雨戸・シャッターの基礎知識や選び方のポイントについて解説
家づくりの基本
2024/12/12
2024/12/12
近年、防犯意識の高まりや台風・豪雨などの自然災害の増加により、住宅の外部建具である雨戸・シャッターの重要性が注目されています。雨戸は防犯・防災機能だけでなく、断熱性や遮音性など様々な機能を備えており、住宅の快適性を高める重要な役割を担っています。今回は、雨戸・シャッターの基礎知識から選び方のポイントまでを詳しく解説していきます。
目次
雨戸の役割や機能性
雨戸には、住まいを守るための多様な役割と機能性が備わっています。それぞれの機能について詳しく解説していきましょう。
防災機能
雨戸の最も基本的な役割は、台風や暴風雨などの自然災害から住まいを守ることです。強風で飛んでくる物からの衝撃を和らげ、窓ガラスの破損を防ぐほか、豪雨時の雨の吹き込みを防ぐ効果もあります。特に台風が多い地域では、必須の建具といえるでしょう。
防犯機能
近年特に重視されているのが防犯機能です。窓やベランダからの侵入を物理的に防ぐ役割があり、特に電動シャッターは高い防犯性能を発揮します。センサーと連動させることで、不審者を感知して自動的に閉まるような設定も可能です。
断熱・遮熱機能
雨戸を閉めることで、外部との熱の出入りを抑制する効果があります。夏場は外からの熱を遮り、冬場は室内の暖かい空気が逃げるのを防ぎます。これにより冷暖房効率が向上し、光熱費の削減にもつながります。特に最新の製品では、断熱材を内蔵した高性能なものも登場しています。
遮音機能
外部からの騒音を軽減する効果もあります。特に道路に面した窓や、騒音の気になる場所では、雨戸を設置することで生活環境の改善が期待できます。最新の製品では、特殊な構造により高い遮音性能を実現しているものもあります。
採光・通風のコントロール
可動式の雨戸では、開閉を調整することで光や風の量をコントロールできます。これにより、季節や時間帯に応じて快適な室内環境を作り出すことが可能です。特に通風式の雨戸では、完全に閉めた状態でも適度な通気を確保できます。
プライバシー保護
外部からの視線を遮る役割もあります。特に1階の窓や、隣家からの視線が気になる場所では、プライバシー保護の観点から重要な役割を果たします。必要に応じて開閉することで、柔軟なプライバシーコントロールが可能です。
資産価値の維持
適切な雨戸の設置は、建物の資産価値維持にも貢献します。災害や防犯対策がしっかりしている物件は、売却や賃貸の際にも好評価につながりやすいとされています。特に防犯性能の高い電動シャッターなどは、物件の付加価値として認識されることが多いです。
メンテナンス性
現代の雨戸は、耐久性が高く、メンテナンスが比較的容易な設計になっています。特に最新の製品では、汚れが付きにくい加工が施されているものや、清掃がしやすい構造になっているものも多く、維持管理の手間を軽減できます。
以上のような多様な機能を持つ雨戸ですが、製品によって特徴が異なりますので、重視したい機能に応じて適切な製品を選択することが重要です。また、これらの機能を最大限に活用するためには、適切な使用方法とメンテナンスが欠かせません。
雨戸の種類
住宅の雨戸には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。ここでは、主要な雨戸の種類とその特徴について詳しく解説していきます。
引き違い雨戸(従来型)
最も一般的な雨戸の形式です。左右にスライドして開閉する仕組みで、和風住宅によく合う外観が特徴です。比較的安価で、操作も簡単なため、多くの住宅で採用されています。ただし、開閉時に雨戸を収納するスペースが必要となり、完全な防犯性能を求める場合は他の選択肢を検討する必要があります。
電動シャッター
スイッチ一つで開閉できる利便性の高い雨戸です。防犯性能が高く、操作も簡単なため、特に高齢者がいる家庭で人気があります。リモコン操作や防犯センサーとの連動も可能で、停電時対応の手動装置付きの製品もあります。ただし、価格が比較的高く、メンテナンスにも定期的な点検が必要となります。
手動シャッター
電動シャッターと同様の構造ですが、ベルトやひもを手動で引いて開閉する方式です。電動式に比べて価格が抑えられ、停電時でも問題なく使用できるのが特徴です。ただし、大きな開口部の場合は開閉に力が必要となる場合があります。
後付けシャッター
既存の住宅にも取り付けられる雨戸です。リフォーム時によく採用される方式で、工事期間も比較的短いのが特徴です。電動式と手動式があり、既存の窓枠を活かして設置できます。ただし、建物の構造によっては取り付けが難しい場合もあります。
耐風雨戸
台風や強風に特化した高性能な雨戸です。通常の雨戸よりも耐風圧性能が高く、飛来物からの衝撃にも強い設計になっています。特に台風の多い地域での採用が増えています。ただし、価格は一般的な雨戸より高めとなります。
通風雨戸
通気性を確保しながら、防犯性能も備えた雨戸です。特殊な構造により、閉めた状態でも適度な通風を確保できます。夏場の室内環境改善に効果的で、省エネにも貢献します。デザイン性も高く、モダンな外観を求める住宅に適しています。
断熱雨戸
断熱材を内蔵した高性能な雨戸です。一般的な雨戸よりも高い断熱性能を発揮し、冷暖房効率の向上に貢献します。特に寒冷地や省エネを重視する住宅で採用されています。価格は比較的高めですが、光熱費の削減効果が期待できます。
デザイン雨戸
意匠性を重視した雨戸です。従来の雨戸のイメージを覆す、モダンなデザインや多彩なカラーバリエーションが特徴です。機能性も備えながら、住宅の外観デザインを引き立てる役割も果たします。ただし、デザインによっては価格が高くなる傾向があります。
これらの種類の中から、予算や必要な機能、住宅のデザイン、設置場所の条件などを考慮して、最適な雨戸を選択することが重要です。また、複数の種類を組み合わせて使用することで、より効果的な住まいの防御と快適性の向上が期待できます。
雨戸選びのポイント
雨戸は住まいの安全性と快適性に関わる重要な建具です。最適な雨戸を選ぶために、以下のポイントを詳しく解説していきます。
防犯・防災性能の確認
まず重視すべきは防犯・防災性能です。耐風圧性能や耐衝撃性能のほか、防犯性能の等級をしっかりと確認しましょう。特に1階の窓や、ベランダに面した開口部では、より高い防犯性能が求められます。また、お住まいの地域特性(台風の多さなど)に応じて、必要な性能レベルを見極めることが大切です。
使い勝手の検討
毎日使用する建具だけに、操作性は重要なポイントとなります。電動か手動か、開閉時の力の要不要、収納方式など、ライフスタイルに合わせて選択しましょう。特に高齢者がいる家庭では、操作の簡便さを重視することをおすすめします。また、停電時の対応についても確認が必要です。
メンテナンス性の確認
長く快適に使用するためには、メンテナンスの容易さも重要です。清掃のしやすさ、部品の耐久性、メンテナンス時期や費用なども事前に確認しておきましょう。特に電動シャッターの場合は、定期的な点検が必要となりますので、アフターサービスの内容もチェックポイントとなります。
断熱・遮音性能の確認
住まいの快適性に直結する断熱・遮音性能も、重要な選択ポイントです。特に寒冷地や道路に面した窓では、これらの性能が重視されます。製品によって性能に差がありますので、数値データなども参考にしながら検討を進めましょう。
デザイン性の検討
住宅の外観に大きく影響する要素ですので、デザイン性も重要です。和風・洋風といった住宅の外観イメージに合わせて、色や形状を選択しましょう。最近では、モダンなデザインの製品も増えていますので、選択肢は広がっています。
コストパフォーマンスの検討
初期費用だけでなく、ランニングコストも含めた総合的な費用を検討することが大切です。電動シャッターの場合は電気代、定期的なメンテナンス費用なども考慮に入れる必要があります。また、断熱性能による光熱費削減効果なども、長期的な視点で検討しましょう。
取付場所の確認
設置予定の開口部の大きさや形状、周辺の状況なども確認が必要です。特に後付けの場合は、取り付けの可否や工事の難易度によってコストが変わってきます。また、収納スペースの確保も重要なポイントとなります。
保証内容の確認
製品保証の内容や期間、アフターサービスの充実度も重要な選択ポイントです。特に電動式の場合は、故障時の対応体制なども確認しておく必要があります。メーカーによって保証内容が異なりますので、しっかりと比較検討しましょう。
以上のポイントを総合的に検討し、ご自身の優先順位に従って最適な製品を選択することが大切です。また、実際の商品を見て、操作感などを確認することもおすすめします。専門家に相談しながら、納得のいく選択を行いましょう。
よくある質問(Q&A)
Q:電動シャッターは停電時も使えますか?
A:基本的には使用できませんが、手動での開閉が可能な製品もあります。また、非常用バッテリーを搭載している機種を選択することで、停電時でも使用することができます。
Q:後付けシャッターの工事期間はどのくらいですか?
A:通常1日から2日程度で設置が完了します。ただし、工事の規模や建物の状況によって期間が前後する場合があります。
Q:メンテナンスはどのくらいの頻度で必要ですか?
A:基本的な清掃は年2回程度、専門業者による点検は2~3年に1回程度が推奨されています。特に電動シャッターの場合は、定期的な動作確認が重要です。
まとめ
雨戸・シャッターは、防犯・防災機能を備えた重要な外部建具です。種類も豊富で、それぞれに特徴がありますので、ご自身のニーズや予算に合わせて最適な製品を選択することが大切です。特に近年は高機能な製品も増えており、住まいの安全性と快適性を両立させることができます。設置を検討される際は、専門家に相談しながら、じっくりと検討を進めていくことをおすすめします。
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