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マンションの火災保険や地震保険の適用例や選び方について解説

家づくりの基本

2024/11/07

2024/11/07

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

マンションの火災保険や地震保険の適用例や選び方について解説

マンションを購入する際、避けて通れないのが保険の加入検討です。火災保険は任意ですが、住宅ローンを利用する場合は加入が必須となります。また、地震保険についても検討が必要です。今回は、マンションの火災保険や地震保険について、メリット・デメリットや保険料の相場、選び方のポイントをまとめてみました。

マンションの保険について

マンションにおける保険には、「区分所有者が加入する保険」と「管理組合が加入する保険」の2種類があります。それぞれの目的や補償内容が異なるため、適切な保険選びが重要となってきます。

管理組合が加入する保険とは

管理組合が加入する保険は、マンション全体の共用部分を補償対象とする保険です。具体的には、建物の躯体、エレベーター、廊下、階段、外壁などが対象となります。この保険料は管理費の中から支払われており、区分所有者が個別に加入する必要はありません。

区分所有者が加入する保険とは

区分所有者が加入する保険は、専有部分の内装や設備、家財などを補償対象とする保険です。管理組合の保険では補償されない部分をカバーするため、区分所有者自身で加入を検討する必要があります。

マンションの保険の種類

区分所有者が加入を検討する保険には、主に以下のようなものがあります。火災保険は基本となる保険で、これに様々な特約を付帯することで、幅広いリスクに備えることができます。

火災保険

火災による損害はもちろん、落雷やガス爆発などの損害も補償されます。また、風災・雪災・水災などの自然災害による損害や、水漏れ、盗難なども特約で補償対象とすることができます。

地震保険

地震、噴火、津波による損害を補償する保険です。火災保険だけでは地震による損害は補償されないため、地震のリスクが気になる方は検討が必要です。火災保険に付帯する形で加入します。

個人賠償責任保険

日常生活での事故により、他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりした場合の損害賠償責任を補償する保険です。火災保険の特約として付帯することが一般的です。

保険加入の必要性について

住宅ローンを利用してマンションを購入する場合、金融機関から火災保険への加入を求められるのが一般的です。これは、担保物件であるマンションを保護する目的があります。ローンを利用しない場合でも、火災や水漏れなどの予期せぬ事故に備えるため、保険加入を検討することをお勧めします。

保険期間について

火災保険の保険期間は、1年から最長10年まで選択することができます。住宅ローンを組む場合は、ローン期間に合わせて長期の保険に加入するケースが多いです。長期の保険に加入すると、保険料の割引が適用されることもあります。

注意が必要なポイント

マンションの保険に加入する際は、以下の点に注意が必要です。特に補償の重複には気をつける必要があり、既存の保険契約の内容をよく確認することをお勧めします。

1. 管理組合の保険でカバーされている範囲を確認すること

2. 実際の家財の価値に見合った保険金額を設定すること

3. 自身のライフスタイルに合わせて必要な特約を選択すること

4. 補償内容の重複がないか確認すること

5. 保険料の支払い方法や割引制度を確認すること

マンションの地震保険のメリット・デメリットや適用例

地震保険は、火災保険では補償されない地震、噴火、津波による損害を補償する保険です。火災保険だけでは地震による損害は補償されないため、地震リスクが気になる方は検討が必要です。

地震保険のメリット

地震保険には以下のようなメリットがあります。特に地震大国である日本では、重要な検討ポイントとなります。

1. 地震・噴火・津波による損害が補償されます。火災保険では補償されない地震などの損害に備えることができます。

2. 保険料は地震リスクに応じて設定されています。建物の構造や地域によって保険料が異なり、リスクに見合った保険料設定となっています。

3. 地震保険料控除が適用されます。確定申告により、所得税や住民税の控除を受けることができます。

4. 損害の程度に応じて保険金が支払われます。全損、大半損、小半損、一部損の4区分で保険金が支払われます。

地震保険のデメリット

一方で、地震保険には以下のようなデメリットもあります。加入を検討する際は、これらの点も考慮に入れる必要があります。

1. 火災保険の保険金額の50%までしか加入できません。補償額に上限があるため、実際の損害額をすべて補償できるとは限りません。

2. 保険料が高額になる場合があります。特に地震リスクの高い地域では、保険料負担が大きくなります。

3. 損害認定基準が厳格です。保険金の支払いには、一定の基準を満たす必要があります。

4. 火災保険とセットでの加入が必要です。単独での加入はできません。

地震保険の適用例

地震保険は、以下のような場合に適用されます。実際の事例を知ることで、補償の必要性を判断する参考になります。

地震による直接的な損害の場合

1. 地震の揺れによる建物の損傷

2. 家具や家電製品の破損

3. 内装材の剥離や亀裂

4. 設備の破損や故障

地震による間接的な損害の場合

1. 地震による火災の損害

2. 津波による水害

3. 地震による液状化現象の被害

4. 噴火による損害

損害の認定基準

地震保険の保険金は、損害の程度によって以下の4区分で支払われます。

1. 全損(保険金額の100%):建物の主要構造部の損害額が建物の時価の50%以上

2. 大半損(保険金額の60%):建物の主要構造部の損害額が建物の時価の40%以上50%未満

3. 小半損(保険金額の30%):建物の主要構造部の損害額が建物の時価の20%以上40%未満

4. 一部損(保険金額の5%):建物の主要構造部の損害額が建物の時価の3%以上20%未満

保険金が支払われない場合

以下のような場合は、一般的に保険金が支払われません。

1. 地震等の発生日から10日以内に生じた火災による損害

2. 地震等が発生する前の損害

3. 門、塀、垣、エレベーターなど、主要構造部以外のみの損害

4. 地震等の後の盗難による損害

加入の判断基準

地震保険への加入を検討する際は、以下の点を考慮することをお勧めします。

1. マンションの立地における地震リスク

2. 建物の耐震性能

3. 家財の価値

4. 経済的な負担能力

5. 代替の住居確保の可能性

マンションの地震保険料の相場

マンションの地震保険料は、建物の構造や所在地などによって大きく異なります。地震保険は火災保険とセットで加入する必要があり、保険金額は火災保険の30%から50%の範囲で設定します。

地震保険料を決める要因

地震保険料は、以下のような要因によって決定されます。特に建物の所在地と構造が大きく影響します。

1. 建物の所在地(都道府県)

2. 建物の構造(鉄筋コンクリート造、鉄骨造など)

3. 建物の耐震性能

4. 保険期間の長さ

5. 保険金額の設定

都道府県別の保険料相場

地震保険料は地域によって大きく異なります。以下は、鉄筋コンクリート造のマンションで保険金額1,000万円、5年契約の場合の年間保険料の目安です。

1. 東京都・神奈川県:年間12,000円~15,000円程度

2. 大阪府・愛知県:年間8,000円~12,000円程度

3. 北海道・東北地方:年間5,000円~8,000円程度

4. その他の地域:年間4,000円~10,000円程度

構造別の保険料相場

建物の構造によっても保険料は変わります。以下は、東京都の場合の年間保険料の目安です。

1. 鉄筋コンクリート造:年間12,000円~15,000円程度

2. 鉄骨造:年間15,000円~18,000円程度

3. 耐震等級を有する建物:上記より10%~50%割引

保険期間別の保険料相場

保険期間によって年間保険料は異なります。一般的に長期の契約ほど年間保険料は割安になります。

1. 1年契約:基本保険料の100%

2. 2年契約:基本保険料の95%程度

3. 3年契約:基本保険料の90%程度

4. 5年契約:基本保険料の85%程度

割引制度について

地震保険には以下のような割引制度があります。複数の割引に該当する場合でも、最も大きい割引のみが適用されます。

1. 建築年割引:10%(1981年6月1日以降に新築された建物)

2. 耐震等級割引:10%~50%(耐震等級に応じて)

3. 免震建築物割引:50%

4. 耐震診断割引:10%

保険料を抑える方法

地震保険料を抑えるためには、以下のような方法があります。

1. 長期契約を選択する

2. 割引制度を活用する

3. 保険金額を適切に設定する

4. 耐震性能の高い物件を選ぶ

保険料見直しのタイミング

以下のようなタイミングで、保険料の見直しを検討することをお勧めします。

1. 契約更新時

2. 耐震改修工事を行ったとき

3. 建物の評価額が変動したとき

4. 制度改定があったとき

5. 引っ越しをしたとき

マンションの火災保険・地震保険の選び方

マンションの火災保険・地震保険を選ぶ際は、自身のニーズや予算に合わせて、適切な保険を選択することが重要です。以下のポイントを参考に、慎重に検討しましょう。

保険選びの基本的な流れ

1. 必要な補償内容を確認する

2. 保険金額を設定する

3. 複数の保険会社の見積もりを比較する

4. 保険期間を決める

5. 支払方法を選択する

補償内容の選び方

補償内容は、以下のような点を考慮して選択します。必要以上の補償は保険料の無駄になるため、適切な範囲で選びましょう。

1. 基本補償:火災、落雷、破裂・爆発は必須

2. 水災補償:浸水リスクがある地域では検討が必要

3. 盗難補償:防犯対策の状況に応じて検討

4. 個人賠償責任補償:日常生活でのリスクに備える

保険金額の設定方法

保険金額は、以下のような点を考慮して設定します。過不足のない金額設定が重要です。

1. 家財の実際の価値を算出する

2. 修理・買い替えにかかる費用を想定する

3. 仮住まい費用を考慮する

4. 地震保険は火災保険の30%~50%で設定

保険会社の選び方

保険会社を選ぶ際は、以下のような点をチェックします。

1. 財務基盤の安定性

2. 保険金支払いの対応実績

3. カスタマーサービスの質

4. 事故対応の迅速さ

5. 保険料の水準

保険期間の選び方

保険期間は、以下のような点を考慮して決めます。

1. 住宅ローンの有無と返済期間

2. 居住予定期間

3. 保険料の割引状況

4. 家族構成の変化予定

支払方法の選び方

支払方法は、以下のような選択肢があります。自身の経済状況に合わせて選びましょう。

1. 一括払い:最も割引が大きい

2. 年払い:毎年の支払いで管理がしやすい

3. 月払い:毎月の負担を抑えられる

見直しのタイミング

以下のようなタイミングで、保険の見直しを検討します。

1. 契約更新時

2. ライフステージの変化時

3. 家財の増減時

4. 引っ越し時

加入時の注意点

保険に加入する際は、以下の点に注意が必要です。

1. 重要事項説明書をよく読む

2. 補償の重複がないか確認する

3. 免責事項を確認する

4. 契約内容を書面で保管する

5. 特約の内容を理解する

よくある質問

マンションの火災保険・地震保険について、よくある質問をQ&A形式でまとめました。保険選びの参考にしてください。

火災保険に関する質問

Q1: 火災保険は必ず加入しなければいけませんか?

A1: 法律上の加入義務はありませんが、住宅ローンを利用する場合は金融機関から加入を求められます。また、万が一の際の経済的な備えとして、加入をお勧めします。

Q2: 管理組合の保険があるのに、なぜ個人で加入する必要があるのですか?

A2: 管理組合の保険は共用部分が対象で、専有部分の内装や家財は補償されません。そのため、専有部分については個人で保険に加入する必要があります。

Q3: 火災保険料は経年で上がりますか?

A3: 建物の築年数や保険料率の改定により、更新時に保険料が変動する可能性があります。一般的に、築年数が経過するほど保険料は上がる傾向にあります。

地震保険に関する質問

Q1: 地震保険に単独で加入することはできますか?

A1: できません。地震保険は火災保険とセットでの加入が必要です。また、保険金額は火災保険の30%から50%の範囲内での設定となります。

Q2: 地震保険は高層階でも必要ですか?

A2: 高層階であっても、地震による家財の損害や水漏れなどのリスクはあります。また、建物自体の損害も上層階に及ぶ可能性があるため、検討をお勧めします。

Q3: 地震保険料控除について教えてください。

A3: 地震保険料は、所得税と住民税の控除対象となります。年間の支払保険料に応じて、一定額が税額から控除されます。

保険金の請求に関する質問

Q1: 保険金の請求手続きはどのように行いますか?

A1: 事故発生後、すぐに保険会社に連絡し、必要書類を提出します。保険会社の調査後、保険金が支払われます。スムーズな手続きのため、日頃から契約内容や連絡先を確認しておきましょう。

Q2: 保険金の支払いまでどのくらい時間がかかりますか?

A2: 被害状況や必要書類の準備状況によって異なりますが、一般的な事故であれば数週間程度です。大規模災害の場合は、さらに時間がかかる可能性があります。

補償内容に関する質問

Q1: 水漏れは補償されますか?

A1: 給排水設備の事故による水漏れや、他人の住戸からの水漏れは、一般的に補償対象となります。ただし、保険の種類や特約の有無によって補償内容は異なります。

Q2: 家財の盗難は補償されますか?

A2: 火災保険の盗難補償特約に加入していれば補償対象となります。ただし、補償限度額や対象となる家財の種類には制限があります。

契約内容の変更に関する質問

Q1: 途中で補償内容を変更できますか?

A1: 契約期間中でも、補償内容の変更は可能です。ただし、保険会社によって手続き方法や変更可能な範囲が異なります。

Q2: 引っ越しの際は新しく契約し直す必要がありますか?

A2: 引っ越し先が同じ保険会社の担当エリア内であれば、契約を継続することができます。ただし、保険料は新しい住所によって変更される可能性があります。

保険料に関する質問

Q1: 保険料の支払い方法は変更できますか?

A1: 一般的に、契約更新時に支払い方法を変更することができます。ただし、契約期間中の変更については、保険会社によって対応が異なります。

Q2: 複数の保険をまとめると割引はありますか?

A2: 保険会社によっては、火災保険と自動車保険などをセットで契約すると割引が適用される場合があります。詳細は各保険会社に確認してください。

まとめ

マンションの保険加入は、大切な財産を守るための重要な対策です。火災保険と地震保険それぞれのメリット・デメリットを理解し、自身の状況に合った保険を選択することが大切です。保険料は決して安くはありませんが、万が一の際の経済的な負担を考えると、必要な投資といえるでしょう。複数の保険会社の商品を比較検討し、最適な保険プランを見つけることをお勧めします。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

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