親からの資金援助で家を買う場合の贈与税や特例制度の活用方法を解説
家づくりの基本
2024/12/26
2024/12/26
親から住宅購入のための資金援助を受ける際には、贈与税の取り扱いを正しく理解することが重要です。特例制度を活用することで、税負担を軽減できる可能性があります。本記事では、贈与税の基本から特例制度の活用方法まで、わかりやすく解説します。
目次
- 贈与税とは
- 贈与税の計算方法
- 住宅取得等資金の贈与の特例
- よくある質問(Q&A)
- Q1: 贈与税の申告はいつまでに行う必要がありますか?
- Q2: 110万円以下の贈与でも申告は必要ですか?
- Q3: 夫婦それぞれの親から贈与を受けることは可能ですか?
- Q4: 銀行で住宅ローンを組みながら、親からの贈与も受けることはできますか?
- Q5: 相続時精算課税を選択した場合、将来の相続税はどうなりますか?
- Q6: 住宅の頭金として親から贈与を受ける場合、いつの時点で贈与を受ければよいですか?
- Q7: 贈与税の計算で、現金以外の財産(不動産など)はどのように評価されますか?
- Q8: 親から毎月の生活費として送金してもらっている場合は贈与税の対象になりますか?
- Q9: 住宅取得等資金の贈与の特例は何回まで利用できますか?
- Q10: 贈与税の申告を税理士に依頼する場合の費用はどのくらいですか?
- まとめ
贈与税とは
贈与税は、個人から無償で財産を取得した場合に、その財産を受け取った人(受贈者)に課される税金です。相続税の補完税として位置づけられており、生前贈与による相続税の回避を防ぐ目的があります。
贈与税が課税される主な場合
親から現金や預貯金をもらった場合
不動産を無償で譲り受けた場合
債務を免除してもらった場合
著しく低い価格で財産を購入した場合(時価との差額が贈与とみなされます)
保険金の受取人を変更した場合
贈与税の重要なポイントとして、「みなし贈与」という考え方があります。これは、実質的に贈与と同様の経済効果がある取引を贈与とみなして課税する制度です。例えば、土地を時価よりも大幅に安い金額で売却された場合、その差額分が贈与とみなされます。
また、贈与税には「配偶者控除」という特例があり、婚姻期間が20年以上の配偶者から、居住用の不動産や現金等を贈与された場合、2,000万円まで非課税となります。この特例は一生に一度だけ適用できます。
贈与税の基本的な特徴
1. 累進課税制度を採用: 贈与額が大きくなるほど税率が上がる仕組みとなっており、最高税率は50%に達します。
2. 暦年単位での課税: 1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与の合計額に対して課税されます。
3. 基礎控除の存在: 年間110万円までの贈与については非課税となります。これは毎年適用できる制度です。
4. 申告義務: 基礎控除額を超える贈与を受けた場合、受贈者には申告義務が生じます。申告期限は贈与を受けた年の翌年の3月15日までです。
贈与税を正しく理解し、適切に対応することで、世代間の資産移転をスムーズに行うことができます。特に、住宅取得など大きな資金が必要な場合は、贈与税の特例制度を活用することで、税負担を軽減できる可能性があります。
贈与税の税率
・200万円以下:10%
・300万円以下:15%
・400万円以下:20%
・600万円以下:30%
・1,000万円以下:40%
・1,000万円超:50%
贈与税の計算方法
贈与税の計算方法には、「暦年課税方式」と「相続時精算課税方式」の2つの方式があります。それぞれの特徴と計算方法について詳しく解説します。
暦年課税方式の計算方法
暦年課税方式は、1年間(1月1日から12月31日まで)に受けた贈与財産の合計額に対して課税される一般的な方式です。
計算手順:
1. その年の贈与財産の合計額を算出
2. 基礎控除額110万円を差し引く
3. 残額に対して税率を適用
4. 控除額を差し引いて税額を算出
具体的な税率と控除額:
・200万円以下:10%(控除額0円)
・300万円以下:15%(控除額10万円)
・400万円以下:20%(控除額25万円)
・600万円以下:30%(控除額65万円)
・1,000万円以下:40%(控除額125万円)
・1,000万円超:50%(控除額225万円)
相続時精算課税方式の計算方法
相続時精算課税方式は、60歳以上の親から20歳以上の子(または孫)への贈与に適用できる制度です。
計算手順:
1. 特別控除額2,500万円を上限として非課税
2. 特別控除額を超える部分に一律20%の税率を適用
3. 将来の相続時に贈与財産と相続財産を合算して相続税を計算
具体例で見る計算方法:
【暦年課税方式の場合】
贈与額500万円の場合:
1. 500万円 – 110万円(基礎控除) = 390万円(課税対象額)
2. 390万円は400万円以下の税率区分(20%)が適用
3. 390万円 × 20% – 25万円(控除額) = 53万円(贈与税額)
【相続時精算課税方式の場合】
贈与額3,000万円の場合:
1. 2,500万円まで非課税
2. 残り500万円に20%課税
3. 500万円 × 20% = 100万円(贈与税額)
二つの方式の使い分けのポイント
暦年課税方式が有利なケース:
少額の贈与を複数年に分けて行う場合
受贈者の年齢が20歳未満の場合
贈与者が60歳未満の場合
将来相続する財産が比較的少ない場合
相続時精算課税方式が有利なケース:
まとまった金額を一度に贈与する場合
将来相続する財産が多い場合
不動産など高額な財産を贈与する場合
複数回の贈与を予定している場合
なお、一度相続時精算課税方式を選択すると、その後の贈与について暦年課税方式に戻すことはできません。また、相続時精算課税方式を選択した場合、将来の相続時に贈与財産が相続財産に加算されることを考慮する必要があります。
住宅取得等資金の贈与の特例
住宅取得等資金の贈与の特例は、親等から住宅取得等のための資金の贈与を受けた場合に、一定額までの贈与税が非課税となる制度です。この特例は、若年層の住宅取得支援を目的としています。
特例の適用要件
受贈者(資金をもらう人)の要件:
贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること
贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること
贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等の契約を締結すること
贈与を受けた年の翌年12月31日までに住宅に入居すること
非課税限度額(令和6年度の場合)
1. 耐震、省エネ、バリアフリーの住宅性能を満たす住宅:
消費税等の税率10%の場合:最大1,000万円
消費税等の税率8%の場合:最大500万円
2. 上記以外の住宅:
消費税等の税率10%の場合:最大500万円
消費税等の税率8%の場合:最大300万円
対象となる贈与者(資金を贈る人)
これらの直系尊属からの贈与が対象となります。 – 父母 – 祖父母 – 養父母 – 配偶者の父母 – 配偶者の祖父母
対象となる住宅の要件
1. 新築住宅の場合:
床面積が50㎡以上
自己の居住用として取得すること
国内にあること
2. 中古住宅の場合:
床面積が50㎡以上
耐震基準を満たすこと
自己の居住用として取得すること
国内にあること
手続きと必要書類
申告に必要な主な書類:
贈与税の申告書
住宅取得等資金の非課税の規定の適用を受けるための届出書
住民票の写し
登記事項証明書
工事請負契約書または売買契約書の写し
耐震、省エネ等の証明書(該当する場合)
贈与者の戸籍謄本等
注意点と活用のポイント
1. 複数回の贈与:
同一年中に複数回の贈与を受けた場合、合計額に対して非課税限度額が適用されます
複数年にわたる贈与の場合、各年で非課税措置を受けることができます
2. 他の特例との併用:
暦年課税の基礎控除(110万円)と併用可能
相続時精算課税との併用も可能
3. 特例が適用されない場合:
贈与を受けた年の所得が2,000万円を超える場合
定められた期限までに住宅取得や入居ができない場合
必要書類が不足している場合
4. 返還について:
要件を満たさなくなった場合は、贈与税の申告が必要となります
入居要件を満たさない場合は、贈与税に加え利子税も課される可能性があります
よくある質問(Q&A)
贈与税に関する一般的な疑問について、Q&A形式で詳しく解説いたします。
Q1: 贈与税の申告はいつまでに行う必要がありますか?
A1: 贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに申告する必要があります。例えば、2024年中に贈与を受けた場合、2025年の2月1日から3月15日までが申告期限となります。期限を過ぎると加算税が課される可能性があります。
Q2: 110万円以下の贈与でも申告は必要ですか?
A2: 110万円以下の贈与については、基礎控除の範囲内となるため、原則として申告は不要です。ただし、住宅取得等資金の贈与の特例を利用する場合は、110万円以下でも申告が必要となります。
Q3: 夫婦それぞれの親から贈与を受けることは可能ですか?
A3: 可能です。夫婦それぞれの親からの贈与は別個の贈与として扱われます。つまり、夫の親からの贈与と妻の親からの贈与について、それぞれ基礎控除(110万円)や住宅取得等資金の贈与の特例が適用できます。
Q4: 銀行で住宅ローンを組みながら、親からの贈与も受けることはできますか?
A4: できます。住宅ローンと親からの贈与を組み合わせることは一般的な方法です。住宅ローン控除と贈与税の特例は併用することができます。ただし、金融機関によっては、贈与額の確認や贈与契約書の提出を求められる場合があります。
Q5: 相続時精算課税を選択した場合、将来の相続税はどうなりますか?
A5: 相続時精算課税を選択した場合、贈与財産は将来の相続財産に加算されて相続税が計算されます。ただし、すでに支払った贈与税は相続税から控除されます。この制度は、将来の相続を見据えた計画的な資産移転に適しています。
Q6: 住宅の頭金として親から贈与を受ける場合、いつの時点で贈与を受ければよいですか?
A6: 住宅取得等資金の贈与の特例を利用する場合、住宅の取得前に贈与を受けることが一般的です。ただし、贈与を受けた年の翌年3月15日までに売買契約を締結し、同年12月31日までに入居する必要があります。計画的な贈与のタイミングが重要です。
Q7: 贈与税の計算で、現金以外の財産(不動産など)はどのように評価されますか?
A7: 不動産などの財産は、原則として時価で評価されます。ただし、国税庁が定める財産評価基本通達に基づいて評価額が算出されます。不動産の場合、路線価や倍率方式などが用いられ、実際の取引価格とは異なる場合があります。
Q8: 親から毎月の生活費として送金してもらっている場合は贈与税の対象になりますか?
A8: 生活費や教育費として通常必要と認められる範囲の金額については、贈与税は課税されません。ただし、貯蓄に回せるような余裕のある金額の場合は、贈与税の対象となる可能性があります。
Q9: 住宅取得等資金の贈与の特例は何回まで利用できますか?
A9: この特例は、同一年中であれば複数回の贈与を受けても、合計額に対して非課税限度額が適用されます。また、複数年にわたる贈与の場合でも、各年で非課税措置を受けることが可能です。ただし、それぞれの年で要件を満たす必要があります。
Q10: 贈与税の申告を税理士に依頼する場合の費用はどのくらいですか?
A10: 税理士への依頼費用は、案件の複雑さや地域によって異なりますが、一般的な贈与税の申告で10万円前後が目安です。ただし、不動産の評価が必要な場合や特例の適用がある場合は、さらに費用が高くなることがあります。
まとめ
親からの住宅資金援助を受ける際は、贈与税の特例制度を活用することで、大きな税負担の軽減が可能です。ただし、各制度には適用要件や期限があるため、事前に税理士等の専門家に相談することをお勧めします。特に、将来の相続も考慮した上で、最適な贈与の方法を検討することが重要です。
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