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機械式駐車場の仕組みや使い方、選ぶ際の注意点について解説

家づくりの基本

2024/11/27

2024/11/27

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

機械式駐車場の仕組みや使い方、選ぶ際の注意点について解説

マンション購入を検討する際、駐車場の形態は重要な検討ポイントの一つです。特に都心部のマンションでは機械式駐車場を採用しているケースが多く見られます。本記事では、機械式駐車場の基本的な仕組みから選ぶ際の注意点まで、詳しく解説していきます。

機械式駐車場の種類や、種類別のメリット・デメリット

機械式駐車場は、限られた土地を有効活用するために開発された駐車システムです。都心部のマンションでは土地の有効活用の観点から、機械式駐車場を採用するケースが増えています。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

エレベーター式(タワー式)について

エレベーター式は、垂直方向に多数の車両を収納できる駐車場システムです。専用の昇降機で車両を上下に移動させて駐車する仕組みになっています。

メリットとしては、限られた敷地面積で多くの車両を収容できる点が挙げられます。また、完全に建物内に収まるため、美観を損なわず、防犯面でも優れています。

デメリットは、1台ずつしか出し入れができないため、朝の通勤時間帯などは待ち時間が発生しやすい点です。また、機械が複雑なため、メンテナンス費用が比較的高額になる傾向があります。

スライド式(横行式)について

スライド式は、車両を横方向に移動させて駐車スペースを確保するシステムです。パズルのように車を横にスライドさせながら出し入れを行います。

メリットは、エレベーター式と比べて機械構造がシンプルなため、故障のリスクが低く、メンテナンス費用も比較的抑えられる点です。また、待ち時間も比較的短くて済みます。

デメットとしては、横方向のスペースを必要とするため、細長い敷地では設置が難しい場合があります。また、1列に並んだ車を順番に動かす必要があるため、奥の車を出す際は手前の車を移動させる必要があります。

2段式(昇降式)について

2段式は、上下2段に車両を収納する比較的シンプルな構造の駐車場システムです。主に小規模マンションやコインパーキングで採用されています。

メリットは、機械構造がシンプルなため、導入コストやメンテナンス費用が比較的安価な点です。また、操作も簡単で、待ち時間も少なく済みます。

デメリットは、収容台数が限られる点と、上段に駐車する際の操作に慣れが必要な点です。また、上段の車両の出し入れ時は、下段に車がないことが条件となります。

循環式について

循環式は、パレットに載せた車両をベルトコンベアのように循環させて移動・格納するシステムです。主に大規模マンションで採用されています。

メリットは、連続して車両の出し入れが可能なため、比較的スムーズな入出庫が可能な点です。また、土地の有効活用の面でも優れています。

デメリットは、機械構造が複雑なため、メンテナンス費用が高額になりやすい点です。また、故障時には多くの車両が影響を受ける可能性があります。

機械式駐車場選びのポイント

機械式駐車場を選ぶ際は、以下のポイントに注意して検討することをおすすめします。

1. 日常的な使いやすさ(待ち時間、操作の簡便さ)

2. メンテナンス費用の負担

3. 車両制限(重量、サイズ)との適合性

4. 非常時の対応体制

5. 将来的な大規模修繕の予定と費用

特に、マンション購入を検討する際は、現在の愛車が収納可能か、将来的な車の買い替えも想定した上で、適切な機械式駐車場を選択することが重要です。また、管理費や修繕積立金についても、事前にしっかりと確認しておくことをおすすめします。

機械式駐車場のマンションを選ぶ際の注意点

機械式駐車場を備えたマンションを選ぶ際は、様々な観点からの確認が必要です。ここでは、マンション選びで特に注意すべきポイントについて詳しく解説していきます。

車両制限の確認

機械式駐車場には、収容できる車両のサイズや重量に制限があります。特に注意が必要なのは、全長、全幅、全高、重量の制限です。近年人気の大型SUVやミニバンは、制限をオーバーして駐車できない場合があります。

具体的な確認ポイントとして、現在保有している車両が制限内に収まるか、将来的な車の買い替えも想定した上で、十分な余裕があるかを確認しましょう。また、車高の低い車の場合、床面の段差で車体を擦る可能性もあるため、入出庫時の傾斜角度なども確認することをおすすめします。

費用面での確認事項

機械式駐車場の費用は、月々の使用料だけでなく、修繕積立金や管理費用などの負担も発生します。これらの費用は機械式駐車場の種類や規模によって大きく異なります。

特に確認すべき費用項目としては、駐車場使用料、修繕積立金の金額設定、大規模修繕の予定と費用、日常的なメンテナンス費用の負担額などがあります。将来的な費用負担も含めて、家計への影響を慎重に検討しましょう。

空き待ち状況の確認

マンションの駐車場は、必ずしも全住戸分が用意されているわけではありません。特に都心部のマンションでは、駐車場の総台数が住戸数を下回るケースも多く見られます。

購入前に、現在の空き待ち状況や順番待ちの仕組み、車庫証明の発行方法などを確認しておくことが重要です。また、近隣の月極駐車場なども候補として検討しておくと安心です。

利便性の確認

機械式駐車場の利便性は、日常生活に大きく影響します。特に確認すべきポイントとして、朝の通勤時間帯の待ち時間、操作方法の難易度、雨天時の使い勝手などがあります。

可能であれば、実際の入出庫の様子を見学したり、現在の居住者から使用感についての情報を得ることをおすすめします。また、来客用駐車場の有無や利用方法についても確認しておくと良いでしょう。

メンテナンス体制の確認

機械式駐車場は定期的なメンテナンスが不可欠です。管理会社のメンテナンス体制や、故障時の対応方針について、事前に確認しておくことが重要です。

特に確認すべき項目として、定期点検の頻度、24時間対応の有無、故障時の代替駐車場の確保、修理にかかる期間の目安などがあります。これらの情報は、管理規約や重要事項説明書で確認できます。

築年数と設備更新の状況

機械式駐車場は経年劣化により、故障のリスクが高まります。築年数の古いマンションを検討する場合は、駐車場設備の更新履歴や今後の更新計画について確認が必要です。

具体的には、大規模修繕の履歴や計画、修繕積立金の積立状況、部品の供給状況などを確認しましょう。特に、メーカーが現存しない場合は、部品の調達が困難になる可能性があります。

管理組合の取り組み

機械式駐車場の維持管理には、管理組合の適切な運営が不可欠です。管理組合の会議録などから、駐車場に関する問題への取り組み姿勢を確認することをおすすめします。

特に、修繕積立金の値上げ検討状況や、長期修繕計画の見直し状況、駐車場のトラブルへの対応実績などは、将来的なリスクを判断する上で重要な情報となります。

機械式駐車場の使用時や、災害対応に関する注意点

機械式駐車場は便利な一方で、様々なリスクも存在します。特に災害時や緊急時の対応については、事前に十分な知識を持っておくことが重要です。ここでは、日常的な使用時の注意点と、災害時の対応について詳しく解説していきます。

日常使用時の基本的な注意点

機械式駐車場を安全に使用するためには、基本的なルールを守ることが重要です。特に気をつけるべき点として、車両の制限値(重量、サイズ)の厳守、正しい位置への駐車、乗り降りの際の安全確認などがあります。

また、子どもだけでの操作は危険なため避け、荷物の積み下ろしは決められた場所で行うようにしましょう。雨天時は特に足元が滑りやすくなるため、より慎重な操作が必要です。

停電時の対応

機械式駐車場は電気で動作するため、停電時の対応が重要です。多くのマンションでは非常用電源が設置されていますが、その作動時間や対応可能な操作に制限がある場合があります。

停電時の対応として、手動での操作方法の確認、非常用電源の確保状況、管理会社への連絡方法などを事前に把握しておくことが重要です。また、長期の停電に備えて、事前に車を出しておくことも検討しましょう。

地震時の対応

地震発生時、機械式駐車場は安全装置が作動して停止する場合があります。また、大きな揺れにより機械に異常が生じる可能性もあります。

地震発生後は、管理会社による安全確認が完了するまで使用を控えることが推奨されます。また、余震による二次被害を防ぐため、可能な限り車を出して別の場所に移動させることも検討しましょう。

火災時の対応

火災が発生した場合、機械式駐車場内の車両は大きな危険にさらされます。消防設備の配置や避難経路、消火設備の使用方法などを事前に確認しておくことが重要です。

また、火災発生時は建物内の電力供給が停止する可能性が高いため、非常用の操作方法についても把握しておく必要があります。

故障時の対応

機械式駐車場が故障した場合、修理完了までは車の出し入れができなくなる可能性があります。故障時の連絡先や、代替駐車場の確保方法について、事前に確認しておきましょう。

特に、休日や夜間の故障に備えて、24時間対応の連絡先や、緊急時の対応手順を把握しておくことが重要です。

定期的な訓練・講習の重要性

多くのマンションでは、機械式駐車場の使用方法や緊急時対応についての訓練や講習会が実施されています。これらに積極的に参加し、実際の操作方法や緊急時の対応手順を確認しておくことをおすすめします。

また、日頃から居住者同士で情報を共有し、緊急時に助け合える関係を築いておくことも大切です。

保険の加入と補償内容の確認

機械式駐車場での事故や故障による車両の損傷に備えて、適切な保険に加入しておくことが重要です。マンションの共用部分の保険だけでなく、個人で加入する自動車保険の補償内容も確認しておきましょう。

特に、機械の故障による車両の損傷や、長期間車が出せない場合の代車費用などが補償されるか確認が必要です。

管理組合への報告・連絡

機械式駐車場で異常を感じた場合は、速やかに管理組合や管理会社に報告することが重要です。小さな異常でも放置すると大きなトラブルにつながる可能性があります。

また、長期不在時や車の買い替え時など、駐車場の使用状況に変更がある場合も、必ず管理組合に連絡するようにしましょう。

よくある質問(Q&A)

機械式駐車場に関して、多くの方が気になる疑問についてQ&A形式で解説していきます。マンション購入前の検討や、日常使用時の参考としてください。

機械式駐車場の基本的な質問

Q:機械式駐車場は自分で操作するのですか?

A:基本的に利用者自身での操作となります。入居時に管理会社から操作方法の説明を受け、練習を行うことができます。操作自体はボタン操作が中心で、慣れれば簡単に行えます。

Q:操作に時間はどのくらいかかりますか?

A:駐車場の形式により異なりますが、一般的なエレベーター式の場合、入出庫に3~5分程度かかります。混雑時は待ち時間が発生し、10分以上待つこともあります。

Q:深夜でも使用できますか?

A:多くのマンションでは24時間使用可能です。ただし、定期メンテナンスや故障時は使用できない場合があります。また、深夜のエンジン音などへの配慮から、使用時間に制限を設けているマンションもあります。

費用に関する質問

Q:月々の費用はどのくらいかかりますか?

A:立地や機械の種類により大きく異なりますが、都心部の場合、月額2~4万円程度が一般的です。これに加えて、修繕積立金の負担も必要です。

Q:修繕費用はどのくらいかかりますか?

A:大規模修繕の場合、1台あたり数十万円の負担が必要になることもあります。修繕積立金の設定額や、過去の修繕履歴を確認することが重要です。

車両制限に関する質問

Q:どんな車でも駐車できますか?

A:車両の大きさや重量に制限があり、全長5m、全幅1.85m、全高1.55m、重量2トンまでといった制限が一般的です。ミニバンやSUVは収まらない場合があるため、事前確認が必要です。

Q:車を買い替える時は気をつけることがありますか?

A:新しい車が駐車場の制限内に収まるか、必ず事前に確認が必要です。また、車高の低い車の場合、スロープでの擦り底にも注意が必要です。

緊急時の対応に関する質問

Q:停電したら車は出せないのですか?

A:非常用電源が設置されているマンションが多く、一定時間は操作可能です。また、手動での操作方法も用意されていますが、管理会社のサポートが必要な場合があります。

Q:故障した時はどうなりますか?

A:管理会社に連絡して修理対応となります。修理完了まで車が出せない可能性もあるため、代替駐車場の確保方法について事前に確認しておくことをおすすめします。

日常使用に関する質問

Q:来客用の駐車場はありますか?

A:マンションによって対応が異なります。専用の来客用駐車場がある場合や、時間貸しが可能な場合、近隣のコインパーキングを案内する場合などがあります。

Q:子どもだけでの使用は可能ですか?

A:安全面から、子どもだけでの使用は禁止されているのが一般的です。必ず大人が操作を行うようにしましょう。

管理・メンテナンスに関する質問

Q:定期的な点検は必要ですか?

A:法定点検を含め、定期的なメンテナンスが必要です。点検時は使用できない時間帯が発生します。点検の頻度や時期は管理規約で定められています。

Q:古い機械式駐車場は危険ですか?

A:適切なメンテナンスが行われていれば、築年数だけで危険というわけではありません。ただし、部品の供給状況や、今後の大規模修繕の可能性については確認が必要です。

まとめ

機械式駐車場は都心部のマンションでは一般的な設備となっていますが、種類によって特徴や注意点が異なります。マンション購入を検討する際は、現在お持ちの車両が収納可能か、管理費用の負担は適正か、災害時の対応は整っているかなど、多角的な視点でチェックすることが大切です。快適なマンションライフのために、これらのポイントを押さえた上で選択することをおすすめします。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

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