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重要事項説明書の概要や、事前に確認すべきポイントを解説

家づくりの基本

2024/12/18

2024/12/18

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

重要事項説明書の概要や、事前に確認すべきポイントを解説

マイホームの購入において、避けて通れない重要事項説明書の確認。膨大な情報量に圧倒されてしまう方も多いのではないでしょうか。そこで今回の記事では、重要事項説明書の基本的な内容から、具体的なチェックポイントまでをわかりやすく解説していきます。

重要事項説明書とは

マイホーム購入の際に必ず目を通すことになる重要事項説明書。この書類は宅地建物取引業法で定められた、売主から買主への重要な説明事項をまとめた法定書類です。

重要事項説明書の基本的な役割

重要事項説明書は、物件の売買や賃貸借契約を結ぶ前に、買主や借主が知っておくべき重要な情報を詳しく説明するための書類です。宅地建物取引士が対面で説明を行い、その内容を理解したことを確認する必要があります。

重要事項説明書が必要な理由

不動産取引では、物件に関する情報の多くが売主側に偏っています。そこで、買主が不利益を被ることがないよう、取引条件や物件の詳細情報を事前に開示・説明することが法律で定められているのです。

重要事項説明書の記載内容

重要事項説明書には、物件の基本情報、法的な制限事項、取引条件など、契約の判断に必要な情報が詳細に記載されています。具体的には、登記事項、法令上の制限、私道負担、飲用水、排水、ガス、電気などのインフラ関連情報なども含まれます。

重要事項説明のタイミング

重要事項説明は、契約を結ぶ前に必ず行われます。この説明を受けずに契約を結んでしまうと、契約自体が無効となる可能性もあるため、しっかりと時間をかけて内容を確認することが大切です。

重要事項説明書の有効期間

重要事項説明書に記載された内容は、説明を受けた時点での情報となります。そのため、契約までに時間が空いてしまう場合は、内容に変更がないか確認する必要があります。

重要事項説明書と契約書の関係

重要事項説明書の内容は、基本的に契約書にも反映されます。ただし、重要事項説明書はあくまでも説明のための書類であり、契約書とは別の書類となります。そのため、両方の内容をしっかりと確認することが重要です。

注意すべきポイント

重要事項説明は、決して形式的なものではありません。説明を受ける際は、わからない点があればその場で質問し、後々のトラブルを防ぐことが大切です。特に追加費用が発生する可能性がある項目については、具体的な金額まで確認しておきましょう。

重要事項説明書の保管

重要事項説明書は、契約後も大切に保管しておく必要があります。将来、物件に関する疑問が生じた際や、リフォーム、売却を検討する際の重要な資料となります。

重要事項説明書の読み方

重要事項説明書は膨大な情報量を含む書類ですが、基本的な読み方を押さえておけば、それほど難しいものではありません。ここでは、実際の確認手順に沿って解説していきます。

物件の基本情報を確認する

まずは物件の所在地や面積、建物の構造などの基本情報から確認していきましょう。登記簿に記載されている情報と相違がないかどうかも重要なポイントです。物件の向きや接道についても、現地で確認した内容と一致しているか確認が必要です。

法令による制限事項の確認

用途地域や建ぺい率、容積率といった建築に関する制限事項を確認します。これらは将来のリフォームや増改築の可能性にも関わってくる重要な情報です。防火地域や高度地区といった制限も、物件によっては記載されているはずです。

インフラ関連の確認

上下水道、電気、ガスなどのライフラインに関する情報を確認します。特に上水道が公営水道なのか井戸水なのか、下水道は本管に接続されているのかなど、実際の生活に直結する部分は入念にチェックしましょう。

周辺環境の確認

道路計画や再開発計画など、将来の周辺環境に影響を与える可能性のある情報が記載されています。また、日照や騒音など、生活環境に関わる重要な情報も含まれているため、現地で確認した内容と照らし合わせながら確認することが大切です。

取引条件の確認

売買代金の額や支払方法、契約の時期、引き渡しの時期などの取引条件を確認します。特約事項がある場合は、その内容について十分に理解しておく必要があります。手付金の額や契約が解除された場合の取り扱いについても、しっかりと確認しましょう。

瑕疵担保責任の確認

物件に隠れた瑕疵があった場合の担保責任について確認します。特に中古物件の場合は、どの部分がどこまで保証されるのか、期間は何年なのかといった点を具体的に確認することが重要です。

その他の重要事項

土地の境界確定状況や、私道負担がある場合はその範囲、管理費や修繕積立金の額など、その他の重要事項についても漏れなく確認します。また、駐車場や自転車置き場などの付帯設備の利用条件についても確認が必要です。

不明点の確認方法

専門用語や法律用語が多く使用されているため、わかりにくい部分も出てくるかもしれません。そのような場合は、その場で宅地建物取引士に質問し、十分に理解してから先に進むようにしましょう。後から「聞いていない」「知らなかった」というトラブルを防ぐためにも、疑問点はその場で解消することが大切です。

重要事項説明書のチェックポイント

重要事項説明書を確認する際は、特に注意が必要なポイントがいくつかあります。以下、具体的なチェックポイントについて、項目ごとに詳しく解説していきます。

権利関係の確認

所有権や抵当権の有無、借地権などの権利関係は、最も重要な確認項目です。登記簿の内容と相違がないか、また抵当権が設定されている場合は、決済時にどのように抹消されるのかまで確認しましょう。

物件の基本事項

土地の面積や建物の床面積、構造などの基本情報を確認します。特に面積については、登記面積と実測面積に違いがある場合もあるため、その差異について説明を受けることが大切です。また、境界確定の状況についても必ず確認しましょう。

法令上の制限事項

用途地域や建ぺい率・容積率といった建築制限は、将来のリフォームや建て替えにも関わってくる重要な項目です。防火地域の指定や高さ制限なども、物件によっては重要なチェックポイントとなります。

インフラ設備の状況

上下水道、電気、ガスなどのライフラインの整備状況を確認します。特に給排水設備については、本管までの距離や接続状況、費用負担の有無などまで詳しく確認することが重要です。

周辺環境と将来計画

道路の拡張計画や再開発計画など、将来の生活環境に影響を与える可能性のある情報をチェックします。また、日照や騒音、電波障害の可能性についても、現地で確認した内容と照らし合わせながら確認しましょう。

取引条件の詳細

売買代金の額や支払方法、決済や引き渡しの時期など、取引の具体的な条件を確認します。手付金の取り扱いや契約解除の条件についても、しっかりと理解しておく必要があります。

瑕疵担保責任の範囲

物件の瑕疵担保責任について、保証の範囲や期間を確認します。特に中古物件の場合は、設備等の保証内容や期間について具体的に確認することが重要です。

維持管理費用

管理費や修繕積立金の額、固定資産税など、将来的に必要となる費用について確認します。特にマンションの場合は、大規模修繕の予定や積立金の積立状況までチェックしましょう。

その他の重要な確認事項

駐車場や自転車置き場などの付帯設備の利用条件、ゴミ収集の方法、町内会の有無など、実際の生活に関わる情報も重要なチェックポイントです。また、石綿や土壌汚染といった環境リスクについても確認が必要です。

チェックする際の注意点

重要事項説明は、購入判断に大きく影響する重要な機会です。専門用語や難しい表現があっても、理解できるまで質問することが大切です。また、現地で確認した内容と食い違う点がないかどうかも、しっかりとチェックしましょう。

記録の重要性

説明を受けた内容はメモを取るなどして記録に残しておくことをおすすめします。説明時に質問した内容とその回答についても、後々のために記録しておくと安心です。重要事項説明書は、将来のリフォームや売却時にも必要となる重要な書類なので、大切に保管しましょう。

よくある質問(Q&A)

重要事項説明書に関して、多くの方が疑問に感じやすい点についてQ&A形式で解説していきます。

重要事項説明の基本について

Q1:重要事項説明は、どのくらいの時間がかかりますか?

A1:物件の複雑さによって異なりますが、一般的に1時間から2時間程度かかります。マンションの場合は戸建てより時間がかかることが多く、2時間以上になることもあります。急いで済ませるのではなく、十分に理解する時間を確保することが大切です。

Q2:重要事項説明は誰が行うのですか?

A2:宅地建物取引士の資格を持った人が必ず行います。説明を行う際は、宅建士証を提示することが義務付けられていますので、最初に確認しましょう。

Q3:重要事項説明を受けるタイミングはいつですか?

A3:契約を結ぶ前に必ず行われます。通常は契約の数日前に設定されることが多いですが、物件や状況によっては契約当日に行われることもあります。

説明内容について

Q1:専門用語が多くて理解できない場合はどうすればよいですか?

A1:その場で遠慮なく質問することをおすすめします。説明する側も、購入者の理解を得ることが重要なので、分かりやすく説明し直してくれるはずです。

Q2:説明を受けた後に気になる点が出てきた場合はどうすればよいですか?

A2:契約前であれば、担当者に連絡して再度確認することができます。不安な点を残したまま契約するのは避けましょう。

書類の取り扱いについて

Q1:重要事項説明書は、いつまで保管する必要がありますか?

A1:売買契約が完了した後も、建物を所有している間は保管しておくことをおすすめします。将来のリフォームや売却時に必要となる重要な資料となります。

Q2:重要事項説明書の内容に訂正がある場合は、どのような手続きが必要ですか?

A2:訂正箇所に二重線を引き、訂正印を押す必要があります。説明を受ける側と説明する側の双方が訂正印を押すのが一般的です。

トラブル防止について

Q1:現地で確認した内容と重要事項説明書の内容が異なる場合は、どうすればよいですか?

A1:その場で違いを指摘し、正確な情報に訂正してもらう必要があります。食い違いがあった場合は、必ず説明を求めましょう。

Q2:説明を受けなかった項目について、後からトラブルになった場合はどうなりますか?

A2:重要事項説明は法律で義務付けられているため、説明漏れがあった場合は売主側の責任が問われる可能性があります。そのため、説明を受けた内容は記録に残しておくことが重要です。

Q3:配偶者や家族も一緒に説明を聞いた方がよいですか?

A3:可能であれば、実際に住む予定の家族も一緒に説明を聞くことをおすすめします。それぞれの視点で気になる点を確認できるため、見落としを防ぐことができます。

まとめ

重要事項説明書は、住宅購入における重要な書類です。専門用語が多く使われていることから、一見すると難しく感じるかもしれません。

しかし、基本的な構成を理解し、重要なポイントを押さえておくことで、より安心して契約を進めることができます。わからないことがあれば、必ず質問するようにしましょう。

この記事で解説した内容を参考に、慎重に確認を進めていただければと思います。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

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    :渡辺知光

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