耐震基準適合証明書とは?メリットや取得方法を解説
家づくりの基本
2024/07/12
2024/07/12
中古住宅を購入する際、「耐震基準適合証明書」という言葉を耳にしたことはありませんか?この証明書は、特に1981年以前に建てられた住宅を購入する場合に重要となります。しかし、その重要性や取得方法について詳しく知っている人は少ないのが現状です。
耐震基準適合証明書は、住宅ローンの利用や税制優遇措置の適用、さらには地震保険料の割引にまで影響を与える重要な書類です。取得することで様々なメリットがありますが、一方で取得にはコストと時間がかかることもあります。
本記事では、耐震基準適合証明書とは何か、そのメリット、取得方法、必要な費用など、中古住宅購入を検討している方に必要な情報を詳しく解説します。この情報を参考に、安全で経済的な住宅購入の判断材料としていただければ幸いです。
目次
耐震基準適合証明書とは?ないと困るの?
耐震基準適合証明書とは?
耐震基準適合証明書は、建物が現行の耐震基準に適合していることを証明する書類です。1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物は新耐震基準に基づいて建てられているため、通常この証明書は不要です。しかし、それ以前の旧耐震基準で建てられた建物の場合、この証明書が重要になります。
旧耐震基準と新耐震基準の主な違いは、想定する地震の規模と建物の耐震性能です。新耐震基準では、より大きな地震に耐えられるよう設計されています。
耐震基準適合証明書がないと困るのはどんなとき?
以下のような場合に、耐震基準適合証明書がないと困ることがあります。
1. 中古住宅を購入する際に住宅ローンを利用したいとき
2. 住宅ローン控除を受けたいとき
3. 不動産取得税や登録免許税の特例措置を受けたいとき
4. 地震保険に加入する際に、保険料の優遇を受けたいとき
耐震基準適合証明書を取得するメリットは?
住宅ローンを借りやすくなる
多くの金融機関では、旧耐震基準の住宅に対してローンを組む際に、耐震基準適合証明書を求めます。この証明書があることで、ローンの審査がスムーズに進み、借入れやすくなります。
住宅ローン控除を利用できる
中古住宅を購入する際、住宅ローン控除を受けるための条件の一つに耐震基準適合性があります。この証明書があれば、控除を受ける資格を得られます。
不動産取得税や登録免許税などの特例措置を受けられる
耐震基準適合証明書があると、不動産取得税や登録免許税の軽減措置を受けられる場合があります。これにより、住宅購入時の費用負担を軽減できます。
地震保険料が優遇される
耐震基準に適合している建物は、地震保険料が10%割引になります。長期的に見ると、かなりの節約になる可能性があります。
旧耐震の住宅で耐震基準適合証明書の取得条件を満たすのは厳しい?
売主の協力を得て耐震診断や耐震補強をおこなう必要がある
旧耐震基準の住宅で証明書を取得するには、まず耐震診断を行う必要があります。診断の結果、基準を満たしていない場合は耐震補強工事が必要になります。これらの作業には売主の協力が不可欠です。
高額な費用をかけて「現行の耐震基準」へ適合させる必要がある
耐震補強工事には、住宅の規模や状態によって数十万円から数百万円の費用がかかることがあります。この費用負担をどうするかは、売主と買主の交渉次第です。
耐震基準適合証明書の取得方法や発行にかかる期間は?費用はいくら?
耐震基準適合証明書はどこで・誰が発行しているの?
耐震基準適合証明書は、建築士事務所に所属する建築士や指定確認検査機関が発行します。ただし、すべての建築士が発行できるわけではなく、特定の講習を受けた建築士に限られます。
発行までにかかる期間は?
耐震診断から証明書発行までの期間は、建物の状態や補強工事の必要性によって大きく異なります。簡単な場合で2〜3週間、補強工事が必要な場合は数ヶ月かかることもあります。
取得費用の目安は?(旧耐震基準の家の場合)
費用は建物の規模や状態によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
・耐震診断:5〜15万円程度
・耐震補強工事(必要な場合):50〜300万円程度
・証明書発行:3〜5万円程度
耐震基準適合証明書の取得に必要な書類は?
耐震基準適合証明書を取得するには、以下の書類が必要です:
1. 建築確認済証(写し)
2. 検査済証(写し)
3. 付近見取図
4. 配置図
5. 各階平面図
6. 立面図(2面以上)
7. 断面図(2面以上)
8. 基礎伏図
9. 各階床伏図
10. 小屋伏図
これらの図面がない場合は、現地調査を行って作成する必要があります。
よくある質問(Q&A)
Q1: 新築住宅でも耐震基準適合証明書は必要ですか?
A1: 通常、新築住宅では不要です。1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物は、新耐震基準に基づいて建てられているため、別途証明書を取得する必要はありません。
Q2: 耐震基準適合証明書の有効期限はありますか?
A2: 一般的に有効期限はありません。ただし、証明書取得後に大規模な改修や増築を行った場合は、再度取得する必要が出てくる可能性があります。
Q3: 耐震基準適合証明書がない中古住宅は購入できないのですか?
A3: 購入自体は可能です。ただし、住宅ローンの利用や各種優遇措置の適用が難しくなる可能性があります。購入前に金融機関や不動産会社に相談することをおすすめします。
Q4: 耐震診断と耐震基準適合証明書は同じものですか?
A4: 異なります。耐震診断は建物の耐震性能を調べる行為で、耐震基準適合証明書はその結果が現行の耐震基準を満たしていることを証明する書類です。
Q5: マンションの場合、耐震基準適合証明書はどうなりますか?
A5: マンションの場合、通常は建物全体で取得します。個別の部屋ごとではなく、管理組合が主体となって取得することが一般的です。
Q6: 耐震基準適合証明書の取得を売主に要求できますか?
A6: 交渉次第です。売買契約の条件として要求することは可能ですが、取得にかかる費用負担などについては売主との合意が必要です。
Q7: 耐震基準適合証明書以外の代替となる書類はありますか?
A7: 建築士による「耐震性能評価書」や、自治体が実施する「耐震診断結果報告書」なども、場合によっては代替書類として認められることがあります。ただし、利用目的によって認められる書類が異なるため、事前に確認が必要です。
まとめ
耐震基準適合証明書の取得は、中古住宅購入時の重要なステップの一つです。費用と時間はかかりますが、安全性の確保や様々な経済的メリットを考えると、十分に検討する価値があります。ただし、個々の状況によって最適な選択は異なりますので、専門家に相談しながら判断することをおすすめします。
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