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エレベーター付きマンションの特徴や選び方について解説

家づくりの基本

2024/11/29

2024/11/29

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

エレベーター付きマンションの特徴や選び方について解説

マンション選びにおいて、エレベーターの有無は居住性や資産価値に大きく影響する重要なポイントです。特に高層階への引っ越しや日々の生活において、エレベーターの存在は快適な暮らしを左右する要素といっても過言ではありません。

そこで、今回の記事ではマンションのエレベーターについて、設置の有無によるメリット・デメリットや、エレベーター付きマンションを選ぶ際のポイントについてまとめてみました。

マンションのエレベーターについて

マンションのエレベーターは、居住者の日常生活に直結する重要な共用設備です。建築基準法では6階建て以上の共同住宅にエレベーターの設置が義務付けられており、近年では低層階のマンションでも標準的に設置されるようになっています。

エレベーターの設置基準

マンションのエレベーターは、建物の規模や用途によって設置基準が定められています。6階建て以上のマンションでは法令による設置義務があり、5階建て以下でも居住者の利便性を考慮して設置されるケースが増えています。

また、エレベーターの基数についても、1基あたりの適正な担当住戸数を考慮して決定される必要があります。一般的な目安として、1基あたり30戸程度が望ましいとされています。

エレベーターの種類と特徴

マンションのエレベーターは、主に「乗用エレベーター」と「人荷用エレベーター」の2種類に分類されます。乗用エレベーターは人の移動を主目的とし、人荷用エレベーターは引っ越しや大型荷物の運搬にも対応できる仕様となっています。

最近のエレベーターには、省エネルギー機能や地震時管制運転機能、防犯カメラなど、様々な機能が標準装備されるようになってきています。

運転管理システム

エレベーターの運転管理システムは、利用状況に応じて効率的な運行を行うように設計されています。特に、朝夕のラッシュ時には、上り下りの需要を予測して効率的な配車を行う機能を備えているものも増えています。

また、深夜時間帯のセキュリティ管理として、居住者以外の利用を制限するカードキーシステムなども一般的になってきています。

安全機能と防犯対策

エレベーターには様々な安全機能が搭載されています。地震時には自動的に最寄階に停止する機能や、停電時に最寄階まで移動できる非常用バッテリー、また、扉の挟み込み防止センサーなどが標準装備となっています。

防犯対策としては、防犯カメラの設置や非常通報装置の設置、また、かご内への鏡の設置なども一般的です。

保守点検と維持管理

エレベーターの安全な運行を維持するためには、定期的な保守点検が不可欠です。通常、専門の保守会社と契約を結び、月1回の定期点検と年1回の法定検査が実施されます。

また、15年から20年程度で大規模な修繕や更新が必要となるため、計画的な修繕積立金の確保も重要です。

非常時の対応体制

エレベーター内での閉じ込め事故や故障に備えて、24時間対応の緊急連絡体制が整備されています。また、地震や火災などの災害時には、安全のため使用を控える必要があります。

非常用の階段や避難経路の確保など、エレベーターが使用できない場合の代替手段についても、日頃から確認しておく必要があります。

維持費用について

エレベーターの維持管理には、定期的な費用が必要です。保守点検費用、修繕費用、電気料金などが主な費用となり、これらは管理費や修繕積立金として区分所有者が負担することになります。

1基あたりの月間維持費用は、一般的に15,000円から30,000円程度とされています。また、大規模修繕時には数百万円程度の費用が必要となります。

最新の技術動向

最近のエレベーターには、IoT技術を活用した予防保全システムや、人工知能による効率的な運行制御など、先進的な機能が導入されています。また、省エネルギー性能の向上や、バリアフリー対応の充実など、社会ニーズに応じた進化も続いています。

特に、非接触ボタンや抗菌処理など、衛生面での配慮も重視されるようになってきています。

マンションのエレベーターなし物件のメリット・デメリット

エレベーターなし物件は、購入価格や管理費の面でメリットがある一方、生活面での制約も少なくありません。ここでは、エレベーターなし物件のメリットとデメリットについて、詳しく解説していきます。

経済的なメリット

エレベーターなし物件の最大のメリットは、購入価格が比較的安価に抑えられることです。エレベーター設置費用分のコストが不要なため、同じ地域・同規模の物件と比較しても、価格面で優位性があります。

また、管理費や修繕積立金も安く抑えられます。エレベーターの保守点検費用や修繕費用、電気代などが不要なため、月々の管理費の負担が大幅に軽減されます。特に、若い世代や単身者にとっては、この経済的なメリットは大きな魅力となります。

健康面でのメリット

階段の上り下りによる自然な運動効果が期待できます。日常的な運動不足の解消や、体力維持・向上につながる可能性があります。特に、健康志向の強い方や、積極的に運動を取り入れたい方にとっては、メリットとなるでしょう。

生活面でのデメリット

日常生活における不便さが最も大きなデメリットです。特に、高齢者や小さな子どもがいる世帯、妊婦の方にとっては、階段の上り下りが大きな負担となります。買い物帰りの重い荷物運びや、ベビーカーの出し入れなども困難になります。

また、病気やケガで一時的に歩行が困難になった場合にも、大きな支障が生じる可能性があります。将来的な加齢による身体機能の低下なども考慮に入れる必要があります。

引っ越し時の制約

大型家具や電化製品の搬入出が困難になります。特に、高層階の場合は、搬入出作業に追加料金が発生することも多く、引っ越し費用の増加につながる可能性があります。

また、家具の選定時にも、搬入経路や階段の形状を考慮する必要があり、選択肢が制限される場合があります。

資産価値への影響

エレベーターなし物件は、将来的な資産価値の維持が難しい傾向にあります。特に、高齢化社会が進む中で、3階以上の物件は売却や賃貸時に不利になることが多く見られます。

また、賃貸として活用する場合も、入居者が限定される可能性が高く、空室リスクが高まる傾向にあります。

向いている入居者層

エレベーターなし物件は、主に以下のような方々に適しているといえます。日常的に階段の上り下りに支障がない若い世代、経済的な理由で管理費を抑えたい方、荷物の出し入れが少ない単身者などです。

一方、高齢者や小さな子どもがいる世帯、将来的な転売を考えている方などは、エレベーター付きの物件を選択することをおすすめします。

物件選びのポイント

エレベーターなし物件を検討する場合は、階数選びが特に重要です。一般的に、3階以上になると生活への影響が大きくなるため、可能な限り低層階を選択することをおすすめします。

また、階段の形状や手すりの設置状況、照明の配置なども重要なチェックポイントとなります。特に、夜間や雨天時の安全性にも配慮が必要です。

将来的な対応

エレベーターの後付けは技術的には可能ですが、費用面や建物の構造上の制約から、実現は極めて困難です。そのため、将来的な生活変化も見据えた上で、物件を選択することが重要となります。

特に、長期居住を考えている場合は、年齢とともに階段の上り下りが負担になってくる可能性も考慮に入れる必要があります。

エレベーター付きマンションの選び方

エレベーター付きマンションを選ぶ際は、様々な観点からの検討が必要です。ここでは、快適な暮らしを実現するための重要なポイントについて、詳しく解説していきます。

エレベーターの基数と配置

まず確認すべきは、エレベーターの基数が建物の規模に対して適切かどうかです。一般的な目安として、1基あたり30戸程度が理想的とされています。基数が少なすぎると、特に朝夕の混雑時に待ち時間が長くなってしまう可能性があります。

配置については、自分の住戸からエレベーターホールまでの距離や、共用廊下の動線を確認することが重要です。特に、ゴミ置き場や駐輪場などへのアクセスも考慮に入れる必要があります。

エレベーターのサイズと仕様

かごの大きさや開口部の幅は、日常生活の利便性に直結します。ベビーカーや車いすの利用、また、大型の荷物搬入などを想定し、十分なスペースが確保されているかを確認しましょう。

また、最新の設備では、省エネ機能や静音性、快適な乗り心地など、様々な性能が向上しています。これらの機能の有無も、重要な選択基準となります。

セキュリティ対策

防犯カメラの設置は、今や標準的な装備となっています。カメラの設置位置や録画システムの有無、また、非常時の通報装置の設置状況なども確認しておく必要があります。

深夜時間帯のセキュリティ管理として、居住者以外の利用を制限するカードキーシステムなども、重要なチェックポイントです。

維持管理体制

定期的な保守点検や緊急時の対応体制が整備されているかどうかは、安全性を確保する上で重要です。保守会社との契約内容や、故障時の対応体制なども事前に確認しておきましょう。

特に古い物件の場合は、修繕履歴や今後の修繕計画、それに伴う費用積立の状況なども重要な確認事項となります。

管理費と修繕積立金

エレベーターの維持管理には相応の費用が必要です。月々の管理費に占めるエレベーター関連費用の内訳や、将来的な大規模修繕に向けた積立金の状況なども確認しておく必要があります。

複数基設置されている物件の場合、維持管理費用も比例して高くなる傾向にあるため、長期的な費用負担を考慮した検討が必要です。

緊急時の対応

地震や火災など、緊急時のエレベーター対応について確認が必要です。特に、停電時の非常用電源の有無や、故障時の救出体制など、安全面での備えが十分かどうかを確認しましょう。

また、非常用階段の位置や避難経路との関係性なども、重要なチェックポイントとなります。

バリアフリー対応

高齢者や車いす利用者、ベビーカーでの利用など、様々な状況を想定したバリアフリー対応が重要です。段差の解消や手すりの設置状況、また、エレベーター前の十分なスペースの確保なども確認しましょう。

また、視覚障害者や聴覚障害者向けの案内設備なども、最近では標準的に設置されるようになってきています。

居住者層への配慮

マンションの居住者層によって、エレベーターの利用パターンは大きく異なります。高齢者が多い物件では、操作のしやすさや安全性が重視され、子育て世帯が多い物件では、ベビーカーでの利用のしやすさなどが重要になってきます。

物件選びの際は、現在の居住者層や、今後想定される変化なども考慮に入れた検討が必要です。

将来的な価値

エレベーターの性能や仕様は、マンションの資産価値にも影響します。特に、バリアフリー対応や省エネ性能など、時代のニーズに合致した機能を備えているかどうかは、将来的な売却や賃貸を考える上で重要なポイントとなります。

また、修繕計画や維持管理体制が適切に整備されているかどうかも、長期的な価値維持の観点から重要です。

よくある質問

マンションのエレベーターに関して、購入検討者や居住者からよく寄せられる質問について、Q&A形式でまとめてみました。

設置基準に関する質問

Q. エレベーターの設置は何階建てから義務付けられていますか?

A. 建築基準法により、6階建て以上の共同住宅には、エレベーターの設置が義務付けられています。5階建て以下の場合は任意設置となりますが、近年では低層階でも標準的に設置されるケースが増えています。

Q. エレベーターは1基あたり何戸まで対応できますか?

A. 一般的な目安として、1基あたり30戸程度が適正とされています。ただし、マンションの規模や居住者の生活パターン、建物の形状などによって、適正な基数は変わってきます。

費用に関する質問

Q. エレベーターの維持費用はどのくらいかかりますか?

A. 一般的に、1基あたり月間15,000円から30,000円程度の維持管理費用が発生します。この費用は、定期点検や保守契約、消耗品の交換などに充てられ、区分所有者で分担することになります。

Q. 大規模修繕はどのくらいの頻度で必要ですか?

A. エレベーターの大規模修繕は、通常15年から20年程度のサイクルで必要となります。費用は1基あたり数百万円程度かかることが一般的で、修繕積立金から支出されます。

資産価値に関する質問

Q. エレベーターなしマンションは資産価値が下がりやすいのでしょうか?

A. 一般的に、エレベーターなしマンションは資産価値が下がりやすい傾向にあります。特に、高齢化社会において、3階以上の物件は売却や賃貸時に不利になることが多いです。

Q. 古いエレベーターは後から最新式に更新できますか?

A. 技術的には可能ですが、多額の費用が必要となります。また、建物の構造上の制約もあるため、更新工事の実施には管理組合での十分な検討と合意形成が必要です。

安全性に関する質問

Q. 地震の際はエレベーターを使用してもよいのでしょうか?

A. 地震発生時や直後は、エレベーターの使用は避けるべきです。最新の設備では地震を感知すると自動的に最寄階に停止する機能が搭載されていますが、安全のため階段を使用することが推奨されています。

Q. 停電時はどうなりますか?

A. 最近のエレベーターには非常用バッテリーが搭載されており、停電時でも最寄階まで移動して扉を開けることができます。ただし、その後は停電が復旧するまで使用できません。

日常使用に関する質問

Q. 引っ越し時の大型家具は運べますか?

A. 通常のエレベーターでも基本的な家具の搬入は可能ですが、大きさや重量に制限があります。特に大型の家具を搬入する場合は、事前に寸法や重量制限を確認し、必要に応じて外部階段やクレーンの使用を検討する必要があります。

Q. 防犯カメラは24時間録画されているのでしょうか?

A. 多くのマンションでは24時間録画を実施していますが、録画データの保存期間や確認方法は物件によって異なります。詳細は管理規約や管理会社に確認することをおすすめします。

管理運営に関する質問

Q. エレベーターの使用時間に制限はありますか?

A. 基本的に24時間使用可能ですが、マンションによっては深夜帯の利用制限や、セキュリティカードによる利用者制限を設けているケースもあります。

Q. 故障時の対応はどうなっていますか?

A. 通常は保守会社と24時間対応の契約を結んでおり、故障時には専門技術者が派遣されます。ただし、夜間や休日は対応に時間がかかる場合もあります。

まとめ

今回の記事では、マンションのエレベーターについて、設置の有無によるメリット・デメリットや選び方のポイントについてお伝えしました。

エレベーターの有無は、日々の暮らしの快適性に直結する重要な要素です。物件選びの際は、ライフスタイルや将来の生活変化なども考慮しながら、慎重に検討することをおすすめします。

この記事が、マンション選びの参考になれば幸いです。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

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