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中庭のある家のメリット・デメリットや、中庭の活用例を解説

家づくりの基本

2024/09/24

2024/09/24

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

中庭のある家のメリット・デメリットや、中庭の活用例を解説

中庭のある家は、自然光や風を取り入れつつプライバシーを確保できる魅力的な住まいです。しかし、その特徴ゆえのデメリットもあります。この記事では、中庭のある家のメリットやデメリット、間取りのポイント、そして素敵な中庭づくりのコツについて詳しく解説します。中庭を取り入れた住まいづくりを検討されている方に、ぜひ参考にしていただきたい情報をまとめました。

中庭の特徴や、コートやパティオとの違いについて

中庭とは、建物に囲まれた屋外空間のことを指します。日本の伝統的な住宅様式にも見られる構造で、現代の住宅設計でも人気があります。コートやパティオとの違いは、コートが建物の前面にある外部空間、パティオが建物に接した屋外テラスを指すのに対し、中庭は建物に囲まれた空間という点です。中庭は外部からの視線を遮りつつ、自然を感じられる特徴があります。

中庭のある家のメリット・デメリット

中庭のある家は、独特の魅力と課題を併せ持っています。ここでは、中庭のある家のメリットとデメリットについて詳しく解説します。

中庭のある家のメリット

1. 採光や通風に優れる:中庭を設けることで、家の中心部まで自然光が届きやすくなります。また、窓を開ければ心地よい風が通り抜け、家全体の通風性も向上します。これにより、明るく風通しの良い住空間を実現できます。

2. プライバシー性が確保されやすい:建物に囲まれた中庭は、外部からの視線を遮ります。そのため、カーテンを開けたままでも安心して過ごせる、プライバシー性の高い空間となります。

3. セキュリティに優れる:中庭は建物に囲まれているため、外部からのアクセスが制限されます。これにより、防犯面でも安心感が高まります。特に子どもや高齢者がいる家庭では、大きなメリットとなるでしょう。

4. 家の中と外の距離感が近い:中庭を通して室内から緑や空を眺められるため、自然と一体となった暮らしが楽しめます。季節の移ろいを身近に感じられ、心身ともにリラックスできる環境が整います。

5. 家族の気配を感じつつ適度な距離感がある:中庭を介して各部屋がつながっているため、家族の気配を感じやすくなります。一方で、直接的な接触は避けられるため、プライバシーと一体感のバランスが取れた住空間を実現できます。

中庭のある家のデメリット

1. 建築コストが高い:中庭を設けることで建物の外周が長くなり、外壁や基礎工事の量が増えます。そのため、同じ床面積でも中庭のない家に比べて建築コストが高くなる傾向があります。

2. 冷暖房効率は不利:中庭を囲むように部屋が配置されるため、冷暖房の効率が落ちる可能性があります。特に冬場は、中庭に面した窓からの熱損失が大きくなりがちです。エネルギー効率を考慮した設計や高性能な断熱材の使用が必要になるかもしれません。

3. 動線が長くなる:中庭を回り込むように各部屋が配置されるため、部屋間の移動距離が長くなる可能性があります。高齢者や小さな子どもがいる家庭では、この点に注意が必要です。日常的な生活動線を考慮した間取り設計が重要になります。

4. 中庭に湿気や熱がこもりやすくなる:建物に囲まれた中庭は、空気の循環が悪くなりがちです。そのため、湿気や熱がこもりやすく、カビの発生や夏場の暑さ対策が必要になる場合があります。適切な植栽計画や通気性を考慮した設計が求められます。

5. 維持管理の手間:中庭の植栽や設備には定期的なメンテナンスが必要です。植物の手入れ、落ち葉の掃除、排水設備の点検など、一定の労力と時間がかかります。これらの維持管理を楽しみとして捉えられるかどうかも、中庭のある家を選ぶ際の判断材料になるでしょう。

中庭のある家を検討する際は、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、自分たちの生活スタイルや価値観に合うかどうかを慎重に判断することが大切です。また、デメリットを最小限に抑えるための工夫や対策を設計段階から考慮することで、より快適な住まいづくりが可能になります。

中庭の活用例をご紹介

中庭は、その特性を活かすことで様々な用途に活用できる魅力的な空間です。ここでは、中庭のある家の具体的な活用例をいくつかご紹介します。これらの例を参考に、自分らしい中庭の使い方を見つけてみてください。

タイルやウッドデッキで中庭をセカンドリビングに

中庭にタイルやウッドデッキを敷き詰めることで、屋外リビングとして活用できます。天然木のウッドデッキは足触りが良く、自然な雰囲気を演出できます。一方、タイルは耐久性に優れ、お手入れも簡単です。ガーデンテーブルやチェアを置けば、自然を感じながらくつろげる空間に早変わりします。友人を招いてのティータイムや、家族でのバーベキューなど、多目的に使える魅力的な空間となるでしょう。

小さい子どもを見守る安全な遊び場になる中庭

中庭を子どもの遊び場として活用すれば、室内から安全に見守ることができます。砂場や小さな滑り台を設置するのもおすすめです。芝生を敷けば、転んでも安全で、裸足で遊ぶこともできます。雨の日でも軒下で遊べるよう、一部に屋根をつけるのも良いでしょう。親は室内で家事をしながら、子どもの様子を見守ることができるため、安心して遊ばせることができます。

プライバシー性やセキュリティを重視した中庭のある家

外部からの視線を完全に遮断した中庭は、プライバシーとセキュリティを重視する家族に最適です。高い塀や生垣で囲むことで、外部からの視線を完全に遮断できます。一方で、ガラス張りの開口部を設けることで、開放感も両立できます。この空間は、日光浴を楽しんだり、読書をしたりと、完全なプライベート空間として活用できます。

二世帯を程よい距離感でつなぐ中庭

二世帯住宅の場合、中庭を介して両世帯をつなぐ設計が人気です。中庭を挟んで両世帯の生活空間を配置することで、適度な距離感を保ちつつ、家族の気配を感じられる絶妙なバランスを実現できます。共有の庭として活用することで、世代を超えたコミュニケーションの場にもなります。また、それぞれの世帯のプライバシーも確保しやすくなります。

至福の時をもたらすバスコート

浴室に隣接した小さな中庭をバスコートとして設計すれば、開放感のある入浴タイムを楽しめます。プライバシーに配慮しつつ、星空を眺めながらの入浴は格別です。植栽や石を配置して和風の庭園を作れば、温泉旅館のような雰囲気も演出できます。冬場は寒さ対策が必要ですが、夏場は心地よい風を感じながらのバスタイムを楽しめます。

水盤やプールで涼をとれる中庭

中庭に水盤やミニプールを設置すれば、夏場の暑さ対策になります。水の音や揺らめきが心地よい癒しの空間を演出します。噴水や滝などの水の動きを取り入れれば、より涼しげな空間になります。また、夜間にライトアップすることで、幻想的な雰囲気も楽しめます。ミニプールは、子どもの水遊びの場としても活用できます。

家庭菜園やハーブガーデンとしての活用

中庭を家庭菜園やハーブガーデンとして活用すれば、食育や園芸療法の場として利用できます。野菜やハーブを育てることで、食卓に彩りを添えるだけでなく、栽培の喜びも味わえます。キッチンに隣接させれば、料理中にすぐに新鮮な野菜やハーブを摘むこともできます。また、ガーデニングを通じて、季節の移ろいを身近に感じることができるでしょう。

アートギャラリーや展示スペースとしての活用

中庭を屋外のアートギャラリーや展示スペースとして活用する方法もあります。彫刻や絵画、写真などを展示することで、日常的に芸術に触れる機会を作ることができます。また、季節ごとに展示物を変えることで、中庭の表情も変化させることができます。ライティングを工夫すれば、夜間でも美しい空間を演出できるでしょう。

これらの活用例は、あくまでも一例です。中庭の大きさや形状、家族構成やライフスタイルに合わせて、自分たちに最適な活用方法を見つけることが大切です。中庭のある家で、より豊かな暮らしを楽しんでください。

素敵な中庭づくりに使いやすい植物について

中庭を魅力的な空間にするには、適切な植物選びが重要です。中庭特有の環境に合わせた植物を選ぶことで、管理がしやすく、年間を通して美しい空間を維持できます。ここでは、中庭づくりに適した植物をいくつかのカテゴリーに分けてご紹介します。

湿気や日陰に強い植物

中庭は建物に囲まれているため、湿気がこもりやすく、日当たりが悪くなる傾向があります。そのため、このような環境に適応できる植物を選ぶことが大切です。

• シダ類:ジャパニーズホリー、タマシダ、ヤブソテツなど

• ホスタ:ギボウシの仲間で、葉の模様が美しい

• ヤブラン:常緑で丈夫、日陰でもよく育つ

• アジサイ:日陰でも花を咲かせ、湿気にも強い

• ドラセナ:観葉植物として人気が高く、室内外で使える

ひざ丈くらいのリーフ系

中庭の規模に合わせて、ひざ丈くらいのリーフ系の植物を選ぶと、空間に適度なボリューム感を与えることができます。

• アジサイ:様々な品種があり、花色も豊富

• フィリフェラオーレア:黄金色の葉が美しい低木

• ヘデラ(アイビー):つる性で壁面緑化にも使える

• ハツユキカズラ:葉の色が美しく、グランドカバーにも適する

• ユキヤナギ:春に白い花を咲かせる落葉低木

明るい雰囲気にしたい場合の花を咲かせる植物

中庭を明るい雰囲気にしたい場合は、花を咲かせる植物を取り入れると効果的です。季節ごとに異なる花を楽しむことができます。

• パンジー・ビオラ:寒さに強く、冬から春にかけて楽しめる

• ベゴニア:日陰でも育ち、長期間花を咲かせる

• ガーデンシクラメン:秋から冬にかけて花を咲かせる

• ラベンダー:香りも楽しめ、夏に紫色の花を咲かせる

• クレマチス:つる性で、大きな花を咲かせる

四季を感じる雑木

四季の移ろいを楽しみたい場合は、落葉樹の雑木がおすすめです。ただし、中庭のスペースや日当たりを考慮して選ぶ必要があります。

• イロハモミジ:春の新緑、秋の紅葉が美しい

• ヤマボウシ:春に白い花、秋に赤い実をつける

• ソヨゴ:常緑樹で、冬に赤い実をつける

• シマトネリコ:細かい葉が特徴的で、風に揺れる姿が美しい

• コハウチワカエデ:小型のカエデで、紅葉が楽しめる

壁面緑化に適した植物

中庭の壁面を緑化することで、より自然豊かな空間を演出できます。つる性の植物が適していますが、メンテナンスに注意が必要です。

• ツタ(アメリカヅタ):丈夫で成長が早い

• ナツヅタ:落葉性で、秋に紅葉する

• テイカカズラ:常緑で、夏に白い花を咲かせる

• フィカス・プミラ:小さな葉で壁面を覆う

• クレマチス:様々な品種があり、大きな花を楽しめる

観葉植物

中庭に観葉植物を置くことで、トロピカルな雰囲気や都会的な印象を演出できます。

• モンステラ:大きな葉が特徴的

• ストレリチア:ユニークな形の花を咲かせる

• フィカス・ベンジャミン:室内外で使える樹木タイプの観葉植物

• サンセベリア:丈夫で育てやすく、空気清浄効果もある

• オリーブ:地中海風の雰囲気を演出できる

植物を選ぶ際は、中庭の環境(日当たり、風通し、温度変化など)を十分に考慮する必要があります。また、メンテナンスの手間や頻度も考えて選びましょう。適切な植物を選び、定期的な手入れを行うことで、一年を通して美しく、居心地の良い中庭を楽しむことができます。専門家や園芸店のアドバイスを参考にしながら、自分好みの中庭づくりを楽しんでください。

よくある質問(Q&A)

中庭のある家について、多くの方が気になる疑問や懸念事項をQ&A形式でまとめました。これらの質問と回答を参考に、中庭のある家づくりの参考にしてください。

Q1: 中庭のある家は寒くないですか?

A1: 中庭を囲む窓からの熱損失により、冬場は寒くなりやすい傾向があります。しかし、以下のような対策を取ることで、快適に過ごすことができます。

• 断熱性能の高い窓を使用する

• 床暖房や蓄熱暖房機を導入する

• 中庭に面した開口部に厚手のカーテンやブラインドを設置する

• 中庭にパーゴラを設置し、冬場はビニールなどで覆う

適切な設計と対策を行えば、中庭のある家でも十分に暖かく過ごすことができます。

Q2: 中庭の維持管理は大変ですか?

A2: 植栽の手入れや掃除など、一定の維持管理は必要です。しかし、中庭の規模や使用する植物によって管理の手間は変わってきます。以下のような工夫で、管理を楽にすることができます。

• 低木や地被植物を中心に選び、剪定の手間を減らす

• 自動灌水システムを導入し、水やりの手間を省く

• 落葉樹を避け、常緑樹を選ぶことで落ち葉の掃除を減らす

• 人工芝を使用し、芝刈りの手間をなくす

また、中庭の手入れを家族の楽しみとして捉えることで、維持管理を苦に感じにくくなるでしょう。

Q3: 中庭は必ず屋根のない空間である必要がありますか?

A3: 必ずしも屋根のない空間である必要はありません。中庭の一部や全体に屋根を設けることで、以下のようなメリットがあります。

• 雨天時でも中庭を利用できる

• 強い日差しを遮り、快適に過ごせる

• 冬場の寒さ対策になる

ただし、完全に屋根で覆ってしまうと採光や通風の効果が薄れる可能性があるので、バランスを考えて設計することが大切です。透明や半透明の屋根材を使用したり、開閉式の屋根を採用するなどの工夫も考えられます。

Q4: 中庭のある家は虫が多くなりませんか?

A4: 中庭に植物を植えることで、確かに虫が増える可能性はあります。しかし、以下のような対策を取ることで、虫の侵入を最小限に抑えることができます。

• 網戸や防虫網を適切に設置する

• 虫除け効果のある植物(ハーブ類など)を植える

• 水はけを良くし、蚊の発生を抑える

• 外部照明は虫を寄せ付けにくい色温度や波長のものを選ぶ

適切な管理と対策を行えば、虫の問題を大幅に軽減できます。

Q5: 中庭のある家は防犯面で心配ありませんか?

A5: 中庭のある家は、むしろ防犯面では有利な面があります。以下の理由から、適切に設計すれば高い防犯性を確保できます。

• 中庭は建物に囲まれているため、外部からのアクセスが制限される

• 家族の目が中庭に向きやすく、不審者の侵入に気づきやすい

• センサーライトなどのセキュリティ設備を効果的に配置できる

ただし、中庭に面した窓やドアには確実な施錠設備を設けるなど、基本的な防犯対策は必要です。

Q6: 中庭のある家は建築コストが高くなりますか?

A6: 一般的に、中庭のある家は通常の家よりも建築コストが高くなる傾向があります。主な理由は以下の通りです。

• 外壁の総面積が大きくなる

• 中庭周りの防水処理が必要

• 中庭の造作や植栽にコストがかかる

しかし、中庭のサイズや仕様によってコストは大きく変わります。また、中庭によってもたらされる居住性の向上や、エネルギー効率の改善などを考慮すると、長期的には価値のある投資と言えるでしょう。予算と相談しながら、自分たちに合った中庭の設計を考えることが大切です。

Q7: 中庭は後から作ることはできますか?

A7: 既存の家に後から中庭を作ることは、技術的には可能ですが、大規模な改修工事が必要となるため、コストと手間がかかります。以下のような方法が考えられます。

• 屋内の一部を撤去して中庭を作る

• 増築の際に中庭を取り入れる

• 屋上の一部を改修して屋上庭園のような中庭を作る

ただし、構造上の制約や法規制などの問題もあるため、専門家との相談が不可欠です。新築時に中庭を計画するほうが、はるかに効率的で理想的な設計が可能です。

これらの質問と回答を参考に、中庭のある家についての理解を深めていただければ幸いです。中庭のある家は、適切な計画と管理があれば、豊かな住環境を提供してくれる素晴らしい選択肢の一つとなるでしょう。

まとめ

中庭のある家は、自然光や風を取り入れつつプライバシーを確保できる魅力的な住まいです。採光や通風の良さ、セキュリティの高さなど、多くのメリットがある一方で、建築コストの高さや冷暖房効率の問題など、デメリットもあります。中庭を設けるかどうかは、ライフスタイルや優先したい要素を考慮して決めることが大切です。また、中庭の設計や植栽選びにこだわることで、より快適で魅力的な住空間を作り出すことができます。中庭のある家での暮らしを検討されている方は、ぜひこの記事を参考にしながら、理想の住まいづくりを進めてみてください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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    :渡辺知光

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