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リフォーム瑕疵保険の概要や保険加入の流れ、支払い対象などを解説

家づくりの基本

2024/12/25

2024/12/25

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

リフォーム瑕疵保険の概要や保険加入の流れ、支払い対象などを解説

住宅リフォームの工事における欠陥や不具合に対する保証を提供するリフォーム瑕疵保険。本記事では、この保険の基本的な仕組みから加入方法、保険金の支払い対象まで、消費者目線でわかりやすく解説します。

リフォーム瑕疵保険とは

リフォーム瑕疵保険は、住宅のリフォーム工事後に発見された欠陥(瑕疵)による損害を補償する保険制度です。国土交通大臣が指定した住宅瑕疵担保責任保険法人が提供するもので、住宅所有者の利益を保護する重要な制度として位置づけられています。

リフォーム瑕疵保険の特徴

保険期間は工事内容によって異なり、構造耐力に関わる部分は5年間、防水に関わる部分は1年間が一般的です。工事業者が倒産した場合でも、保険法人から直接保険金が支払われる点が大きな特徴です。

保険加入のメリット

工事業者にとっては、保険加入により第三者機関による検査が入るため、工事品質の確保と信頼性の向上につながります。住宅所有者にとっては、工事後の不具合に対する経済的な保証が得られ、安心してリフォームを実施できます。

保険料の負担

保険料は通常、工事業者が負担します。ただし、実質的には工事費用に含まれる形で住宅所有者が間接的に負担することが一般的です。保険料は工事の規模や内容によって異なりますが、一般的な戸建住宅のリフォームでは工事費用の1%程度となります。

保険法人による検査

保険加入にあたっては、保険法人による設計図書の審査と現場検査が必須となります。これにより、工事の品質が第三者の目によってチェックされ、不具合の発生リスクを低減することができます。

対象となるリフォーム工事

基本的に全てのリフォーム工事が対象となりますが、特に構造耐力上主要な部分(基礎、壁、柱など)や雨水の浸入を防止する部分(屋根、外壁など)に関する工事が重要な保険対象となります。内装工事のみの場合は、保険の対象外となることがあります。

任意加入制度としての位置づけ

新築住宅と異なり、リフォーム瑕疵保険は任意加入の制度です。ただし、住宅所有者の保護という観点から、多くの優良工事業者が加入しており、公的機関や住宅関連団体も加入を推奨しています。

リフォーム瑕疵保険の限界

保険はあくまでも工事上の瑕疵による損害を補償するものであり、経年劣化や使用上の不備による損害は対象外となります。また、美観や仕上がりの程度に関する不満なども、原則として保険の対象外となります。

リフォーム瑕疵保険と既存住宅売買瑕疵保険の違い

リフォーム瑕疵保険は工事部分のみが対象となるのに対し、既存住宅売買瑕疵保険は住宅全体が対象となります。また、保険期間や補償内容にも違いがあるため、目的に応じて適切な保険を選択することが重要です。

リフォーム瑕疵保険の加入の流れ

リフォーム瑕疵保険の加入手続きは、工事の品質確保のために段階的に進められます。以下では、事業者登録から保険証券発行までの詳細な流れを解説します。

1.事業者登録の手続き

工事業者は、まず保険法人への事業者登録を行う必要があります。登録時には経営状況や施工実績などの審査があり、基準を満たした業者のみが登録を認められます。登録後は事業者登録番号が付与され、この番号をもとに保険の申し込みが可能となります。

2.工事計画の事前審査

具体的なリフォーム工事の計画が決まったら、工事業者は保険法人に事前審査を申請します。この段階では、設計図書や工事計画書、工事内容の詳細な資料を提出し、保険法人の審査を受けます。審査では工事内容の妥当性や技術的な問題がないかがチェックされます。

3.保険契約の申し込み

事前審査に合格すると、正式な保険契約の申し込みを行います。この時点で保険料の見積もりが提示され、工事業者は保険料を支払います。契約時には工事請負契約書の写しや工事履歴などの必要書類を提出する必要があります。

4.現場検査の実施

工事中には保険法人による現場検査が行われます。検査は工事の進捗状況に応じて複数回実施されることがあり、特に重要な工程(構造部分や防水工事など)では必ず検査が入ります。検査官は工事の品質や施工方法が基準に適合しているかを確認します。

5.完了検査と保険証券発行

工事完了後、最終的な完了検査が実施されます。この検査では工事全体の仕上がりや安全性が確認されます。完了検査に合格すると、保険証券が発行され、正式に保険の効力が発生します。保険証券は住宅所有者に交付されます。

保険申込時の必要書類

保険申し込みの際には、工事請負契約書、設計図書、工事箇所の写真、工事内容明細書、住宅の登記簿謄本などの書類が必要となります。これらの書類は工事内容や保険対象部分を明確にするために使用されます。

検査における注意点

検査時には工事の進捗状況に応じた必要な部分が確認できる状態にしておく必要があります。特に、後から確認が困難となる部分(内部構造や防水層など)については、検査のタイミングを逃さないよう工程管理を徹底することが重要です。

保険料の算出方法

保険料は工事請負金額や工事内容、保険期間などによって算出されます。一般的には工事請負金額の1~2%程度となりますが、工事の規模や難易度によって変動します。保険料は通常、工事業者が負担しますが、実質的には工事費用に含まれる形で設定されることが多いです。

加入手続きにおける所要期間

保険加入の手続きには、事業者登録から保険証券発行まで、通常1~2ヶ月程度の期間を要します。特に事前審査や検査の日程調整には余裕を持って計画を立てる必要があります。工事開始後に保険加入を検討すると、手続きが複雑になったり、加入できない場合もあるため、早めの対応が推奨されます。

リフォーム瑕疵保険の支払対象

リフォーム瑕疵保険における保険金の支払対象は、工事の瑕疵に起因する損害に限定されます。ここでは、具体的な支払対象と保険金支払いの条件について詳しく解説します。

主な支払対象となる項目

保険金の支払対象となる主な項目は、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の瑕疵による損害です。具体的には、基礎、柱、床、屋根、外壁などの工事部分が該当します。これらの部分に不具合が生じ、修補が必要となった場合に保険金が支払われます。

具体的な支払対象事例

保険金支払いの対象となる具体的な事例としては、基礎のひび割れ、外壁の剥離、屋根からの雨漏り、防水工事の不備による漏水、構造部材の強度不足による変形などがあります。また、これらの瑕疵に起因して発生した家具や家電製品などの財物損壊も補償対象となります。

支払対象となる費用の種類

保険金の支払対象となる費用には、修補費用、調査費用、仮住まい費用、損害賠償費用などが含まれます。修補費用には材料費、労務費、諸経費が含まれ、調査費用には原因究明のための検査費用が含まれます。また、修補工事中の仮住まいが必要となった場合の費用も補償されます。

支払対象とならない場合

経年劣化、通常の使用による摩耗、住宅所有者の管理不備による損害は支払対象外となります。また、地震や台風などの自然災害による損害、設備機器自体の製品不良、美観や使い勝手に関する不満なども対象外です。意図的な破損や不適切な使用による損害も補償されません。

保険金の支払限度額

保険金の支払限度額は、一般的に工事請負金額の10%程度に設定されています。ただし、保険プランによって限度額は異なり、工事の規模や内容に応じて適切な保険金額を選択することが可能です。また、1回の事故に対する支払限度額と保険期間中の総支払限度額が別々に設定されています。

保険金請求の手続き

保険金を請求する際は、まず工事業者に瑕疵の修補を請求します。工事業者が倒産している場合や修補に応じない場合は、直接保険法人に保険金を請求することができます。請求時には、瑕疵の内容や損害状況を示す写真、修補見積書などの資料が必要となります。

免責金額(自己負担額)

保険金の支払いには免責金額(自己負担額)が設定されており、一般的に10万円程度となっています。この金額未満の修補費用は保険の対象外となり、補償対象となる損害額から免責金額が差し引かれた額が支払われます。

保険金支払いまでの期間

保険金請求から支払いまでの期間は、通常1~2ヶ月程度です。ただし、瑕疵の原因究明に時間を要する場合や、損害の程度が大きい場合には、さらに時間がかかることがあります。保険法人による現地調査や追加資料の提出が必要となる場合もあります。

支払対象判断の基準

瑕疵の判断は、建築基準法などの関係法令や住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく技術基準に照らして行われます。また、一般的な建築工事の技術水準や工事請負契約に定められた品質基準なども判断材料となります。判断が難しい場合には、専門家による技術的な評価が行われます。

よくある質問(Q&A)

リフォーム瑕疵保険に関する消費者からの疑問や質問について、主要なものを質問と回答の形式で解説します。

保険料に関する質問

Q:保険料はどのくらいかかりますか?

A:一般的な戸建住宅のリフォームの場合、工事請負金額の1~2%程度が目安となります。例えば、200万円の工事の場合、2~4万円程度の保険料となります。ただし、工事内容や保険期間によって変動します。

Q:保険料は誰が負担するのですか?

A:原則として工事業者が負担します。ただし、実質的には工事費用に含まれる形で計上されることが一般的です。保険料の取り扱いについては、工事の見積もり時に確認することをお勧めします。

補償内容に関する質問

Q:保険金の支払限度額はいくらですか?

A:一般的に工事請負金額の10%が上限となりますが、保険プランによって異なります。また、1回の事故に対する限度額と保険期間中の総支払限度額が別々に設定されています。

Q:保証期間はどのくらいですか?

A:構造耐力に関する部分は5年間、防水に関する部分は1年間が一般的です。ただし、工事内容や保険プランによって保証期間が異なる場合があります。

保険金請求に関する質問

Q:工事業者が倒産した場合、保険金は受け取れますか?

A:工事業者が倒産した場合でも、保険法人に直接請求することで保険金を受け取ることができます。これは本保険制度の大きな特徴の一つです。

Q:不具合が見つかった場合、すぐに保険金請求できますか?

A:まずは工事業者に修補を請求する必要があります。工事業者が対応できない場合や、倒産している場合に、保険金請求が可能となります。

加入手続きに関する質問

Q:保険加入の手続きにはどのくらい時間がかかりますか?

A:事業者登録から保険証券発行まで、通常1~2ヶ月程度かかります。工事開始前に余裕を持って手続きを進めることが推奨されます。

Q:保険に加入していない工事業者に依頼しても大丈夫ですか?

A:法的な加入義務はありませんが、工事の品質保証や消費者保護の観点から、保険加入業者への依頼をお勧めします。

検査に関する質問

Q:どのような検査が行われますか?

A:設計図書の事前審査、工事中の現場検査、完了時の検査が実施されます。特に重要な工程では必ず検査が入り、工事の品質が確認されます。

Q:検査に立ち会う必要がありますか?

A:住宅所有者の立ち会いは必須ではありませんが、工事の進捗や品質を確認する良い機会となるため、可能な範囲での立ち会いをお勧めします。

その他の質問

Q:既存の住宅保険との違いは何ですか?

A:リフォーム瑕疵保険は工事部分のみが対象となるのに対し、一般の住宅保険は火災や自然災害などが対象となります。両者は補完的な関係にあります。

Q:保険証券を紛失した場合はどうすればよいですか?

A:保険法人に再発行を請求することができます。保険証券番号や工事内容を確認できる書類を用意する必要があります。

まとめ

リフォーム瑕疵保険は、住宅リフォーム工事の品質を担保し、消費者を保護する重要な制度です。工事業者の選定時には、必ず保険加入状況を確認し、万が一の場合に備えることをお勧めします。また、保険の具体的な補償内容や免責事項については、事前に工事業者や保険法人に確認することが賢明です。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

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    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

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    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

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