玄関の広さの目安や玄関収納の決め方、デザイン例をご紹介
家づくりの基本
2024/08/27
2024/08/27
玄関は家の顔であり、毎日使う重要な空間です。しかし、その広さや設計については悩む方も多いでしょう。この記事では、玄関の理想的な広さや、明るく使いやすくするためのコツ、収納の工夫などについて詳しく解説します。快適で機能的な玄関づくりのヒントを見つけてください。
玄関の広さ
2畳(1坪)は確保したいが、家の広さとのバランスが大事
玄関の広さを考える際、まず2畳(約3.3㎡)を目安にするとよいでしょう。これは、家族が靴の着脱をしたり、荷物の出し入れをしたりするのに最低限必要なスペースです。しかし、家全体の広さとのバランスも重要です。大きすぎる玄関は他の生活空間を圧迫してしまう可能性があります。逆に、3LDK以上の間取りであれば、3畳(約5㎡)程度の玄関も快適に使えるでしょう。
玄関の幅は、1m以上を目安に
玄関の幅は、1m以上を確保することをおすすめします。これは、大きな荷物や家具の搬入出を考慮した最低限の幅です。さらに余裕があれば、1.2m〜1.5m程度あると、より使いやすくなります。ただし、玄関の奥行きとのバランスも考慮しましょう。
玄関のたたきの広さは、何を置きたいかによって決める
たたきの広さは、そこに何を置くかによって変わってきます。傘立てや植木鉢、ベンチなどを置きたい場合は、それらのサイズを考慮してスペースを確保しましょう。また、車いす使用者がいる場合は、回転スペースとして1.5m×1.5m程度の広さが必要です。
明るく風通しの良い玄関にするコツ
玄関は家の顔であり、来客をもてなす最初の空間です。明るく風通しの良い玄関は、家全体の印象を良くするだけでなく、快適な生活にも繋がります。ここでは、玄関を明るく風通しの良い空間にするためのコツをご紹介します。
開閉できる窓を設けるとベター
玄関に窓を設けることは、明るさと風通しを確保する最も効果的な方法の一つです。特に、開閉可能な窓があれば、自然光の取り入れと換気を同時に行うことができます。窓の種類や配置を工夫することで、以下のような効果が期待できます。
1. 自然光の導入:明るい玄関は清潔感があり、気持ちよく一日をスタートできます。
2. 換気効果:靴や傘などの湿気を効率的に排出し、カビや臭いの発生を防ぎます。
3. 省エネ効果:昼間は照明を使わずに済み、電気代の節約にもなります。
4. 開放感の演出:窓から見える外の景色によっては、玄関に開放感をもたらします。
ただし、プライバシーの観点から、すりガラスや型板ガラスを使用したり、レースカーテンを取り付けるなどの工夫も必要です。また、防犯面にも配慮し、侵入されにくい窓の構造や鍵の選択も重要です。
照明は設置する位置に注意
玄関の照明計画は、単に明るさを確保するだけでなく、機能性と雰囲気作りの両面で重要です。照明の位置や種類を工夫することで、より快適で魅力的な玄関空間を演出できます。
1. 天井照明:玄関全体を明るく照らすメイン照明として、天井中央に設置します。ただし、これだけでは影ができやすいので、補助照明と組み合わせるのが理想的です。
2. 下足箱上の照明:靴の着脱スペースを明るく照らし、色の識別がしやすくなります。また、下足箱の上に小物を飾る場合は、それらを美しく演出する効果もあります。
3. 鏡前の照明:身だしなみチェックがしやすくなります。左右から照らすと影ができにくく、顔全体を均等に明るく照らせます。
4. 間接照明:天井や壁に光を当てる間接照明を使うことで、柔らかな雰囲気を作り出せます。これは、玄関に落ち着きと高級感を演出するのに効果的です。
5. センサーライト:人の動きを感知して自動的に点灯するセンサーライトは、夜間の使用時に便利です。また、防犯効果も期待できます。
照明の色温度にも注意を払いましょう。暖かみのある電球色(2700K〜3000K)は落ち着いた雰囲気を、昼白色(5000K前後)はすっきりとした印象を与えます。玄関の雰囲気や家全体のデザインに合わせて選びましょう。
また、調光機能付きの照明を選べば、時間帯や用途に応じて明るさを調整できるので便利です。
玄関収納のタイプや収納量の決め方
玄関収納は、家の顔である玄関をすっきりと整頓された空間にするために欠かせません。適切な収納計画は、日々の生活をより快適にするだけでなく、玄関の印象も大きく左右します。ここでは、玄関収納のタイプや収納量の決め方について詳しく解説します。
収納量は、家族構成やしまいたい物などで決める
玄関収納の量を決める際は、まず家族の人数や生活スタイルを考慮することが重要です。一般的には、一人あたり0.5畳程度を目安にすると良いでしょう。しかし、これはあくまで目安であり、実際の収納量は以下のような要素によって変わってきます。
1. 家族の人数と年齢構成:大人と子供では必要な収納量が異なります。
2. 靴の数:一人当たりの靴の数や種類(ビジネスシューズ、スニーカー、長靴など)を考慮します。
3. 外出用品:傘、帽子、手袋などの季節品も考慮に入れましょう。
4. スポーツ用品:ゴルフバッグやテニスラケットなど、大きな用品を収納する必要がある場合は追加のスペースが必要です。
5. ベビーカーや車いす:これらを収納する場合は、十分なスペースを確保する必要があります。
6. 掃除用具:玄関周りの掃除用具を収納する場合も考慮しましょう。
これらの要素を踏まえて、必要な収納量を見積もりましょう。ただし、将来的な変化も考慮に入れ、やや余裕を持たせた計画が賢明です。
シューズクロークが3畳あれば、ウォークスルー型にしても
シューズクロークは、靴だけでなく外出用品全般を収納できる便利なスペースです。3畳(約5㎡)程度のシューズクロークがあれば、ウォークスルー型の収納も可能になります。ウォークスルー型には以下のようなメリットがあります。
1. 動線の確保:玄関からリビングへの動線がスムーズになります。
2. 収納の充実:靴や外出用品の収納がより充実します。
3. 着替えスペース:コートの着脱や簡単な身支度ができるスペースを確保できます。
4. 整理整頓:玄関をすっきりと保つことができ、来客時の印象も良くなります。
ただし、ウォークスルー型を採用する際は、プライバシーや防犯面にも配慮が必要です。例えば、玄関ドアを開けたときに室内が丸見えにならないよう、視線を遮る工夫をするなどの対策が重要です。
収納内部の湿気&臭いの対策を忘れずに
玄関収納は湿気や臭いがこもりやすい場所です。快適に使い続けるためには、以下のような対策が効果的です。
1. 通気性の確保:扉に通気口を設けたり、棚板に隙間を作るなど、空気の循環を促す設計を心がけましょう。
2. 除湿剤の使用:靴箱内に除湿剤を置くことで、湿気を軽減できます。
3. 消臭剤の活用:活性炭や珪藻土などの自然素材を利用した消臭剤を使用すると効果的です。
4. 換気扇の設置:可能であれば、シューズクロークに小型の換気扇を設置するのも有効です。
5. 靴を乾かすスペース:濡れた靴を収納前に乾かせるスペースを設けると、湿気の軽減につながります。
6. 素材の選択:湿気に強い素材(例:メラミン化粧板)を使用するのも一案です。
これらの対策を組み合わせることで、清潔で快適な玄関収納を維持することができます。
玄関収納のタイプや収納量は、家族構成や生活スタイルに合わせて柔軟に決定することが重要です。十分な収納量を確保しつつ、湿気や臭いへの対策も忘れずに行いましょう。適切な玄関収納計画は、毎日の生活をより快適にし、家全体の印象も良くします。家族全員で協力して整理整頓を心がけ、清潔で使いやすい玄関空間を維持していきましょう。
玄関収納のタイプ別デザイン例を紹介
玄関収納は、機能性だけでなく、デザイン性も重要です。適切な収納タイプを選ぶことで、玄関の印象を大きく変えることができます。ここでは、主な玄関収納のタイプ別デザイン例をご紹介します。それぞれの特徴や利点、注意点を押さえて、自分の家に最適な収納タイプを見つけましょう。
オープンタイプ
オープンタイプの収納は、扉がなく、収納物が見える状態になっています。
特徴
1. 使いやすさが魅力で、靴の出し入れがスムーズです。
2. 玄関に開放感を与え、狭い空間でも圧迫感を感じさせません。
3. 収納物をディスプレイのように見せることができ、インテリアの一部として楽しめます。
注意点
1. 収納物が見えるため、常に整理整頓を心がける必要があります。
2. ほこりが付きやすいので、こまめな掃除が必要です。
3. プライバシーの観点から、来客時に見られたくないものは別の場所に収納する必要があります。
デザイン例
– 壁面に取り付けたシンプルな棚板
– スチール製のオープンラック
– 木製の格子状シューズラック
クローズドタイプ
クローズドタイプの収納は、扉で収納物を隠すタイプです。
特徴
1. 収納物が見えないので、玄関をすっきりと見せることができます。
2. ほこりや汚れから収納物を守ることができます。
3. 扉のデザインで玄関の印象を大きく変えられます。
注意点
1. オープンタイプに比べて使い勝手が悪くなる可能性があります。
2. 通気性に注意が必要で、湿気対策を考慮する必要があります。
3. 狭い玄関では圧迫感を感じさせる可能性があります。
デザイン例
– シンプルな木製下駄箱
– ミラー付きシューズボックス
– 和モダンな格子戸デザインの収納
ハーフオープンタイプ
ハーフオープンタイプは、オープンタイプとクローズドタイプの中間的な収納方法です。
特徴
1. 上部をオープンに、下部をクローズドにするなど、使い分けができます。
2. 見せたいものと隠したいものを分けて収納できます。
3. オープンとクローズドのバランスで、機能性とデザイン性を両立できます。
注意点
1. オープン部分とクローズド部分の配置を考慮する必要があります。
2. デザインによっては、やや複雑な印象を与える可能性があります。
デザイン例
– 上部がオープンラック、下部が引き出しタイプの収納
– ガラス扉と木製扉を組み合わせた収納
– スライド式の格子戸を使用した収納
ウォークインクローゼットタイプ
玄関に十分なスペースがある場合、ウォークインクローゼットタイプの収納も選択肢の一つです。
特徴
1. 大容量の収納スペースを確保できます。
2. 靴だけでなく、コートや傘、スポーツ用品なども一括収納できます。
3. 玄関周りをすっきりと保つことができます。
注意点
1. 十分なスペースが必要なため、大きな玄関でないと難しいです。
2. 換気や湿気対策に特に注意が必要です。
3. 照明計画も重要になります。
デザイン例
– 壁面全体を使った大型収納システム
– 靴とアウター類を分けて収納できる多機能クローゼット
– ガラス張りのショールーム風クローゼット
マルチファンクションタイプ
収納以外の機能も兼ね備えたマルチファンクションタイプの収納も人気です。
特徴
1. 収納だけでなく、ベンチや鏡などの機能を組み合わせています。
2. 限られたスペースを有効活用できます。
3. デザイン性と機能性を両立できます。
注意点
1. 多機能であるため、設置場所や使い方を十分に検討する必要があります。
2. デザインによっては、やや複雑な印象を与える可能性があります。
デザイン例
– 収納付きベンチ
– ミラー付きシューズボックス
– 傘立てと一体化した下駄箱
玄関収納のタイプは、オープン、クローズド、ハーフオープン、ウォークインクローゼット、マルチファンションなど、多様なデザインがあります。それぞれに特徴や利点、注意点があるため、自分の家の玄関の広さや家族構成、生活スタイルに合わせて最適なタイプを選びましょう。また、デザイン性だけでなく、使いやすさや手入れのしやすさも考慮することが大切です。適切な玄関収納を選ぶことで、毎日の生活がより快適になり、玄関の印象も大きく向上します。
よくある質問(Q&A)
Q1:玄関の広さは何畳あれば十分ですか?
A1:一般的に2畳(約3.3㎡)程度あれば十分ですが、家族構成や家全体の広さによって変わります。3LDK以上の間取りなら3畳(約5㎡)程度あるとより快適に使えるでしょう。
Q2:玄関を広く見せるコツはありますか?
A2:明るい色の壁や床材を使う、鏡を効果的に配置する、照明を工夫するなどのテクニックがあります。また、必要最小限の家具や小物で整理整頓を心がけることも重要です。
Q3:玄関収納の湿気対策について教えてください。
A3:通気性を考慮した設計、除湿剤の使用、換気扇の設置などが効果的です。また、靴を乾かすためのスペースを設けるのもおすすめです。定期的に収納内を整理し、風通しを良くすることも大切です。
まとめ
玄関の広さや設計は、家全体の快適性に大きく影響します。2畳程度を基本としつつ、家族構成や生活スタイルに合わせて柔軟に考えることが大切です。明るさや風通しにも気を配り、収納の工夫を施すことで、より機能的で居心地の良い玄関空間を作り出すことができます。玄関は家の顔であり、毎日使う重要な場所です。自分たちの理想の玄関をイメージしながら、こだわりの設計を心がけましょう。
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