極的に活用することで、実質的な金利負担を軽減できる可能性があります。

むやみに先延ばしせず、自分たちのタイミングを重視しよう

住宅価格の上昇傾向を考えると、むやみに購入や建築を先延ばしにするのは得策ではありません。自分たちの生活設計やニーズに合わせて、適切なタイミングで住宅取得を検討することが重要です。

1. ライフプランの考慮

結婚、出産、子育て、転職など、自身のライフプランを踏まえて住宅取得のタイミングを検討しましょう。将来の生活変化を見据えた選択が重要です。

2. 資金計画の重要性

住宅取得には多額の資金が必要です。頭金の準備状況や将来の収入見込みなど、長期的な資金計画を立てた上で判断することが大切です。

3. 市場動向の把握

不動産市場の動向を常にチェックし、価格の上昇傾向や供給状況などを把握しておくことが重要です。ただし、タイミングを完璧に見極めることは難しいので、過度に慎重になりすぎないよう注意が必要です。

その他の注意点

1. 建築資材の価格動向

ウッドショックの影響が続いている中、木材以外の建築資材の価格動向にも注意が必要です。鉄やアルミニウムなどの価格上昇も、建築コストに影響を与える可能性があります。

2. 省エネ性能への対応

2024年は建築物省エネ法の改正が予定されており、より高い省エネ性能が求められるようになります。これに伴うコスト増加も考慮に入れる必要があります。

3. 補助金制度の活用

各種補助金制度を積極的に活用することで、住宅取得の負担を軽減できる可能性があります。最新の制度情報を確認し、申請のタイミングを逃さないようにしましょう。

4. 働き方の変化への対応

リモートワークの普及など、働き方の変化に対応した住宅設計を検討することも重要です。在宅勤務スペースの確保など、新しい生活様式に適した住環境を考える必要があります。

5. 災害リスクの考慮

近年増加している自然災害のリスクを考慮し、立地選びや耐震性能、水害対策などにも注意を払いましょう。

2024年の住宅取得においては、金利動向や市場環境の変化に注意を払いつつ、自身のライフプランと照らし合わせて適切な判断を下すことが重要です。むやみに先延ばしするのではなく、自分たちにとって最適なタイミングを見極めることが大切です。

また、専門家のアドバイスを積極的に求めることも有効です。不動産業者、ファイナンシャルプランナー、住宅メーカーなど、各分野の専門家に相談することで、より適切な判断を下すことができるでしょう。

住宅取得は人生の大きな決断の一つです。慎重に、しかし前向きに検討を進め、理想の住まいを実現させましょう。

よくある質問(Q&A)

ウッドショックや住宅価格の動向に関して、多くの方が疑問や不安を抱えています。ここでは、よくある質問とその回答をQ&A形式でまとめました。

Q1:ウッドショックは今後も続くのでしょうか?

A1:ウッドショック自体は収束傾向にありますが、その影響は依然として続いています。木材価格は完全には元の水準に戻っておらず、建築工事費への影響は今後も続くと予想されます。具体的には以下のような状況が続いています。

・木材価格は高止まりの傾向

・円安の影響による輸入コストの上昇

・代替材料の検討や建築方法の見直しの継続

ただし、極端な価格高騰や供給不足といった状況は緩和されつつあり、市場は徐々に安定化に向かっていると言えるでしょう。

Q2:住宅価格の上昇は今後も続くのでしょうか?

A2:建築工事費の上昇や土地価格の上昇傾向を考えると、住宅価格は今後も緩やかに上昇していく可能性が高いと予想されます。ただし、地域や物件によって状況は異なりますので、個別に市場動向を確認することが重要です。主な上昇要因としては、

・建築資材価格の高止まり

・人件費の上昇

・住宅の高性能化(省エネ性能の向上など)によるコスト増

・都市部を中心とした土地価格の上昇

一方で、金利の動向や経済情勢の変化によっては、上昇ペースが鈍化する可能性もあります。

Q3:住宅購入のタイミングはいつがよいでしょうか?

A3:住宅購入のベストタイミングは、個々の事情によって異なります。価格動向だけでなく、自身のライフプランや資金計画を考慮し、総合的に判断することが大切です。無理のない範囲で、できるだけ早めに行動に移すことをおすすめします。以下のポイントを考慮しましょう。

・自身の収入や貯蓄状況

・将来のライフイベント(結婚、出産、転職など)

・住宅ローン金利の動向

・補助金制度の利用可能性

特に、金利上昇の可能性を考えると、資金的に余裕がある場合は早めの行動を検討するのも一つの選択肢です。

Q4:中古住宅の購入は検討する価値がありますか?

A4:はい、中古住宅の購入は十分に検討する価値があります。新築住宅価格の上昇に伴い、相対的に割安感が出てきている中古住宅は、魅力的な選択肢の一つとなっています。

中古住宅購入のメリット

・新築に比べて価格が抑えられる可能性がある

・立地条件の良い物件を見つけやすい

・リノベーションにより自分好みにカスタマイズできる

ただし、築年数や維持管理状態、耐震性能などをしっかりと確認することが重要です。また、リフォームやリノベーションの費用も考慮に入れる必要があります。

Q5:住宅ローンは固定金利と変動金利のどちらを選ぶべきでしょうか?

A5:固定金利と変動金利のどちらを選ぶかは、金利の動向予測や個人のリスク許容度によって異なります。現在の金利上昇傾向を考えると、固定金利型を選ぶ人が増えていますが、一概にどちらが良いとは言えません。

選択の際の考慮点

・固定金利:将来の金利上昇リスクを回避できるが、当初の金利が変動金利より高め

・変動金利:当初の金利負担は低いが、将来の金利上昇リスクがある

自身の収入の安定性や将来の経済見通しなどを踏まえて、慎重に検討することが大切です。また、固定金利と変動金利を組み合わせるミックス型ローンも一つの選択肢となります。

Q6:住宅の省エネ性能は重視すべきでしょうか?

A6:はい、住宅の省エネ性能は重視すべき重要なポイントです。2024年には建築物省エネ法の改正も予定されており、より高い省エネ性能が求められるようになります。

省エネ性能を重視する理由

・光熱費の削減につながる

・環境への負荷を減らせる

・住宅の資産価値維持に寄与する

・各種補助金制度の対象となる可能性がある

初期投資は増加する可能性がありますが、長期的には経済的なメリットがあります。また、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)のような高性能住宅は、快適性も高く、将来的な価値も期待できます。

これらの質問と回答を参考に、自身の状況に合わせて慎重に検討を進めてください。不明点がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。住宅取得は人生の大きな決断の一つです。十分な情報収集と慎重な判断が、理想の住まい実現への近道となるでしょう。

まとめ

ウッドショックの影響は収束傾向にあるものの、住宅価格への影響は依然として続いています。2024年以降も、建築工事費や土地価格の上昇傾向が続く可能性が高いため、住宅取得を検討している方は注意が必要です。ただし、むやみに先延ばしするのではなく、自身のライフプランや資金計画に合わせて適切なタイミングで行動することが重要です。また、各種補助金制度の活用や、住宅ローン金利の動向にも注目しましょう。不安な点があれば、専門家に相談することをおすすめします。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

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    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

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