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旗竿地とはどんな敷地?メリット・デメリットや注意点を徹底解説

家づくりの基本

2024/07/02

2024/07/02

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

旗竿地とはどんな敷地?メリット・デメリットや注意点を徹底解説

旗竿地の購入を検討している方や、家づくりを考えている方にとって、旗竿地の意味や特徴を理解することは非常に重要です。旗竿地とは、その名前の通り、旗のように細長い部分と広い敷地が組み合わさった形状の土地を指します。狭い道路から奥に広がる土地は、一般的な整形地とは異なり、特有のメリットとデメリットがあります。

本記事では、旗竿地の特徴、購入時の注意点、そして旗竿地に家を建てる際のプランニング例を詳しく解説します。

旗竿地とは

旗竿地(はたざおち)とは、道路に接する細長い通路部分の敷地と、その先に広がるまとまった敷地が特徴的な形状の土地を指します。旗竿地の名前は、細長い通路部分が旗竿の柄の部分、奥に広がる敷地が旗の部分に見えることから名付けられました。

都市部の狭小地や、既存の住宅地内で再開発が行われた際、大きな土地を分割する過程で生まれることが多い旗竿地は、その形状から一般的に不整形地とされます。正方形や長方形の土地とは異なり、形が不規則であるため、デメリットが目立つこともありますが、旗竿地ならではのメリットも多く存在しますので、そのメリットについて、詳しく解説していきます。

旗竿地のメリット

旗竿地にはいくつかのメリットがあり、その特徴をうまく活かすことで魅力的な住環境を実現できます。ここでは、旗竿地の主なメリットを4つ解説します。

土地の価格が安くなりがち

旗竿地は、その特殊な形状から一般的な形状の土地に比べて価格が安くなる傾向があります。購入を避けられることも多いため、所有者が価格を下げることが多いのです。その結果、同じエリア内であれば相場よりも安く購入できる場合が多く、限られた予算でも家づくりが出来るというメリットがあります。また、通路部分を含めた総面積が広い場合でも、形状地と同じ価格帯になることもあり、コストパフォーマンスが高いと言えます。

落ち着いた生活環境

旗竿地の住宅部分は奥まった位置にあるため、道路からの距離があり、車や通行人による騒音が少ない環境を得ることができます。これにより、静かで落ち着いた生活を送ることができます。また、周囲の建物や道路からの視線が届きにくい位置にあるため、プライバシーを確保しやすいという特徴もあります。これにより、家族でのんびりと過ごせる快適な生活環境を作り出すことが可能です。

通路部分を活用できる

旗竿地の特徴である通路部分をうまく活用することで、住宅の快適性と機能性を向上させることができます。例えば、通路部分を駐車や駐輪スペースとして利用することで、生活スペースに余裕を持たせることができます。また、ガーデニングなどの趣味のスペースとして通路部分を使うことも可能です。通路部分の工夫次第で奥行きのあるアプローチを実現出来、旗竿地の不便さを感じさせない住まいを実現できるでしょう。

土地の評価を下げられる

毎年支払う固定資産税が同じ場所の整形地に比べて評価を下げることが出来ます。また、将来相続が発生した時にも土地の評価を下げることが出来ます。ケースによっては何割か評価が下がりますので、都心部の場合は相続時に影響が出るかもしれません。

旗竿地のこれらのメリットを理解し、うまく活用することで、快適で魅力的な住環境を手に入れることができます。次に、旗竿地のデメリットについても詳しく解説していきます。

旗竿地のデメリット

旗竿地には魅力的なメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、旗竿地の主なデメリットと、それに対する対策方法を解説します。

日当たりや風通しが悪くなることがある

旗竿地は奥まった場所に位置しているため、周囲の建物に囲まれやすく、日当たりや風通しが悪くなることがあります。これを改善するためには、土地の周辺状況を事前にチェックし、建物の屋根の形状や窓の位置を工夫した設計プランを採用することが重要です。また、天窓やハイサイドライトを設けることで、自然光を取り入れやすくする方法もあります。

建築コストが多くかかる

旗竿地では通路部分が狭いため、工事の際に大きな重機が入れないケースがあります。これにより、設計や施工に特別な工夫が必要となり、結果として建築コストが増加することがあります。狭い通路部分を考慮した設計や、高い技術を持つ施工業者の選定が重要です。信頼できる施工業者と綿密に打ち合わせを行い、自分の要望を最大限に叶えるようにしましょう。

駐車スペースの制約を考える必要がある

旗竿地の通路部分が狭い場合、奥の敷地部分に駐車スペースを設ける必要があります。これにより、生活に使えるスペースが制限されることや、駐車場へのアクセスが不便になることがあります。特に大型車や複数の車を所有している場合は、駐車スペースの確保が難しくなります。事前に通路部分の幅や駐車スペースの設計を確認し、実際の使用感をシミュレーションすることが重要です。

防犯面で不安を感じることがある

旗竿地はプライバシーが確保されやすい反面、外部からの視認性が低いため、防犯上のリスクが高まります。隣接する建物が近い場合、窓やドアの位置によっては侵入経路が増える可能性があります。これを防ぐために、通路部分にセンサーライトやタイマー付き照明を設置する、窓やドアに強化ロックを取り付けるなどの対策を行うことが重要です。また、防犯カメラの設置も検討すると良いでしょう。

将来売却しにくい

購入者が旗竿地のデメリット部分にばかり目が行きますと、購入にためらうことが考えられます。価格交渉で減額を要求される可能性が高いかもしれません。メリットをきちんと提案出来る準備が必要になります。

旗竿地のデメリットを理解し、適切な対策を講じることで、安心して快適な住環境を実現することができます。

旗竿地を購入する際の注意点

旗竿地を購入して後悔しないためには、以下の注意点を事前に確認し、家づくりに役立てることが重要です。

法律や規制の有無

旗竿地を購入する前に、建築基準法や都市計画法を始めとした関連する法律や規制を確認しましょう。特に、建ぺい率や容積率、通路部分の幅に関する制限があります。これらの制限により、イメージしているマイホームの建築が可能かどうかを事前にしっかりと確認することが必要です。自治体によって異なる規制があるため、専門家に相談することをおすすめします。

通路部分の幅や奥行き

旗竿地の通路部分の幅や奥行きが十分であることを確認しましょう。建築基準法では、通路の幅が2メートル以上でなければならない場合があります。ただ、2メートルしかないと駐車スペースを確保することがかなり厳しいです。最低でも2メートル50センチは確保したいところです。また、奥行きが長すぎると、駐車や家具の搬入・搬出など生活に影響を及ぼす可能性があります。さらに、長い通路部分は防犯上のリスクも高まるため、適切な長さかどうかを事前に確認すると良いでしょう。ポストの位置を道路際にするか玄関脇にするか悩むかもしれません。

建築費用が高くなる箇所

旗竿地では、資材運搬の難しさや狭いスペースの影響で特殊な機材や工具が必要になることがあります。例えば、小型クレーンや搬送機器のレンタル費用や操作費用が追加で発生することがあります。さらに、給水管や電気配線など生活に必要な設備を通路部分に通して引き込む際にも、追加の工事費用がかかる場合があります。これらのコストを考慮して、予算には余裕をもって計画を立てることが重要です。

周囲の建物との距離や位置関係

旗竿地は周囲の建物との距離が近くなることが多いため、どこから採光を行うか、風の通り道の確保などを事前にイメージしておくことが重要です。また、周辺の建物からの騒音なども可能であれば事前に確認しておくことで、購入後の後悔を防ぐことができます。実際に現地を訪れて周囲の状況を確認し、快適な生活環境を維持できるかを見極めましょう。

これらの注意点をしっかりと確認し、適切な対策を講じることで、旗竿地の特性を活かした快適な住まいを実現することができます。

土地選びを成功させるためのポイントについては下記記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。

土地選びを成功させるための優先順位の決め方-必ず確認すべきチェックリストまで-

旗竿地に家を建てる際のプランニング例

旗竿地のデメリットを解消しつつ、その特徴を上手に活かした家のプランニング例をご紹介します。

中庭を設置し、風の通り道と採光を確保するプラン

旗竿地のデメリットとして挙げられる日当たりや風通しの問題を解決するために、建物の中央部分に中庭を設置するプランです。中庭を設けることで、建物全体に自然光を取り込み、風通しも良くなります。

例えば、リビングやダイニングに面するように中庭を配置することで、室内からの眺めを確保しつつ、プライバシーも保つことができます。中庭は植物を植えることで緑豊かな空間を作り出し、癒しのスペースとしても活用できます。また、屋外でのアクティビティや食事を楽しむスペースとしても最適です。

通路部分に自然を取り入れたプラン

狭い通路部分を上手に活用するために、花壇や低木を配置し、自然に囲まれた生活空間を造るプランです。通路部分に沿って植栽を配置することで、緑の通路を作り出し、家に入る時にリラックスできる雰囲気を演出します。

さらに、通路部分に合わせて窓やベランダを配置することで、部屋からの眺めや採光も確保できます。例えば、キッチンやリビングに大きな窓を設けることで、外の景色を楽しみながら家事や生活をすることができます。通路部分をガーデニングスペースとして活用すれば、趣味のスペースとしても楽しむことができます。

トップライトを活用したプラン

旗竿地の奥まった場所にある家でも、十分な自然光を取り入れるために、トップライト(天窓)を活用するプランです。トップライトを屋根に設置することで、日中の明るさを確保し、部屋全体に自然な光を届けることができます。

例えば、リビングやダイニングの天井に大きなトップライトを設置することで、明るく開放感のある空間を作り出せます。また、夜には星空を楽しむことができるため、特別な雰囲気を演出することも可能です。

屋上庭園を取り入れたプラン

旗竿地の限られたスペースを有効に活用するために、屋上庭園を設けるプランです。屋上を緑化することで、自然を身近に感じることができ、リラックスできるスペースを確保できます。

例えば、屋上庭園には小さなテラスやベンチを配置し、読書やティータイムを楽しむスペースを作ることができます。また、家庭菜園を設けることで、新鮮な野菜やハーブを育てることも可能です。屋上庭園は家族や友人との憩いの場としても活用できるため、生活に彩りを加えることができます。

リビングと一体化した半屋外スペースのプラン

旗竿地の特徴を活かし、リビングと一体化した半屋外スペースを設けるプランです。リビングに大きなガラス戸を設置し、半屋外スペースとしてテラスやデッキを配置することで、内と外の境界を曖昧にし、広がりを感じる空間を作り出せます。

例えば、リビングから続くテラスには、アウトドア用の家具やグリルを配置し、バーベキューやパーティーを楽しむスペースとして活用できます。また、テラスに屋根を設けることで、天候に左右されずに快適に過ごせる半屋外リビングを実現できます。

コンパクトな多機能スペースを活用したプラン

旗竿地の限られた敷地を有効に活用するために、コンパクトで多機能なスペースを設けるプランです。小さなスペースでも、多用途に使えるような工夫を凝らします。

例えば、リビングの一角にロフトベッドを設置し、下部をワークスペースや収納スペースとして活用することで、限られた空間を有効に使うことができます。また、折りたたみ式の家具や収納を取り入れることで、必要に応じてスペースを自由に使い分けることができます。

旗竿地に関連するよくある質問

Q.旗竿地は建て替えられないのですか?

A.旗竿地は、場合によっては建て替えが難しいことがあります。現在の建築基準法では敷地が道路に2メートル以上接していなければならないという制限があるため、この条件を満たしていない場合は建て替えができません。事前に地方自治体や専門家に相談し、必要な条件を確認しておくことが重要です。

Q.旗竿地は何坪まで建てられますか?

A.旗竿地に建てられる建物の坪数は、建ぺい率と容積率に加え、建築に関連する制限によって決まります。例えば、約45坪(150平方メートル)の敷地の場合、建ぺい率が60%であれば、建築可能面積は150平方メートル × 60 = 90平方メートル(約27坪)となります。具体的な建築可能面積は地域や周辺環境によって異なるため、正確な情報は役所や不動産会社、建築会社に確認してください。

Q.旗竿地の通路部分はどう活用できますか?

A.旗竿地の通路部分は、駐車場や駐輪場として活用するのが一般的です。また、ガーデニングスペースとして花壇や低木を配置することで、家の外観を美しく整えることもできます。狭いスペースでも工夫次第で建物よりも個性が出て有効に活用することができます。

Q.旗竿地の防犯対策はどうすればよいですか?

A.旗竿地は奥まった場所にあるため、防犯対策が重要です。通路部分にはセンサーライトやタイマー付きの照明を設置し、夜間の視認性を高めましょう。また、窓やドアには強化ロックを取り付けることで、侵入を防ぐ効果が期待できます。防犯カメラの設置も有効です。

Q.旗竿地は資産価値が低いのでしょうか?

A.旗竿地は一般的な形状の土地に比べて価格が安くなることが多いですが、一概に資産価値が低いとは言えません。立地条件や周辺環境、建物の設計次第で資産価値は大きく変わる可能性があります。購入を検討する際には、専門家の意見を参考にすることをおすすめします。

Q.旗竿地での建築には特別な許可が必要ですか?

A.旗竿地での建築に特別な許可は必要ありませんが、一般的な土地と同様建築基準法や地域の条例に基づく制約があるため、これらの条件をクリアする必要があります。事前に役所や専門家に相談し、必要な手続きを確認しておきましょう。

上記を参考にして、旗竿地の購入や建築を進める際の判断材料にしてください。

まとめ

旗竿地はその特殊な形状から一見すると難しそうに思えるかもしれませんが、工夫次第で大きなメリットを引き出すことができます。土地の価格が相対的に安くなることや、落ち着いた生活環境を手に入れやすい点は、旗竿地ならではの魅力です。一方で、日当たりや風通し、建築コストや防犯面でのデメリットも存在するため、これらの課題を克服するためのプランニングや対策が必要です。

旗竿地の購入を検討する際は、法律や規制、通路部分の幅や奥行き、建築費用、周囲の建物との距離や位置関係を事前に確認し、納得のいく形で進めることが重要です。また、旗竿地のデメリットを解消しつつ、メリットを最大限に活かすための創意工夫を凝らしたプランニングが求められます。

旗竿地に関連するよくある質問も踏まえ、自分に合った住まいを実現するために、しっかりと情報を収集し、計画的に進めることが大切です。旗竿地の特性を理解し、自分のライフスタイルに合った最適な選択をすることで、理想の住まいを手に入れてください。

家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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  • 代表者

    :渡辺知光

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