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畳の張替え方法や費用、メンテナンス方法などについて解説

家づくりの基本

2025/01/07

2025/01/07

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

畳の張替え方法や費用、メンテナンス方法などについて解説

畳は日本の伝統的な床材として長年親しまれてきました。しかし、適切なメンテナンスや張替えのタイミング、費用について悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、畳のサイズから張替え費用、お手入れ方法まで、畳に関する疑問を徹底的に解説します。

畳の種類や、張替え費用

畳は主に材質による分類と用途による分類に大別されます。材質による分類では、伝統的な本畳(わら床)、近代的な建材床畳、そして持ち運び可能な置き畳の3種類が代表的です。本畳は最も伝統的で、通気性と調湿性に優れており、寿命は約10年と長期の使用に耐えますが、1畳あたり15,000円から25,000円と比較的高価です。

建材床畳は、発泡スチロールや木材チップを圧縮して作られた現代的な畳で、1畳あたり12,000円から18,000円程度です。軽量で扱いやすい反面、本畳と比べると耐久性はやや劣ります。置き畳は最も手軽な選択肢で、5,000円から15,000円程度で購入できます。設置が簡単で移動も可能ですが、耐久性は最も低く、寿命は約5年程度です。

畳表の種類も重要な選択ポイントとなります。国産い草畳表は最高級品で、上質な香りと風合いが特徴です。1畳あたり8,000円から15,000円で、6~8年の寿命があります。一方、中国産い草畳表は6,000円から10,000円とコストパフォーマンスに優れていますが、寿命は4~6年とやや短めです。

近年人気の和紙畳表は、撥水性があり傷つきにくい特徴を持ち、7,000円から12,000円で8~10年ほど使用できます。また、セキスイ美草などの樹脂畳表は完全防水で耐久性が高く、10~15年という長期使用が可能ですが、価格は10,000円から15,000円とやや高めです。

畳の張替え費用は、作業内容によって大きく異なります。畳表のみの交換であれば1畳あたり6,000円から10,000円程度で済みますが、畳床も含めた完全な張替えの場合は12,000円から20,000円程度が必要です。これに加えて、運搬費が1,000円から3,000円、廃棄費用が1畳あたり500円から1,000円程度かかります。

張替えの時期は、表面のへたりや変色が目立つ場合、畳表の破れや剥がれが発生した場合、カビや虫害が見られる場合などが目安となります。また、畳床の歪みや凹み、異臭がする場合も張替えを検討する必要があります。

費用を抑えるためのポイントとしては、複数の畳店で見積もりを取ることや、可能な限り複数枚まとめて張り替えることが効果的です。また、3月から4月、7月から8月などの繁忙期を避けることで、比較的安価に作業を依頼できる場合があります。さらに、畳表のみの交換で対応可能な場合は、畳床まで交換する必要はありません。

なお、価格は地域や時期、工事の規模によって変動することがあります。特に、特注サイズの畳や上層階への設置は追加費用が発生する可能性が高いため、事前に地域の相場を確認し、計画的な張替えを検討することをお勧めします。

傷んできた畳をキレイにする方法

畳のお手入れと補修は、適切な方法で行うことで見違えるように美しくなります。畳の状態に応じた効果的なメンテナンス方法について、日常的なケアから応急処置まで詳しく解説します。

日常のお手入れは、畳の寿命を延ばす最も基本的な方法です。まずは掃除機による丁寧な清掃から始めます。掃除機は畳目に沿って動かし、特に畳の際や畳表の継ぎ目は念入りに吸引します。その後、乾いた雑巾やモップで畳目に沿って軽く拭くことで、表面の細かいホコリも除去できます。

汚れが目立つ場合は、畳専用クリーナーを使用します。クリーナーは直接畳に吹きかけるのではなく、清潔な布に含ませてから畳目に沿って優しく拭き取ります。一般的な洗剤は畳を傷めるため使用を避け、必ず畳専用のものを選びましょう。水拭きは畳を傷める原因となるため、最小限に抑えることが重要です。

シミや汚れには重曹水が効果的です。重曹を水で溶かし、柔らかい布に含ませて軽くたたくように拭き取ります。この際、畳を濡らしすぎないよう注意が必要です。頑固な汚れには、クエン酸水溶液を使用することもできますが、色あせの原因となる可能性があるため、目立たない場所で試してから使用することをお勧めします。

畳の黄ばみには、お茶の出がらしが効果的です。出がらしを乾かして細かく砕き、畳の表面にまんべんなく振りかけた後、柔らかいブラシで優しくブラッシングします。その後、掃除機で丁寧に吸い取ることで、畳本来の色味を取り戻すことができます。

カビが発生した場合は、まず室内の換気を十分に行い、除湿器などで湿度を下げることが重要です。カビの箇所は、畳専用の防カビスプレーを使用して処理します。カビを乾いた布で拭き取った後、スプレーを吹きかけ、しばらく放置します。その後、乾いた布で余分な液体を拭き取り、完全に乾燥させます。

畳の凹みは、スチームアイロンで改善できることがあります。凹みの部分にわずかに湿らせた布を置き、アイロンを当てて蒸気を送り込みます。その後、畳表を軽くブラッシングすることで、い草が徐々に持ち上がってきます。ただし、この方法は畳を傷める可能性もあるため、慎重に行う必要があります。

虫害が見られる場合は、市販の防虫剤や防虫スプレーを使用します。畳の表面全体に散布し、定期的に点検を行います。特に梅雨時期は虫が発生しやすいため、予防的な処置も重要です。また、畳の下に新聞紙を敷き、定期的に取り替えることで、湿気対策と虫の早期発見が可能です。

これらのお手入れを定期的に行っても改善が見られない場合や、畳の損傷が著しい場合は、専門業者による表替えや畳替えを検討する必要があります。また、日頃から室内の換気を心がけ、直射日光を避けるなど、畳に負担をかけない環境づくりも重要です。

フローリングの床を畳に替える方法

フローリングから畳への変更は、住空間の雰囲気を大きく変える重要なリフォームです。その方法は大きく分けて、「置き畳方式」と「本格的な畳部屋への改装」の2種類があり、それぞれの特徴と施工方法について詳しく解説します。

置き畳方式は、最も手軽で簡単な方法です。フローリングの上に直接置き畳を設置するだけで、工事の必要がなく、賃貸住宅でも対応可能です。置き畳は通常の畳より薄く軽量で、必要に応じて簡単に取り外すことができます。厚さは15mm~40mm程度で、重さは1畳あたり3~5kg程度と扱いやすく、引越し時にも持ち運びが可能です。

本格的な畳部屋への改装は、より本格的な和室空間を作り出すことができます。この方法では、まずフローリングを撤去し、床下地から作り直す必要があります。具体的な工程として、既存フローリングの撤去、床下地の点検と補強、大引きや根太の設置、畳床の設置、最後に畳の設置という順序で進めていきます。工期は通常3~5日程度必要で、工事費用は6畳間で30万円から50万円程度となります。

床構造の変更に際しては、いくつかの重要な検討事項があります。まず、建物の構造上の制約を確認する必要があります。特にマンションの場合、床の防音性能や重量制限などの規定をチェックすることが重要です。また、畳を設置することで床の高さが変わるため、ドアの開閉や家具の配置にも影響が出る可能性があります。

和室特有の設えとして、畳寄せと呼ばれる畳の縁を収める溝や、長押(なげし)、敷居なども検討が必要です。これらの設置により、より本格的な和室の雰囲気を演出することができます。ただし、これらの追加工事には別途費用が発生します。また、和室には障子や襖などの建具も合わせて設置することで、より完成度の高い空間となります。

施工時の注意点として、床下の防湿・防腐対策が重要です。畳は湿気に弱いため、床下換気を十分に確保し、必要に応じて防湿シートを敷設します。また、断熱材の設置も検討が必要で、特に1階の場合は床下からの冷気対策として重要です。これらの対策により、畳の寿命を延ばし、快適な居住環境を維持することができます。

工事費用を抑えるためのポイントとしては、できるだけ既存の床下地を活用することです。床下地が健全な場合は、大規模な改修を避け、必要最小限の補強にとどめることで、工事費用を抑えることができます。また、一度に複数の部屋を工事することで、1部屋あたりの単価を下げることも可能です。

最後に、施工業者の選定も重要なポイントです。畳工事の経験が豊富で、和室造作の技術を持つ業者を選ぶことが望ましいです。見積もりは複数の業者から取り、工事内容や使用する材料、アフターフォローなどを比較検討することをお勧めします。また、工事保証の内容も確認し、将来のメンテナンスにも対応できる業者を選択することが重要です。

床暖房の上に畳を敷く際のポイント

床暖房の上に畳を敷く場合は、熱による畳の変形や劣化を防ぐため、特別な配慮が必要です。床暖房と畳の相性や、設置方法、選ぶべき畳の種類について、詳しく解説していきます。

床暖房システムと畳の組み合わせで最も重要なのは、適切な断熱対策です。畳は天然素材でできているため、直接熱を受けると反りや縮み、変色などの問題が発生する可能性があります。そのため、床暖房パネルと畳の間に専用の断熱材を設置することが不可欠です。断熱材は熱伝導率の低いものを選び、均一に敷き詰めることで、熱が畳に直接伝わることを防ぎます。

畳の種類の選択も重要です。床暖房との相性を考えると、従来の藁床畳よりも、建材床畳や樹脂製の畳床を使用することをお勧めします。特に、温度変化による寸法の変化が少ない発泡ポリスチレン製の畳床は、床暖房との相性が良好です。畳表も同様に、天然のい草よりも耐熱性の高い樹脂製や和紙製の畳表を選択することで、より安定した使用が可能になります。

温度管理も重要なポイントです。床暖房の設定温度は通常より控えめにし、急激な温度変化を避けることが推奨されます。一般的な目安として、床暖房の表面温度は30度以下に抑えることが望ましく、温度センサーの設置位置にも注意が必要です。また、暖房の入り切りを頻繁に繰り返すことは避け、緩やかな温度変化を心がけることで、畳への負担を軽減できます。

設置方法としては、置き畳方式と固定式の2種類があります。置き畳の場合は、床暖房対応型の専用商品を選択することが重要です。これらの製品は、すでに断熱材が組み込まれており、熱による変形にも強い設計になっています。固定式の場合は、畳床の選択と断熱材の施工が重要で、専門業者による適切な施工が必要です。

湿度管理も見落としてはならないポイントです。床暖房を使用すると室内が乾燥しやすく、畳の乾燥による収縮や割れが発生する可能性があります。適切な加湿器の使用や、定期的な換気により、適度な湿度(45~65%程度)を保つことが重要です。特に暖房使用時期は、畳の状態を頻繁にチェックし、必要に応じて湿度管理を行います。

メンテナンス面では、定期的な点検が欠かせません。畳の表面の状態、継ぎ目の隙間、反りや変形の有無などを確認し、問題が見られた場合は早めに対処することが重要です。また、床暖房の使用開始時期や終了時期には、特に注意深く畳の状態を観察する必要があります。

コスト面については、通常の畳設置に比べて、断熱材の費用や床暖房対応型の畳の費用など、追加の出費が必要になります。しかし、これらは畳の寿命を延ばし、快適な居住環境を維持するために必要な投資と考えることができます。製品の選択時には、初期費用だけでなく、耐久性や維持費用も含めた総合的な判断が必要です。

最後に、専門業者の選定も重要です。床暖房と畳の両方に精通した業者を選ぶことで、適切な施工と長期的な維持管理が可能になります。見積もり依頼時には、使用する材料の詳細や施工方法、アフターケアの内容などを確認し、信頼できる業者を選択することをお勧めします。

よくある質問(Q&A)

畳に関する一般的な疑問や悩みについて、よくある質問とその回答をまとめました。メンテナンス、費用、選び方など、様々な観点から解説します。

Q:畳の寿命はどのくらいですか?

A:一般的な畳の寿命は使用状況や環境によって大きく異なりますが、標準的な目安は5~10年程度です。ただし、本畳(藁床)は10年以上、建材床畳は7~8年、置き畳は5年程度と、種類によって寿命は変わってきます。日常的な手入れや使用頻度、日照条件、湿度環境などによっても大きく変動します。

Q:畳表の張り替え時期はどのように判断すればよいですか?

A:畳表の張り替え時期を判断する主な目安として、表面のへたりや変色が目立つ場合、畳表の破れや剥がれがある場合、カビや虫害が発生している場合、歩くとサクサクと音がする場合などが挙げられます。また、畳の端が反り返っている、異臭がする、アレルギー症状が出るなどの症状も張り替えのサインです。

Q:畳のカビを防ぐにはどうすればよいですか?

A:カビ防止の基本は適切な換気と湿度管理です。具体的には、毎日の換気を心がけ、除湿器の使用や畳の下に新聞紙を敷くなどの対策が効果的です。また、結露を防ぐため、エアコンの設定温度にも注意が必要です。定期的な掃除と、畳専用の防カビスプレーの使用も予防に有効です。

Q:畳は掃除機で掃除してもよいのでしょうか?

A:はい、掃除機での清掃は推奨されます。ただし、畳目に沿って優しく動かすことが重要で、強い力でこすると畳表を傷める可能性があります。また、畳専用のノズルや、吸引力を調整できる掃除機を使用することをお勧めします。特に畳の際や継ぎ目は、ゴミがたまりやすいので丁寧に掃除しましょう。

Q:置き畳と一般的な畳はどう違いますか?

A:置き畳は通常の畳より薄く軽量で、工事不要で設置できる特徴があります。価格も比較的安価で、必要に応じて簡単に取り外しや移動が可能です。一方、一般的な畳は耐久性が高く、本格的な和室の雰囲気を演出できますが、専門業者による施工が必要で、設置後の移動は困難です。

Q:新築やリフォームの際、畳の種類はどのように選べばよいですか?

A:選択のポイントは、使用目的、予算、設置場所の環境です。毎日の使用が多い場合は耐久性の高い本畳や建材床畳、子供部屋などでは傷つきにくい樹脂製の畳表、水回りの近くでは防水性のある和紙畳表というように、用途に応じて選択します。また、床暖房を使用する場合は、専用の断熱材付き畳を選ぶ必要があります。

Q:畳はペットがいる家庭でも使用できますか?

A:ペットがいる家庭でも畳は使用可能です。ただし、爪による傷や排泄物による汚れに強い、樹脂製や和紙製の畳表を選ぶことをお勧めします。また、定期的な清掃と消臭対策が重要で、必要に応じて畳用の消臭スプレーを使用します。傷防止のため、ペットの爪のケアも忘れずに行いましょう。

Q:畳の値段の相場はどのくらいですか?また、費用を抑える方法はありますか?

A:畳の価格は種類や地域によって大きく異なりますが、一般的な張り替え費用は1畳あたり12,000円~20,000円程度です。費用を抑えるには、複数の業者から見積もりを取る、繁忙期を避ける、まとめて張り替えるなどの方法があります。また、畳表のみの交換で対応できる場合は、畳床まで交換する必要はありません。

Q:部屋の防音対策として畳は効果がありますか?

A:はい、畳には一定の防音効果があります。特に床からの衝撃音や歩行音の軽減に効果的です。ただし、空気伝播音(話し声など)に対する効果は限定的です。より高い防音効果を求める場合は、畳床の下に防音マットを敷くなどの追加対策を検討することをお勧めします。

まとめ

畳は適切なメンテナンスと定期的な張替えにより、長く快適に使用できる床材です。日々のお手入れを怠らず、必要に応じて専門家に相談することで、畳の寿命を延ばし、快適な住空間を維持することができます。予算や生活スタイルに合わせて、最適な畳の選択とメンテナンス方法を選びましょう。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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    :渡辺知光

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