生け垣の魅力やおすすめの樹種、おしゃれな生け垣のつくり方を解説
家づくりの基本
2024/12/13
2024/12/13
戸建て住宅の外構工事で悩みどころとなる生け垣選び。防犯性や目隠し効果はもちろん、景観の美しさを左右する重要な要素となります。
そこで今回の記事では、生け垣の魅力から、おすすめの樹種、おしゃれな生け垣のつくり方まで詳しくご紹介します。これから生け垣を検討される方の参考になれば幸いです。
生け垣の魅力
生け垣には、ブロック塀やフェンスでは得られない多くの魅力があります。ここでは生け垣ならではの特徴と魅力について詳しく解説していきます。
四季の移ろいを楽しめる
生け垣の最大の魅力は、四季折々の表情を楽しめる点です。春には新緑や花を楽しみ、夏は深い緑で涼しげな印象を演出。秋には紅葉を楽しめる樹種もあり、冬は枯れ枝の織りなす陰影美を楽しむことができます。
環境への優しさ
生け垣は周辺環境に様々な恩恵をもたらします。光合成による空気の浄化はもちろん、鳥や虫たちの生息空間としても機能します。また、街路樹と調和することで、地域全体の景観向上にも貢献できます。
防災性能の高さ
生け垣は台風や地震などの自然災害に対して、ブロック塀よりも安全性が高いとされています。適度な通気性があることで強風の力を分散でき、倒壊のリスクを軽減できます。また、地震の際も倒れにくい特徴があります。
プライバシーの確保
目隠し効果は生け垣の重要な機能のひとつです。道路からの視線を自然な形で遮ることができ、圧迫感を与えることなくプライバシーを守ることができます。特に2階建て住宅の1階部分の目隠しとして効果を発揮します。
防音・防塵効果
生け垣の葉は騒音を軽減する効果があり、特に交通量の多い道路に面した住宅では重宝されます。また、葉の表面で埃を受け止めることで、敷地内への粉塵の進入も抑制できます。
温度調節効果
夏場は生け垣が日差しを遮ることで室温上昇を抑制し、冬は風除けとして機能します。これにより、エアコンの使用を抑えることができ、省エネ効果も期待できます。
資産価値への影響
手入れの行き届いた生け垣は、住宅の外観の品格を高め、不動産としての資産価値向上にも寄与します。特に、街並みと調和した生け垣は、エリア全体の価値向上にもつながります。
コストパフォーマンス
初期費用はブロック塀より安価な場合が多く、維持管理費用も必要最小限に抑えることができます。ただし、定期的な剪定や水やりなどの手間は必要となりますので、その点は考慮に入れる必要があります。
このように、生け垣は見た目の美しさだけでなく、実用的な面でも多くのメリットを持ち合わせています。ライフスタイルや維持管理の手間と相談しながら、あなたに合った生け垣づくりを検討してみてはいかがでしょうか。
生け垣にオススメの樹種
生け垣として使用する樹種選びは、維持管理の手間や庭のイメージづくりに大きく影響します。ここでは、目的や特徴別にオススメの樹種をご紹介していきます。
定番の常緑樹
まず挙げられるのが、一年中緑を保つ常緑樹です。イヌマキは強健で育てやすく、刈込みにも強い特徴があります。カイヅカイブキも人気の高い樹種で、生長が比較的早く、目隠し効果も高いのが特徴です。
花を楽しめる樹種
サザンカは冬に花を咲かせ、寒い季節に庭を彩ってくれます。ツツジは春の花の代表格で、鮮やかな色合いと豊富な品種が魅力です。また、キンモクセイは秋に香り高い花を咲かせ、芳香を楽しむことができます。
日陰に強い樹種
北向きの庭や日当たりの悪い場所には、アオキやサカキがおすすめです。光が少なくても比較的元気に育ち、光沢のある緑の葉を楽しめます。シラカシも日陰に強く、丈夫な樹種として知られています。
成長の早い樹種
早期に目隠し効果を得たい場合は、ベニカナメモチやレッドロビンがおすすめです。生長が早く、新芽の赤みも美しい特徴があります。ウバメガシも比較的成長が早く、刈込みにも強い特性を持っています。
管理が比較的楽な樹種
トキワマサキは病害虫に強く、剪定の頻度も少なくて済むため、初心者にもおすすめです。ヒイラギモクセイも丈夫で手入れが比較的簡単な樹種として知られています。
和風の庭に合う樹種
モチノキは日本庭園によく使われる樹種で、光沢のある葉が特徴的です。カシワバアジサイも和の庭に合う樹種で、夏には白い花を咲かせます。マサキも和風の庭によく合い、丈夫で育てやすい特徴があります。
洋風の庭に合う樹種
オウバイは黄色い花が特徴的で、西洋風の庭によく合います。ビバーナムも洋風庭園に適した樹種で、春には白い花を咲かせ、秋には実をつけます。
選ぶ際の注意点
樹種を選ぶ際は、生長の速さ、最終的な樹高、剪定の頻度、花や実の有無、病害虫への強さなどを総合的に判断することが大切です。また、近隣への影響も考慮に入れ、落ち葉の量や根の張り方なども確認しておくとよいでしょう。
また、同じ敷地内でも日当たりや風通しは場所によって異なります。それぞれの場所の環境条件に合った樹種を選ぶことで、より健やかな生け垣を育てることができます。
おしゃれな生け垣のつくり方
おしゃれな生け垣作りのポイントは、単なる目隠しや境界としての機能だけでなく、庭全体の景観を引き立てる演出効果にあります。ここでは、魅力的な生け垣づくりのテクニックについて詳しく解説します。
高低差をつけた演出
生け垣に高低差をつけることで、単調な印象を避け、リズム感のある外観を作り出すことができます。玄関周りは少し低めに、プライバシーを守りたい部分は高めにするなど、用途に合わせて高さを変えることで機能性も兼ね備えた演出が可能です。
複数の樹種の組み合わせ
同じ樹種だけでなく、異なる樹種を組み合わせることで、より豊かな表情を作り出せます。たとえば、常緑樹をベースに、花を咲かせる樹種を部分的に取り入れることで、季節感のある演出が可能です。ただし、管理方法や生育スピードの違いには注意が必要です。
植栽密度の工夫
樹木の間隔を均一にするだけでなく、部分的に密度を変えることで立体感が生まれます。特に玄関周りなど、アクセントをつけたい場所では、植栽密度を高めることで存在感を演出できます。
剪定による表情づくり
剪定は生け垣の印象を大きく左右します。直線的な刈り込みだけでなく、緩やかなカーブを描くように仕上げることで、柔らかな印象を演出できます。また、部分的に丸みを持たせることで、モダンな印象も作り出せます。
下草や地被植物との組み合わせ
生け垣の足元に下草や地被植物を組み合わせることで、より豊かな景観を作り出すことができます。特に、生け垣との相性を考慮しながら、季節の花を楽しめる植物を選ぶことで、より魅力的な空間となります。
照明との組み合わせ
夜間の演出として、生け垣にアップライトやダウンライトを設置することで、昼間とは異なる魅力的な表情を作り出せます。特に常緑樹の場合、年間を通じて美しい夜間景観を楽しむことができます。
門まわりとの調和
生け垣は門や門柱との調和も重要です。門柱の高さや素材感を考慮しながら、生け垣の高さや樹種を選ぶことで、統一感のある外観を作り出すことができます。
メンテナンス計画
おしゃれな生け垣を維持するためには、計画的なメンテナンスが欠かせません。特に複数の樹種を組み合わせる場合は、それぞれの生育特性を理解し、適切な時期に手入れを行うことが重要です。
このように、生け垣づくりには様々な工夫を取り入れることができます。ただし、過度な演出は避け、住宅全体のデザインとの調和を考慮しながら、バランスの取れた外観づくりを心がけることが大切です。
よくある質問
生け垣に関して、多くの方から寄せられる疑問やご質問について、Q&A形式でご紹介します。これから生け垣を検討される方の参考になれば幸いです。
Q:生け垣の維持管理はどのくらいの頻度で必要ですか?
A:樹種にもよりますが、一般的には年2〜3回の剪定が必要です。特に梅雨から夏にかけては成長が早まるため、こまめな管理が重要です。水やりは、植え付けから1年程度は定期的に必要ですが、根付いてからは雨水のみでも十分な場合が多いです。
Q:生け垣の植え替え時期は、いつがベストですか?
A:一般的には、3月下旬から4月上旬の春先、もしくは10月から11月の秋が適しています。気温が穏やかで、根付きやすい時期を選びましょう。真夏や真冬は、樹木への負担が大きいため避けることをおすすめします。
Q:生け垣の費用はどのくらいかかりますか?
A:1メートルあたり、植木代と植え付け工事費を含めて2〜5万円程度が一般的です。ただし、樹種や樹高、本数、地域によって大きく異なります。また、既存の生け垣の撤去が必要な場合は、別途費用がかかります。
Q:隣地との境界に生け垣を設置する場合の注意点は?
A:まずは隣地の所有者と事前に相談し、合意を得ることが重要です。特に、成長後の大きさや落ち葉の処理について話し合っておくことをおすすめします。また、境界線からある程度の距離を確保することで、将来的なトラブルを防ぐことができます。
Q:病害虫が発生した場合の対処法は?
A:早期発見・早期対処が重要です。病害虫の種類に応じて適切な農薬を選び、使用方法を守って対処します。また、日頃から樹木の状態をよく観察し、風通しをよくすることで予防にもつながります。
Q:生け垣の高さ制限はありますか?
A:地域の条例や住宅地の規約によって制限が設けられている場合があります。一般的には道路に面する場所では1.2メートル以下とされることが多いですが、詳しくは自治体に確認することをおすすめします。
Q:生け垣の根が隣地や建物に影響を与えることはありますか?
A:樹種によっては根が広がり、建物の基礎や配管に影響を与える可能性があります。そのため、建物からある程度距離を取って植栽したり、根が横に広がりにくい樹種を選ぶことが重要です。
Q:剪定で失敗した場合、元に戻りますか?
A:樹種や剪定の程度によって異なりますが、多くの場合、時間はかかりますが徐々に回復します。ただし、過度な剪定は樹木を弱らせる原因となりますので、経験のある業者に依頼することをおすすめします。
Q:生け垣は防犯対策として効果がありますか?
A:適度な高さと密度があれば、侵入抑止効果が期待できます。特にトゲのある樹種を選ぶことで、より効果的な防犯対策となります。ただし、あまりに生い茂らせすぎると不審者の隠れ場所になる可能性もあるため、適度な管理が重要です。
まとめ
生け垣は、防犯性や目隠し効果だけでなく、庭の景観を大きく左右する重要な要素です。樹種選びから維持管理まで、しっかりと計画を立てることで、理想的な外構空間を作り出すことができます。
ぜひ、この記事を参考に、あなたらしい生け垣づくりを検討してみてはいかがでしょうか。
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