浄水器の基礎知識や選び方のポイントについて解説
家づくりの基本
2024/12/12
2024/12/12
水道水の安全性が気になる方も多い中、浄水器の導入を検討される方が増えています。浄水器には様々な種類があり、取り付け方法や機能も異なることから、選び方に迷われる方も少なくありません。そこで今回は、浄水器の基礎知識から選び方のポイントまで、詳しく解説していきます。
浄水器の基礎知識や選び方のポイントについて詳説
安全でおいしい水を確保するため、浄水器の設置を検討される方が増えています。しかし、種類や機能が多岐にわたることから、選び方に迷われる方も少なくありません。今回は、浄水器の基礎知識から選び方のポイントまで、詳しくご説明していきます。
浄水器とは
浄水器は、水道水に含まれる不純物や残留塩素を取り除き、より安全でおいしい水を作り出す装置です。水道水は法律で定められた基準に従って安全性が確保されていますが、カルキ臭さを軽減したり、より安全な水を確保したりするために、浄水器が活用されています。
浄水器の主な機能
浄水器には様々な機能が備わっています。一般的な機能として、残留塩素の除去、濁りの除去、カビ臭の除去などが挙げられます。高性能な製品では、トリハロメタンや農薬、重金属といった有害物質の除去も可能です。
浄水の仕組みについて
浄水器の浄水方式は、主に活性炭方式、中空糸膜方式、逆浸透膜方式の3つに分類されます。活性炭方式は不純物を吸着して除去する基本的な方式で、中空糸膜方式は細かい穴を通して不純物を取り除きます。逆浸透膜方式は最も高性能で、分子レベルの不純物まで除去することができます。
取り付け方法による分類
浄水器は取り付け方法によって、蛇口直結型、据置型、ビルトイン型に分かれます。蛇口直結型は既存の蛇口に直接取り付けるタイプで、設置が簡単です。据置型は卓上に置いて使用するタイプで、大容量の浄水が可能です。ビルトイン型はシンク下に設置する据え付けタイプで、見た目がスッキリとする特徴があります。
浄水器選びのポイント
浄水器を選ぶ際は、設置場所や使用頻度、家族の人数などを考慮することが重要です。また、カートリッジの交換頻度や費用、浄水能力、1分間あたりの浄水量なども確認しましょう。特に、ランニングコストについては長期的な視点で検討することをおすすめします。
メンテナンスについて
浄水器を長く使用するためには、適切なメンテナンスが欠かせません。特に重要なのがカートリッジの交換で、製品によって4ヶ月から1年程度での交換が必要です。また、定期的な清掃や点検も浄水器の性能を維持するために重要です。
浄水器の種類
浄水器には様々な種類があり、取り付け方法や浄水方式によって大きく分類されます。ここでは、それぞれの特徴と選び方のポイントについて詳しく解説していきます。
取り付け方法による分類
浄水器は取り付け方法によって、大きく3つのタイプに分けられます。設置場所や使い勝手を考慮して、適切なタイプを選びましょう。
蛇口直結型
蛇口に直接取り付けるタイプの浄水器です。設置が簡単で工事も不要なため、賃貸住宅でも気軽に導入できます。初期費用も比較的安価で、取り外しも容易という特徴があります。ただし、蛇口の形状によっては取り付けができない場合もあるため、事前の確認が必要です。
据置型(卓上型)
シンクの横に置いて使用するタイプです。大容量のタンクを備えているため、まとめて浄水を作ることができます。また、持ち運びが可能なため、場所を選ばず使用できるという利点があります。ただし、置き場所のスペースが必要となり、見た目もすっきりしないという欠点があります。
ビルトイン型
シンク下に設置し、専用の蛇口を使用するタイプです。キッチンとの一体感があり、見た目もスッキリとしています。大容量の浄水も可能で、使い勝手も良好です。ただし、設置工事が必要となり、初期費用が高くなる傾向があります。
浄水方式による分類
浄水器の性能を左右する重要な要素として、浄水方式があります。主な方式は以下の3つです。
活性炭方式
最も一般的な浄水方式です。活性炭の微細な孔に不純物を吸着して除去します。塩素除去や臭い除去に優れており、比較的安価なのが特徴です。ただし、細かい物質や溶解性の物質は除去しきれない場合があります。
中空糸膜方式
非常に細かい穴が開いた中空の繊維を使用して、不純物を物理的にろ過する方式です。活性炭方式より細かい物質まで除去できますが、目詰まりしやすく、カートリッジの交換頻度が高くなる傾向があります。
逆浸透膜方式
最も高性能な浄水方式です。分子レベルの極めて小さな穴を持つ特殊な膜を使用し、水分子以外のほとんどの物質を除去することができます。ただし、設備が高価で、浄水速度が遅いという特徴があります。
用途による分類
使用目的によっても、浄水器は以下のように分類されます。
家庭用浄水器
一般家庭での使用を想定した浄水器です。飲料水や調理用水として使用することを主な目的としています。コストパフォーマンスと使いやすさのバランスが取れた製品が多くあります。
業務用浄水器
飲食店やオフィスなど、大量の浄水が必要な場所での使用を想定した浄水器です。高い浄水能力と耐久性を備えていますが、その分価格も高くなります。
アウトドア用浄水器
キャンプや災害時など、通常の水道水が使用できない状況での使用を想定した携帯型の浄水器です。コンパクトで軽量な設計となっていますが、浄水能力は限定的です。
浄水器の種類は、取り付け方法、浄水方式、用途によって様々に分類されます。それぞれに特徴や長所・短所があるため、設置環境や使用目的、予算などを総合的に考慮して、最適な製品を選択することが重要です。特に、日常的な使用を考えた場合、メンテナンス性やランニングコストについても十分に検討しましょう。
浄水器選びのポイント
浄水器を選ぶ際は、様々な要素を考慮する必要があります。設置環境や使用目的、予算など、総合的な視点で検討することで、より満足度の高い選択ができます。ここでは、浄水器選びの重要なポイントについて詳しく解説していきます。
設置環境の確認
まず初めに確認すべきは、設置場所や環境についてです。賃貸住宅の場合は工事が制限される可能性があるため、蛇口直結型や据置型が適しています。持ち家の場合は、ビルトイン型も含めて幅広い選択肢から検討できます。また、キッチンのスペースや蛇口の形状なども、重要な確認ポイントとなります。
使用目的の明確化
浄水器の使用目的によって、必要な機能や性能が変わってきます。飲料水としての使用が主な目的なのか、調理用としても使用するのか、どの程度の使用量を想定しているのかなど、具体的な使用シーンを想定することが大切です。家族の人数や生活スタイルによっても、最適な選択は異なってきます。
浄水能力の確認
浄水能力については、除去できる物質の種類や、1分間あたりの浄水量をチェックする必要があります。特に、トリハロメタンや農薬、重金属などの有害物質の除去性能は、製品によって大きく異なります。また、大家族の場合は、十分な浄水量が確保できる製品を選ぶことが重要です。
メンテナンス性の考慮
カートリッジの交換頻度や費用は、長期的な使用を考える上で重要なポイントです。一般的なカートリッジの交換時期は4ヶ月から1年程度ですが、製品によって大きく異なります。また、カートリッジの価格や入手のしやすさも確認しておく必要があります。
コストパフォーマンスの検討
浄水器の費用は、初期費用とランニングコストに分けて考える必要があります。初期費用には本体価格と設置工事費が含まれ、ランニングコストにはカートリッジ交換費用が主な要素となります。長期的な視点で総合的なコストを試算し、予算との兼ね合いを検討しましょう。
安全性と信頼性
製品の安全性や信頼性も重要な選択基準です。JIS規格やJWPA規格などの認証を取得している製品は、一定の品質が保証されています。また、メーカーのアフターサービス体制や保証内容についても確認しておくと安心です。
使い勝手の確認
日常的に使用する製品だけに、使い勝手の良さは重要なポイントとなります。浄水と原水の切り替えのしやすさ、カートリッジ交換の簡便さ、掃除のしやすさなど、実際の使用シーンを想定して検討しましょう。
デザイン性の考慮
キッチンに設置する製品であるため、デザイン性も無視できない要素です。特にビルトイン型の場合は、キッチンの雰囲気との調和が重要です。蛇口の形状やカラーバリエーションなども、選択の際のポイントとなります。
省スペース性
設置スペースや収納スペースの確保も考慮すべきポイントです。特に据置型を選ぶ場合は、十分なスペースが確保できるか確認が必要です。また、カートリッジの保管スペースについても考慮しておきましょう。
浄水器選びは、様々な要素を総合的に判断する必要があります。特に重要なのは、設置環境、使用目的、浄水能力、メンテナンス性、コストパフォーマンスなどです。これらのポイントを丁寧に確認し、長期的な視点で最適な製品を選択することで、より快適な水環境を実現することができます。
よくある質問
浄水器に関して、多くの方から寄せられる質問について、詳しく解説していきます。設置前の疑問から、使用時の不安まで、幅広い観点からお答えしていきます。
設置に関する質問
Q:賃貸でも浄水器は設置できますか?
A:蛇口直結型や据置型であれば設置可能です。ビルトイン型は工事が必要なため、必ず家主さんの許可を得る必要があります。なお、退去時には原状回復が必要となる場合もあります。
Q:浄水器の設置は自分でできますか?
A:蛇口直結型や据置型は、説明書に従えば基本的に自分で設置できます。ただし、ビルトイン型は専門の工事業者による設置が必要です。また、蛇口の形状によっては取り付けができない場合もありますので、事前確認が重要です。
Q:設置にどれくらい時間がかかりますか?
A:蛇口直結型は15分程度、据置型はすぐに使用開始できます。ビルトイン型は工事に半日から1日程度かかることが一般的です。
使用に関する質問
Q:浄水した水は長期保存できますか?
A:浄水は塩素が除去されているため、細菌が繁殖しやすく長期保存には適しません。できるだけ早めに使用することをおすすめします。保存する場合は、清潔な容器に入れて冷蔵庫で保管し、1日以内に使用するようにしましょう。
Q:浄水と原水の切り替えは面倒ですか?
A:多くの製品では、レバーやスイッチで簡単に切り替えができます。最新の製品では、センサーによる自動切り替え機能を搭載したものもあります。
Q:赤ちゃんのミルク作りに使用できますか?
A:浄水器の種類によって異なります。逆浸透膜方式など、高い浄水能力を持つ製品であれば使用可能ですが、メーカーに確認することをおすすめします。
メンテナンスに関する質問
Q:カートリッジの交換時期はどのように判断すればよいですか?
A:製品によって異なりますが、一般的に使用期間や使用量で判断します。多くの製品では4ヶ月から1年程度での交換が推奨されています。また、水の出が悪くなったり、味が変わったりした場合も交換の目安となります。
Q:カートリッジの交換は難しいですか?
A:多くの製品では、特別な道具を使わずに簡単に交換できるよう設計されています。説明書に従って交換することで、特に困難を感じることはないでしょう。
Q:日常的なお手入れは必要ですか?
A:浄水器本体の外側は定期的に清掃することをおすすめします。特に蛇口周りは水垢がつきやすいため、こまめな清掃が重要です。また、浄水の出口部分も衛生面から定期的な清掃が必要です。
性能に関する質問
Q:水道水と比べて本当に安全なのですか?
A:浄水器は水道水に含まれる不純物や残留塩素を除去する機能を持っています。ただし、すべての有害物質を除去できるわけではないため、製品の性能や除去できる物質を確認することが重要です。
Q:浄水器を使うと水の味は変わりますか?
A:残留塩素が除去されることで、カルキ臭さが軽減され、よりまろやかな味わいになります。特にお茶やコーヒーを入れる際に、違いを感じやすいでしょう。
コストに関する質問
Q:ランニングコストはどのくらいかかりますか?
A:主にカートリッジ交換費用が必要となります。製品によって異なりますが、年間で5,000円から20,000円程度を見込んでおく必要があります。使用頻度によっても変動します。
Q:浄水器は長く使えますか?
A:本体の寿命は製品によって異なりますが、適切なメンテナンスを行うことで5年から10年程度は使用できます。ただし、使用頻度や水質によっても寿命は変動します。
浄水器に関する疑問や不安は、製品選びの重要なポイントとなります。これらの質問を参考に、ご自身の使用環境や目的に合った製品を選択することで、より快適な水環境を実現することができます。不明な点があれば、メーカーやお店の方に相談することをおすすめします。
まとめ
浄水器は、より安全でおいしい水を求める方にとって、重要な選択肢となっています。種類や機能も様々ですので、ご自身の使用環境や目的に合わせて、最適な製品を選ぶことが大切です。設置方法やメンテナンス性も含めて検討し、快適な水環境を実現しましょう。
なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。
この記事のタグ
運営会社情報
会社名
:有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所
代表者
:渡辺知光
本社
所在地:〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002
アクセス
:地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分
:地下鉄日比谷線都営浅草線東銀座駅より徒歩3分