中古物件内見時にチェックすべき40のチェックポイント完全ガイド
家づくりの基本
2024/07/19
2024/07/19
中古物件の購入を検討する際、内見は非常に重要なステップです。しかし、何をどのようにチェックすればよいのか、戸惑う方も多いのではないでしょうか。この記事では、プロの視点を取り入れた中古物件内見時の注意点やチェックポイントを詳しく解説します。外観から室内、専門家に任せるべきポイントまで、幅広くカバーしていますので、これを参考に後悔のない物件選びをしましょう。
目次
1. 内見前の準備
必要な持ち物リスト
・メジャー(間取りや収納のサイズ確認用)
・カメラまたはスマートフォン(写真撮影用)
・メモ帳と筆記用具
・懐中電灯(暗い場所の確認用)
・コンセントチェッカー(電気系統の確認用)
また、事前に確認したい項目をリストアップしておくと、効率的に内見を進めることができます。
2. 外観・周辺環境のチェックポイント
外観と周辺環境は、物件の価値や住み心地に大きく影響します。以下、詳細なチェックポイントを解説します。
建物の外観
屋根
• 屋根材のズレや破損:特に瓦屋根の場合、ズレや欠けがないか注意深く観察します。
• 塗装の剥がれ:金属屋根の場合、錆びの有無も確認しましょう。
• 雨樋の状態:破損や詰まり、取り付け部分の緩みがないか確認します。
外壁
• クラック(ひび割れ):特に大きなクラックや複数のクラックがある場合は要注意です。
• 目地の充填材:劣化や剥がれは雨水侵入の原因となるため、注意深くチェックします。
• 塗装の状態:塗装の剥がれは美観だけでなく、建物の耐久性にも影響します。
基礎
• クラック:0.5mm以上の幅のクラックは構造的な問題の可能性があるため、特に注意が必要です。
• 不同沈下:建物の一部が沈んでいないか、目視で確認します。
周辺環境
日当たり、風通し
• 南向きかどうか:南向きの物件は日当たりが良好な場合が多いです。
• 周辺の建物の高さ:隣接する建物が日光を遮っていないか。
• 風の通り道:窓の位置や向きをチェックし、風通しは良いか。
騒音の有無
• 道路からの騒音:交通量の多い道路に面していないか。
• 鉄道の騒音:線路が近くにある場合、電車の通過音を確認。
• 工場や商業施設の騒音:近隣に騒音を発生させる施設がないか。
近隣施設
• スーパーマーケット:日常の買い物の利便性を確認。
• 病院・医療施設:緊急時の対応や日常的な通院の利便性を確認。
• 学校:子育て世帯の場合、学区や通学路の安全性を確認。
• 公園:子どもの遊び場や散歩コースとしての利用可能性を確認。
駐車場の状況
• 駐車スペースの有無:車を所有している場合、駐車場の確保は重要です。
• 駐車のしやすさ:駐車スペースの広さや出入りのしやすさを確認。
• 来客用駐車場:来客時の駐車スペースがあるか確認。
将来的な開発計画
• 周辺の再開発計画:地域の将来的な発展性や環境の変化を事前に確認。
• 道路拡張計画:交通の利便性向上や騒音増加の可能性を事前に確認。
これらの外観・周辺環境のチェックポイントを押さえることで、物件の現在の状態だけでなく、将来的な住み心地や資産価値の変化も予測することができます。内見時には、建物自体だけでなく、周辺環境にも十分な注意を払いましょう。
3. 室内のチェックポイント
室内の状態は、実際に生活する上で非常に重要です。以下、詳細なチェックポイントを解説します。
壁・天井・床
クロス・壁
• はがれ、浮き:特に壁と天井の境目や、コンセント周りを重点的にチェックします。
• ひび:構造的な問題を示唆する可能性があるので、特に注意が必要です。
• 変色:水漏れやカビの兆候がないか、特に水回り近くの壁をよく確認します。
床
• 傾き:水平器を使用して、床の傾きを確認します。
• きしみ:歩いた時に音がしないか確認します。
• フローリングの状態:傷や剥がれがないか確認します。
建具・窓・収納
建具・窓
• 開閉の具合:スムーズに開閉できるか、がたつきはないか確認します。
• 気密性:窓を閉めた際に隙間風がないか確認します。
• 結露の跡:特に窓枠や壁際に注目して確認します。
収納
• 容量の確認:十分な収納スペースがあるか確認します。
• 扉の開閉状態:スムーズに開閉できるか確認します。
• 棚板の状態:たわみや傷がないか確認します。
水回り
キッチン
• 水圧、排水の状態:蛇口をひねり、水の出具合と排水の速さを確認します。
• シンク下のキャビネット:漏水や腐食の跡がないか確認します。
• 設備の年式:古すぎる設備は交換が必要になる可能性があります。
浴室・トイレ
• カビや水垢の有無:特に目地やシーリング部分を重点的にチェックします。
• 換気扇の動作:正常に作動するか確認します。
• 床や壁の状態:タイルのひび割れや浮きがないか確認します。
これらの室内チェックポイントを丁寧に確認することで、物件の現状をより正確に把握できます。また、将来的に必要となる可能性のあるリフォームや設備の更新なども予測できるでしょう。内見時には十分な時間をかけて、細部まで注意深く確認することが重要です。
4. 設備・構造のチェックポイント
設備と構造は、住宅の機能性と安全性に直結する重要な要素です。以下、詳細なチェックポイントを解説します。
電気設備
コンセントの数と位置
• 各部屋に十分な数のコンセントがあるか確認します。
• 使用予定の家電や家具の配置を考慮し、適切な位置にあるか確認します。
• アース付きコンセントの有無を確認します(特に水回りや大型家電用)。
照明器具の状態
• すべての照明が正常に点灯するか確認します。
• シーリングライトの取り付け部分に傷や変色がないか確認します。
• 調光機能や人感センサーなどの特殊機能の有無と動作を確認します。
分電盤の容量
• ブレーカーの容量が十分か確認します(一般的な戸建てで50〜60A程度)。
• 漏電遮断器が設置されているか確認します。
• 分電盤の年式を確認し、古い場合は更新の可能性を考慮します。
給排水設備
給水管、排水管の素材と状態
• 給水管の素材を確認します(塩ビ管、銅管、ステンレス管など)。
• 排水管の素材と状態を確認します(特に台所の排水管は油による劣化に注意)。
• 水漏れや錆びの跡がないか確認します。
給湯器の種類と年式
• 給湯器の種類(ガス、電気、エコキュートなど)と容量を確認します。
• 給湯器の年式を確認し、耐用年数(約10年)を考慮します。
• 省エネ性能や追い焚き機能の有無を確認します。
冷暖房設備
エアコンの有無と状態
• 各部屋のエアコンの設置状況を確認します。
• エアコンの年式と性能(省エネ性能、暖房能力など)を確認します。
• 動作確認を行い、異音や異臭がないか確認します。
暖房設備の種類
• 床暖房やセントラルヒーティングの有無を確認します。
• ガス暖房や石油暖房の場合、換気設備の状態を確認します。
• 暖房効率に影響する断熱性能も併せて確認します。
構造
耐震性能
• 建築年を確認し、新耐震基準(1981年6月以降)を満たしているか確認します。
• 耐震診断や耐震補強の履歴を確認します。
• 筋交いや耐力壁の配置を確認します(可能な場合)。
断熱性能
• 窓ガラスの種類(複層ガラス、Low-Eガラスなど)を確認します。
• 二重サッシや断熱サッシの有無を確認します。
• 壁や天井の断熱材の使用状況を確認します(可能な場合)。
その他の構造的特徴
• 基礎の種類(べた基礎、布基礎など)を確認します。
• 屋根の形状と材質を確認します。
• 外壁の材質と状態を確認します。
これらの設備・構造のチェックポイントは、専門的な知識が必要な部分も多いため、不明な点がある場合は専門家に相談することをおすすめします。また、設備の更新や構造の補強が必要な場合、将来的なコストを考慮に入れて物件選びを行うことが重要です。
5. 内見時の注意点
複数回の内見
可能であれば、異なる時間帯で複数回内見することをおすすめします。日当たりや騒音の状況が時間によって変わることがあります。
質問は遠慮なく
不明点や気になる点は、その場で不動産業者に質問しましょう。
写真撮影の許可
写真撮影の際は必ず許可を得てから行いましょう。
6. マンションの場合の追加チェックポイント
マンションは戸建て住宅とは異なる特徴があるため、以下の追加チェックポイントを確認することが重要です。
共用部分の状態
エントランス・エレベーター
• エントランスの清掃状態や防犯設備を確認します。
• エレベーターの稼働状況、清潔さ、防犯カメラの有無を確認します。
廊下・階段
• 清掃状態や照明の明るさを確認します。
• 手すりの状態や床材の劣化具合をチェックします。
駐車場・駐輪場
• 空き状況や待機順番を確認します。
• 利用料金や使用条件を確認します。
管理体制
管理会社
• 管理会社の名称と評判を確認します。
• 管理人の常駐時間や対応範囲を確認します。
管理規約
• ペットの飼育可否や制限事項を確認します。
• 専有部分のリフォームに関する制限を確認します。
修繕計画と修繕積立金
大規模修繕の履歴と計画
• 過去の大規模修繕の実施時期と内容を確認します。
• 今後の修繕計画と予定時期を確認します。
修繕積立金
• 月々の修繕積立金の金額を確認します。
• 修繕積立金の総額と今後の値上げ予定を確認します。
建物の構造と設備
構造
• 建物の構造(RC造、SRC造など)を確認します。
• 耐震性能や免震・制震装置の有無を確認します。
共用設備
• 給水方式(直結給水、高架水槽方式など)を確認します。
• ゴミ置き場の位置と管理状態を確認します。
• 宅配ボックスの有無と利用状況を確認します。
周辺環境と眺望
日当たり
• 部屋の向きと日当たりの良さを確認します。
• 季節や時間帯による日当たりの変化を考慮します。
眺望
• 現在の眺望を確認します。
• 将来的な眺望の変化(周辺の開発計画など)を予測します。
防災・防犯対策
防災設備
• 非常用発電設備の有無と能力を確認します。
• 災害時の備蓄品の有無と保管場所を確認します。
防犯対策
• オートロックシステムの有無と種類を確認します。
• 防犯カメラの設置状況を確認します。
その他
築年数と総戸数
• 建物の築年数を確認し、今後の劣化予測を行います。
• 総戸数を確認し、管理のしやすさや共用部分の混雑度を予測します。
賃貸化率
• マンション内の賃貸物件の割合を確認します。
• 高すぎる賃貸化率は、将来的な資産価値に影響する可能性があります。
これらのマンション特有のチェックポイントを確認することで、より総合的な物件評価が可能になります。特に修繕計画や管理体制は、将来的な住み心地や資産価値に大きく影響するため、慎重に確認することが重要です。
7. 既存住宅瑕疵保険
既存住宅瑕疵保険は、中古住宅購入時のリスクを軽減する保険です。
・保険の適用範囲:構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分が対象
・保険期間:通常2年または5年
・メリット:専門家による検査が入るため、物件の状態を客観的に把握できる
これらの追加ポイントを確認することで、より詳細な物件評価が可能になります。特に専門知識が必要な部分については、必要に応じてプロの意見を求めることをおすすめします。
よくある質問(Q&A)
Q1: 内見の時間はどれくらい必要ですか?
A1: 一般的に30分〜1時間程度が目安です。ただし、物件の広さや確認したい項目によって変わります。
Q2: 内見時に家具を持ち込んで配置を確認してもいいですか?
A2: 基本的には難しいですが、メジャーで寸法を測り、間取り図に書き込むなどして配置をイメージするとよいでしょう。
Q3: 内見時に設備を実際に使用して確認できますか?
A3: 水道やコンセントなど、基本的な設備は確認できる場合が多いです。ただし、必ず不動産業者の許可を得てから行ってください。
Q4: 内見時に気を付けるべきマナーはありますか?
A4: 時間厳守、靴を脱ぐ、大声で話さない、勝手に物を触らないなど、基本的なマナーを守りましょう。
Q5: プロの建築士や検査員を同行させることはできますか?
A5: 可能な場合が多いですが、事前に不動産業者に相談し、許可を得る必要があります。
まとめ
中古物件の内見は、単に見た目や間取りだけでなく、建物の状態や周辺環境まで細かくチェックすることが重要です。この記事で紹介したチェックポイントを参考に、慎重に物件を見極めましょう。また、一度の内見で全てを確認するのは難しいので、可能であれば複数回の内見を行うことをおすすめします。プロの視点を意識した内見を行うことで、長く快適に暮らせる物件選びにつながるはずです。
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