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家屋番号の概要や調べ方、家屋番号変更手続きについて解説

家づくりの基本

2025/01/07

2025/01/07

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

家屋番号の概要や調べ方、家屋番号変更手続きについて解説

不動産の登記や住所変更の際に必要となる家屋番号。本記事では、家屋番号の基本的な概要から調べ方、さらには登記申請手続きまで、詳しく解説していきます。住所変更や不動産取引の際に役立つ情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

家屋番号とは

家屋番号は、建物を一意に特定するために法務局が付与する固有の識別番号です。この番号は不動産登記簿に記載され、建物の権利関係を特定する際の重要な情報として使用されます。

不動産登記制度において、建物は土地とは別個の不動産として扱われます。そのため、建物を特定するための独自の番号体系として家屋番号が存在します。通常、一つの建物に対して一つの家屋番号が割り当てられますが、区分所有建物(マンションなど)の場合は、建物全体に一つの家屋番号が付与され、各区分所有部分には枝番が付けられます。

家屋番号の表記方法は、通常「家屋番号○○番」という形式で示されます。区分所有建物の場合は「家屋番号○○番△号」のように枝番が付きます。この番号は、建物の登記事項証明書や固定資産税納税通知書などの公的書類に記載されています。

家屋番号が必要となる主な場面としては、建物の新築登記、売買・相続などの所有権移転登記、建物の取り壊しによる滅失登記、住所表示変更登記などがあります。また、不動産担保ローンを組む際にも、物件特定のために家屋番号が必要となります。

家屋番号は、以下のような目的で使用されます。

1. 不動産登記における建物の特定

2. 固定資産税の課税対象建物の特定

3. 不動産取引における物件の特定

4. 建物に関する権利関係の明確化

なお、家屋番号は住居表示(郵便番号や住所)とは異なる制度です。住居表示は居住地を示すための制度であり、市区町村が管理していますが、家屋番号は不動産としての建物を特定するための制度で、法務局が管理しています。この違いを理解しておくことは、不動産取引や各種手続きを行う際に重要となります。

家屋番号と地番がズレる理由

家屋番号と地番がズレる現象は、不動産登記制度において一般的に見られます。これは、土地(地番)と建物(家屋番号)が別個の不動産として管理されているという制度上の特徴に基づいています。主なズレが生じる要因として、以下の状況が挙げられます。

1. 一つの土地に複数の建物が存在する場合:同一の地番の土地上に複数の建物が建てられると、各建物にはそれぞれ異なる家屋番号が付与されます。例えば、地番が「123番」の土地上に建つ2棟の建物には、「家屋番号124番」「家屋番号125番」というように、地番とは異なる番号が割り当てられることがあります。

2. 一つの建物が複数の地番にまたがる場合:大規模な建物が複数の地番の土地にまたがって建築されることがあります。この場合、建物には一つの家屋番号が付与されますが、その番号は関係する地番のいずれとも異なる可能性があります。

3. 区画整理による地番の変更:土地区画整理事業により地番が変更された場合でも、建物の家屋番号は必ずしも連動して変更されるわけではありません。このため、新しい地番と既存の家屋番号との間にズレが生じることがあります。

4. 道路拡張や公共工事の影響:道路拡張工事などにより土地の一部が収用され、地番が変更された場合でも、建物の家屋番号は従前のままとなることがあります。これにより、新しい地番と家屋番号の間にズレが生じます。

5. 土地の分筆・合筆:土地の分筆(一つの土地を複数に分ける)や合筆(複数の土地を一つにまとめる)が行われても、その上に建つ建物の家屋番号は変更されないため、ズレが生じることがあります。

このようなズレが実務上で問題となることを防ぐため、不動産登記では以下のような対応が取られています。

1. 建物の所在地は、地番を基準に表示される

2. 登記簿上では建物の位置関係を明確にするため、建物の所在する地番が明記される

3. 建物の登記事項証明書には、その建物が存在する土地の地番が記載される

実務上の注意点として、不動産取引や登記申請を行う際には、家屋番号と地番の両方を確認し、取引対象となる建物を正確に特定することが重要です。特に、マンションなどの区分所有建物の場合は、建物全体の家屋番号と各区分所有部分の枝番、そして土地の地番を正確に把握する必要があります。

家屋番号の調べ方

家屋番号を調べる方法には複数のアプローチがあります。状況や目的に応じて最適な方法を選択することが重要です。以下に主な調査方法を詳しく解説します。

1. 法務局での登記事項証明書取得による方法:

– 最寄りの法務局(登記所)に直接出向く

– 建物の所在地(住所)を窓口で伝える

– 手数料(1通600円)を支払い、登記事項証明書を取得

– 証明書には家屋番号が明記されている

– 本人確認書類(運転免許証など)が必要

2. オンラインによる調査方法:

– 登記情報提供サービス(法務省運営)を利用

– インターネットで登記事項要約書を取得可能

– 事前に利用者登録とクレジットカード登録が必要

– 1通400円で証明書取得が可能

– 24時間365日利用可能

3. 固定資産税納税通知書での確認:

– 建物所有者の場合、毎年送付される固定資産税納税通知書に記載

– 課税明細書に家屋番号が記載されている

– 無料で確認可能

– 紛失した場合は市区町村の税務課で再発行可能

4. 不動産仲介業者を通じた調査:

– 物件購入や賃貸の際に仲介業者に依頼

– 仲介業者が法務局で調査

– 取引に関係する場合は通常無料

– 専門家による正確な調査が可能

5. 司法書士への依頼:

– 専門家に調査を依頼

– 登記手続きと併せて依頼することが一般的

– 確実な調査が可能

– 手数料が発生(司法書士により異なる)

調査時の注意点:

1. 建物の所在地(住所)を正確に把握しておく

2. 区分所有建物の場合は、建物全体の家屋番号と区分所有部分の枝番の両方を確認

3. 住居表示と登記簿上の表示が異なる場合があることに注意

4. 古い建物の場合、登記情報が更新されていない可能性がある

5. 必要に応じて図面や建物の位置図も併せて取得する

一般的に推奨される調査手順:

1. まず、手元にある書類(固定資産税納税通知書など)で確認

2. 書類がない場合は、法務局またはオンラインサービスで調査

3. 不明点がある場合は専門家に相談

4. 重要な取引の場合は、必ず登記事項証明書で正確な情報を確認

なお、家屋番号は公的な情報であり、誰でも調査可能です。ただし、登記簿に記載されている所有者情報などのプライバシーに関わる情報については、正当な理由が必要となる場合があります。

区画整理や市町村合併等で住所が変わった場合の手続き

住所変更が発生した際の手続きは、その原因によって対応方法が異なります。主な変更原因として、区画整理、市町村合併、住居表示の実施などが挙げられます。それぞれの場合における具体的な手続き方法について解説します。

区画整理による住所変更の場合、まず区画整理事業による住所変更証明書を取得する必要があります。その後、法務局に表示変更登記を申請します。この際には、登記申請書、住居表示変更証明書、印鑑証明書などの書類が必要となります。申請は住所変更から2週間以内に行うことが望ましく、表示変更登記に係る登録免許税は原則として不要です。

市町村合併による住所変更の場合は、多くのケースで行政側による一括処理が行われます。登記所が職権で変更を行うため、建物所有者による個別申請が不要なことが一般的です。ただし、必要に応じて市区町村から住所変更証明書を取得しておくことをお勧めします。変更が完了したかどうかは、登記事項証明書で確認することができます。

住居表示の実施による住所変更の場合は、まず市区町村から住居表示実施証明書を取得します。その後、法務局に表示変更登記を申請する必要があります。申請には登記申請書と住居表示実施証明書が必要で、原則として建物所有者本人が申請を行います。この変更登記については登録免許税が非課税となっています。

不動産登記簿の変更後は、各種機関への届出も必要となります。市区町村役所での住民票関連の手続き、税務署への確定申告用の住所変更、金融機関での口座住所の変更、保険会社への契約内容変更の届出などが含まれます。また、運転免許証やパスポートの住所変更、その他の契約先への通知も忘れずに行う必要があります。

手続きをスムーズに進めるためには、できるだけ早期に手続きを開始し、必要書類を事前に確認して準備することが重要です。変更証明書は複数部取得しておくと便利です。また、手続きの優先順位を付けて計画的に実施することをお勧めします。特に重要な契約や法的手続きがある場合は、専門家に相談することも検討すべきでしょう。

なお、法務局への登記申請については、オンラインでの申請も可能です。オンライン申請を利用する場合は、事前に電子証明書を取得し、必要書類をPDFでスキャンする必要があります。24時間申請が可能で、手続きの進捗状況もオンラインで確認できる利点があります。

複数の不動産を所有している場合や、法人所有の不動産、共有名義の不動産、抵当権等が設定されている場合、また相続等の他の手続きと重なる場合には、専門家への依頼を検討することをお勧めします。これらのケースでは手続きが複雑になる可能性が高く、専門家のサポートがあることで、スムーズな手続きが期待できます。

家屋番号変更の手続き

家屋番号の変更は、一般的に行政措置や法的手続きによって行われる重要な手続きです。変更が必要となる状況や具体的な手続きの流れについて、詳しく解説します。

家屋番号が変更される主な理由として、区画整理事業の実施、住居表示の変更、建物の増築や改築、土地区画の変更などが挙げられます。これらの変更は、建物所有者の任意では行うことができず、法務局や行政機関による正式な手続きが必要となります。

変更手続きの基本的な流れとしては、まず市区町村の担当部署から変更証明書類を取得します。具体的には、区画整理証明書、住居表示変更証明書、建物証明書などが該当します。これらの証明書には、旧家屋番号と新家屋番号が明記されており、変更の正当性を証明する重要な書類となります。

次に、法務局に表示変更登記を申請します。この際に必要となる書類は、表示変更登記申請書、家屋番号変更証明書、建物の所有者であることを証明する書類(登記事項証明書など)、本人確認書類(印鑑証明書、運転免許証の写しなど)です。また、建物の図面や写真が必要となる場合もあります。

申請方法には、法務局の窓口での直接申請とオンライン申請の2種類があります。オンライン申請を利用する場合は、事前に電子証明書を取得し、必要書類を電子化する必要があります。手続きにかかる費用については、表示変更登記の場合、通常は登録免許税が非課税となります。

家屋番号変更後の追加手続きとして、固定資産税課税台帳の変更、住民票の住所変更、各種契約先への変更通知なども必要となります。特に、住宅ローンや火災保険などの契約がある場合は、金融機関や保険会社への届出を忘れずに行う必要があります。

複雑なケースとして、区分所有建物(マンションなど)の家屋番号変更がある場合は、建物全体の家屋番号と各区分所有部分の家屋番号の両方について手続きが必要となります。この場合、管理組合や区分所有者間での調整も重要となります。

また、建物に抵当権などの担保権が設定されている場合は、変更手続きの前に担保権者(金融機関など)への連絡と必要な同意手続きを行う必要があります。これにより、権利関係に支障が生じることを防ぐことができます。

なお、家屋番号変更の手続きは専門的な知識を要するため、司法書士などの専門家に依頼することをお勧めします。特に、複数の権利関係が絡む場合や、法的な判断が必要な場合は、専門家のサポートを受けることで、確実な手続きが期待できます。

よくある質問(Q&A)

以下に、家屋番号に関する一般的な疑問と、それに対する詳しい回答をまとめました。実務で特に重要な質問を中心に解説します。

Q1: 家屋番号はいつ付けられるのですか?

A1: 家屋番号は、建物の新築登記時に法務局によって付与されます。新築建物の表示登記申請を行う際に、法務局が当該地域の既存の家屋番号を考慮して、新しい番号を設定します。この番号は、建物が存在する限り原則として変更されません。

Q2: 家屋番号を自分で変更することはできますか?

A2: 家屋番号は、所有者が任意に変更することはできません。変更が認められるのは、区画整理事業の実施や住居表示の変更など、行政措置による場合のみです。これは、建物を一意に特定するための公的な識別番号としての性質を維持するためです。

Q3: 建物を増築した場合、家屋番号は変わりますか?

A3: 原則として、既存建物の増築だけでは家屋番号は変わりません。ただし、増築部分が独立した建物として認められる場合は、新たな家屋番号が付与されることがあります。この判断は法務局が行います。

Q4: マンションの一室を購入する際、家屋番号はどのように確認すればよいですか?

A4: マンションの場合、建物全体の家屋番号と各区分所有部分の家屋番号(枝番)があります。登記事項証明書で確認できますが、売買契約時に不動産業者や売主に確認することも可能です。重要事項説明書にも記載されています。

Q5: 家屋番号がわからない場合、どうすれば調べられますか?

A5: 最も確実な方法は、法務局で登記事項証明書を取得することです。また、建物所有者であれば固定資産税納税通知書でも確認できます。不動産取引の場合は、仲介業者に調査を依頼することも可能です。

Q6: 建物を取り壊した場合、その家屋番号はどうなりますか?

A6: 建物を取り壊した場合、滅失登記を行う必要があります。この登記により、その家屋番号は失効します。ただし、同じ場所に新築された建物に、以前の家屋番号が再利用されることはありません。

Q7: 住所と家屋番号が異なるのはなぜですか?

A7: 住所は居住地を示すための行政上の表示であり、家屋番号は不動産登記上の建物を特定するための番号です。両者は異なる目的と制度に基づいているため、必ずしも一致しません。

Q8: 家屋番号の表示に関する登記を忘れていた場合、どうすればよいですか?

A8: できるだけ早く表示登記を行うことをお勧めします。期限が過ぎていても、必要な書類を揃えて法務局に申請することで登記は可能です。ただし、長期間放置すると他の手続きに支障が出る可能性があります。

Q9: 区分所有建物の家屋番号変更は、区分所有者全員の同意が必要ですか?

A9: 区画整理など行政措置による変更の場合、個々の区分所有者の同意は必要ありません。ただし、変更後は各区分所有者がそれぞれ表示変更登記を行う必要があります。

Q10: 相続で取得した建物の家屋番号はどのように確認すればよいですか?

A10: 被相続人の登記事項証明書や固定資産税納税通知書で確認できます。これらの書類がない場合は、法務局で建物の登記事項証明書を取得して確認することができます。

まとめ

家屋番号は不動産の特定に欠かせない重要な情報です。地番との違いを理解し、正しい調べ方や手続き方法を把握しておくことで、スムーズな不動産取引や住所変更手続きが可能となります。不明な点がある場合は、最寄りの法務局や専門家に相談することをお勧めします。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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