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建築面積の概要や、敷地面積・延べ面積・延べ床面積との違いを解説

家づくりの基本

2025/01/06

2025/01/06

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

建築面積の概要や、敷地面積・延べ面積・延べ床面積との違いを解説

建築物の設計や不動産取引において重要となる建築面積について、敷地面積や延べ面積との違いを含めて詳しく解説します。これらの正確な理解は、建築確認申請や建ぺい率・容積率の計算に不可欠です。

建築面積とは

建築面積とは、建築基準法施行令第2条第1項第2号において定められている概念で、建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積のことを指します。

建築面積の基本的な考え方

建築面積は、建物を真上から見た際の面積を意味します。具体的には、建物の外壁や柱の中心線で囲まれた範囲を水平面に投影した面積として計算されます。この数値は、建ぺい率を算出する際の基準となる重要な指標です。

建築面積の計算方法

建築面積の計算は、以下の手順で行われます。まず、建物の外周部分を確認し、外壁または柱の中心線をトレースします。次に、その線で囲まれた部分の面積を計算します。この際、突出物や付属設備なども考慮する必要があります。

建築面積に算入される部分

建築面積には、主要構造部である壁や柱で囲まれた部分に加えて、以下の要素が含まれます。

・地上階の床部分全体

・ピロティ(建物の一階部分の柱だけを残して壁のない状態)

・バルコニー(地上1.2m超の高さにある場合)

・屋外階段(建物に固定されている場合)

・玄関ポーチ(柱で支持されている場合)

建築面積に算入されない部分

以下の要素は一般的に建築面積から除外されます。

・軒の出や庇で1m以下の部分

・地上1.2m以下の高さにあるバルコニーやテラス

・独立した簡易な囲い

・カーポートなどの簡易な上屋

建築面積と法規制

建築面積は、建築基準法による建ぺい率の規制を受けます。建ぺい率は、敷地面積に対する建築面積の割合として定義され、地域や用途地域によって上限が定められています。例えば、住居地域では一般的に建ぺい率60%が上限とされています。

実務上の注意点

建築面積を正確に把握することは、以下の点で重要です。

・建築確認申請の際の必須事項として

・建ぺい率の計算における基準値として

・建物の規模や形状を検討する際の指標として

・建築計画における法規制との整合性確認として

測定時の留意事項

建築面積を測定する際は、以下の点に注意が必要です。

・外壁の中心線を正確に特定すること

・突出物の取り扱いを適切に判断すること

・地域ごとの建築基準法の解釈の違いを確認すること

・専門家による確認を受けること

「延べ面積(延床面積)」「敷地面積」とは

建築における重要な面積概念である延べ面積(延床面積)と敷地面積について、それぞれの定義や特徴、計算方法を詳しく解説します。

延べ面積(延床面積)の定義

延べ面積とは、建築基準法施行令第2条第1項第4号に規定される概念で、建築物の各階の床面積の合計のことを指します。この面積は容積率を算定する際の基準となる重要な数値として扱われています。建物内部の壁や柱で囲まれた部分全体、各階の床面積(地階、中階、屋階を含む)、吹き抜け部分の床面積、室内に面した壁の中心線までの面積が含まれます。また、バルコニーの一部(壁で囲まれている場合)や屋内階段、エレベーターシャフト部分なども延べ面積に算入されます。

延べ面積の除外部分について

延べ面積から除外される部分としては、壁で囲まれていないベランダやバルコニー、屋外階段、パイプスペースなどが挙げられます。また、一定の条件を満たす場合、棟間内の渡り廊下やエレベーターシャフト、吹き抜けなども除外対象となります。これらの除外規定は、建物の機能性や快適性を確保しながら、合理的な面積計算を可能にするために設けられています。

敷地面積の定義と範囲

敷地面積は、建築基準法第42条第1項で規定される道路内の部分を除いた敷地の水平投影面積を指します。この面積には実測による敷地全体の面積をベースとして、私道負担部分、敷地内通路、既存の擁壁部分、敷地内の緑地帯、駐車場スペースなどが含まれます。建ぺい率や容積率を算定する際の基準となる重要な数値です。

敷地面積における除外部分

敷地面積から除外される部分については、道路後退部分(セットバック)や公道部分、建築基準法上の道路内の部分、そして公共用地として提供する部分などが該当します。これらの除外は、公共の利益と安全性を確保するための法的要件として定められています。

面積計算における重要な留意点

延べ面積と敷地面積を計算する際には、地域ごとの建築基準法の解釈の違いを十分に確認する必要があります。また、正確な測量に基づく面積計算の実施、除外規定の適切な適用、将来の建築計画への影響なども考慮しなければなりません。特に、これらの面積は容積率や建ぺい率の計算における基準値として使用され、用途地域による制限や各種建築規制の適合性確認にも関わってきます。

実務における重要性

これらの面積概念は、建築確認申請書類の作成や建築計画の策定において不可欠な要素となります。また、不動産取引における重要事項説明や固定資産税の評価、建物の資産価値評価など、多岐にわたる場面で活用されています。そのため、正確な面積把握と適切な計算方法の理解は、建築実務において極めて重要な意味を持ちます。特に、建築士や不動産関係者は、これらの概念を深く理解し、適切に運用することが求められています。

建築面積・延べ面積・敷地面積の違い

建築計画や不動産取引において重要となる建築面積、延べ面積、敷地面積について、それぞれの特徴と違いを詳しく解説します。これらの面積概念は、建築基準法における重要な指標として位置づけられており、建築計画の基礎となる要素です。

それぞれの面積の基本的な定義

建築面積は、建物を真上から見た際の水平投影面積を指します。具体的には、建築物の外壁または柱の中心線で囲まれた部分の面積として定義されます。この面積は建ぺい率を算出する際の基準となり、敷地に対してどれだけの建物が建てられるかを示す指標として使用されます。

延べ面積は、建築物の各階の床面積を合計した数値です。地階から最上階まで、建物内のすべての床面積を合算して算出されます。この面積は容積率の計算に用いられ、建物の規模や密度を規制する重要な基準となっています。

敷地面積は、建築物が建てられる土地の水平投影面積を表します。ただし、道路に面した部分での後退距離(セットバック)など、法令で定められた除外部分を差し引いた面積となります。この面積は、建ぺい率や容積率を計算する際の基準面積として使用されます。

計算方法と規制における違い

建築面積の計算では、建物の外周部分を基準とし、一定規模以上の突出物も含めて計算されます。バルコニーや庇などの取り扱いについても、その構造や規模によって算入の要否が判断されます。この面積は主に建ぺい率の計算に用いられ、敷地に対する建物の占有度を規制します。

延べ面積の計算においては、各階の床面積を個別に計算し、それらを合算します。壁や柱の中心線内側の面積が基本となりますが、吹き抜けや階段室、エレベーターシャフトなどの扱いには特別な規定があります。この面積は容積率の計算に使用され、建物の総量を規制します。

敷地面積の計算では、登記簿上の面積から法令による制限部分を除外します。特に道路境界線からのセットバック部分や、将来の道路用地として提供される部分などは、敷地面積から除外されます。この面積が建ぺい率と容積率の基準となります。

実務における活用と留意点

これら三つの面積概念は、建築計画の初期段階から重要な役割を果たします。建築面積と敷地面積の関係から建ぺい率が算出され、これにより建物の水平方向の広がりが制限されます。一方、延べ面積と敷地面積の関係から容積率が算出され、建物の垂直方向の発展が制限されます。

建築確認申請においては、これらの面積を正確に算出し、適切に表現することが求められます。特に、各面積の計算における除外規定や算入規定を正しく適用することが重要です。また、地域による規制の違いや用途地域ごとの制限値についても、十分な理解が必要となります。

相互関係と実践的な意義

これら三つの面積は、建築計画全体を通じて密接に関連しています。例えば、建ぺい率の制限により建築面積が制限され、それに応じて建物の階数計画が検討されます。同時に、容積率の制限により延べ面積が制限されるため、各階の床面積配分を適切に計画する必要があります。このように、三つの面積概念は建築計画の基本的な枠組みを形成しています。

また、不動産取引や資産評価においても、これらの面積は重要な指標となります。特に、延べ面積は建物の規模を示す基本的な数値として、取引価格や賃料の算定基準となることが一般的です。建築面積は建物の占有状況を示す指標として、また敷地面積は土地の有効活用可能性を示す指標として、それぞれ重要な役割を果たしています。

よくある質問(Q&A)

建築面積、延べ面積、敷地面積に関して実務でよく聞かれる質問とその回答をまとめました。これらの質問は、建築計画や不動産取引の現場で特に重要となる内容を網羅しています。

建築面積に関する質問

Q:ベランダやバルコニーは建築面積に含まれますか?

A:ベランダやバルコニーの建築面積への算入は、その構造や高さによって判断されます。地上から1.2メートルを超える高さにある場合や、柱などで支持されている場合は建築面積に含まれます。ただし、建物本体から突き出した部分で、柱などの支持物がない場合は除外されることがあります。

Q:軒やひさしは建築面積に含める必要がありますか?

A:軒やひさしの出が1メートル以下の場合は、建築面積に含める必要はありません。ただし、1メートルを超える部分については、その超えた部分を建築面積に算入する必要があります。また、柱で支持されている場合は、出の長さに関わらず建築面積に含まれます。

延べ面積に関する質問

Q:吹き抜け部分は延べ面積に含まれますか?

A:吹き抜け部分は、原則として延べ面積から除外されます。ただし、その吹き抜けが防火・避難上の基準を満たしていない場合や、特定の用途に供される場合は、延べ面積に算入される場合があります。具体的な判断は、建築基準法の規定や地域の建築指導要綱に基づいて行われます。

Q:地下室や屋根裏部分は延べ面積に含まれますか?

A:地下室や屋根裏部分であっても、居室として使用可能な空間は延べ面積に含まれます。具体的には、天井高さが1.4メートル以上ある部分は、原則として延べ面積に算入されます。ただし、純然たる機械室や設備スペースについては、地域の建築指導要綱により除外される場合があります。

敷地面積に関する質問

Q:セットバック部分は敷地面積に含められますか?

A:建築基準法第42条第2項に基づくセットバック部分(道路後退部分)は、敷地面積から除外する必要があります。これは、将来的に道路として使用される部分として定められているためです。ただし、任意のセットバックについては、その目的や状況により判断が異なる場合があります。

Q:私道負担部分は敷地面積に含められますか?

A:私道負担部分の敷地面積への算入は、その私道の位置づけや使用状況によって判断されます。建築基準法上の道路として認定されている私道部分は敷地面積から除外されますが、単なる通路として使用されている部分については、一定の条件下で敷地面積に算入できる場合があります。

建ぺい率・容積率に関する質問

Q:建ぺい率と容積率の計算方法を教えてください。

A:建ぺい率は建築面積を敷地面積で除した値に100を乗じて算出されます(建ぺい率=建築面積÷敷地面積×100%)。容積率は延べ面積を敷地面積で除した値に100を乗じて算出されます(容積率=延べ面積÷敷地面積×100%)。これらは、それぞれの地域で定められた制限値を超えてはいけません。

Q:角地における建ぺい率の緩和について教えてください。

A:角地等の特定の条件を満たす敷地では、建ぺい率の制限が緩和される場合があります。一般的に、角地における建ぺい率は通常の制限値に10%を加えた値まで緩和されます。ただし、この緩和措置の適用には、敷地が二つ以上の道路に接していることなど、特定の要件を満たす必要があります。

その他の一般的な質問

Q:建築確認申請時の面積計算で特に注意すべき点は何ですか?

A:建築確認申請における面積計算では、各種除外規定や算入規定を正確に適用することが重要です。特に、バルコニーや階段室、エレベーターシャフト等の特殊な部分の取り扱い、また地域ごとの建築指導要綱による独自の規定にも注意を払う必要があります。不明な点がある場合は、必ず建築指導課等に確認することをお勧めします。

まとめ

建築面積は建築計画において重要な指標であり、建ぺい率の計算基準となります。延べ面積や敷地面積との違いを理解し、各種規制や制限を考慮しながら、適切な建築計画を立てることが重要です。不明点がある場合は、建築士などの専門家に相談することをお勧めします。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

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    :渡辺知光

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