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施主支給で住宅設備を揃える際のポイントや注意点について解説

家づくりの基本

2024/09/24

2024/09/24

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

施主支給で住宅設備を揃える際のポイントや注意点について解説

新築やリフォームの際に、施主自身が設備や建材を用意する「施主支給」という方法があります。コストダウンや理想の住まいづくりのために魅力的に感じる方も多いでしょう。しかし、施主支給には注意点やリスクもあります。この記事では、施主支給の基本的な概念から、メリット・デメリット、注意点まで詳しく解説します。家づくりを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

施主支給とは

施主支給とは、新築やリフォームの際に、本来ハウスメーカーや工務店が用意する設備や建材を、施主(お客様)自身が購入して用意することを指します。キッチン、バス、トイレといった水回りの設備や、照明器具、床材、壁紙などが施主支給の対象となることが多いです。

施主支給が可能かは確認が必要

施主支給が可能かどうかは、ハウスメーカーや工務店によって方針が異なります。そのため、契約前に必ず確認しておくことが大切です。施主支給を認めていない会社もありますし、一部の設備のみ可能な場合もあります。事前に十分な確認と打ち合わせを行いましょう。

施主支給のメリットとデメリット

施主支給には、魅力的な面もある一方で注意すべき点もあります。ここでは、施主支給のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。

施主支給のメリット

1. コストダウンが可能:

施主支給の最大のメリットは、コストを抑えられる可能性が高いことです。ハウスメーカーや工務店を通さずに直接購入することで、中間マージンを省くことができます。特に高額な設備や建材では、大きな節約につながることがあります。

2. 自由度が高い:

カタログにない商品や、こだわりの設備を選ぶことができるのも大きなメリットです。ハウスメーカーや工務店が扱っていない商品でも、自由に選択できるため、より理想の住まいづくりが可能になります。

3. 予算配分の調整がしやすい:

高額な設備と安価な設備を組み合わせるなど、柔軟な予算配分が可能です。例えば、キッチンにこだわりたい場合は高級品を選び、その分照明器具では節約するといった調整ができます。

4. 早期から準備ができる:

施主支給の場合、工事の進捗に関わらず早めに商品を確保できます。特に人気商品や納期のかかる商品の場合、この点は大きなメリットとなります。

施主支給のデメリット

1. 責任の所在が不明確:

施工上の問題が発生した際、責任の所在が曖昧になる可能性があります。例えば、設備の不具合が施工ミスによるものか、商品自体の問題なのかが判断しにくくなることがあります。

2. 納期や搬入の管理が必要:

施主自身が納期管理や搬入日の調整を行う必要があります。工事の進捗状況に合わせて適切なタイミングで納品する必要があるため、綿密なスケジュール管理が求められます。

3. アフターサービスの対象外:

施主支給の設備は、ハウスメーカーのアフターサービスの対象外となることが多いです。故障や不具合が発生した場合、自分で対応しなければならない可能性があります。

4. 想定外の費用が発生する可能性:

設置に特殊な工事が必要になるなど、予想外の費用が発生することがあります。例えば、輸入品の場合、日本の規格に合わせるための追加工事が必要になることもあります。

5. 知識や時間が必要:

適切な商品を選ぶためには、ある程度の専門知識が必要です。また、商品の選定や発注、納期管理などに時間がかかるため、十分な時間的余裕が必要になります。

6. 工事の遅延リスク:

納期の遅れや搬入のトラブルにより、工事全体のスケジュールに影響が出る可能性があります。これは、引っ越しの日程にも影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

施主支給を検討する際は、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、自身の状況や優先順位に照らし合わせて判断することが大切です。コストダウンや自由度の高さに魅力を感じる一方で、責任やリスクも伴うことを忘れないようにしましょう。また、部分的に施主支給を採用するなど、柔軟な対応を検討するのも一つの方法です。

施主支給を選択する場合のポイント

施主支給を成功させるには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、施主支給を検討している方や実施する方に向けて、注意すべき点や効果的な進め方について詳しく解説します。

事前の十分な調査と準備

施主支給を行う前に、徹底的な調査と準備が必要です。具体的には以下のような点に注意しましょう。

・選定する商品の性能、仕様、サイズを詳細に確認する

・複数のメーカーや販売店を比較し、最適な価格と品質を探す

・納期や搬入方法、保証内容を事前に確認する

・施工方法や必要な工具などの情報を収集する

ハウスメーカーや工務店との綿密な打ち合わせ

施主支給を行う際は、ハウスメーカーや工務店との綿密な打ち合わせが不可欠です。

・施主支給可能な項目と不可能な項目を明確にする

・施主支給品の仕様や寸法を施工会社と共有し、適合性を確認する

・搬入や施工のタイミングを工程表に組み込む

・施主支給品の施工に関する責任の所在を明確にする

適切なスケジュール管理

施主支給品の納期管理は非常に重要です。

・工事の進捗状況に合わせて適切なタイミングで納品できるよう計画を立てる

・納期に余裕を持たせ、遅延のリスクに備える

・搬入日や施工日を施工会社と事前に調整する

品質と安全性の確保

コストダウンだけでなく、品質と安全性の確保も重要です。

・JIS規格やSGマークなど、安全基準を満たしている商品を選ぶ

・耐久性や使いやすさなど、長期的な視点で商品を選定する

・メーカーの信頼性や保証内容を十分に確認する

コストの総合的な検討

施主支給によるコストダウンを検討する際は、総合的な視点が必要です。

・商品価格だけでなく、搬入費や施工費も含めた総コストを比較する

・アフターサービスや保証の有無による将来的なコストも考慮する

・想定外の追加工事や調整費用が発生する可能性も考慮に入れる

搬入と施工の確認

施主支給品の搬入と施工時には、次の点に注意しましょう。

・搬入経路を事前に確認し、必要に応じて養生を行う

・施工前に商品の破損や不良がないか確認する

・施工中や施工後に立ち会い、適切に取り付けられているか確認する

アフターフォローの準備

施主支給品のアフターフォローについても考慮が必要です。

・メーカーの保証書や取扱説明書を適切に保管する

・故障時の連絡先や対応手順を確認しておく

・定期的なメンテナンス方法を理解し、実施する

部分的な施主支給の検討

すべての設備を施主支給にするのではなく、部分的に採用することも検討しましょう。

・こだわりの強い設備や、大きなコストダウンが見込める項目を選んで施主支給にする

・施工が複雑な設備は避け、比較的シンプルな設備を選ぶ

・自信のある部分のみ施主支給にし、不安な部分はプロに任せる

以上のポイントを押さえることで、施主支給のリスクを最小限に抑え、メリットを最大限に活かすことができます。ただし、施主支給にはそれなりの労力と責任が伴うことを忘れないでください。自身の知識や時間的余裕、こだわりの度合いなどを考慮し、本当に施主支給が適しているかどうかをよく吟味した上で判断することが大切です。

施主支給が向いている人、向いていない人

施主支給は誰にでも適している方法ではありません。個人の状況、知識、時間的余裕などによって、向き不向きがあります。ここでは、施主支給が向いている人と向いていない人の特徴を詳しく解説します。

施主支給が向いている人

1. 住宅設備に詳しい方:

設備の性能や仕様、メーカーの特徴などに関する知識が豊富な方は、適切な商品選択ができる可能性が高いです。専門的な知識があれば、コストパフォーマンスの高い商品を見つけやすく、施主支給のメリットを最大限に活かせます。

2. 時間的余裕がある方:

商品の選定、発注、納期管理など、施主支給には多くの時間と労力が必要です。仕事に追われていない方や、家づくりに十分な時間を割ける方にとっては、施主支給は魅力的な選択肢となります。

3. コストダウンへのこだわりが強い方:

予算を抑えることに強い意欲がある方にとって、施主支給は有効な手段です。時間と労力をかけてでも、少しでも安く家を建てたいと考える方に向いています。

4. DIY好きな方:

自分で何かを作ったり、選んだりすることに喜びを感じる方にとって、施主支給は楽しい作業となる可能性があります。家づくりに主体的に関わりたい方に適しています。

5. 柔軟性のある方:

予期せぬ問題が発生した際に、柔軟に対応できる方に向いています。納期の遅れや仕様の変更などにも冷静に対処できる方が施主支給を成功させやすいでしょう。

施主支給が向いていない人

1. 住宅設備の知識が乏しい方:

設備や建材に関する知識が少ない方は、適切な商品選択が難しく、失敗するリスクが高くなります。プロの助言なしで選択を行うと、長期的には不適切な選択をしてしまう可能性があります。

2. 仕事が忙しく、時間的余裕がない方:

施主支給には多くの時間と労力が必要です。仕事で忙しい方や、家事や育児で手一杯の方にとっては、大きな負担となる可能性があります。納期管理や搬入調整などに十分な時間を割けない場合、工事の遅延につながるリスクがあります。

3. 決断力に欠ける方:

商品選びに迷いやすい方や、決断に時間がかかる方にとって、施主支給は大きなストレスとなる可能性があります。多くの選択肢の中から適切な商品を選ぶ必要があるため、決断力が求められます。

4. リスク回避傾向が強い方:

施主支給には一定のリスクが伴います。トラブルが発生した際の対応や、想定外の費用発生などのリスクを許容できない方には向いていません。

5. アフターサービスを重視する方:

施主支給品は、ハウスメーカーや工務店のアフターサービスの対象外となることが多いです。長期的なサポートを重視する方にとっては、この点がデメリットとなります。

6. コミュニケーションが苦手な方:

施主支給を成功させるには、ハウスメーカーや工務店との綿密なコミュニケーションが不可欠です。施工会社とのやり取りが苦手な方にとっては、施主支給は大きな負担となる可能性があります。

7. 完全におまかせしたい方:

家づくりのプロセスに深く関わることを望まず、すべてをプロに任せたいと考える方には、施主支給は向いていません。

施主支給を検討する際は、これらの特徴を参考に、自分自身の性格や状況をよく見極めることが大切です。また、すべてを施主支給にするのではなく、得意な部分や興味のある部分のみを施主支給にするなど、柔軟な対応を取ることも一つの方法です。自分に合った家づくりの方法を選ぶことが、最終的に満足度の高い住まいにつながります。

よくある質問(Q&A)

施主支給に関して、多くの方が疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。これらの質問と回答を参考に、施主支給についての理解を深めていただければと思います。

Q1: 施主支給で購入した設備の保証はどうなりますか?

A1: 施主支給の設備は、通常メーカーの保証のみが適用されます。ハウスメーカーや工務店のアフターサービスの対象外となることが多いため、故障時の対応は自身で行う必要があります。保証期間や条件は商品によって異なるため、購入前に必ず確認しておくことが重要です。また、施工に起因する問題の場合、責任の所在が不明確になる可能性もあるため、注意が必要です。

Q2: 施主支給で節約できる金額の目安はありますか?

A2: 一概には言えませんが、通常10%~30%程度のコストダウンが期待できます。ただし、商品の種類や購入先、数量などによって大きく異なります。また、想定外の費用が発生するリスクもあるため、単純に商品価格だけでなく、搬入費や施工費も含めた総コストで比較することが重要です。さらに、アフターサービスの有無による将来的なコストも考慮に入れる必要があります。

Q3: 施主支給で失敗しないコツはありますか?

A3: 失敗を避けるためのコツはいくつかあります。

1. 事前の十分な調査と準備を行う

2. ハウスメーカーや工務店との綿密な打ち合わせを行う

3. 納期に余裕を持たせる

4. 設置方法や必要な工具を事前に確認する

5. 品質と安全性を重視した商品選択を行う

6. 不安な点は必ず専門家に相談する

また、すべてを施主支給にするのではなく、自信のある部分のみを施主支給にするなど、柔軟な対応を取ることも失敗を避けるコツの一つです。

Q4: どの設備が施主支給に向いていますか?

A4: 一般的に、以下のような設備が施主支給に向いているとされています。

1. 照明器具:取り付けが比較的簡単で、デザイン性を重視したい場合に適しています。

2. キッチン設備:シンクやコンロなど、こだわりたい方が多い設備です。

3. 洗面台:デザインや機能性にこだわりたい場合に適しています。

4. トイレ:温水洗浄便座など、好みの機能を選べます。

5. 床材や壁紙:デザイン性を重視する場合に適しています。

ただし、これらの設備でも施工の難易度や建物との相性によっては施主支給が難しい場合もあるため、必ず事前に施工会社と相談しましょう。

Q5: 施主支給品の施工中のトラブルはどう対応すればいいですか?

A5: 施工中のトラブルに備えて、以下のような対応を心がけましょう。

1. 事前に施工会社と施主支給品の施工に関する責任の所在を明確にしておく

2. 施工前に商品の破損や不良がないか確認する

3. 可能な限り施工に立ち会い、問題が生じた場合にすぐに対応できるようにする

4. トラブルが発生した場合は、すぐに施工会社と相談し、対応策を検討する

5. 必要に応じて、商品のメーカーにも相談する

施工中のトラブルは迅速な対応が重要です。事前の準備と冷静な判断を心がけましょう。

Q6: 施主支給品の搬入はどのように行えばいいですか?

A6: 施主支給品の搬入には以下の点に注意しましょう。

1. 搬入日を施工会社と事前に調整する

2. 搬入経路を確認し、必要に応じて養生を行う

3. 大型の設備の場合、専門の業者に搬入を依頼することも検討する

4. 搬入後の保管場所や方法を事前に確認しておく

5. 搬入時に商品の破損がないか確認する

搬入のタイミングは工事の進捗状況に合わせることが重要です。早すぎると保管場所の問題が生じ、遅すぎると工事の遅延につながる可能性があるため、適切なタイミングで搬入できるよう計画を立てましょう。

これらの質問と回答を参考に、施主支給についての理解を深め、慎重に検討することが大切です。施主支給にはメリットもデメリットもあるため、自身の状況や優先順位に照らし合わせて判断しましょう。不安な点がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

施主支給は、コストダウンや理想の住まいづくりを実現するための選択肢の一つです。しかし、メリットだけでなくデメリットもあることを理解し、慎重に検討する必要があります。自身の知識や時間的余裕、こだわりの度合いなどを考慮し、本当に施主支給が適しているかどうかをよく吟味しましょう。また、施主支給を選択する場合も、プロのアドバイスを積極的に取り入れ、十分な準備と打ち合わせを行うことが重要です。家づくりは長期的な視点で考える必要があります。施主支給のメリット・デメリットを十分に理解したうえで、最適な選択をすることが、快適な暮らしにつながるでしょう。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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    :渡辺知光

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