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水害に遭わない注文住宅を建てるときの工夫や対策について解説

家づくりの基本

2024/10/09

2024/10/09

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

水害に遭わない注文住宅を建てるときの工夫や対策について解説

近年、気候変動の影響で大規模な水害が増加しています。注文住宅を建てる際には、水害対策を十分に考慮することが重要です。本記事では、水害に遭わない住宅づくりのポイントを、土地選びから建築時の工夫、被災後の対応まで詳しく解説します。安全で快適な暮らしを実現するための参考にしてください。

水害とは

水害とは、豪雨や台風、河川の氾濫などによって引き起こされる災害のことを指します。具体的には、河川の増水による洪水、内水氾濫による浸水、土砂災害などが挙げられます。近年の気候変動の影響で、これまで経験したことのないような大規模な水害が発生するリスクが高まっています。そのため、住宅を建てる際には水害対策を十分に考慮することが重要です。

水害に遭わない家にするために、土地を探すときにできる対策

水害リスクを軽減するためには、適切な土地選びが非常に重要です。以下に、土地を探す際に注意すべきポイントと具体的な対策を詳しく解説します。

ハザードマップの確認

ハザードマップは、水害リスクを判断する上で最も重要な資料の一つです。以下の点に注意して確認しましょう。

・浸水想定区域:河川氾濫時の浸水深が色分けで示されています。浸水深が低い、もしくは浸水想定区域外の土地を選ぶことが望ましいです。

・土砂災害警戒区域:土砂災害の危険性が高い区域が示されています。これらの区域は避けるべきです。

・洪水到達時間:河川が氾濫してから浸水するまでの時間が分かります。時間に余裕がある地域のほうが、避難の面で有利です。

土地の高さと周辺環境の確認

実際に現地を訪れ、以下のポイントを確認することが大切です。

・周辺との高低差:周囲よりも高い土地であれば、浸水リスクは低くなります。逆に窪地になっている場合は要注意です。

・近隣の河川や水路:大きな河川や複数の水路が近くにある場合、氾濫や内水氾濫のリスクが高まります。

・土地の形状:長方形や正方形の整形地が理想的です。不整形地は水はけが悪くなる可能性があります。

・傾斜地の有無:急傾斜地に近い場合、土砂災害のリスクが高まります。緩やかな傾斜地であれば水はけが良好な場合もあります。

過去の浸水履歴の調査

地域の水害の歴史を知ることも重要です。以下の方法で情報を集めましょう。

・自治体への問い合わせ:防災課や都市計画課で過去の浸水記録を確認できる場合があります。

・地元住民への聞き込み:長年その地域に住んでいる方々から、貴重な情報が得られることがあります。

・不動産業者への確認:信頼できる不動産業者であれば、過去の水害情報を開示してくれるはずです。

地盤の状況確認

水害対策の観点からも、地盤の状況は重要です。

・地盤調査の実施:軟弱地盤や液状化の可能性がある場合、水害時に建物が傾くリスクがあります。

・地下水位の確認:地下水位が高い地域は、大雨時に地下室や基礎部分に水が浸入しやすくなります。

インフラ整備状況の確認

地域の排水設備も重要な判断材料です。

・下水道の整備状況:下水道が整備されていない地域は、内水氾濫のリスクが高くなります。

・ポンプ場の有無:大規模な排水ポンプ場が近くにある場合、浸水リスクは低くなります。

将来の開発計画の調査

地域の将来計画も考慮に入れましょう。

・都市計画の確認:大規模な宅地開発や道路建設が予定されている場合、周辺の水はけが変わる可能性があります。

・河川改修計画の有無:近隣河川の改修計画がある場合、将来的に浸水リスクが低下する可能性があります。

以上のポイントを総合的に判断し、水害リスクの低い土地を選ぶことが、安全な住まいづくりの第一歩となります。ただし、完全に水害リスクをゼロにすることは難しいため、土地選びと併せて、家屋の構造や設備面での対策も検討することが大切です。

水害リスクに備える家づくりの工夫

水害リスクに備えた家づくりには、様々な工夫が必要です。ここでは、建築時に考慮すべき具体的な対策について詳しく解説します。

高床式住宅の採用

高床式住宅は、浸水被害を軽減する効果的な方法の一つです。

・ピロティ構造:1階部分を駐車場やテラスとして活用し、居住空間を2階以上に設ける方法です。浸水時でも生活空間を守ることができます。

・基礎の嵩上げ:通常の住宅でも、基礎を周辺よりも高くすることで浸水リスクを軽減できます。ハザードマップの浸水想定深を参考に、適切な高さを決定しましょう。

・スキップフロア:1階の一部を高くする設計も有効です。浸水時に避難スペースとして活用できます。

耐水性の高い建材の使用

浸水時の被害を最小限に抑えるため、耐水性の高い建材を選択することが重要です。

・外壁:ALC(軽量気泡コンクリート)や乾式外壁材など、耐水性の高い材料を選びましょう。

・基礎:防水コンクリートを使用し、さらに表面に防水塗装を施すことで耐水性が向上します。

・内装材:1階の内装には、水に強い建材を使用しましょう。例えば、石膏ボードの代わりに耐水ボードを使用したり、フローリングは耐水性の高いものを選んだりします。

・断熱材:浸水しても性能が低下しにくい断熱材(押出法ポリスチレンフォームなど)を選択しましょう。

電気設備の配置

電気設備の適切な配置は、浸水時の安全確保と早期復旧に重要です。

・分電盤:2階以上の高い位置に設置することが理想的です。1階に設置する場合は、想定浸水深よりも高い位置に取り付けましょう。

・コンセント:1階のコンセントは床から50cm以上の高さに設置することが推奨されます。

・配線:1階の配線は天井裏を通すなど、高い位置での配線を心がけましょう。

・家電製品:テレビやエアコンの室外機なども、できるだけ高い位置に設置しましょう。

水の侵入を防ぐ工夫

開口部からの水の侵入を防ぐ対策も重要です。

・防水扉:玄関ドアに防水機能を持たせることで、浸水を防ぎます。

・水密サッシ:通常のサッシよりも気密性の高い水密サッシを採用することで、開口部からの浸水を軽減できます。

・防水板の取付け部:玄関や窓の周りに防水板を取り付けられるよう、あらかじめ溝を設けておくのも有効です。

排水設備の強化

浸水時の排水能力を高めることも重要な対策です。

・排水ポンプの設置:地下室や1階に自動起動の排水ポンプを設置することで、浸水時の排水を助けます。

・逆流防止弁の設置:下水からの逆流を防ぐため、排水管に逆流防止弁を設置しましょう。

・雨水貯留施設:大雨時の排水負荷を軽減するため、雨水貯留タンクの設置も検討しましょう。

構造体の強化

水害時の構造的な被害を軽減するための対策も必要です。

・基礎の補強:ベタ基礎や深い基礎を採用することで、浸水時の浮力に対する抵抗力を高めます。

・耐震性の確保:水害と地震は同時に発生する可能性もあるため、十分な耐震性を確保することも重要です。

・筋交いの強化:1階部分の筋交いを通常よりも多く入れることで、水流に対する抵抗力を高めます。

以上の対策を、予算と優先順位を考慮しながら適切に組み合わせることで、水害に強い住宅を実現できます。ただし、これらの対策を施しても完全に安全というわけではありません。日頃からの防災意識と避難計画の準備も忘れずに行いましょう。

水害から暮らしを守る工夫

水害から暮らしを守るためには、日常生活の中でも様々な工夫が必要です。ここでは、居住者が行うべき具体的な対策と心構えについて詳しく解説します。

非常用品の準備と保管

災害時に必要な物資を事前に準備し、適切に保管することが重要です。

・非常食と飲料水:最低3日分、できれば1週間分を用意しましょう。定期的に消費期限をチェックし、ローリングストック法を活用するのがおすすめです。

・防災グッズ:懐中電灯、携帯ラジオ、予備の電池、モバイルバッテリー、救急用品などを準備しましょう。

・貴重品:現金、印鑑、保険証など重要な書類は防水ケースに入れ、すぐに持ち出せる場所に保管しましょう。

・保管場所:これらの非常用品は2階以上の浸水しにくい場所に保管し、家族全員がその場所を把握しておくことが大切です。

排水設備の定期点検

日頃からの排水設備のメンテナンスが、水害時の被害軽減につながります。

・雨どい:定期的に落ち葉や泥を除去し、雨水がスムーズに流れるようにしましょう。

・排水溝:庭や玄関周りの排水溝も定期的に清掃し、詰まりを防ぎましょう。

・ポンプ:排水ポンプを設置している場合は、定期的に作動確認を行いましょう。

・点検時期:特に台風シーズン前には必ず点検を行い、不具合があれば早めに修理しましょう。

避難経路の確認

いざという時のために、避難経路と避難場所を事前に確認しておくことが重要です。

・避難場所の確認:自治体が指定する避難場所を確認し、実際に家族で歩いてみましょう。

・複数の経路:主要な避難経路が使えない場合を想定し、複数の経路を確保しておきましょう。

・避難のタイミング:警報や避難情報が出たら速やかに避難する習慣をつけましょう。暗くなってからの避難は危険です。

・避難訓練:地域の防災訓練に積極的に参加し、実践的な避難方法を身につけましょう。

情報収集手段の確保

災害時に正確な情報を得ることは、適切な行動をとるために不可欠です。

・防災アプリ:自治体や気象庁が提供する防災アプリをスマートフォンにインストールしておきましょう。

・防災行政無線:自宅で聞こえるか確認し、聞こえにくい場合は自治体に相談しましょう。

・ラジオ:停電時でも使える電池式のラジオを用意しておきましょう。

・ご近所付き合い:日頃から近隣住民とコミュニケーションを取り、互いに声を掛け合える関係を築いておくことも重要です。

家財の保護

浸水被害を最小限に抑えるため、家財の配置や保管方法を工夫しましょう。

・家具の配置:できるだけ2階以上に配置し、1階に置く場合は高い位置に設置しましょう。

・電化製品:テレビや冷蔵庫などの大型家電は、台や足を使って少しでも高く設置しましょう。

・貴重品:写真アルバムや思い出の品は、防水性の高い容器に入れて保管しましょう。

・防水対策:重要書類や電子機器は防水バッグに入れ、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。

保険加入の検討

経済的な備えとして、水害保険への加入を検討しましょう。

・火災保険の確認:一般的な火災保険でも水害補償がついているか確認しましょう。

・水害補償の範囲:保険の補償内容や限度額をよく確認し、必要に応じて見直しましょう。

・地震保険:水害と地震が同時に発生する可能性も考慮し、地震保険の加入も検討しましょう。

日頃の心構え

水害に備える上で、日頃からの心構えも重要です。

・気象情報への注意:日々の天気予報や警報に注意を払う習慣をつけましょう。

・早め早めの行動:危険を感じたら、迷わず早めの避難を心がけましょう。

・家族会議:定期的に家族で防災について話し合い、それぞれの役割を確認しておきましょう。

以上の対策を日常生活に取り入れることで、水害への備えを強化できます。ただし、これらの対策を過信せず、常に最新の情報に基づいて行動することが大切です。水害は予測不可能な面もあるため、柔軟な対応ができるよう心がけましょう。

住宅への被害を最小限に抑えるための工夫

水害が発生した際、住宅への被害を完全に防ぐことは難しいですが、適切な対策を講じることで被害を最小限に抑えることができます。ここでは、具体的な工夫と対策について詳しく解説します。

防水板の設置

防水板は、開口部からの浸水を防ぐ効果的な対策です。

・種類:固定式、着脱式、自動式などがあり、住宅の構造や生活スタイルに合わせて選択できます。

・設置場所:玄関ドア、窓、ガレージなど、浸水の可能性がある開口部全てに設置することが理想的です。

・高さ:想定される浸水深に応じて、適切な高さの防水板を選びましょう。

・素材:アルミニウムや強化プラスチックなど、軽量で耐久性のある素材を選ぶことが重要です。

土のうの準備

土のうは、簡易的ですが効果的な浸水対策です。

・事前準備:砂袋や吸水性ポリマーを使用した水害対策用の土のうを用意しておきましょう。

・配置場所:玄関や窓の周り、ガレージの入り口など、水が侵入しやすい場所に配置します。

・積み方:互い違いに積み上げることで、隙間からの浸水を防ぎます。

・代替品:急な対応が必要な場合は、ごみ袋に土や砂を入れて代用することもできます。

排水ポンプの設置

浸水時に素早く排水するため、排水ポンプの設置が有効です。

・種類:水中ポンプや自動運転式のポンプなど、用途に応じて選択しましょう。

・設置場所:浸水しやすい地下室や1階の低い場所に設置します。

・電源:停電時でも使用できるよう、バッテリー式やガソリン式のポンプも検討しましょう。

・定期点検:日頃から定期的に作動確認を行い、いつでも使用できる状態を保ちましょう。

家具の配置と固定

家具の適切な配置と固定は、浸水時の被害軽減に効果があります。

・高所配置:重要な家具や電化製品は、できるだけ2階以上に配置しましょう。

・防水カバー:1階に置く家具には、防水カバーを用意しておくと良いでしょう。

・固定:大型の家具は壁に固定し、浸水時に倒れたり流されたりしないようにしましょう。

・脚の高さ調整:家具の脚を高くすることで、軽度の浸水から守ることができます。

電気設備の保護

電気設備の保護は、感電事故や火災を防ぐために重要です。

・高所設置:コンセントや配電盤は、できるだけ高い位置に設置しましょう。

・防水カバー:低い位置にあるコンセントには防水カバーを取り付けましょう。

・ブレーカー:浸水の恐れがある場合は、安全のためにブレーカーを落としましょう。

・配線:床下や壁内の配線は、水が浸入しにくい高い位置を通すようにしましょう。

耐水性建材の使用

浸水後の復旧を容易にするため、耐水性の高い建材を使用することが効果的です。

・外壁:耐水性の高いサイディングや塗料を選択しましょう。

・内装材:1階の内装には、耐水ボードや防水塗料を使用しましょう。

・床材:フローリングは耐水性の高いものを選び、可能であれば水を通さない下地材を使用しましょう。

・断熱材:浸水しても性能が低下しにくい断熱材を選択しましょう。

排水溝の整備

敷地内の排水能力を高めることで、浸水被害を軽減できます。

・清掃:定期的に排水溝の清掃を行い、詰まりを防ぎましょう。

・グレーチング:排水溝の蓋は水はけの良いグレーチングを使用しましょう。

・勾配:敷地内の排水がスムーズに行われるよう、適切な勾配をつけましょう。

・雨水貯留施設:大雨時の排水負荷を軽減するため、雨水貯留槽の設置も検討しましょう。

浸水センサーの設置

早期の浸水検知は、被害軽減に大きく貢献します。

・設置場所:浸水しやすい場所や重要な設備がある場所に設置しましょう。

・警報システム:浸水を検知したら、スマートフォンなどに通知が届くシステムを導入しましょう。

・電源:停電時でも作動するよう、バッテリーバックアップ付きのものを選びましょう。

以上の対策を適切に組み合わせることで、水害時の住宅被害を最小限に抑えることができます。ただし、これらの対策を過信せず、危険を感じたら速やかに避難することが最も重要です。また、定期的に対策の見直しを行い、最新の情報や技術を取り入れることで、より効果的な水害対策を実現できるでしょう。

水害に遭ったあとにするべきこと

水害に遭った後の適切な対応は、二次被害の防止や早期の生活再建に非常に重要です。以下に、水害後に取るべき行動と注意点を詳しく解説します。

安全確認と記録

まず、自身と家族の安全を確保し、被害状況を記録することが重要です。

・安全確認:家屋に戻る前に、建物の安全性を確認しましょう。倒壊の危険がある場合は、絶対に中に入らないでください。

・電気の確認:浸水した家屋では感電の危険があります。電気のブレーカーが切れていることを確認してから入室しましょう。

・写真撮影:被害状況を詳細に写真に収めましょう。これは保険請求や罹災証明書の申請時に重要な証拠となります。

・メモの作成:被害の程度、日時、場所などを具体的に記録しておきましょう。

清掃と消毒

浸水した家屋は、衛生面での対策が重要です。

・排水:まず、家屋内に残った水を排水しましょう。ポンプや柄杓を使用し、できるだけ早く水を出します。

・泥の除去:床や壁に付着した泥を丁寧に取り除きます。高圧洗浄機があれば効果的です。

・洗浄:洗剤を使って床や壁を丁寧に洗います。浸水した家具や家電製品も同様に洗浄します。

・消毒:細菌やカビの繁殖を防ぐため、塩素系漂白剤などで消毒を行います。ただし、換気に十分注意しましょう。

・乾燥:扇風機や除湿機を使用し、できるだけ早く乾燥させます。窓を開けて風通しを良くするのも効果的です。

専門家への相談

被害の程度によっては、専門家の助言や作業が必要となります。

・建築士:家屋の構造に被害がある場合は、建築士に相談し、安全性を確認してもらいましょう。

・電気工事士:電気設備が浸水した場合は、必ず電気工事士に点検を依頼しましょう。

・保険会社:加入している保険会社に連絡し、保険金請求の手続きについて相談しましょう。

・リフォーム業者:大規模な修繕が必要な場合は、信頼できるリフォーム業者に相談しましょう。

行政への連絡と支援の確認

行政が提供する様々な支援制度を活用することが重要です。

・罹災証明書:市区町村の窓口で罹災証明書の発行を申請しましょう。これは各種支援を受ける際に必要となります。

・支援制度の確認:被災者向けの支援制度(義援金、生活再建支援金など)について、自治体に確認しましょう。

・税金の減免:固定資産税などの減免制度がある場合があります。詳細は自治体に問い合わせましょう。

・ボランティアの活用:必要に応じて、災害ボランティアセンターに支援を依頼することもできます。

家財の仕分けと処分

浸水した家財の適切な仕分けと処分が必要です。

・使用可能なもの:十分に洗浄・乾燥させて再使用します。

・修理可能なもの:専門業者に修理を依頼するか、自身で修理を試みます。

・処分するもの:使用不可能なものは、自治体の指示に従って適切に処分します。

・思い出の品:写真やアルバムなどは、専門業者によるレスキューサービスを利用することも検討しましょう。

健康管理

水害後は心身のケアも重要です。

・感染症予防:浸水した水には様々な細菌が含まれている可能性があります。作業時は必ず手袋やマスクを着用し、こまめに手洗い・うがいを行いましょう。

・ケガの処置:小さな傷でも、きちんと消毒して手当てを行いましょう。

・心のケア:水害の経験はストレスフルです。必要に応じて、専門家のカウンセリングを受けることも検討しましょう。

今後の対策

将来の水害に備えて、今回の経験を活かすことが大切です。

・被害の検証:今回の被害状況を詳細に分析し、弱点を把握しましょう。

・防災計画の見直し:家族での避難計画や非常用品の内容を再検討しましょう。

・住宅の改修:可能であれば、水害に強い構造や設備に改修することを検討しましょう。

・保険の見直し:現在の保険契約が適切かどうか、再度確認し、必要に応じて見直しましょう。

水害からの復旧は時間と労力がかかる作業ですが、焦らず着実に進めることが大切です。また、近隣住民や地域コミュニティとの協力も、スムーズな復旧に役立ちます。この経験を今後の防災対策に活かし、より安全な暮らしを実現していきましょう。

よくある質問(Q&A)

水害対策に関して、多くの方が抱く疑問や懸念について、Q&A形式で詳しく解説します。

Q1:水害保険は必要ですか?

A1:はい、水害リスクがある地域では特に重要です。火災保険に水害補償を付けることで、被災時の経済的負担を軽減できます。ただし、補償内容や限度額は保険会社によって異なるため、よく確認して選びましょう。

・補償範囲:建物だけでなく、家財も補償対象に含まれているか確認しましょう。

・支払限度額:想定される被害額をカバーできる金額かどうか検討しましょう。

・免責金額:小規模な被害の場合、保険金が支払われない可能性があります。

・水害の定義:河川の氾濫だけでなく、内水氾濫も補償対象に含まれているか確認しましょう。

Q2:浸水対策は費用がかかりますか?

A2:対策の内容によって費用は変わりますが、一般的に建築時に対策を施すほうが、後から改修するよりも費用を抑えられます。また、被災時の損害を考えると、十分な投資価値があると言えるでしょう。

・防水板:数万円〜数十万円(サイズや材質による)

・高床式住宅:通常の建築費用に加えて100万円〜300万円程度

・排水ポンプ:数万円〜数十万円(能力による)

・耐水性建材:通常の建材より2割程度高くなる可能性あり

これらの対策費用は、一度の大規模水害による被害額と比較すると、決して高額とは言えません。長期的な視点で考えることが大切です。

Q3:マンションでも水害対策は必要ですか?

A3:はい、必要です。特に1階や地下に住む場合は注意が必要です。ただし、高層階であれば浸水リスクは低くなります。マンション全体の防災対策も確認しておきましょう。

・共用部分の対策:エントランスや駐車場の浸水対策がなされているか確認しましょう。

・避難経路:非常階段や屋上への避難経路を確認しておきましょう。

・電気設備:地下に重要な電気設備がある場合、浸水対策が施されているか確認しましょう。

・管理組合の対応:水害時の対応マニュアルがあるか、管理組合に確認しましょう。

Q4:ハザードマップの浸水想定区域外なら安全ですか?

A4:必ずしもそうとは言えません。ハザードマップは一定の条件下での予測であり、想定を超える災害が発生する可能性があります。また、内水氾濫のリスクもあるため、浸水想定区域外でも油断は禁物です。

・複数のハザードマップ:河川氾濫、内水氾濫、土砂災害など、複数のハザードマップを確認しましょう。

・更新頻度:ハザードマップは定期的に更新されます。最新版を確認することが重要です。

・局地的豪雨:近年増加している局地的豪雨は、ハザードマップでは予測しきれない場合があります。

・周辺環境の変化:大規模な開発などにより、地域の水害リスクが変化する可能性があります。

Q5:家が浸水した場合、いつまでに片付けを始めるべきですか?

A5:安全が確認でき次第、できるだけ早く片付けを始めることが重要です。特に、24〜48時間以内に乾燥作業を始めることがカビの発生を防ぐ上で非常に重要です。

・安全確認:建物の構造安全性と電気系統の安全を確認します。

・排水:家屋内の水を速やかに排出します。

・写真撮影:被害状況を詳細に記録します。

・乾燥:扇風機や除湿機を使用して、できるだけ早く乾燥させます。

・消毒:細菌やカビの繁殖を防ぐため、消毒作業を行います。

Q6:水害対策のための補助金はありますか?

A6:自治体によっては、水害対策のための補助金や助成金制度を設けている場合があります。具体的な制度は地域によって異なるため、お住まいの自治体に問い合わせることをおすすめします。

・雨水タンク設置補助金

・浸水対策設備(防水板、排水ポンプなど)設置補助金

・耐水化リフォーム補助金

・土のう配布サービス

これらの制度を上手に活用することで、水害対策の費用負担を軽減できる可能性があります。

以上の Q&A を参考に、自身の状況に合わせた適切な水害対策を検討してください。不明点がある場合は、専門家や自治体に相談することをおすすめします。水害対策は、家族や財産を守るための重要な投資です。

まとめ

水害に遭わない注文住宅を建てるためには、土地選びから建築時の工夫、日々の備えまで、総合的な対策が重要です。ハザードマップの確認や高床式住宅の採用、耐水性の高い建材の使用など、できる対策から順に取り入れていきましょう。また、日頃からの防災意識も大切です。家族で避難計画を立てたり、地域の防災活動に参加したりすることで、いざという時の対応力を高めることができます。水害対策は、家族の安全と財産を守るための重要な投資です。専門家にも相談しながら、自分の住む地域に適した対策を講じることで、安心して暮らせる住まいを実現しましょう。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

    :地下鉄日比谷線都営浅草線東銀座駅より徒歩3分

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