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フローリングの補修や張り替えのポイント、リフォーム費用を解説

家づくりの基本

2024/12/03

2024/12/03

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

フローリングの補修や張り替えのポイント、リフォーム費用を解説

フローリングは毎日の生活で最も使用する部分であり、経年劣化による傷みが目立ちやすい箇所です。床の状態が住まいの印象を大きく左右することから、適切なメンテナンスやリフォームが重要になってきます。今回は、フローリングの補修方法から張り替えまで、費用の目安や選び方のポイントについて詳しく解説していきます。

目次

フローリングの張り替え・リフォームの方法

フローリングの張り替えリフォームには、大きく分けて「上張り工法」と「撤去張り工法」の2つの方法があります。それぞれの特徴や向いているケースについて詳しく見ていきましょう。

上張り工法の特徴とメリット

上張り工法は、既存のフローリングの上から新しい床材を重ねて張る工法です。費用を抑えられることから、予算を抑えたい方に人気の工法となっています。工期も短く、1日から2日程度で完了することが可能です。また、既存の床をはがす必要がないため、粉塵の発生も最小限に抑えられます。

上張り工法の注意点

上張り工法を選択する際は、床の高さが上がることによる影響を事前に確認する必要があります。具体的には、ドアの開閉、家具の高さ、設備との段差などを確認しましょう。また、既存の床に大きな傷みがある場合は、その上から張ると不具合が出る可能性があるため避けた方がよいでしょう。

撤去張り工法の特徴とメリット

撤去張り工法は、既存のフローリングを完全に撤去して新しく張り替える工法です。床下地の状態確認や補修も同時に行えるため、より確実な仕上がりが期待できます。また、床の高さを変えずにリフォームできることも大きなメリットです。防音や断熱などの機能性を高めたい場合にも適しています。

撤去張り工法の注意点

撤去張り工法は、上張り工法と比べて工期が長くなり、費用も高くなる傾向にあります。また、既存の床材を撤去する際に粉塵が発生するため、家具の養生や換気などの対策が必要になってきます。工事期間中は該当の部屋を使用できなくなることも考慮に入れておく必要があります。

部分補修という選択肢

床材の傷みが一部分に限られている場合は、部分的な張り替えという選択肢もあります。ただし、既存の床材と新しい床材の色味や風合いが異なる可能性があるため、目立つ場所での部分補修は慎重に検討する必要があります。

工法選びのポイント

工法を選ぶ際は、予算や工期だけでなく、現在の床の状態や、将来的な住まい方まで考慮することが大切です。特に、床下地に不具合がある可能性がある場合や、水回りなど湿気の影響を受けやすい場所では、撤去張り工法を選択することをおすすめします。また、床暖房の設置を検討している場合も、撤去張り工法が必要になってきます。

施工時期の選び方

フローリングの張り替えは、梅雨時期を避けて行うことが望ましいです。湿気の多い時期に施工すると、床材が膨張・収縮することで、後々不具合が出る可能性が高くなります。また、引っ越しや大規模な模様替えのタイミングに合わせて行うと、より効率的に工事を進めることができます。

上張り工法のメリット・デメリット

工期が短く、費用を抑えられる上張り工法は、既存の床に大きな傷みがない場合におすすめです。ただし、ドアの丈や家具の高さなど、床の上がることによる影響を事前に確認しておく必要があります。

撤去張り工法のメリット・デメリット

既存の床材を完全に撤去して新しく施工する撤去張り工法は、床下地の状態確認や補修も同時に行えるため、より長期的な品質が期待できます。ただし、工期が長くなり、費用も上張り工法と比べて高くなる傾向にあります。

床全体のリフォーム費用(目安)

フローリングのリフォーム費用は、工法や床材の種類、面積によって大きく変わってきます。ここでは、各工法や床材別の費用の目安について詳しく解説していきます。

工法別の費用目安

上張り工法の場合、6畳間(約10平方メートル)で15万円から25万円程度が一般的な相場です。一方、撤去張り工法の場合は、同じ6畳間で25万円から35万円程度かかります。既存の床材の撤去や処分費用が必要となるため、上張り工法と比べて費用が高くなります。

床材別の価格帯

一般的な複合フローリングの場合、1平方メートルあたり3,000円から8,000円程度です。天然木の無垢材を選択すると、1平方メートルあたり15,000円から30,000円程度まで費用が上がります。また、床暖房対応のフローリング材は、通常の床材と比べて2割から3割程度価格が高くなります。

追加工事が必要な場合の費用

床下地の補修が必要な場合は、補修範囲によって5万円から15万円程度の追加費用が発生します。また、防音や断熱の機能を付加する場合も、材料費と工事費で10万円から20万円程度の追加費用を見込む必要があります。

間取り別の費用目安

マンションの1LDK(約20平方メートル)の場合、上張り工法で30万円から45万円、撤去張り工法で50万円から70万円程度が目安です。一戸建ての場合、1階全体(約50平方メートル)で上張り工法なら70万円から100万円、撤去張り工法なら120万円から150万円程度を見込んでおく必要があります。

費用を抑えるポイント

床材は、デザインや機能性が似ている商品でも、メーカーによって価格が大きく異なることがあります。複数のメーカーの製品を比較検討することで、費用を抑えることができます。また、まとめて施工することで、1平方メートルあたりの工事費を抑えられる場合もあります。

見積もり取得時の注意点

見積もりには、床材費、工事費、既存床材の撤去・処分費用、下地調整費用など、すべての費用が含まれているか確認が必要です。また、引き戸や巾木の調整費用、家具の移動費用なども事前に確認しておきましょう。最低でも3社以上から見積もりを取得し、比較検討することをおすすめします。

支払い方法と諸費用

リフォームローンを利用する場合は、金利の負担が追加で発生します。一般的な住宅ローンと比べて金利が高めに設定されていることが多いため、複数の金融機関で検討することをおすすめします。現金払いの場合は、工事開始時に契約金として3割程度、工事完了時に残金を支払うというのが一般的な流れです。

補助金・助成金の活用

自治体によっては、リフォーム工事に対する補助金や助成金制度を設けている場合があります。特に、断熱改修や省エネ改修を含む工事の場合は、補助金の対象となる可能性が高くなります。工事を検討する際は、お住まいの地域の制度を確認してみましょう。

フローリング材の種類や選び方のポイント

フローリング材の選択は、見た目の美しさだけでなく、耐久性や機能性、お手入れのしやすさなども考慮する必要があります。ここでは、種類別の特徴と選び方のポイントを詳しく解説していきます。

フローリング材の主な種類

フローリング材は大きく分けて、無垢フローリングと複合フローリングの2種類があります。無垢フローリングは天然木をそのまま使用した床材で、高級感があり、経年変化を楽しめる特徴があります。複合フローリングは、合板などを基材として、表面に化粧材を貼った床材です。

無垢フローリングの特徴

無垢フローリングは、木の質感や風合いを最大限に活かした床材です。長年使用することで味わいが増し、傷がついても研磨して再生できるメリットがあります。ただし、温度や湿度の影響を受けやすく、価格も高めに設定されています。メンテナンスにも手間がかかるため、木の特性を理解したうえでの選択が重要です。

複合フローリングの特徴

複合フローリングは、耐久性が高く、温度や湿度の影響を受けにくいのが特徴です。価格も無垢材と比べて手頃で、デザインの選択肢も豊富です。表面の化粧材には、天然木の突板やシートが使用され、近年は本物の木材に近い質感を実現したものも増えています。

床材の性能による分類

フローリング材は、その性能によっても分類されます。床暖房対応、防音性能、耐傷性能、防汚性能など、様々な機能を持った製品が販売されています。特に、マンションでは防音性能が重要視され、遮音等級の高い床材が選ばれる傾向にあります。

用途別の選び方

リビングは、デザイン性と耐久性のバランスが重要です。キッチンは、水や油に強い防汚性能が求められます。寝室は、柔らかな肌触りと防音性能が重視されます。このように、部屋の用途に応じて適切な床材を選択することが大切です。

色・柄の選び方

床材の色や柄は、インテリアの印象を大きく左右します。明るい色は空間を広く見せる効果がありますが、汚れが目立ちやすい傾向があります。暗めの色は落ち着いた雰囲気を演出できますが、傷が目立ちやすくなります。部屋の広さや採光の状況も考慮して選びましょう。

メンテナンス性の違い

無垢フローリングは定期的なワックスがけや油分の補給が必要です。一方、複合フローリングは比較的お手入れが簡単で、日常的な掃除で十分な場合が多いです。長期的な維持管理の手間や費用も考慮に入れて選択することをおすすめします。

価格帯による比較

最も一般的な複合フローリングは、1平方メートルあたり3,000円から8,000円程度です。高機能タイプになると10,000円を超えるものもあります。無垢フローリングは、樹種にもよりますが、1平方メートルあたり15,000円から30,000円程度が一般的です。

選び方のポイントまとめ

フローリング材を選ぶ際は、予算、使用する部屋の用途、求める機能性、メンテナンスの手間、デザイン性などを総合的に検討することが大切です。また、実物のサンプルで色や質感を確認し、生活スタイルに合った選択をすることをおすすめします。

フローリングの補修方法

フローリングの傷みには様々な種類があり、その程度によって適切な補修方法を選ぶ必要があります。ここでは、傷みの種類別に補修方法を詳しく解説していきます。

フローリングの傷みの種類

フローリングの主な傷みには、表面の引っかき傷、凹み、色褪せ、剥がれ、床鳴り、隙間などがあります。軽微な傷であれば補修キットでの対応も可能ですが、深い傷や広範囲の傷みの場合は、部分的な張り替えや全面リフォームを検討する必要があります。

引っかき傷の補修方法

表面の浅い傷は、補修用のマーカーやクレヨンで色を合わせることで目立たなくすることができます。中程度の傷の場合は、補修用のパテを使用します。パテを傷に埋め込んだ後、色を合わせて仕上げることで、傷を目立たなくすることができます。

凹みの補修方法

家具などの重みで付いた凹みは、スチームアイロンで補修できる場合があります。凹んだ部分に濡れた布を置き、スチームアイロンを当てることで、木材が膨張して元の状態に戻ることがあります。ただし、この方法は無垢材の場合に特に効果があり、複合フローリングでは効果が限定的です。

色褪せの補修方法

日光による色褪せは、フローリングオイルやワックスを塗布することで、ある程度回復させることができます。ただし、部分的に塗布すると周囲との色差が目立つ場合があるため、室内全体に均一に塗布することをおすすめします。

剥がれの補修方法

フローリング材が剥がれてきた場合は、専用の接着剤で固定します。ただし、広範囲に剥がれが生じている場合や、下地に問題がある場合は、部分的な張り替えを検討する必要があります。水分が原因で剥がれが生じている場合は、水の侵入経路を特定し、対策を講じることが重要です。

床鳴りの補修方法

床鳴りは、フローリング材同士の擦れや、下地との隙間が原因で発生します。軽度な場合は、専用の潤滑剤やパウダーを隙間に注入することで改善できることがあります。ただし、根本的な解決には下地からの補修が必要になることが多いです。

隙間の補修方法

季節の変化による木材の収縮で隙間が生じた場合は、隙間用の補修材を充填することで対応できます。ただし、大きな隙間や、頻繁に隙間が発生する場合は、湿度管理の見直しや、床材の張り替えを検討する必要があります。

DIYでの補修の注意点

フローリングの補修をDIYで行う場合は、まず小さな目立たない場所で試してみることをおすすめします。特に色合わせは難しく、逆に目立ってしまう可能性もあります。また、補修箇所が広範囲にわたる場合や、構造的な問題が疑われる場合は、専門業者に相談することをおすすめします。

専門業者に依頼すべきケース

深い傷や広範囲の傷み、床鳴りの改善、水濡れによる膨れなど、構造的な補修が必要な場合は、専門業者への依頼が必要です。また、マンションの場合は、防音性能や構造に関わる補修は、必ず専門業者に依頼するようにしましょう。

予防的なメンテナンス

定期的なワックスがけや、適切な湿度管理を行うことで、フローリングの傷みを予防することができます。また、家具の脚にフェルトを貼るなど、傷がつきにくい工夫をすることも重要です。予防的なメンテナンスを行うことで、フローリングの寿命を延ばすことができます。

よくある質問(Q&A)

Q:フローリングのリフォームにかかる期間はどのくらいですか?

A:6畳間の場合、上張り工法で1~2日、撤去張り工法で2~3日程度が目安です。ただし、床下地の補修が必要な場合や、広範囲の工事の場合は、さらに期間が必要になることがあります。

Q:DIYでの張り替えは可能ですか?

A:簡単な上張り工法であれば可能ですが、確実な仕上がりを求める場合は、専門業者への依頼をおすすめします。特に、床下地の状態確認や防音性能の確保が必要な場合は、専門知識が必要です。

Q:床暖房に対応したフローリングはありますか?

A:はい、床暖房専用のフローリング材が各メーカーから販売されています。通常のフローリングより耐熱性に優れていますが、価格は2~3割程度高くなる傾向があります。

Q:マンションでもフローリングの張り替えは可能ですか?

A:可能です。ただし、防音性能や重量制限などの規定があるため、管理組合への確認や承認が必要になることがあります。また、工事の際は近隣への配慮も必要です。

Q:フローリングの色褪せを防ぐ方法はありますか?

A:カーテンやブラインドで直射日光を遮ることが最も効果的です。また、定期的なワックスがけや、フローリング用のコーティング剤を使用することで、ある程度の予防が可能です。

Q:床鳴りは必ず直せますか?

A:床鳴りの原因によって、改善の可能性は異なります。フローリング材同士の擦れが原因の場合は比較的簡単に改善できますが、床下地に問題がある場合は、大掛かりな工事が必要になることがあります。

Q:無垢材と複合フローリング、どちらがおすすめですか?

A:生活スタイルや予算によって選択が分かれます。無垢材は高級感があり経年変化を楽しめますが、価格が高くメンテナンスも必要です。複合フローリングは扱いやすく価格も手頃ですが、再生ができない点が特徴です。

Q:フローリングの寿命はどのくらいですか?

A:一般的な複合フローリングで10~15年、無垢材で20~30年程度が目安です。ただし、使用状況やメンテナンス次第で大きく変わってきます。定期的なお手入れで寿命を延ばすことができます。

Q:補修キットはどこで購入できますか?

A:ホームセンターやインターネットで購入できます。ただし、フローリングの種類や色に合った補修キットを選ぶ必要があります。購入前に床材メーカーに確認することをおすすめします。

Q:リフォームの費用を抑える方法はありますか?

A:上張り工法を選択する、複数社から見積もりを取る、施工範囲をまとめる、キャンペーン時期を狙うなどの方法があります。また、自治体の補助金制度を利用できる場合もあります。

Q:工事中は生活できますか?

A:工事範囲や工法によって異なります。上張り工法であれば、工事範囲以外の部屋での生活は可能です。ただし、撤去張り工法の場合は、工事範囲の部屋は使用できなくなり、粉塵や騒音も発生します。

Q:見積もりは無料ですか?

A:多くの業者が無料で見積もりを行っています。ただし、遠方の場合は出張費が必要になることもあります。また、詳細な見積もりのために、現地調査が必要になる場合があります。

まとめ

フローリングのリフォームは、工法や床材の選択によって仕上がりや費用が大きく変わってきます。生活スタイルや予算に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。また、定期的なメンテナンスを行うことで、フローリングの寿命を延ばすことができます。業者選びの際は、実績や評判を確認し、複数の見積もりを取ることをおすすめします。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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