角地の特徴や注意点、法律や税金、角地を有効活用した住宅例を解説
家づくりの基本
2024/10/03
2024/10/03
注文住宅の建築や土地選びをする際、角地という選択肢に出会うことがあります。角地は一般的な敷地と比べてメリットもデメリットもある特殊な土地です。この記事では、角地の特徴や建ぺい率緩和などのメリット・デメリット、注意点について詳しく解説します。角地に家を建てることを検討している方や、角地の特性について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
角地(かどち)とは
角地とは、2つ以上の道路に面した土地のことを指します。一般的には、区画の角に位置し、2つの道路が交差する場所にある敷地のことを言います。角地は通常の敷地と比べて特殊な条件下にあり、メリットとデメリットの両方を持ち合わせています。
角地のメリット
角地には、一般の敷地にはない特別なメリットがいくつかあります。ここでは、角地のメリットについて詳しく解説していきましょう。
日当たりがよく、開放的
角地の最大の魅力は、日当たりの良さと開放感です。2つの道路に面しているため、建物の周りに十分な空間が確保できます。これにより、以下のような利点があります。
1. 採光が良好:2方向から光を取り入れられるため、室内が明るくなります。
2. 通風性が高い:風の通り道ができやすく、自然換気がしやすくなります。
3. 開放感:隣家との距離が確保できるため、圧迫感が少なく、伸びやかな空間を作りやすくなります。
4. プライバシーの確保:隣家との距離があるため、互いのプライバシーを保ちやすくなります。
設計時の自由度が高い
角地は2方向から出入りができるため、間取りや外観デザインの自由度が高くなります。具体的には以下のような利点があります。
1. 玄関の位置選択:メイン通りに面した正面玄関と、裏通りに面したサブ玄関を設けるなど、複数の出入り口を設置できます。
2. 駐車場の配置:2方向からアプローチできるため、駐車場の位置や形状を柔軟に決められます。
3. 窓の配置:2方向に面しているため、より多くの窓を設置でき、採光や眺望を最大限に活かせます。
4. ユニークな外観デザイン:角地の特性を活かした三角形や変形の建物など、個性的な外観デザインが可能です。
資産価値が下がりにくい
角地は一般的に資産価値が高く、時間が経っても価値が下がりにくい傾向があります。これには以下のような理由があります。
1. 希少性:角地は数が限られているため、希少価値があります。
2. 立地条件の良さ:角地は見通しが良く、アクセスも容易なため、立地条件が優れています。
3. 再開発のポテンシャル:将来的に商業施設や集合住宅などへの転用の可能性があり、開発ポテンシャルが高いと見なされることがあります。
4. 視認性の高さ:角地は目立つ場所にあるため、商業利用の際には大きなメリットとなります。
建ぺい率の緩和
角地には建ぺい率の緩和措置があり、一般の敷地よりも広い建物を建てられる可能性があります。
1. 一般的に指定建ぺい率に10%を加えた数値まで緩和されます。
2. 例えば、指定建ぺい率が50%の地域であれば、角地では60%まで建ぺい率が緩和されます。
3. これにより、より広い延床面積の建物を建てることができ、住宅の設計の幅が広がります。
複数のアプローチが可能
2つの道路に面していることで、複数のアプローチが可能になります。
1. 来客用と家族用で別々の出入り口を設けることができます。
2. 店舗併用住宅の場合、店舗用と住居用の出入り口を分けられます。
3. 緊急時の避難経路として、2方向の出口を確保できます。
これらのメリットを活かすことで、角地ならではの魅力的な住まいづくりが可能になります。ただし、角地にはデメリットもあるため、総合的に判断して土地選びをすることが大切です。専門家のアドバイスも参考にしながら、自分に合った最適な選択をしてください。
角地のデメリット
角地には魅力的なメリットがある一方で、いくつかの重要なデメリットも存在します。ここでは、角地のデメリットについて詳しく解説していきます。
土地の価格が高い
角地は一般的に価格が高くなる傾向があります。これには以下のような理由があります。
1. 希少性:角地は数が限られているため、需要に対して供給が少なくなります。
2. 立地条件の良さ:見通しが良く、アクセスが容易なため、プレミアムが付きやすくなります。
3. 建ぺい率緩和のメリット:建ぺい率緩和により広い建物が建てられる可能性があるため、その分が価格に反映されることがあります。
4. 開発ポテンシャル:将来的な土地利用の可能性が高く評価され、価格に影響することがあります。
道路斜線制限の影響を受ける
角地は2つの道路に面しているため、道路斜線制限の影響を2方向から受けることになります。
1. 建物の高さや形状に制限がかかる可能性が高くなります。
2. 特に狭い道路に面している場合、建物の上層階の面積が制限されることがあります。
3. 2方向からの制限により、建物のデザインに制約が生じる可能性があります。
外構工事のコストアップ
角地は2方向に道路面があるため、外構工事の範囲が広くなります。
1. フェンスや塀の設置範囲が広くなり、材料費や工事費が増加します。
2. 植栽や舗装など、美観を整える範囲も広くなるため、コストが上がります。
3. 2方向からのアプローチを考慮した外構設計が必要となり、計画が複雑になる可能性があります。
建物の暑さ対策が必要
角地は日当たりが良い反面、夏場は日差しを受ける面積が大きくなるため、室内が暑くなりやすい傾向があります。
1. 2方向から直射日光を受けるため、室温が上がりやすくなります。
2. 適切な断熱材の使用や日よけの設置など、追加の暑さ対策が必要になることがあります。
3. エアコンの使用頻度が高くなる可能性があり、電気代の増加につながることもあります。
道路の騒音や排ガスが気になることも
角地は2つの道路に面しているため、交通量によっては騒音や排ガスの影響を受けやすくなります。
1. 特に交差点に近い角地では、車の加速音や信号待ちの騒音が気になる場合があります。
2. 交通量の多い道路に面している場合、排ガスや粉塵の影響を受けやすくなります。
3. プライバシーの確保が難しくなる可能性があり、室内が外から見えやすくなることもあります。
防犯面での懸念
角地は2方向が道路に面しているため、防犯面で注意が必要です。
1. 侵入経路が増えるため、セキュリティ対策により多くの注意を払う必要があります。
2. 道路からの視線が気になり、カーテンを閉めがちになるなど、開放感を活かしきれない可能性があります。
3. 防犯カメラやセンサーライトなど、追加の設備投資が必要になることがあります。
固定資産税が高くなる可能性
角地は評価額が高くなる傾向があるため、固定資産税も高くなる可能性があります。
1. 土地の評価額が高くなることで、毎年の固定資産税負担が増える可能性があります。
2. 建ぺい率緩和により広い建物を建てた場合、建物分の固定資産税も高くなる可能性があります。
これらのデメリットは、角地選びの際に慎重に検討すべき点です。ただし、適切な対策や工夫によって、多くのデメリットは軽減できる可能性があります。角地のメリットとデメリットを総合的に判断し、自分のライフスタイルや予算に合っているかを見極めることが大切です。専門家のアドバイスも参考にしながら、最適な選択をしてください。
角地に関する法律や税金について
角地に関しては、一般の敷地とは異なる法規制や税制が適用される場合があります。ここでは、角地に関連する法律や税金について詳しく解説していきます。
道路斜線制限の2道路緩和
角地の場合、2つの道路に面しているため、道路斜線制限が2方向からかかります。しかし、建築基準法では「2道路緩和」という規定があります。
1. 2道路緩和とは、角地において一定の条件を満たせば、一方の道路斜線制限を緩和できる制度です。
2. 具体的には、2つの道路のうち、幅員の狭い方の道路斜線制限を適用除外にできます。
3. この緩和措置により、建物の設計の自由度が高まり、より効率的な空間利用が可能になります。
4. ただし、適用には一定の条件があり、自治体によって運用が異なる場合もあるため、事前に確認が必要です。
建ぺい率の角地緩和
角地には建ぺい率の緩和措置があります。これは、角地の特性を活かした建築を促進するための制度です。
1. 通常、角地では指定建ぺい率に10%を加えた数値まで建ぺい率を緩和することができます。
2. 例えば、指定建ぺい率が50%の地域であれば、角地では60%まで建ぺい率が緩和されます。
3. この緩和措置により、より広い建物を建てることが可能になります。
4. ただし、自治体によっては独自の緩和基準を設けている場合もあるため、必ず確認が必要です。
容積率への影響
角地の場合、容積率に直接的な緩和措置はありませんが、間接的に影響を受ける場合があります。
1. 建ぺい率の緩和により、結果的に建物の床面積を増やすことができる可能性があります。
2. 2つの道路に面していることで、前面道路幅員による容積率制限の影響を受けにくくなる場合があります。
3. ただし、容積率の上限は変わらないため、建ぺい率緩和と合わせて、建物の階数や形状を工夫する必要があります。
隅切りに注意
角地では、交差点の見通しを確保するために「隅切り」が必要になることがあります。
1. 隅切りとは、角地の一部を斜めに切り取る形状のことです。
2. 隅切りの部分は公道として扱われ、建築物を建てることはできません。
3. 隅切りの有無や範囲は、自治体の条例によって異なります。
4. 隅切りが必要な場合、実際に使える敷地面積が減少するため、建築計画に影響を与える可能性があります。
角地の固定資産税
角地の固定資産税については、基本的な計算方法は一般の敷地と変わりませんが、いくつかの点で影響を受ける可能性があります。
1. 角地は評価額が高くなる傾向があるため、結果として固定資産税も高くなる可能性があります。
2. 隅切りがある場合、その部分は課税対象外となるため、課税面積が減少することがあります。
3. 建ぺい率緩和により広い建物を建てた場合、建物分の固定資産税も高くなる可能性があります。
4. 一方で、角地の評価においては「角地補正」という制度があり、場合によっては評価額が下がることもあります。
その他の法規制
角地に関しては、以下のような法規制にも注意が必要です。
1. 用途地域:角地が2つの異なる用途地域にまたがる場合、建築可能な用途に制限がかかることがあります。
2. 日影規制:2方向に道路が面しているため、日影規制の影響を受けやすくなる場合があります。
3. 防火地域:角地が防火地域にある場合、建物の構造や使用材料に制限がかかることがあります。
角地に関する法律や税金は複雑で、自治体によっても運用が異なる場合があります。そのため、具体的な計画を立てる際は、必ず地元の建築指導課や税務課に確認し、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。適切な知識と対策により、角地の特性を最大限に活かした建築計画を立てることができるでしょう。
角地を選ぶ際の注意点
角地は魅力的な特性を持つ一方で、選択する際には慎重な検討が必要です。ここでは、角地を選ぶ際の重要な注意点について詳しく解説していきます。
方角による注意点
角地を選ぶ際は、敷地の方角が重要な要素となります。
1. 南東角地や南西角地:一般的に日当たりが良好で人気が高いですが、これらの点に注意が必要です。南西角地は西日が強く、夏場の暑さ対策が特に重要になります。日当たりの良さゆえに、プライバシーの確保に工夫が必要な場合があります。
2. 北東角地や北西角地:日当たりが比較的悪くなる可能性があります。冬場の寒さ対策や結露対策が重要になります。南側に建物を建てる場合、日影規制の影響を受けやすくなります。
3. 道路の向き:交通量の多い道路と住宅街の道路のどちらに面しているかも重要です。主要道路に面している場合、騒音や排気ガスの影響を考慮する必要があります。住宅街の道路に面している場合、比較的静かな環境を確保しやすくなります。
間取り・レイアウトのポイント
角地の家を設計する際は、以下のポイントに注意が必要です。
1. プライバシーの確保:リビングや寝室を道路から離れた位置に配置することを検討します。窓の位置や大きさ、目隠しの方法を工夫します。
2. 騒音対策:寝室やリビングなど、静かさが求められる部屋は交通量の少ない道路側に配置します。必要に応じて二重窓や防音壁の設置を検討します。
3. 2方向からのアプローチの活用:メインの玄関とは別に、庭や駐車場からアクセスできるサブエントランスの設置を検討します。宅配ボックスの設置位置なども考慮します。
4. 日照の活用:南面や東面に主要な居住空間を配置し、北面に水回りや収納スペースを設けるなど、日照を考慮したレイアウトを検討します。
防犯とプライバシーに配慮した外構のポイント
角地は2方向が道路に面しているため、防犯対策とプライバシー保護が特に重要です。
1. フェンスや塀の設置:適切な高さのフェンスや生垣を設置し、視線を遮りながらも圧迫感を与えないデザインを心がけます。透過性のある素材を使用することで、防犯性と開放感のバランスを取ることができます。
2. 植栽の活用:常緑樹や低木を効果的に配置することで、自然な目隠しを作ることができます。季節の変化を楽しめる植栽計画も検討しましょう。
3. 照明設備:センサーライトを適切に配置することで、防犯効果を高めることができます。夜間のライトアップにより、美観と安全性を両立させることができます。
4. セキュリティシステム:防犯カメラやインターホンなど、適切なセキュリティ設備の設置を検討します。2方向からのアプローチを考慮したセキュリティ計画が必要です。
周辺環境の確認
角地を選ぶ際は、周辺環境についても十分な調査が必要です。
1. 交通量:朝夕の通勤時間帯や休日など、様々な時間帯の交通量を確認します。将来的な道路拡張計画などがないか、自治体に確認することも重要です。
2. 日影の影響:隣接する建物や今後建設される可能性のある建物による日影の影響を考慮します。特に北側に高い建物がある場合は注意が必要です。
3. 周辺の開発計画:近隣に大規模な開発計画がないか確認します。将来的な環境の変化が予想される場合は、そのメリット・デメリットを考慮します。
4. 生活利便施設:スーパーや病院、学校などの生活に必要な施設へのアクセスを確認します。公共交通機関の利便性も重要なポイントです。
法規制の確認
角地特有の法規制や条件について、必ず事前に確認しましょう。
1. 建ぺい率・容積率:角地緩和が適用されるかどうか、具体的な数値を確認します。自治体によって運用が異なる場合があるため、必ず直接確認することが重要です。
2. 道路斜線制限:2道路緩和が適用されるかどうか、その条件を確認します。建物の高さや形状にどのような制限がかかるか、具体的にシミュレーションすることをおすすめします。
3. 隅切り:隅切りの必要性や範囲について、自治体の条例を確認します。隅切りがある場合、実際に使用できる敷地面積がどの程度減少するか計算します。
4. その他の地域規制:用途地域、防火地域、景観条例など、その他の地域特有の規制についても確認が必要です。
角地を選ぶ際は、これらの注意点を十分に考慮し、メリットとデメリットを慎重に比較検討することが大切です。また、専門家のアドバイスを受けることで、見落としがちな点にも気づくことができるでしょう。角地の特性を理解し、適切な対策を講じることで、魅力的で快適な住まいを実現することができます。
角地をうまく活用した住まいの例を紹介
角地の特性を活かした住宅設計には、様々な工夫やアイデアが凝らされています。ここでは、角地をうまく活用した住まいの具体例をいくつか紹介し、それぞれの特徴や工夫点について詳しく解説していきます。
コーナーガーデンハウス
角地の2方向の道路面を活かし、L字型の建物配置と庭を組み合わせた住宅です。
特徴:
– L字型の建物が角地を囲むように配置され、中央に庭を設けています。
– 建物の外側は閉鎖的にし、内側(庭側)に大きな開口部を設けることで、プライバシーを確保しつつ開放感のある空間を実現しています。
– 2つの道路からそれぞれアプローチを設け、メインエントランスと駐車場アクセスを分けています。
– 庭を中心に各部屋が配置されているため、自然光が室内に十分に取り込めます。
3方向開口の2階リビングハウス
角地の開放感を最大限に活かし、2階にリビングを配置した住宅です。
特徴:
– 1階に寝室やプライベート空間を配置し、2階に開放的なリビング・ダイニング・キッチンを設けています。
– 2階リビングは3方向に大きな開口部を設け、角地ならではの眺望と採光を楽しめます。
– 1階部分は比較的閉鎖的な設計とし、プライバシーと防犯性を確保しています。
– 屋上テラスを設け、さらなる開放感と屋外空間を確保しています。
ダブルアクセス・分離型二世帯住宅
角地の2方向アクセスを活かし、二世帯住宅を実現した例です。
特徴:
– 2つの道路からそれぞれ独立したアプローチを設け、各世帯の出入りを完全に分離しています。
– 建物は一体型ですが、内部で明確に空間を分け、プライバシーを確保しています。
– 共用部分(例:中庭やテラス)を設けることで、必要に応じて家族が交流できる空間も確保しています。
– 各世帯の玄関や駐車スペースが別々の道路に面することで、独立性が高まっています。
コーナーショップ併用住宅
角地の視認性の高さを活かし、1階に店舗、2・3階に住居を配置した住宅です。
特徴:
– 1階の角部分に店舗スペースを配置し、大きなガラス面で開放的な印象を与えています。
– 店舗と住居の出入口を別々の道路に面して設けることで、プライバシーと機能性を両立しています。
– 2・3階の住居部分は、通りから少し後退させて配置し、プライバシーを確保しています。
– 屋上や2階部分にテラスを設け、住居としての快適性も確保しています。
中庭を中心とした回遊型住宅
角地の広さを活かし、中庭を中心に部屋を配置した回遊性のある住宅です。
特徴:
– 中央に中庭を配置し、その周りに各部屋を円形に配置しています。
– 2つの道路に面した部分は比較的閉鎖的な設計とし、内側(中庭側)に開口部を設けています。
– 廊下を介さず部屋から部屋へ移動できる回遊性のある間取りになっています。
– 中庭を通して自然光が各部屋に行き渡り、開放感のある空間を生み出しています。
スキップフロアを活用した立体的住宅
角地の高低差を活かし、スキップフロアを取り入れた立体的な住宅です。
特徴:
– 地形の高低差を利用し、半階ずつずらしたスキップフロアを採用しています。
– 各フロアから異なる角度で外の景色を楽しむことができます。
– 階段を中心に空間が立体的につながり、開放感のある内部空間を実現しています。
– 外観も立体的で個性的なデザインとなり、角地の特性を視覚的にも活かしています。
インナーガレージ付きコンパクトハウス
角地の2方向アクセスを活かし、インナーガレージを効率的に配置した住宅です。
特徴:
– 一方の道路からインナーガレージへ直接アクセスできる動線を確保しています。
– もう一方の道路に面して玄関を設け、人と車の動線を分離しています。
– インナーガレージの上部を有効活用し、2階にリビングスペースを配置しています。
– コンパクトな敷地でも駐車スペースと十分な居住空間を両立させています。
これらの例は、角地の特性を最大限に活かしながら、それぞれの生活スタイルや要望に合わせた工夫が施されています。角地での家づくりを検討する際は、これらの例を参考にしつつ、自分たちの理想の住まいをイメージしてみるとよいでしょう。専門家のアドバイスを受けながら、角地ならではの魅力を最大限に引き出す住宅設計を目指してください。
よくある質問(Q&A)
角地に関しては、多くの方が様々な疑問を抱いています。ここでは、よくある質問とその回答を詳しく解説していきます。
Q1: 角地は必ず建ぺい率が緩和されますか?
A1: 角地の建ぺい率緩和は自動的に適用されるものではありません。適用には一定の条件があり、自治体によって運用が異なる場合もあります。
– 一般的に、2つの道路に接する角地で、それぞれの道路の幅員が一定以上(多くの場合4m以上)である場合に緩和措置が適用されます。
– 緩和の程度は通常、指定建ぺい率に10%を加えた数値までですが、自治体によっては独自の基準を設けている場合もあります。
– 適用の可否や具体的な緩和率については、必ず各自治体の建築指導課などの関係部署に確認することをおすすめします。
Q2: 角地は一般の敷地と比べて固定資産税が高くなりますか?
A2: 角地だからといって、自動的に固定資産税が高くなるわけではありません。ただし、角地は一般的に評価額が高くなる傾向があるため、結果として固定資産税も高くなる可能性があります。
– 固定資産税は、土地や建物の評価額に基づいて計算されます。
– 角地は立地条件が良いとされるため、評価額が高くなる傾向があります。
– 一方で、角地の評価においては「角地補正」という制度があり、場合によっては評価額が下がることもあります。
– 具体的な税額については、個々の物件の評価額や地域の状況によって異なるため、一概に高いとは言えません。
Q3: 角地の隅切りは必ず必要ですか?
A3: 隅切りの必要性は、道路の幅員や交差角度、自治体の条例などによって異なります。一般的に、交通安全上の理由から隅切りが求められることが多いですが、必ずしもすべての角地で必要というわけではありません。
– 隅切りの目的は、交差点での見通しを確保し、交通の安全性を高めることです。
– 多くの自治体では、道路の幅員や交差角度に応じて隅切りの基準を定めています。
– 例えば、幅員4m未満の道路が交差する場合や、交差角度が60度未満の場合などに隅切りが必要となることが多いです。
– 具体的な要件については、各自治体の建築指導課や道路管理課に確認するのが確実です。
Q4: 角地は日当たりが良いと聞きますが、本当ですか?
A4: 一般的に、角地は日当たりが良いとされています。ただし、これは絶対的なものではなく、角地の向きや周辺環境によって異なります。
– 角地は2方向が道路に面しているため、隣家の影響を受けにくく、開放的な空間を確保しやすいです。
– 特に南東角地や南西角地は日当たりが良好で人気が高いです。
– ただし、北東角地や北西角地の場合、日当たりが比較的悪くなる可能性があります。
– また、周辺に高層建築物がある場合は、その影響を受ける可能性もあるため、実際の現地確認が重要です。
Q5: 角地は騒音が気になると聞きますが、対策はありますか?
A5: 角地は2方向が道路に面しているため、一般の敷地に比べて騒音の影響を受けやすい傾向があります。しかし、適切な対策を講じることで、騒音問題を軽減することができます。
– 建物の配置:騒音源となる道路から離れた位置に寝室などの静かさが求められる部屋を配置します。
– 窓の対策:二重窓や防音ガラスの使用、適切な気密性の確保などが効果的です。
– 外構の工夫:生垣や防音壁の設置、適切な植栽の配置なども騒音軽減に役立ちます。
– 建物の構造:重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造など、堅牢な構造を選択することで遮音性を高めることができます。
Q6: 角地は防犯面で不安があると聞きますが、対策はありますか?
A6: 角地は2方向が道路に面しているため、一般の敷地に比べて侵入経路が増える可能性があります。しかし、適切な防犯対策を講じることで、安全性を高めることができます。
– 外構の工夫:適切な高さのフェンスや生垣を設置し、侵入しにくい環境を作ります。
– 照明設備:センサーライトや常夜灯を効果的に配置し、暗がりをなくします。
– 防犯カメラ:要所に防犯カメラを設置し、抑止効果と証拠確保に役立てます。
– 防犯ガラス:窓やドアに防犯性の高いガラスや鍵を使用します。
– コミュニティ:近隣との良好な関係を築き、互いに見守り合う環境を作ります。
Q7: 角地の場合、どちらの道路を前面道路と考えればいいですか?
A7: 角地の場合、一般的には幅員の広い方の道路を前面道路と考えます。ただし、建築基準法上の扱いは状況によって異なる場合があります。
– 容積率の計算:幅員の広い方の道路を基準に計算されることが多いです。
– 建築線の指定:自治体によっては、両方の道路に対して建築線が指定される場合があります。
– 出入り口の設置:利便性や安全性を考慮し、交通量の少ない方の道路に設けることが多いです。
– 具体的な扱いについては、建築計画の内容や地域の規制によって異なるため、建築士や行政に確認することをおすすめします。
これらの質問と回答は、角地に関する一般的な疑問に対応したものです。実際の状況は個々の物件や地域によって異なる場合があるため、具体的な計画を立てる際は、必ず専門家や行政機関に相談し、正確な情報を得ることが重要です。角地の特性を理解し、適切な対策を講じることで、魅力的で快適な住まいを実現することができるでしょう。
まとめ
角地は、日当たりの良さや開放感、設計の自由度の高さなど、多くのメリットを持つ魅力的な土地です。一方で、価格の高さや外構工事のコストアップ、騒音や日射の問題など、デメリットもあります。角地を選ぶ際は、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、自分のライフスタイルや予算に合っているかを慎重に検討することが大切です。
また、角地特有の法規制や緩和措置についても理解を深め、適切に活用することで、より魅力的な住まいづくりが可能になります。方角や間取り、外構計画にも十分な注意を払い、角地の特性を最大限に活かした住宅設計を心がけましょう。
角地での家づくりは、一般の敷地とは異なる配慮が必要ですが、その分だけユニークで魅力的な住まいを実現できる可能性を秘めています。専門家のアドバイスも積極的に取り入れながら、理想の角地住宅を実現してください。
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