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分譲マンションの特徴や選ぶときのポイントについて解説

家づくりの基本

2024/11/06

2024/11/06

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

分譲マンションの特徴や選ぶときのポイントについて解説

マイホーム購入を考える中で、分譲マンションという選択肢は多くの方にとって魅力的な選択肢のひとつです。分譲マンションは、資産価値や利便性、セキュリティの面で注目されていますが、購入を検討する際は様々な特徴やポイントを理解しておく必要があります。今回は、分譲マンションについての基礎知識から選び方のポイントまで、詳しくご説明していきます。

分譲マンションとは

分譲マンションとは、デベロッパー(不動産会社)が建設した集合住宅を区分所有権として販売し、購入者が所有権を持つマンションのことを指します。賃貸マンションとは異なり、住戸を完全に所有することができる形態です。

区分所有権について

分譲マンションを購入すると、専有部分(住戸内)の区分所有者となり、共用部分(エントランス、廊下、エレベーターなど)は区分所有者全員での共有となります。区分所有権があることで、住戸内の自由な改装やリフォームが可能になります。

分譲マンションの種類

分譲マンションには、新築分譲マンションと中古分譲マンション(中古物件)の2種類があります。新築分譲マンションは、デベロッパーから直接購入する形となり、内装や設備を選べる場合もあります。中古分譲マンションは、前所有者から購入する形となり、価格面でメリットがある一方、築年数による経年劣化などを考慮する必要があります。

所有形態の特徴

分譲マンションの所有者は、専有部分に対して排他的な所有権を持ちます。一方で、建物の躯体や共用設備については、区分所有者全員での共有となります。そのため、大規模修繕などの際には、管理組合での合意形成が必要となります。

管理組合について

分譲マンションでは、区分所有者全員で管理組合を構成します。管理組合は、建物の維持管理や修繕計画の策定、管理規約の制定・改廃などを行う重要な組織です。区分所有者は、管理組合の一員として、建物の維持管理に参加する権利と義務を持ちます。

管理費と修繕積立金

分譲マンションの所有者は、毎月の管理費と修繕積立金を支払う必要があります。管理費は、建物の日常的な維持管理や清掃などに使用され、修繕積立金は将来の大規模修繕に備えて積み立てられます。これらの費用は、専有面積に応じて設定されるのが一般的です。

住戸の権利について

分譲マンションの所有者は、住戸を自由に売却したり、賃貸に出したりすることができます。ただし、管理規約によって、賃貸に関する制限が設けられている場合もあります。また、相続の対象となり、資産として次世代に引き継ぐことも可能です。

登記について

分譲マンションを購入すると、専有部分については区分所有建物の登記、共用部分については共有持分の登記が行われます。これにより、法的に所有権が保護され、不動産としての権利が明確になります。

新築分譲マンションの購入の流れ

新築分譲マンションを購入する場合、一般的に物件の下見や申し込み、契約、引き渡しという流れになります。購入時には、住宅ローンの利用が一般的で、頭金と合わせて資金計画を立てる必要があります。また、内装や設備のカスタマイズが可能な場合は、引き渡しまでの間に検討を進めることになります。

分譲マンションのメリット

分譲マンションには、戸建て住宅とは異なる特有のメリットがあります。ライフスタイルや生活環境の面で、多くの方にとって魅力的な選択肢となっています。以下、具体的なメリットについてご説明していきます。

充実したセキュリティ

分譲マンションの大きな特徴として、高いセキュリティ性が挙げられます。オートロックシステムや防犯カメラの設置、24時間警備など、充実したセキュリティ設備により、単身世帯や女性でも安心して暮らすことができます。また、複数世帯が生活する環境であることから、空き巣などの犯罪に遭いにくいという利点もあります。

管理体制の充実

分譲マンションでは、専門の管理会社による日常的な管理が行われます。建物の清掃や設備の点検、トラブル対応など、様々な面でサポートを受けられます。管理人が常駐している物件では、荷物の受け取りや急なトラブル対応など、より手厚いサービスを受けることができます。

立地の良さ

分譲マンションは、駅前や繁華街など、利便性の高い場所に建設されることが多いのが特徴です。戸建て住宅では手の届きにくい都心部でも、比較的手頃な価格で住むことができます。通勤・通学のしやすさや、買い物などの生活のしやすさは、特に共働き世帯にとって大きなメリットとなっています。

災害に強い構造

分譲マンションは、厳しい建築基準に基づいて建設されており、耐震性や防火性に優れています。また、高層階であれば津波などの水害にも強く、災害時の安全性が高いのが特徴です。さらに、非常用発電設備や防災倉庫など、災害対策設備が整っている物件も多くあります。

メンテナンスの手間が少ない

戸建て住宅と比べて、外壁の塗り替えや屋根の修繕など、個人で行う必要のあるメンテナンス作業が少なくなります。大規模修繕も管理組合が主体となって計画的に実施されるため、個人の負担が軽減されます。特に高齢者世帯にとって、メンテナンスの手間が少ないことは大きなメリットです。

充実した共用施設

多くの分譲マンションでは、ラウンジやフィットネスルーム、キッズルームなど、様々な共用施設が用意されています。これらの施設は、追加費用なく利用できることが多く、生活の質の向上につながります。また、管理費に清掃費などが含まれているため、維持管理の手間も少なくて済みます。

資産価値の維持

立地の良い分譲マンションは、適切な管理が行われていれば資産価値が比較的維持されやすい傾向にあります。特に、大手デベロッパーによる物件や、交通アクセスの良い立地の物件は、将来的な売却や賃貸活用を考える上でも有利となります。

住宅ローンの組みやすさ

分譲マンションは、金融機関から見ても担保価値が分かりやすい物件とされています。そのため、住宅ローンを組みやすく、金利面でも優遇を受けやすい傾向にあります。新築物件の場合は、デベロッパーが提携している金融機関を通じて、有利な条件でローンを組めることもあります。

コミュニティの形成

分譲マンションでは、管理組合活動を通じて居住者同士の交流が生まれやすい環境があります。また、防災訓練や季節のイベントなど、コミュニティ活動も活発に行われることが多く、良好な近所付き合いを築きやすい環境があります。

分譲マンションのデメリット

分譲マンションには様々なメリットがある一方で、購入を検討する際に知っておくべきデメリットもあります。これらを事前に理解しておくことで、将来的なトラブルを防ぐことができます。

毎月の管理費・修繕積立金の負担

分譲マンションでは、ローン返済とは別に毎月の管理費と修繕積立金の支払いが必要となります。管理費は共用部分の清掃や設備の点検など、日常的な維持管理に使用され、修繕積立金は将来の大規模修繕に備えて積み立てられます。これらの費用は、専有面積に応じて設定され、家計の固定費として継続的な支出となります。

大規模修繕による追加費用

築年数が経過すると、定期的な大規模修繕が必要となります。修繕積立金で賄えない場合は、区分所有者に追加の費用負担が求められることがあります。特に、修繕積立金が十分でない物件や、築年数が経過している物件では、予想外の出費が発生するリスクがあります。

居住に関する制限

管理規約によって、ペットの飼育や楽器の演奏、生活騒音に関する制限が設けられていることが一般的です。また、専有部分のリフォームについても、構造部分に影響を与える工事は制限される場合が多く、自由度は戸建てより低くなります。

区分所有者間の合意形成

大規模修繕や建替えなど、重要な決定を行う際には区分所有者全員での合意形成が必要となります。価値観や経済状況が異なる区分所有者間で意見が分かれた場合、スムーズな合意形成が難しくなることがあります。また、管理組合の理事会活動への参加も求められます。

専有面積の制約

一般的に、戸建てと比べて居住スペースが狭くなりがちです。収納スペースも限られており、大型の家具や家電の配置に制限が出る可能性があります。また、間取りの変更も構造上の制約から難しい場合が多く、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できないことがあります。

資産価値の低下リスク

立地や管理状態によっては、築年数とともに資産価値が大きく低下するリスクがあります。特に、管理不全に陥ったマンションや、立地条件の悪い物件では、将来的な売却や賃貸活用が困難になる可能性があります。

駐車場の問題

都心部の物件では、駐車場の空きが少なかったり、月額使用料が高額になったりすることがあります。また、来客用駐車場が少ない、または有料である場合も多く、車の利用に関して不便を感じることがあります。

近隣トラブル

上下階や隣接する住戸との距離が近いため、生活音や臭いなどを巡るトラブルが発生しやすい環境にあります。特に、子育て世帯や高齢者世帯では、互いの生活リズムの違いによる摩擦が生じることがあります。

管理会社への依存

建物の維持管理を管理会社に依託するため、管理会社のサービス品質によって居住環境が左右されます。管理会社の対応が不十分な場合、快適な住環境を維持できない可能性があります。

建替えの難しさ

築年数が経過し、建替えが必要となった場合でも、区分所有者全員の合意を得ることは非常に困難です。また、建替えには多額の費用が必要となり、現実的な選択肢とならないケースも少なくありません。

所有者不明住戸の問題

高齢化や相続問題により、所有者不明の住戸が発生した場合、管理費等の滞納や管理組合活動への支障が生じる可能性があります。この問題は、マンション全体の管理状態や資産価値にも影響を及ぼす可能性があります。

分譲マンションを選ぶときのポイント

分譲マンションを選ぶ際は、様々な観点から慎重に検討する必要があります。将来的な住み心地や資産価値に関わる重要な判断となるため、以下のポイントをしっかりと確認しましょう。

立地条件の確認

立地は最も重要な選択基準のひとつです。通勤・通学のしやすさ、最寄り駅からの距離、商業施設や医療機関へのアクセスなど、日常生活の利便性を総合的に判断する必要があります。また、日当たりや眺望、周辺の開発計画なども、将来的な住環境に影響を与える要素として確認しましょう。

デベロッパーの信頼性

新築物件の場合、デベロッパーの実績や信頼性は重要な判断材料となります。施工品質や建物の維持管理、アフターサービスの充実度など、デベロッパーによって大きく異なる場合があります。過去の実績や評判、経営状態なども含めて調査することをおすすめします。

管理体制の確認

管理会社の実績や評判、管理体制の充実度は、快適な住環境を維持する上で重要です。管理人の常駐有無、清掃頻度、設備点検の実施状況など、具体的な管理内容を確認しましょう。中古物件の場合は、管理組合の運営状況や修繕履歴なども重要なチェックポイントとなります。

管理費・修繕積立金の妥当性

毎月の管理費や修繕積立金の金額が適切に設定されているかを確認することは重要です。特に修繕積立金については、将来の大規模修繕に備えて十分な額が設定されているか、長期修繕計画と照らし合わせて検討する必要があります。同じエリアの他物件と比較することも有効です。

駐車場・駐輪場の状況

自家用車や自転車の利用を考えている場合は、駐車場・駐輪場の空き状況や月額使用料を確認します。特に都心部では、駐車場の確保が困難な場合もあります。また、来客用駐車場の有無や利用条件なども、生活の利便性に関わる重要なポイントです。

共用設備の充実度

エントランスホールやエレベーター、宅配ボックスなど、共用設備の充実度を確認します。特に、防犯カメラやオートロックなどのセキュリティ設備は、安全な住環境を確保する上で重要です。また、ラウンジやフィットネスルームなどの共用施設がある場合は、その利用条件も確認しましょう。

耐震性能・防災対策

建物の耐震性能や防災対策は、安全な住まいを選ぶ上で重要な要素です。新耐震基準を満たしているか、免震・制震構造の採用有無、非常用発電設備や防災倉庫の設置状況など、災害時の安全性に関わる設備を確認します。

間取りと専有面積

自身のライフスタイルに合った間取りや専有面積を選ぶことが大切です。将来的な家族構成の変化も考慮に入れ、収納スペースの十分さや部屋の使い勝手なども確認しましょう。また、専有部分の設備や内装材の品質も重要なチェックポイントです。

築年数と修繕履歴

中古物件の場合、築年数と修繕履歴は特に重要です。過去の大規模修繕の実施状況や、今後の修繕計画を確認し、追加の費用負担が発生する可能性も考慮に入れる必要があります。また、設備の更新時期なども確認しましょう。

管理規約の確認

ペット飼育や楽器演奏、生活騒音に関する制限、専有部分のリフォームに関する規定など、管理規約の内容を事前に確認することが重要です。自身の生活スタイルと照らし合わせて、制限事項に問題がないか確認しましょう。

将来的な資産価値

将来的な売却や賃貸活用を考える場合は、資産価値の維持が期待できる物件を選ぶことが重要です。立地条件や建物の品質、管理状態など、資産価値に影響を与える要素を総合的に判断しましょう。また、周辺の開発計画なども将来的な資産価値に影響を与える要素として考慮に入れます。

よくある質問

購入に関する質問

Q1:分譲マンションの購入に必要な頭金の相場はいくらですか?

A1:一般的に購入価格の10~20%程度が目安となります。ただし、金融機関によって条件は異なり、頭金なしのローンプランもあります。できるだけ多くの頭金を用意することで、月々の返済負担を抑えることができます。

Q2:中古と新築、どちらを選ぶべきですか?

A2:予算や希望の立地、ライフスタイルによって選択が分かれます。新築は設備が新しく、内装も自由に選べるメリットがありますが、価格は高めです。中古は価格を抑えられ、即入居も可能ですが、修繕や設備の更新が必要になる可能性があります。

管理費・修繕積立金に関する質問

Q1:管理費と修繕積立金は毎月いくらくらい必要ですか?

A1:専有面積や物件によって異なりますが、70㎡の物件で管理費が月1万円前後、修繕積立金が月1~2万円程度が一般的です。ただし、物件の規模や管理内容によって大きく変動します。

Q2:管理費や修繕積立金の値上げはありますか?

A2:はい、物価上昇や建物の経年劣化に伴う修繕費用の増加などにより、値上げされることがあります。値上げの際は、管理組合での決議が必要となります。

住宅ローンに関する質問

Q1:住宅ローンの審査は厳しいですか?

A1:分譲マンションは担保価値が分かりやすいため、一般的に戸建てと比べて審査は通りやすい傾向にあります。ただし、年収や勤続年数、他の借入状況などは重要な審査項目となります。

Q2:いくらまでローンを組むことができますか?

A2:一般的な目安として、年収の5~6倍程度までとされています。ただし、他の借入れ状況や返済比率などによって変動します。金融機関に事前相談することをおすすめします。

リフォーム・改装に関する質問

Q1:内装のリフォームは自由にできますか?

A1:専有部分の内装工事は基本的に可能です。ただし、壁や床の防音性能に影響を与える工事や、水回りの配管位置を変更する工事などは、管理組合の承認が必要となる場合があります。

Q2:バリアフリー改修はできますか?

A2:専有部分のバリアフリー改修は、管理組合の承認を得れば可能な場合が多いです。ただし、共用部分に影響を与える改修については、管理組合での合意が必要となります。

生活ルールに関する質問

Q1:ペットは飼えますか?

A1:管理規約によって異なります。完全禁止の物件もあれば、小型犬・猫のみ可能な物件、サイズや種類の制限がある物件などがあります。購入前に必ず確認が必要です。

Q2:楽器の演奏は可能ですか?

A2:管理規約で時間帯や音量に制限がある場合が多いです。電子楽器の使用のみ許可している物件もあります。事前に規約を確認し、必要に応じて防音対策を検討することをおすすめします。

売却・賃貸に関する質問

Q1:購入後、賃貸に出すことはできますか?

A1:管理規約で賃貸を禁止している物件は少ないですが、賃貸割合の制限がある場合があります。また、賃貸に出す際は管理組合への届出が必要となるのが一般的です。

Q2:将来の売却は簡単にできますか?

A2:立地や管理状態が良好な物件であれば、比較的売却しやすい傾向にあります。ただし、築年数や周辺環境の変化によって、売却価格や売却のしやすさは大きく変わります。

トラブル対応に関する質問

Q1:騒音トラブルが発生した場合はどうすればよいですか?

A1:まずは管理会社や管理組合に相談することをおすすめします。必要に応じて、防音対策の検討や、当事者間での話し合いの場を設けることもあります。

Q2:設備の故障や水漏れが発生した場合の対応は?

A2:専有部分の設備トラブルは基本的に所有者負担となりますが、共用部分に起因する場合は管理組合の負担となります。緊急時は管理会社に連絡し、指示を仰ぐことをおすすめします。

まとめ

分譲マンションは、利便性やセキュリティ、管理体制の充実など、様々なメリットがある一方で、管理費などの固定費用や居住に関する制限など、考慮すべき点も多くあります。購入を検討する際は、自身のライフスタイルや将来的な住まい方を見据えて、慎重に検討することが大切です。物件選びでは、立地や価格だけでなく、管理体制や修繕計画なども含めて総合的に判断しましょう。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

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