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上がり框の高さの目安や、式台や手すりをつけるときの注意点を解説

家づくりの基本

2024/08/26

2024/08/26

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

上がり框の高さの目安や、式台や手すりをつけるときの注意点を解説

玄関の設計で重要な要素の一つが上がり框です。上がり框は見た目だけでなく、安全性や機能性にも大きく影響します。この記事では、上がり框の基本的な情報から、高さの目安、メリット・デメリット、さらにはリフォーム時の注意点まで詳しく解説します。家づくりの際に、上がり框について適切な判断ができるよう、ぜひ参考にしてください。

上がり框(あがりかまち)の基礎知識

上がり框とは、玄関のたたきとホールとの間の境目の部分

上がり框は、玄関において重要な役割を果たす建築要素です。具体的には、玄関の土間(たたき)部分と室内の境界線となる段差のことを指します。この部分は、屋外と屋内を明確に区切り、靴を脱いで室内に上がる位置を示す役割があります。

上がり框には、以下のような重要な機能があります。

1. 屋外からの砂やほこりの侵入を防ぐ

2. 雨水や雪が室内に入り込むのを防ぐ

3. 靴を脱ぐ位置を明確にする

4. 玄関の印象を左右する意匠的な役割

これらの機能により、上がり框は単なる段差以上の意味を持つ、玄関の重要な構成要素となっています。

上がり框の高さは18cm以下を目安に

上がり框の高さは、安全性と機能性のバランスを考慮して決定する必要があります。一般的に、18cm以下が目安とされています。この基準は、以下の理由に基づいています。

1. 階段の蹴上げ高さの基準と同じ:建築基準法では、階段の蹴上げ(一段の高さ)を23cm以下と定めていますが、より安全性を考慮して、18cm以下が推奨されています。

2. 高齢者や子供への配慮:18cm以下であれば、高齢者や子供でも比較的安全に昇降できます。

3. バリアフリー法の推奨:バリアフリー法では、玄関の段差を2cm以下にすることを推奨していますが、完全な段差解消が難しい場合は、できるだけ低い段差にすることが求められています。

4. 機能性の確保:あまり低すぎると、砂やほこり、雨水の侵入を防ぐ効果が薄れてしまいます。そのため、ある程度の高さは必要です。

ただし、18cmという数値は目安であり、家族構成や生活スタイル、玄関の広さなどによって適切な高さは変わってきます。例えば、車椅子を使用する方がいる家庭では、できるだけ低い段差や、段差のない設計を選択することが望ましいでしょう。

また、将来のことを考えると、現在は問題なく使える高さでも、年齢を重ねるにつれて不便を感じる可能性があります。そのため、長期的な視点で高さを決定することが大切です。

上がり框の高さを決める際は、以下の点も考慮するとよいでしょう。

1. 家族全員の身体能力や年齢

2. 玄関の広さや形状

3. 靴の収納方法や下駄箱の位置

4. 将来的なリフォームの可能性

適切な高さの上がり框を設置することで、安全で使いやすく、さらには美しい玄関空間を実現することができます。専門家のアドバイスを受けながら、自分たちの生活に最適な高さを選択することをおすすめします。

上がり框のメリット・デメリット

メリットは、段差のない玄関がつくれること

上がり框をなくすことで、バリアフリーな玄関を実現できます。これには以下のようなメリットがあります。

1. 安全性の向上:段差がないことで、つまずきや転倒のリスクが大幅に減少します。特に高齢者や小さな子供、身体が不自由な方にとって、安全に出入りできる環境を提供できます。

2. 車椅子での利用が容易:車椅子を使用する方にとって、段差のない玄関は非常に使いやすいです。介助者の負担も軽減されます。

3. 開放的な空間:段差がないことで、玄関がより広く感じられ、開放的な印象を与えることができます。これにより、玄関全体の印象が明るくなります。

4. ベビーカーの出し入れが楽:小さな子供がいる家庭では、ベビーカーの出し入れがスムーズになります。

5. 荷物の運び入れが容易:重い荷物や大きな家具の搬入出が楽になります。引っ越しの際にも便利です。

6. フレキシブルな空間利用:玄関とリビングの境界があいまいになることで、より自由な空間利用が可能になります。例えば、土間リビングのようなスタイルを取り入れやすくなります。

デメリットは、屋外のホコリや砂が室内まで入りやすいこと

一方で、上がり框をなくすことには以下のようなデメリットもあります。

1. 屋外からの汚れの侵入:上がり框には砂やほこりの侵入を防ぐ役割があります。これがなくなることで、屋外の汚れが室内に入りやすくなります。特に雨の日や雪の日は、水分とともに汚れが室内に持ち込まれやすくなります。

2. 靴を脱ぐ位置が不明確:上がり框は、靴を脱ぐ位置を明確に示す役割もあります。これがなくなることで、土足で室内に入ってしまう可能性が高くなります。

3. 防水・防湿の課題:上がり框は雨水や湿気の侵入を防ぐ役割も果たしています。これをなくすことで、防水・防湿対策に特別な配慮が必要になります。

4. 断熱性能への影響:上がり框は室内と屋外の温度差を緩和する役割もあります。これがなくなることで、玄関付近の断熱性能が低下する可能性があります。

5. 心理的な境界線の喪失:日本の住文化では、上がり框が屋外と屋内の心理的な境界線として機能してきました。これがなくなることで、「家に上がる」という意識が薄れる可能性があります。

6. 掃除の手間増加:屋外からの汚れが入りやすくなるため、玄関付近の掃除の頻度が増える可能性があります。

7. 設計・施工の難しさ:完全にフラットな玄関を作るには、高度な設計・施工技術が必要となり、コストが上がる可能性があります。

これらのデメリットを軽減するためには、以下のような対策が考えられます。

1. 玄関マットの活用:屋外と屋内の境界に大きめの玄関マットを敷き、靴を脱ぐ位置を明確にするとともに、汚れの侵入を防ぎます。

2. 排水溝の設置:玄関の外側に排水溝を設置し、雨水の侵入を防ぎます。

3. 床材の工夫:玄関部分は耐水性・耐摩耗性に優れた床材を使用します。

4. 視覚的な境界線の創出:床材の色や素材を変えるなどして、視覚的に屋外と屋内の境界を作り出します。

5. 換気システムの充実:湿気対策として、玄関付近の換気を強化します。

上がり框をなくすかどうかは、家族構成や生活スタイル、住宅の立地条件などを総合的に考慮して決定する必要があります。メリットとデメリットを十分に理解した上で、専門家のアドバイスも受けながら、最適な玄関づくりを目指しましょう。

上がり框の形や材質の決め方

形は、玄関の広さや収納、動線との兼ね合いで決めよう

上がり框の形状は、玄関の機能性と美観に大きく影響します。形を決める際には、以下のポイントを考慮しましょう。

1. 玄関の広さ:狭い玄関では直線的な形状が空間を有効活用できますが、広い玄関ではL字型やコの字型など、より複雑な形状も検討できます。

2. 収納スペース:L字型やコの字型の上がり框を採用すると、框の内側に収納スペースを確保できます。これは、靴やスリッパの収納に便利です。

3. 家族の動線:框の形状によって、靴の脱ぎ履きのしやすさや室内への移動のしやすさが変わります。家族の人数や生活スタイルに合わせて決めましょう。

4. デザイン性:直線的な形状はモダンな印象を、曲線を取り入れた形状はやわらかい印象を与えます。家全体のデザインコンセプトと調和させることが大切です。

5. バリアフリー対応:将来的なバリアフリー化を考慮する場合、段差を小さくしたり、一部をスロープ状にするなど、形状に工夫を加えることも検討しましょう。

例えば、靴の着脱スペースを広くとりたい場合は、玄関の奥行きを深くしてL字型の上がり框を採用するのも一案です。また、玄関が狭い場合は、直線的な形状で壁に沿って設置し、空間を最大限に活用することができます。

素材は、ホールかたたきと揃えるのが一般的

上がり框の素材選びは、耐久性、お手入れのしやすさ、デザイン性、そして安全性を考慮して決定します。一般的には、以下のような選択肢があります。

1. 木材:温かみのある雰囲気を演出できますが、水に弱いため防水処理が必要です。硬い木材を選ぶと傷つきにくくなります。

2. 石材(御影石など):高級感があり耐久性に優れています。ただし、滑りやすいので表面加工に注意が必要です。

3. タイル:デザインの幅が広く、お手入れも比較的簡単です。ただし、目地の汚れに注意が必要です。

4. 人造大理石:耐水性に優れ、様々な色や柄が選べます。天然石に比べて傷つきやすい面はありますが、補修も可能です。

5. コンクリート:モダンな印象を与え、耐久性も高いですが、冷たい印象になりやすいです。

素材を選ぶ際は、ホールの床材かたたきの仕上げと揃えるのが一般的です。これにより、玄関全体の統一感が生まれ、スムーズな空間の流れを作ることができます。例えば、ホールがフローリングの場合は木製の上がり框を、たたきが石張りの場合は石材の上がり框を選ぶといった具合です。

ただし、あえて異なる素材を組み合わせることで、アクセントを付けるデザインも可能です。例えば、木製の床に石材の上がり框を合わせるなど、素材の対比を楽しむこともできます。素材選びの際は、以下の点も考慮しましょう。

1. 耐久性:頻繁に踏まれる場所なので、傷つきにくく、長持ちする素材が望ましいです。

2. 清掃のしやすさ:日々の掃除や汚れの落としやすさは重要な要素です。

3. 質感:素足で触れる場所なので、肌触りの良い素材を選びましょう。

4. 安全性:特に濡れた状態でも滑りにくい素材や表面加工を考慮します。

5. コスト:予算に応じて、適切な素材を選択することが大切です。

最終的には、家全体のデザインコンセプト、耐久性、メンテナンス性、そして予算のバランスを考慮しながら、最適な形状と素材を選択することが重要です。専門家のアドバイスを受けながら、長く愛着を持って使える上がり框を選びましょう。

リフォームで手すりや式台を設置する方法

手すりを付けて、段差の昇降時に体を支えられるようにする

上がり框が高すぎる場合、手すりの設置は効果的な解決策の一つです。手すりを設置する際は、以下の点に注意しましょう。

1. 設置位置:通常、上がり框の横か斜め前に設置します。利用者の動線を考慮し、自然に手が届く位置を選びます。

2. 高さ:一般的に床面から75〜85cm程度の高さが適していますが、主な使用者の身長に合わせて調整します。

3. 太さ:握りやすさを考慮し、直径3〜4cm程度が適しています。

4. 材質:木製、ステンレス製、樹脂製など様々ありますが、握りやすさと玄関の雰囲気に合わせて選びます。

5. デザイン:玄関の印象を損なわないよう、インテリアに調和したデザインを選びます。

6. 強度:体重をかけても問題ないよう、しっかりと固定します。特に壁への取り付け部分の強度に注意が必要です。

式台を設けて、段差を小さくする

式台は、上がり框の前に設置する小さな踏み台です。これにより、一度に上がる高さを低くすることができます。式台を設置する際のポイントは以下の通りです。

1. 高さ:上がり框の高さの半分程度が目安です。例えば、上がり框が18cmの場合、式台の高さは9cm程度が適切です。

2. 奥行き:30cm以上あると安定感が増します。ただし、玄関の広さに応じて調整が必要です。

3. 幅:上がり框の幅に合わせるのが一般的ですが、玄関の広さや使い勝手に応じて調整します。

4. 材質:上がり框と同じ材質を使うと統一感が出ますが、滑りにくい素材を選ぶことが重要です。

5. 固定方法:取り外し可能なタイプと固定式があります。掃除のしやすさや将来的な変更の可能性を考慮して選びます。

6. エッジ処理:つまずき防止のため、前面のエッジは丸みを帯びたデザインが望ましいです。

ベンチを設けて、腰を掛けて体の向きを変える方法も

ベンチの設置も、高い上がり框対策として有効です。以下のポイントを考慮しましょう。

1. 高さ:座面の高さは40〜45cm程度が一般的です。上がり框との高さの差が小さくなるよう調整します。

2. 幅:最低でも60cm程度は必要です。複数人で使用する可能性がある場合は、より広めに設計します。

3. 奥行き:30〜40cm程度が適しています。深すぎると立ち上がりにくくなるので注意が必要です。

4. 材質:木製やスチール製など様々ありますが、耐久性と清掃のしやすさを考慮して選びます。

5. 収納機能:ベンチ下に収納スペースを設けると、玄関の収納力アップにもつながります。

6. デザイン:玄関の雰囲気に合わせたデザインを選び、インテリアの一部として調和させます。

7. 設置位置:上がり框に向かって座れる位置に設置します。同時に、玄関ドアの開閉の妨げにならないよう注意が必要です。

これらの方法を実施する際は、以下の点に注意しましょう。

1. 専門家への相談:DIYでの設置は危険を伴う可能性があるため、専門家に相談し、適切な施工を依頼することをおすすめします。

2. 法規制の確認:建築基準法などの法規制に抵触しないか、事前に確認が必要です。

3. 他の家族メンバーの意見:家族全員が使いやすい設計になるよう、皆の意見を聞いて決めましょう。

4. 将来的な変更の可能性:将来的なニーズの変化も考慮に入れ、可能な限り柔軟性のある設計を心がけます。

5. 玄関の美観:機能性を重視しつつも、玄関の美観を損なわないよう配慮することが大切です。

これらの方法を適切に組み合わせることで、高い上がり框の問題を解決し、より安全で使いやすい玄関空間を創出することができます。リフォームを検討する際は、専門家のアドバイスを受けながら、自分たちの生活スタイルに最適な方法を選択しましょう。

デザインと安全性の両面を考慮して決めよう

上がり框は、玄関の美観と機能性を左右する重要な要素です。デザイン性と安全性の両立を図ることで、魅力的かつ使いやすい玄関空間を作り出すことができます。以下、詳細に解説していきます。

デザイン面での考慮点

1. 素材の選択:上がり框の素材は、玄関全体の印象を大きく左右します。木材は温かみのある雰囲気を、石材は高級感を演出します。タイルは多様なデザインが可能で、個性的な玄関づくりに適しています。

2. 色彩計画:上がり框の色は、玄関の壁や床の色と調和させることが重要です。コントラストをつけることで空間にメリハリを持たせたり、同系色で統一感を出したりすることができます。

3. 形状:直線的な形状はモダンな印象を、曲線を取り入れた形状はやわらかい雰囲気を醸し出します。玄関の広さや家全体の雰囲気に合わせて選びましょう。

4. テクスチャ:素材の持つ質感を活かすことで、視覚だけでなく触覚にも訴える空間づくりが可能です。例えば、木目の美しい木材や、石材の自然な凹凸感などを活用します。

5. 照明との関係:上がり框の素材や色によって光の反射具合が変わります。玄関の照明計画と合わせて考えることで、より効果的な空間演出が可能になります。

安全性面での考慮点

1. 高さ:安全性を考慮すると、上がり框の高さは18cm以下が望ましいです。高齢者や子供でも安全に昇降できる高さを選びましょう。

2. 滑り止め対策:特に水に濡れた際の滑りやすさに注意が必要です。素材自体が滑りにくいものを選ぶか、表面に滑り止め加工を施すことで安全性が向上します。

3. 角の処理:上がり框の角が鋭利だと、つまずいた際にケガをする危険性があります。角を丸める、面取りをするなどの処理が有効です。

4. 視認性の確保:上がり框の存在が一目で分かるようにすることも重要です。周囲との色の対比をつけたり、エッジ部分に目立つ色を使ったりすることで、視認性を高められます。

5. 手すりの設置:必要に応じて手すりを設置することで、安全性が大幅に向上します。手すりのデザインも玄関全体の雰囲気に合わせて選びましょう。

高さは、今の家を参考にして検討しても

新居の上がり框の高さを決める際、現在住んでいる家の上がり框を参考にするのも良い方法です。以下のポイントを考慮しましょう。

1. 使い慣れた高さ:日常的に使用している高さであれば、新居に移っても違和感なく使えるでしょう。

2. 問題点の洗い出し:現在の上がり框で不便を感じている点があれば、それを改善するチャンスです。例えば、現在の高さが高すぎると感じているなら、新居では少し低めに設定するなどの対応が可能です。

3. 将来を見据えた検討:年齢を重ねるにつれて、高い上がり框が負担になる可能性があります。将来的な使いやすさも考慮に入れましょう。

4. 家族全員の意見:家族それぞれの身長や体格、使い勝手の好みは異なります。全員の意見を聞いた上で、最適な高さを決定しましょう。

5. 玄関の広さとの関係:現在の家と新居で玄関の広さが大きく異なる場合、同じ高さでも印象が変わる可能性があります。玄関全体のバランスを考慮しましょう。

最終的に、デザイン性と安全性のバランスを取りながら、家族全員が使いやすい上がり框を選択することが重要です。また、将来的なリフォームの可能性も視野に入れ、ある程度の柔軟性を持たせた設計にすることも検討に値します。専門家のアドバイスを受けながら、長く愛着を持って使える上がり框を選びましょう。

よくある質問(Q&A)

上がり框に関して、多くの方が疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。家づくりの参考にしてください。

Q1: 上がり框の高さに法的な規制はありますか?

A1: 上がり框の高さに関する明確な法的規制はありません。ただし、バリアフリー法では、高齢者や障害者にも使いやすい住宅の基準として、玄関の段差を2cm以下にすることが推奨されています。一般的には、階段の蹴上げ高さの基準を参考に、18cm以下が推奨されています。安全性と使いやすさを考慮し、できるだけ低い段差にすることが望ましいでしょう。

Q2: 上がり框をなくしてフラットにすることは可能ですか?

A2: 技術的には可能です。しかし、完全にフラットにする場合、以下の点に注意が必要です。

1. 防水対策:雨水の侵入を防ぐため、玄関前に排水溝を設置するなどの工夫が必要です。

2. 断熱性能:框がないことで室内外の温度差が生じやすくなるため、断熱対策を強化する必要があります。

3. 靴を脱ぐ位置の明確化:视覚的な境界線を設けるなど、土足エリアと素足エリアを区別する工夫が必要です。

4. 清掃の手間:屋外からの砂やほこりが入りやすくなるため、こまめな清掃が必要になります。

これらの課題に適切に対処できれば、バリアフリーな玄関を実現できます。

Q3: 上がり框の素材は何がおすすめですか?

A3: おすすめの素材は以下の通りです。それぞれ特徴がありますので、好みや用途に合わせて選びましょう。

1. 天然石(御影石など):高級感があり耐久性に優れています。ただし、滑りやすいので表面加工に注意が必要です。

2. 人造大理石:耐水性に優れ、様々な色や柄が選べます。天然石に比べて傷つきやすい面はありますが、補修も可能です。

3. タイル:デザインの幅が広く、お手入れも比較的簡単です。ただし、目地の汚れに注意が必要です。

4. 木材:温かみのある雰囲気を演出できますが、水に弱いため防水処理が必要です。

耐久性、お手入れのしやすさ、デザイン性を考慮すると、天然石や人造大理石がおすすめです。ただし、家全体のデザインや予算に合わせて選択することが大切です。

Q4: 上がり框のリフォームにはどのくらいの費用がかかりますか?

A4: リフォームの内容によって費用は大きく変わります。一般的な目安は以下の通りです。

1. 上がり框の交換のみ:5〜15万円程度

2. 手すりの設置:3〜10万円程度

3. 式台の設置:5〜15万円程度

4. 段差解消(フラット化):20〜50万円程度

ただし、これらは概算であり、家の構造や使用する材料、工事の難易度によって大きく変動します。正確な見積もりは、専門業者に相談することをおすすめします。

Q5: 上がり框は必ず必要ですか?無くすことはできますか?

A5: 上がり框は必ずしも必要ではありません。バリアフリー化やデザイン上の理由で、上がり框をなくすケースも増えています。ただし、上がり框をなくす場合は以下の点に注意が必要です。

1. 防水対策:雨水の侵入を防ぐため、適切な排水設計が必要です。

2. 靴を脱ぐ位置の明確化:床材の変更や色の違いなどで、土足エリアと素足エリアを区別する工夫が必要です。

3. 断熱性能:框がない分、外気の影響を受けやすくなるため、断熱対策を強化する必要があります。

4. 清掃の手間:屋外からの砂やほこりが入りやすくなるため、こまめな清掃が必要になります。

これらの課題に適切に対処できれば、上がり框のない玄関も十分に実現可能です。

Q6: 上がり框の高さを後から変更することはできますか?

A6: 技術的には可能ですが、大規模な工事になる可能性が高いです。高さを変更する場合、以下の点に注意が必要です。

1. 構造的な影響:框の高さ変更は床面の高さにも影響するため、周辺の建具や設備との調整が必要になることがあります。

2. 防水性能:高さを低くする場合、防水対策の見直しが必要になる可能性があります。

3. 床材の調整:框の高さ変更に伴い、周辺の床材の張り替えが必要になることがあります。

4. コスト:工事の規模によっては、かなりの費用がかかる可能性があります。

変更を検討する場合は、専門家に相談し、構造的な問題や費用対効果を十分に検討することをおすすめします。

これらの質問と回答を参考に、自分の家に最適な上がり框を選んでいただければと思います。不明な点がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

上がり框は、玄関の機能性と美観を左右する重要な要素です。高さ、形状、素材の選択には、安全性、使いやすさ、デザイン性のバランスを考慮することが大切です。また、バリアフリー化や将来のリフォームも視野に入れた計画が必要です。家族全員が快適に使える玄関づくりのために、上がり框について十分に検討し、理想的な選択をしましょう。専門家のアドバイスも参考にしながら、長く愛着の持てる玄関空間を作り上げてください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

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    :渡辺知光

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    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

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