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リノリウムの特徴や床材の見分け方、床材の選び方を解説

家づくりの基本

2024/12/13

2024/12/13

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

リノリウムの特徴や床材の見分け方、床材の選び方を解説

床材選びは、住まいの印象を大きく左右する重要な要素です。近年、環境に配慮した床材として注目を集めているリノリウムについて、その特徴や他の床材との違い、選び方のポイントまでを詳しく解説していきます。

目次

リノリウムの特徴

リノリウムは、天然素材を主原料とした環境にやさしい床材です。主な特徴について詳しく見ていきましょう。

天然素材からできている

リノリウムの主原料は亜麻仁油、コルク粉、木粉、石灰石粉などの天然素材です。化学物質の放散が少なく、シックハウス症候群の心配も軽減できます。使用後は土に還るため、環境負荷が小さいのが特徴です。

抗菌性・防カビ性に優れている

リノリウムは素材自体に抗菌性や防カビ性があります。これは亜麻仁油に含まれる成分によるもので、特別な抗菌加工を施さなくても、衛生的な環境を保つことができます。

耐久性が高い

適切なメンテナンスを行えば20年以上の使用が可能です。時間の経過とともに硬化していく特性があり、むしろ使用するほど強度が増していくという特徴があります。

静電気が起きにくい

リノリウムは静電気が発生しにくい素材です。そのため、ホコリが寄り付きにくく、掃除がしやすいという特徴があります。また、精密機器を扱う部屋などにも適しています。

デザイン性が豊か

天然素材を原料としているため、自然な風合いが特徴です。また、様々な色や柄が用意されており、インテリアの好みに合わせて選ぶことができます。使い込むほどに味わいが増していくのも魅力のひとつです。

注意点

優れた特徴が多いリノリウムですが、水には弱いという特性があります。長時間の水濡れは避ける必要があり、水回りには不向きです。また、直射日光による色あせや、重いものを置くことによる凹みにも注意が必要です。

これらの特徴を踏まえた上で、使用する場所や目的に応じて、リノリウムが適しているかどうかを判断することが大切です。

リノリウムとマーモリウムの違い

リノリウムとマーモリウムは、似て非なる床材として知られています。それぞれの特徴と違いについて詳しく解説していきましょう。

マーモリウムとは

マーモリウムは、オランダのフォルボ社が製造・販売している商品名です。リノリウムの一種ですが、より環境性能を高めた製品として知られています。原料の98%が天然素材で、製造工程でもCO2排出量を抑える工夫がなされています。

製造方法の違い

一般的なリノリウムと比べ、マーモリウムは製造工程により厳密な管理が行われています。特に表面のトップコートには独自の技術が用いられており、耐久性や機能性が向上しています。

性能の違い

マーモリウムは一般的なリノリウムと比べて、耐候性や耐摩耗性に優れています。また、メンテナンス性も向上しており、日常的な清掃がより簡単に行えます。抗菌性や防カビ性についても、より高い性能を発揮します。

デザイン性の違い

マーモリウムは、より豊富なカラーバリエーションとデザインを提供しています。自然な風合いを持ちながらも、モダンなインテリアにも馴染むデザインが特徴です。また、経年変化による色味の変化も少なく、長期間美しさを保つことができます。

価格の違い

マーモリウムは一般的なリノリウムと比べて、価格が高めに設定されています。これは、より高度な製造技術や厳密な品質管理、環境への配慮などが反映された結果です。初期投資は大きくなりますが、耐久性や機能性を考慮すると、長期的には経済的という見方もできます。

使用可能な場所の違い

マーモリウムは一般的なリノリウムよりも耐水性が向上していますが、それでも水回りでの使用には注意が必要です。両者とも、居室やオフィス、教育施設などでの使用が推奨されています。

施工方法の違い

マーモリウムは専門の施工技術が必要とされ、施工できる業者も限られています。一般的なリノリウムと比べて、より高度な技術と経験が求められるため、施工費用も高くなる傾向にあります。

このように、マーモリウムは一般的なリノリウムの特徴を更に向上させた製品といえます。用途や予算に応じて、どちらを選択するか検討することが重要です。

リノリウムとクッションフロア・ビニル床タイルの違い

床材選びの際によく比較検討されるリノリウム、クッションフロア、ビニル床タイルについて、それぞれの特徴と違いを詳しく解説していきます。

主原料の違い

リノリウムは亜麻仁油やコルク粉などの天然素材が主原料であるのに対し、クッションフロアとビニル床タイルは塩化ビニル樹脂という石油由来の化学素材が主原料となっています。そのため、環境負荷の面ではリノリウムの方が優れているといえます。

耐久性の違い

リノリウムは使用するほど硬化して強度が増していく特徴があり、適切なメンテナンスを行えば20年以上使用できます。一方、クッションフロアは一般的に10年程度、ビニル床タイルは15年程度の耐用年数とされています。

価格の違い

価格帯は、クッションフロア、ビニル床タイル、リノリウムの順に高くなります。クッションフロアは比較的安価で手に入れやすい反面、耐久性では劣ります。ビニル床タイルは中間的な価格帯で、リノリウムは最も高価ですが、長期使用を考えるとコストパフォーマンスは悪くありません。

メンテナンス性の違い

クッションフロアは日常的な掃除が比較的簡単で、水拭きにも強いのが特徴です。ビニル床タイルも同様に扱いやすい素材です。一方、リノリウムは水に弱く、長時間の水濡れは避ける必要があります。

施工方法の違い

クッションフロアは比較的簡単に施工でき、DIYも可能です。ビニル床タイルも一般的な施工方法で対応できます。リノリウムは専門的な技術が必要で、施工できる業者も限られているため、施工費用は高めになります。

使用可能な場所の違い

クッションフロアとビニル床タイルは水回りでも使用可能です。特にクッションフロアは、クッション性があるため、キッチンなど長時間立ち仕事をする場所に適しています。リノリウムは水回りには不向きで、主にリビングや寝室などの居室での使用が推奨されます。

デザイン性の違い

クッションフロアは木目調や石目調など、様々な柄を手軽に表現できます。ビニル床タイルも豊富なデザインがあり、施工パターンを工夫することで個性的な空間を作り出せます。リノリウムは天然素材ならではの自然な風合いが特徴で、使い込むほどに味わいが増していきます。

これらの違いを踏まえた上で、使用する場所や目的、予算に応じて最適な床材を選択することが重要です。

リノリウムを導入するメリット・デメリット

リノリウムを床材として選択する際に知っておきたいメリットとデメリットについて、詳しく解説していきます。導入を検討されている方は、これらの特徴を踏まえた上で判断することをおすすめします。

メリット

リノリウムの最大の特徴は、環境にやさしい天然素材を使用していることです。亜麻仁油やコルク粉などを原料としているため、化学物質の放散が少なく、使用後も土に還るという環境配慮型の床材といえます。

耐久性も大きな魅力です。適切なメンテナンスを行えば20年以上使用できるとされており、使用するほど硬化して強度が増していく特徴があります。長期的な視点で見ると、コストパフォーマンスの高い床材といえるでしょう。

また、素材自体に抗菌性や防カビ性があることも特徴です。特別な抗菌加工を施さなくても、衛生的な環境を保つことができます。静電気が起きにくく、ホコリが寄り付きにくいという特徴も、清潔さを保つ上で大きなメリットとなっています。

デメリット

一方で、リノリウムにはいくつかの注意点もあります。最も大きな特徴は、水に弱いという点です。長時間の水濡れは避ける必要があり、水回りでの使用には適していません。日常的な掃除程度であれば問題ありませんが、水拭きの際は固く絞った雑巾を使うなど、注意が必要です。

初期費用が高いことも、デメリットの一つとして挙げられます。一般的なクッションフロアやビニル床タイルと比べると、材料費も施工費も高めになります。また、施工できる業者が限られているため、選択肢が少なくなる可能性もあります。

直射日光による色あせや、重いものを置くことによる凹みにも注意が必要です。特に、家具の配置を変更する際は、跡が残りやすいことを考慮しなければなりません。

導入に適している場所

これらの特徴を踏まえると、リノリウムは以下のような場所への導入が適していると言えます。

居室やリビングなど、水を使用する機会が少ない場所 オフィスや教育施設など、多くの人が行き来する場所 精密機器を扱う部屋など、静電気を抑える必要がある場所 自然素材の風合いを活かしたインテリアを目指す場所

導入を避けた方が良い場所

反対に、以下のような場所への導入は避けた方が良いでしょう。

浴室やキッチンなどの水回り 直射日光が長時間当たる場所 重い家具の配置替えが頻繁に行われる場所 湿気の多い場所

リノリウムの導入を検討する際は、これらのメリット・デメリットを十分に理解した上で、使用環境に適しているかどうかを判断することが重要です。特に水回りでの使用については、慎重に検討する必要があります。

床材の種類

住宅やオフィスで使用される床材には、様々な種類があります。それぞれの特徴を理解し、用途に合わせて最適な床材を選択することが重要です。

フローリング材

天然木を使用した無垢フローリングや、合板の表面に突板を貼った複合フローリングがあります。木の温かみがあり、高級感のある仕上がりが特徴です。耐久性があり、手入れ次第で長期間使用できますが、水に弱く、傷つきやすいという特徴があります。

クッションフロア

塩化ビニル樹脂を主原料とした床材です。比較的安価で、水に強く、掃除がしやすいのが特徴です。デザインの種類も豊富で、木目調や石目調など様々な柄を表現できます。ただし、耐久性は他の床材と比べて劣ります。

ビニル床タイル

クッションフロアと同様に塩化ビニル樹脂を主原料としていますが、より耐久性が高く、傷がついても部分的な張り替えが可能です。水に強く、メンテナンスも容易です。オフィスや商業施設でよく使用されています。

カーペット

柔らかく、断熱性や防音性に優れています。寝室やリビングなどの居室に適していますが、掃除が比較的手間がかかり、水や汚れに弱いという特徴があります。タイルカーペットは部分的な張り替えが可能で、メンテナンス性に優れています。

コルクフローリング

コルクの樹皮を原料とした床材です。クッション性があり、断熱性や防音性に優れています。環境にやさしい素材ですが、水に弱く、傷つきやすいという特徴があります。

タイル

陶器や磁器を焼き固めた床材です。耐久性や耐水性に優れており、水回りに適しています。デザイン性も高く、高級感のある仕上がりが特徴です。ただし、硬い素材のため物を落とすと割れやすく、冬場は冷たく感じます。

日本の伝統的な床材です。天然素材を使用しており、調湿効果があります。クッション性があり、夏場は涼しく感じられますが、水に弱く、日光による色あせが起こりやすいという特徴があります。

リノリウム

天然素材を主原料とした環境にやさしい床材です。耐久性があり、抗菌性や防カビ性にも優れています。ただし、水に弱く、初期費用が高めという特徴があります。

これらの床材は、それぞれに特徴があり、使用する場所や目的によって最適な選択が異なります。予算、メンテナンス性、デザイン性などを総合的に判断して、適切な床材を選択することが重要です。

床材の選び方

床材選びは住まいの印象を大きく左右する重要な要素です。用途や環境に合わせた最適な選択をするために、以下のポイントを詳しく解説していきます。

使用場所による選び方

水回りの場合は、耐水性の高いビニル床材やタイルが適しています。リビングや寝室などの居室では、フローリングやカーペット、リノリウムなど、快適性を重視した床材がおすすめです。また、玄関やポーチなど外部に近い場所では、耐候性や耐摩耗性の高い床材を選ぶ必要があります。

予算による選び方

床材の価格は、材料費と施工費を合わせて考える必要があります。クッションフロアは比較的安価で、フローリングやリノリウムは高価になる傾向があります。ただし、耐久性や長期的なメンテナンス費用も考慮に入れると、一概に安いものが経済的とは限りません。

メンテナンス性による選び方

日常的な掃除のしやすさや、傷・汚れへの対応のしやすさを考慮することが重要です。クッションフロアやビニル床タイルは掃除が簡単で、水拭きも可能です。一方、フローリングやリノリウムは水拭きに注意が必要ですが、適切なケアを行えば長期間美しさを保つことができます。

家族構成による選び方

小さな子どもやペットがいる家庭では、傷つきにくく掃除がしやすい床材を選ぶことをおすすめします。また、高齢者がいる場合は、滑りにくく、クッション性のある床材が適しています。アレルギーを持つ方がいる場合は、ホコリがたまりにくい素材を選ぶことが重要です。

デザイン性による選び方

インテリアの雰囲気に合わせて床材を選ぶことで、統一感のある空間を作ることができます。自然な風合いを活かしたい場合は無垢フローリングやリノリウム、モダンな印象を出したい場合はビニル床材やタイルなど、目的に応じて選択することをおすすめします。

環境への配慮による選び方

環境負荷の低減を重視する場合は、天然素材を使用したフローリングやリノリウム、コルクフローリングなどがおすすめです。また、シックハウス症候群対策として、化学物質の放散が少ない床材を選ぶことも重要です。

施工条件による選び方

リフォームの場合、既存の床との相性や、施工期間、施工可能な業者の有無なども考慮する必要があります。また、マンションの場合は、防音性能や重量制限など、建物の規制に適合した床材を選ぶ必要があります。

床材選びは、これらの要素を総合的に判断して決める必要があります。一つの要素だけでなく、様々な視点から検討することで、より満足度の高い選択ができるでしょう。

よくある質問

リノリウムや床材選びについて、よくある質問をQ&A形式でまとめました。

Q:リノリウムとクッションフロアの見分け方を教えてください。

A:素材を手で触ると、リノリウムは自然な質感があり、やや硬めです。また、断面を見ると、リノリウムは均一な色味なのに対し、クッションフロアは層が分かれているのが特徴です。価格面でもリノリウムの方が高価になっています。

Q:リノリウムは傷つきやすいですか?

A:一般的なフローリングと同程度の強度があり、日常的な使用では問題ありません。むしろ、使用するほど硬化して強度が増していく特徴があります。ただし、重い家具による凹みには注意が必要です。

Q:リノリウムのメンテナンス方法を教えてください。

A:日常的な掃除は掃除機がけや、固く絞った雑巾での拭き掃除で十分です。長時間の水濡れは避け、汚れた際はすぐに拭き取ることが重要です。また、年に1-2回程度のワックスがけをおすすめします。

Q:リノリウムの耐用年数はどのくらいですか?

A:適切なメンテナンスを行えば20年以上使用できます。むしろ使用するほど硬化して強度が増していく特徴があり、長期使用に適した床材といえます。

Q:リノリウムは水回りに使用できますか?

A:基本的には水回りでの使用は推奨されません。長時間の水濡れに弱く、浴室やキッチンなどの水回りには不向きです。水回りには、耐水性の高いビニル床材やタイルをおすすめします。

Q:リノリウムは環境にやさしいと聞きましたが、本当ですか?

A:はい、リノリウムは亜麻仁油やコルク粉などの天然素材を主原料としているため、環境負荷が小さい床材です。使用後は土に還り、生分解性があります。

Q:リノリウムとマーモリウム、どちらを選べばいいですか?

A:マーモリウムはリノリウムの一種で、より環境性能や耐久性が向上していますが、価格は高めです。予算や使用目的に応じて選択することをおすすめします。

Q:DIYでの施工は可能ですか?

A:リノリウムの施工は専門的な技術が必要なため、DIYでの施工は推奨されません。信頼できる専門業者に依頼することをおすすめします。

Q:直射日光は避けた方がいいですか?

A:はい、長時間の直射日光は色あせの原因となるため、カーテンやブラインドで調整することをおすすめします。特に南向きの窓際などは注意が必要です。

Q:床暖房との相性はどうですか?

A:リノリウムは熱伝導率が良好で、床暖房との相性は比較的良好です。ただし、急激な温度変化は避け、適切な温度管理を行うことが重要です。

まとめ

リノリウムは環境性能に優れ、耐久性も高い床材です。ただし、使用環境や予算などを考慮して、適材適所で選択することが大切です。特に水回りでの使用には注意が必要です。床材選びの際は、長期的な使用を見据えて、メンテナンス性やコストパフォーマンスもしっかりと検討しましょう。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

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