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外断熱(外張り断熱)の家の仕様や構造、断熱効果や施工例を解説

家づくりの基本

2024/09/24

2024/09/24

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

外断熱(外張り断熱)の家の仕様や構造、断熱効果や施工例を解説

快適な住環境を実現するために、断熱性能は非常に重要です。近年注目を集めている外断熱工法は、高い断熱効果と結露防止など、多くのメリットがあります。この記事では、外断熱の仕組みや特徴、メリット・デメリットについて詳しく解説します。家づくりの参考にしてください。

外断熱とは

外断熱とは、建物の外側に断熱材を施工する工法です。壁や屋根、床などの構造体の外側に断熱層を設けることで、建物全体を断熱材で包み込むような形になります。これにより、高い断熱性能と気密性を実現することができます。

RC住宅の外断熱工法

RC(鉄筋コンクリート)住宅の場合、コンクリートの外側に断熱材を貼り付け、その上から外装材を施工します。コンクリートの蓄熱性を活かしつつ、外部からの熱の侵入を防ぐことができます。

木造住宅・鉄骨造住宅の外張り断熱工法

木造住宅や鉄骨造住宅では、構造材の外側に断熱材を施工し、その上から通気層を設けて外装材を取り付けます。これにより、構造体を外気温の影響から守りつつ、高い断熱性能を実現します。

内断熱と外断熱の比較

住宅の断熱工法には、大きく分けて内断熱と外断熱の2つがあります。それぞれの特徴を詳しく比較してみましょう。

内断熱とは

内断熱は、建物の構造体(柱や梁)の内側に断熱材を施工する従来の工法です。日本の住宅では長年この方法が主流でした。内断熱では、構造体の内側に断熱材を入れ、その内側に内装材を施工します。

内断熱の特徴:

1. 比較的安価で施工が容易

2. 断熱リフォームがしやすい

3. 構造体が外気に触れるため、木造住宅では腐朽のリスクがある

4. 熱橋(熱の逃げ道)ができやすい

5. 結露が発生しやすい

外断熱との比較

1. 断熱性能: 外断熱の方が高い断熱性能を実現しやすいです。内断熱では柱や梁などの構造体が熱橋となりやすいのに対し、外断熱では建物全体を断熱材で包み込むため、熱損失を最小限に抑えられます。

2. 気密性: 外断熱の方が高い気密性を確保しやすいです。内断熱では配線や配管の貫通部分で気密性が損なわれやすいのに対し、外断熱では建物全体を連続的に断熱できるため、隙間風を防ぎやすくなります。

3. 結露対策: 外断熱の方が結露を防ぎやすいです。内断熱では構造体内部で結露が発生するリスクがありますが、外断熱では構造体が室内側に位置するため、結露のリスクが大幅に低減されます。

4. 施工性: 内断熱の方が施工が容易で工期も短くなる傾向があります。外断熱は特殊な技術や知識が必要となり、工期も長くなりがちです。

5. コスト: 一般的に、内断熱の方が初期コストは低くなります。外断熱は使用する断熱材や施工方法の関係で、建築費用が高くなる傾向があります。ただし、長期的には外断熱の方が光熱費削減や耐久性向上などのメリットがあります。

資材の違い

内断熱と外断熱では、使用する断熱材にも違いがあります。

内断熱で使用される主な断熱材:

1. グラスウール

2. ロックウール

3. セルロースファイバー

4. 発泡ウレタン

これらの断熱材は、比較的安価で施工が容易ですが、湿気に弱いものもあります。

外断熱で使用される主な断熱材:

1. 発泡ポリスチレン(EPS)

2. 押出法ポリスチレンフォーム(XPS)

3. フェノールフォーム

4. 硬質ウレタンフォーム

外断熱用の断熱材は、耐久性や防水性に優れたものが多く使用されます。これらは内断熱用の断熱材と比べて高価ですが、長期的な性能維持に優れています。

内断熱と外断熱は、それぞれに長所と短所があります。どちらを選択するかは、建築する地域の気候条件、予算、求める断熱性能、メンテナンス性などを総合的に考慮して決める必要があります。近年は、省エネ性能や快適性を重視する傾向から、外断熱を採用する住宅が増えてきています。

外断熱の家の仕様や構造

外断熱の家は、高い断熱性能と快適な居住環境を実現するために、独特の仕様や構造を持っています。ここでは、外断熱の家の主要な構成要素について詳しく解説します。

外断熱材

外断熱の核心となるのが断熱材です。主に以下の種類が使用されます。

1. 発泡ポリスチレン(EPS):軽量で加工しやすく、比較的安価です。

2. 押出法ポリスチレンフォーム(XPS):EPSより密度が高く、断熱性能と耐水性に優れています。

3. フェノールフォーム:高い断熱性能と防火性能を持ちます。

4. 硬質ウレタンフォーム:断熱性能が非常に高く、薄い施工が可能です。

これらの断熱材は、通常50mm〜200mm程度の厚さで施工されます。断熱性能を高めるには、断熱材を厚くすることが効果的です。

外壁材

外断熱の上に施工される外壁材は、美観だけでなく耐久性や防水性も重要です。主な外壁材には以下があります。

1. サイディング:耐久性が高く、多様なデザインが可能です。

2. 金属パネル:軽量で耐久性に優れています。

3. タイル:高級感があり、耐久性も高いです。

4. 塗り壁:柔軟なデザインが可能で、通気性にも優れています。

外壁材の選択は、デザイン性、耐久性、メンテナンス性、コストなどを考慮して行います。

内装

外断熱の家では、内装材の選択肢が広がります。構造体が露出していても結露の心配が少ないため、以下のような内装が可能です。

1. コンクリート打ち放し:RC造の場合、素材感を活かしたデザインが可能です。

2. 無垢材の板張り:木の温かみを感じられる内装ができます。

3. 珪藻土や漆喰:自然素材を使った健康的な内装が可能です。

4. クロス仕上げ:一般的な内装仕上げも、もちろん可能です。

内装材の選択は、住まい手の好みや生活スタイルに合わせて自由度が高くなります。

外断熱の効果を最大限に発揮するためには、高性能な断熱窓の使用が不可欠です。主に以下のような窓が使用されます。

1. 複層ガラス:2枚以上のガラスの間に空気層を設けた断熱効果の高いガラスです。

2. Low-Eガラス:特殊金属膜をコーティングし、断熱性能を高めたガラスです。

3. 真空ガラス:ガラス間を真空にすることで高い断熱性能を実現します。

4. 樹脂サッシ:熱伝導率の低い樹脂製のサッシで、断熱性能が高いです。

これらの高性能窓を使用することで、壁と同等以上の断熱性能を窓にも持たせることができます。

通気層・通気構造

外断熱工法では、断熱材と外装材の間に通気層を設けることが重要です。通気層の役割は以下の通りです。

1. 湿気の排出:断熱材内部に侵入した湿気を外部に逃がします。

2. 結露の防止:外壁内部の結露を防ぎます。

3. 断熱性能の維持:断熱材を乾燥状態に保ち、性能低下を防ぎます。

4. 夏季の熱負荷軽減:外壁面で暖められた空気を上方に逃がします。

通気層は通常、20mm〜30mm程度の厚さで設けられます。適切な通気口を設けることで、効果的な通気が可能になります。

外断熱の家の仕様や構造は、これらの要素を適切に組み合わせることで、高い断熱性能と快適な居住環境を実現します。地域の気候条件や建築規制、予算などを考慮しながら、最適な仕様を選択することが重要です。

外断熱のメリット

外断熱工法には、従来の内断熱工法と比較して多くのメリットがあります。ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

断熱効果が高い

外断熱の最大のメリットは、高い断熱効果です。建物全体を断熱材で包み込むことで、熱損失を最小限に抑えることができます。

RC外断熱の断熱効果

RC(鉄筋コンクリート)造の外断熱では、以下のような効果があります。

1. コンクリートの蓄熱性を活かせる:コンクリートの熱容量が大きいため、室内温度の変動を抑えられます。

2. 熱橋を防げる:柱や梁などの部分での熱損失を防ぐことができます。

3. 躯体の温度変化が小さい:コンクリートの膨張収縮が抑えられ、クラックの発生を軽減できます。

外張り断熱の断熱効果

木造や鉄骨造の外張り断熱では、以下のような効果が得られます。

1. 熱橋を最小限に抑えられる:柱や梁を含めて建物全体を断熱材で覆うため、熱損失を大幅に削減できます。

2. 構造体を保護できる:外気温の影響から構造体を守るため、木材の腐朽や金属の錆びを防ぐことができます。

3. 断熱材の施工が容易:平面的に断熱材を施工できるため、隙間なく確実に断熱できます。

気密性が確保しやすい

外断熱では、建物全体を連続的に断熱材で覆うことができるため、高い気密性を確保しやすくなります。気密性が向上することで、以下のようなメリットがあります。

1. 隙間風の防止:不快な隙間風を防ぎ、快適な室内環境を実現できます。

2. 空調効率の向上:暖気や冷気が逃げにくくなるため、空調効率が向上し、省エネにつながります。

3. 湿気の侵入防止:外部からの湿気の侵入を防ぎ、結露のリスクを低減できます。

4. 音の遮断性向上:外部からの騒音を遮断しやすくなります。

結露がおきにくい

外断熱では、構造体が室内側に位置するため、結露が発生しにくくなります。これには以下のようなメリットがあります。

1. カビやダニの発生抑制:結露による水分が少ないため、カビやダニの繁殖を抑えられます。

2. 建物の耐久性向上:構造体が湿気にさらされにくいため、木材の腐朽や金属の錆びを防げます。

3. 健康的な室内環境:結露に起因する室内の湿気が少なくなり、快適で健康的な住環境を実現できます。

4. 壁紙や内装材の劣化防止:壁面の結露が減ることで、壁紙のはがれや内装材の劣化を防げます。

柱と柱の間が利用できる

外断熱では、内部の柱と柱の間に断熱材を入れる必要がないため、その空間を有効活用できます。これには以下のようなメリットがあります。

1. 収納スペースの確保:柱と柱の間を収納として利用できるため、生活空間を広く使えます。

2. 設備配管の自由度向上:給排水管や電気配線などの設備を柱間に配置しやすくなります。

3. 内装デザインの自由度向上:柱をそのまま見せるデザインや、柱を隠すデザインなど、多様な内装が可能になります。

4. リフォームの容易さ:内部に断熱材がないため、将来的なリフォームがしやすくなります。

これらのメリットにより、外断熱は快適で省エネな住まいを実現する上で非常に効果的な工法といえます。ただし、初期コストが高くなる点や、施工に特殊な技術が必要になる点などのデメリットもあるため、総合的に判断して採用を検討する必要があります。

外断熱のデメリット

外断熱工法には多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットも存在します。ここでは、外断熱のデメリットについて詳しく解説します。

建築費用が高くなる

外断熱工法は、従来の内断熱工法に比べて建築費用が高くなる傾向があります。その理由は以下の通りです。

1. 断熱材のコスト:外断熱に使用される高性能な断熱材は、一般的に内断熱用の断熱材より高価です。

2. 施工の手間:外断熱の施工には特殊な技術や工程が必要となり、労務費が増加します。

3. 外装材の追加:断熱材の上に外装材を施工する必要があるため、材料費と工事費が加算されます。

4. 設計の複雑化:外断熱に対応した設計が必要となり、設計費用が増加する可能性があります。

一般的に、外断熱を採用すると内断熱と比べて10〜20%程度建築費用が高くなると言われています。ただし、長期的には光熱費の削減や耐久性の向上などのメリットがあるため、トータルコストでの検討が必要です。

屋根や外壁の施工に注意が必要

外断熱工法では、屋根や外壁の施工に特別な注意が必要となります。

1. 防水性の確保:断熱材と外装材の間に雨水が侵入しないよう、適切な防水処理が不可欠です。

2. 雨漏り対策:窓周りや外壁の取り合い部分など、水の侵入しやすい箇所に十分な注意が必要です。

3. 通気層の確保:断熱材と外装材の間に適切な通気層を設けることが重要です。

4. 重量増加:断熱材や外装材の重量が増えるため、構造計算に注意が必要です。

これらの点に十分注意を払わないと、雨漏りや結露、カビの発生などの問題につながる可能性があります。

換気計画が必要

外断熱により気密性が高くなるため、適切な換気計画が不可欠です。

1. 24時間換気システムの導入:常時換気を行うシステムの設置が必要となります。

2. 換気口の適切な配置:効率的な空気の流れを作るため、換気口の位置や数に注意が必要です。

3. 結露対策:高気密住宅では、換気が不十分だと結露が発生しやすくなります。

4. 設備費用の増加:高性能な換気システムの導入により、設備費用が増加します。

適切な換気計画を立てないと、室内の空気質が悪化し、健康面での問題が生じる可能性があります。

施工しないハウスメーカーもある

外断熱工法は、特殊な技術や知識が必要となるため、すべてのハウスメーカーが対応しているわけではありません。

1. 技術力の問題:外断熱の施工に必要な技術や経験を持つ業者が限られています。

2. コスト面の課題:外断熱のコストが高いため、採用を避けるメーカーもあります。

3. 需要の問題:外断熱の需要が少ない地域では、対応するメーカーが限られる可能性があります。

4. 施工実績の不足:外断熱の施工実績が少ないメーカーは、採用を控える傾向があります。

このため、外断熱を希望する場合、施工可能な業者を探す手間が必要になる場合があります。

RC外断熱の場合は外観がコンクリート打放しにならない

RC造の外断熱では、コンクリートの外側に断熱材を施工するため、コンクリート打放しの外観を実現することができません。

1. デザイン面での制約:コンクリートの素材感を活かしたデザインができません。

2. 外装材の選択肢:断熱材の上に施工する外装材の選択が必要となります。

3. メンテナンス性:外装材によっては、定期的なメンテナンスが必要になる場合があります。

4. コストアップ:外装材の追加により、さらにコストが増加します。

これらのデメリットは、外断熱工法を採用する際に考慮すべき重要な点です。しかし、多くの場合、これらのデメリットを上回るメリットがあるため、近年外断熱を採用する住宅が増えています。外断熱を検討する際は、これらのデメリットを十分に理解した上で、自身のニーズや予算、地域の気候条件などを総合的に考慮して判断することが大切です。

外断熱の家の施工例をご紹介

外断熱工法を採用した住宅の具体的な施工例をいくつかご紹介します。これらの事例を通じて、外断熱の家の特徴や実際の施工方法、デザインの可能性などをより具体的に理解することができます。

木造外張り断熱の家

1. 概要:

– 構造:木造2階建て

– 延床面積:120㎡

– 断熱材:高性能グラスウール 200mm

2. 特徴:

– 外壁に通気層を設け、サイディングで仕上げ

– 屋根は金属横葺き仕上げで、軒裏まで断熱材を施工 – 基礎は布基礎方式で、基礎外周部に押出法ポリスチレンフォーム100mmを施工

– 樹脂サッシと低放射複層ガラスを採用

3. 効果: – 年間冷暖房費が従来の約50%に削減 – 夏季の室温上昇を抑制し、冬季の室温低下を緩和

RC造外断熱の家

1. 概要:

– 構造:RC造3階建て

– 延床面積:180㎡

– 断熱材:フェノールフォーム 100mm

2. 特徴:

– 外壁は断熱材の上から透湿防水シートを施工し、金属パネルで仕上げ

– 屋上は断熱材の上に防水層を施し、ウッドデッキを設置 – 基礎も含めて建物全体を断熱材で包み込む

– アルミ樹脂複合サッシと真空ガラスを採用

3. 効果:

– コンクリートの蓄熱性を活かし、室温変動を最小限に抑制

– 夏季の冷房負荷を大幅に削減

パッシブデザインを取り入れた外断熱の家

1. 概要:

– 構造:木造平屋建て

– 延床面積:100㎡

– 断熱材:セルロースファイバー 250mm

2. 特徴:

– 南面に大きな開口部を設け、冬季の日射熱を取り込む

– 軒の出を調整し、夏季の直射日光を遮断

– 屋根に太陽光パネルを設置 – 全館床暖房システムを採用

– 高性能熱交換換気システムを導入

3. 効果:

– 年間のエネルギー消費量がほぼゼロ(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)

– 自然換気と機械換気を組み合わせ、快適な室内環境を実現

リフォームによる外断熱化の事例

1. 概要:

– 既存構造:木造2階建て(築30年)

– 延床面積:110㎡

– 断熱材:押出法ポリスチレンフォーム 100mm

2. 特徴:

– 既存外壁の上から断熱材を施工し、新たな外装材で仕上げ

– 屋根は既存瓦の上から断熱材を施工し、金属屋根に葺き替え

– 窓をすべて樹脂サッシに交換 – 床下と小屋裏にも断熱材を追加施工

3. 効果:

– 冷暖房費が約40%削減

– 結露の問題が解消され、カビの発生も抑制

これらの施工例から、外断熱工法が様々な構造や規模の住宅に適用可能であることがわかります。また、新築だけでなく、リフォームによっても外断熱化が可能です。外断熱を採用することで、高い断熱性能と快適な室内環境を実現し、エネルギー消費の大幅な削減が可能となります。

外断熱の家を計画する際は、これらの事例を参考にしつつ、地域の気候条件や生活スタイル、予算などを考慮して、最適な設計を行うことが重要です。また、信頼できる設計者や施工者と協力し、確実な施工を行うことで、外断熱のメリットを最大限に活かすことができます。

外断熱に関するQ&A

外断熱工法について、よくある疑問や質問に対する回答をQ&A形式で詳しく解説します。

外断熱工法は火災やシロアリに弱い?

Q:外断熱に使用される断熱材は燃えやすかったり、シロアリに食べられやすかったりしないのでしょうか?

A:外断熱に使用される断熱材は、難燃性や防虫性能に優れたものが多く使用されています。

1. 火災に対する安全性:発泡プラスチック系断熱材には難燃剤が添加されています。建築基準法で定められた防火性能試験に合格した材料が使用されます。外装材や通気層の適切な設計により、延焼を防ぐ工夫がなされています。

2. シロアリ対策:発泡プラスチック系断熱材はシロアリの餌にはなりません。断熱材の外側に防蟻処理を施すことで、さらなる対策が可能です。定期的な点検と適切なメンテナンスにより、シロアリの被害を防ぐことができます。

適切な施工と材料選択により、火災やシロアリのリスクは十分に低減できます。ただし、地域の気候条件や環境に応じて、追加の対策が必要な場合もあります。

外断熱でバルコニーや土間はつけられる?

Q:外断熱の家にバルコニーや土間を設けることは可能ですか?

A:バルコニーや土間を設ける場合は、断熱材の施工方法や構造的な配慮が必要になりますが、適切な設計により実現可能です。

1. バルコニーの場合:

– キャンチレバー工法:構造体から突き出す形でバルコニーを設置し、断熱の連続性を保ちます。

– 独立基礎工法:バルコニーを別構造として設置し、建物本体との熱橋を最小限に抑えます。

– 断熱材の選択:耐圧性の高い断熱材を使用し、荷重に耐えられるようにします。

2. 土間の場合:

– 基礎断熱工法:基礎の外側に断熱材を施工し、土間部分も含めて断熱します。

– 土間下断熱工法:土間コンクリートの下に断熱材を敷設します。

– 防湿対策:適切な防湿シートを使用し、地中からの湿気を遮断します。

これらの設計や施工には専門的な知識が必要となるため、経験豊富な設計者や施工者と相談しながら計画を進めることが重要です。

床下はどうやって断熱するの?

Q:外断熱の家で、床下の断熱はどのように行うのでしょうか?

A:床下の断熱方法は、主に基礎断熱と床断熱の2種類があります。外断熱の考え方に基づくと、基礎断熱が一般的です。

1. 基礎断熱:基礎の外側に断熱材を施工します。床下空間も含めた建物全体を断熱します。

– メリット:床下配管の凍結防止、床下空間の温度管理が容易。

– 施工方法:基礎型枠の外側に断熱材を設置し、コンクリート打設後も残します。

2. 床断熱:床下と居室の間に断熱材を施工します。外断熱の考え方とは異なりますが、状況によっては採用されることもあります。

– メリット:既存住宅のリフォームに適用しやすい。

– 施工方法:床下に断熱材を敷き詰めるか、根太間に充填します。

どちらの方法を選択するかは、建物の構造や地域の気候条件、コストなどを考慮して決定します。寒冷地では基礎断熱が推奨されることが多いです。

特別なメンテナンスは必要?

Q:外断熱の家は、特別なメンテナンスが必要になりますか?

A:外断熱自体に特別なメンテナンスは必要ありませんが、一般的な住宅メンテナンスは定期的に行う必要があります。

1. 外壁のメンテナンス:

– 定期的な点検:亀裂や剥がれがないか確認します。

– 清掃:外壁の汚れを定期的に洗浄します。

– 塗装:必要に応じて再塗装を行います(通常5〜10年おき)。

2. 屋根のメンテナンス:

– 雨漏りチェック:天井のシミや雨漏りの兆候がないか確認します。

– 排水溝の清掃:落ち葉や砂などを定期的に除去します。

3. 通気層の点検:

– 通気口の清掃:虫や埃が詰まっていないか確認します。

– 小動物の侵入防止:必要に応じて防虫網を設置します。

4. 窓のメンテナンス:

– シーリングの点検:劣化や亀裂がないか確認します。

– 結露対策:結露が発生していないか確認し、必要に応じて換気を行います。

これらのメンテナンスは、外断熱に限らずすべての住宅で必要なものです。定期的なメンテナンスを行うことで、外断熱の性能を長期間維持し、快適な住環境を保つことができます。また、早期に問題を発見することで、大規模な修繕を防ぐことができます。

まとめ

外断熱工法は、高い断熱性能と結露防止など、多くのメリットを持つ優れた工法です。一方で、コストの増加や施工時の注意点など、デメリットもあります。家づくりを検討する際は、自身のライフスタイルや予算、地域の気候条件などを考慮し、専門家とよく相談しながら最適な選択をすることが大切です。外断熱の特徴を理解し、快適で省エネな住まいづくりに活かしてください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

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    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

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