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再建築不可物件とは?メリットとデメリットや買取時のチェックポイントを徹底解説

家づくりの基本

2024/07/19

2024/07/22

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

再建築不可物件とは?メリットとデメリットや買取時のチェックポイントを徹底解説

不動産市場で「掘り出し物」として注目されることもある再建築不可物件。低価格で良い立地の物件を手に入れられる可能性がある一方で、様々な制限や将来的なリスクも存在します。本記事では、再建築不可物件の特徴、メリット・デメリット、購入時のチェックポイントなどを詳しく解説し、購入を検討する方々の判断材料を提供します。

再建築不可物件とは?

再建築不可物件とは、現在の建築基準法に適合していないため、建て替えや大規模な増築ができない物件のことを指します。主に、接道要件(敷地が道路に2m以上接していること)を満たしていない物件が該当します。

再建築不可物件はなぜあるのか?

再建築不可物件が存在する主な理由:

1. 法改正以前に建てられた建物

2. 都市の開発や道路整備による環境の変化

3. 土地の分割や統合による敷地形状の変更

再建築不可物件にリフォームして住むことは可能

再建築不可であっても、既存の建物を活かしたリフォームは可能です。ただし、増築や大規模な改修には制限があります。

再建築を可能にする方法

再建築不可物件を再建築可能にする方法には、いくつかのアプローチがあります。以下に詳しく解説します。

隣地の購入による接道要件の充足

・方法:隣接する土地を購入し、敷地を拡大して道路に接する部分を確保します。

・メリット:最も確実に再建築可能となる方法です。

・デメリット:隣地所有者の協力が必要で、高額な費用がかかる可能性があります。

・注意点:購入後の敷地全体で建築基準法の要件を満たす必要があります。

セットバック(道路境界線から後退して建築)

・方法:建物を道路境界線から後退させて建築し、接道要件を満たします。

・メリット:比較的低コストで実現可能です。

・デメリット:建築可能な面積が減少します。

・注意点:後退部分は公共の用に供する必要があり、実質的に私有地として使用できません。

自治体との交渉による特例の適用

・方法:建築基準法第43条第2項による「ただし書き」の許可を得ます。

・メリット:現状の敷地形状を大きく変更せずに再建築が可能になる場合があります。

・デメリット:許可取得のプロセスが複雑で、時間がかかる可能性があります。

・注意点:自治体によって判断基準が異なるため、事前相談が重要です。

既存建築物の一部を残した増築

・方法:既存建築物の一部(通常20%以上)を残しつつ、増築する形で実質的な建て替えを行います。

・メリット:法的には「新築」ではなく「改築」となるため、再建築不可の制限を回避できる可能性があります。

・デメリット:設計の自由度が制限される場合があります。

・注意点:自治体によって判断が異なる場合があるため、事前確認が必要です。

建築基準法の改正や都市計画の変更を待つ

・方法:将来的な法改正や都市計画の変更により、再建築が可能になるのを待ちます。

・メリット:特別な手続きや追加費用なしに再建築可能になる可能性があります。

・デメリット:変更の時期や内容が不確定で、長期間待つ必要がある可能性があります。

・注意点:自治体の都市計画部門に定期的に問い合わせるなど、情報収集が重要です。

これらの方法は、物件の状況や地域の特性、自治体の方針などによって適用可能性が異なります。再建築不可物件の購入を検討する際は、これらの方法の実現可能性について、建築士や不動産の専門家、自治体の担当部署に相談することが重要です。また、複数の方法を組み合わせることで解決策が見つかる場合もあるため、柔軟な発想と粘り強い交渉が必要となることがあります。

再建築不可物件を買取するメリット・デメリット

再建築不可物件を買取するメリット

1. 低価格での購入が可能

・一般的な物件と比べて20〜50%程度安く購入できることがあります。

・同じ地域の再建築可能な物件と比較して、大幅に安い価格で入手できる可能性があります。

2. 良好な立地の物件を手に入れられる可能性

・都心や人気エリアなど、通常では手が届きにくい場所の物件を購入できる可能性があります。

・歴史ある街並みや、緑豊かな環境など、特色ある立地の物件が見つかることがあります。

3. 投資物件として活用できる可能性

・賃貸物件として運用することで、安定した収入を得られる可能性があります。

・将来的な法改正や都市計画の変更により、価値が上昇する可能性があります。

4. 古い建築様式や街並みの保存に貢献できる

・歴史的価値のある建物や街並みを維持することで、地域の文化保存に寄与できます。

・独特の雰囲気や風情を楽しめる住まいを手に入れられます。

5. リノベーションの自由度が高い

・既存の建物を活かしたリノベーションにより、独創的な空間を作り出せます。

・新築では実現が難しいような、個性的な住まいづくりが可能です。

再建築不可物件を買取するデメリット

1. 将来的な建て替えができない

・老朽化が進んだ際に、新しい建物に建て替えることができません。

・家族構成の変化に合わせた大規模な間取り変更が難しい場合があります。

2. 大規模な改修や増築が制限される

・建物の構造や規模を大きく変更することが難しく、リノベーションに制限があります。

・設備の更新や耐震補強など、必要最小限の改修のみが許可される場合があります。

3. 火災時の再建が困難

・火災で建物が焼失した場合、元の規模での再建築ができない可能性があります。

・火災保険の補償内容が制限される可能性があります。

4. 融資を受けにくい

・一般的な住宅ローンが組みにくく、融資条件が厳しくなる傾向があります。

・借入可能額が低く抑えられる可能性があります。

5. 将来的な売却が難しい可能性がある

・再建築不可という制限があるため、買い手が限定される可能性があります。

・売却時の価格が、周辺の再建築可能な物件と比べて低くなる傾向があります。

6. 法的リスクの存在

・将来的な法改正により、現状の使用方法が制限される可能性があります。

・違法建築物として扱われるリスクがある場合があります。

7. メンテナンスコストの増加

・古い建物の場合、修繕や維持管理にかかる費用が高くなる可能性があります。

・設備の更新や耐震補強などに追加コストがかかる場合があります。

これらのメリットとデメリットを十分に理解し、自身のライフプランや財政状況、将来的な利用目的などを考慮した上で、再建築不可物件の購入を検討することが重要です。また、専門家(不動産専門家、建築士、弁護士など)に相談し、個別の物件についての詳細な調査と評価を行うことをおすすめします。

再建築不可物件ならではの買取時のチェックポイント

再建築不可物件には通常の物件とは異なる特有の注意点があります。以下に、再建築不可物件を買取る際の特別なチェックポイントを詳しく解説します。

再建築不可の具体的な理由と範囲

・接道要件:

– 道路に接している幅の確認(2m未満の場合が多い)

– 私道の場合、その私道の位置指定道路としての認定状況

・敷地形状:

– 旗竿地や無道路地の場合、具体的な形状と寸法

– 敷地の奥行きと間口の比率

・建ぺい率・容積率:

– 現在の建物が既存不適格となっている場合、その詳細

– 現行の規制との乖離の程度

現状変更の可能性

・増築や改築の制限:

– 具体的にどの程度の改修が可能か

– 床面積の増加が可能な範囲

・設備更新の制限:

– 給排水、電気、ガス設備などの更新可能範囲

– 耐震補強工事の可能性

・用途変更の可能性:

– 住宅から店舗など、用途変更の可否

– 用途変更に伴う制限事項

将来的な法的リスク

・違反建築物となるリスク:

– 現状で違反建築物となっていないかの確認

– 将来的に違反建築物と判断されるリスクの有無

・是正命令のリスク:

– 過去に是正命令が出されていないかの確認

– 将来的に是正命令が出される可能性の評価

災害時のリスクと対応

・火災時の再建可能性:

– 全焼した場合の再建築の可否

– 部分的な焼失の場合の修繕可能範囲

・地震時の対応:

– 現状の耐震性能の評価

– 耐震補強の可能性と制限

・水害時の対応:

– 浸水時の修繕可能範囲

– 水害対策の実施可能性

金融機関の融資姿勢

・住宅ローンの可能性:

– 一般的な住宅ローンの適用可否

– 再建築不可物件専用のローン商品の有無

・融資条件:

– 頭金の要求額

– 金利条件の特殊性

・融資期間:

– 通常の物件と比較した融資期間の違い

– 建物の残存耐用年数との関係

保険加入の制限

・火災保険:

– 加入可能な保険の種類と補償内容

– 再調達価額ベースの保険加入の可否

・地震保険:

– 加入可能性と補償内容の制限

– 保険料の特殊性

将来的な売却可能性

・市場性:

– 同様の再建築不可物件の取引事例

– 想定される買主層の分析

・価格推移:

– 過去の価格推移のトレンド

– 将来的な価値変動の予測

・売却時の開示事項:

– 再建築不可であることの説明義務

– その他の重要事項説明の内容

行政との関係

・特例措置の可能性:

– 建築基準法第43条第2項のただし書き適用の可能性

– 自治体独自の緩和措置の有無

・将来的な都市計画:

– 道路拡幅計画の有無

– 再開発計画との関連性

これらのポイントを詳細にチェックすることで、再建築不可物件特有のリスクと機会を正確に把握することができます。専門家(不動産鑑定士、建築士、弁護士など)の助言を得ながら、慎重に判断することが重要です。また、自治体の建築指導課や都市計画課にも直接相談し、より詳細な情報を得ることをおすすめします。

よくある質問(Q&A)

Q1: 再建築不可物件でも住宅ローンは組めますか?

A1: 一般的な住宅ローンは組みにくいですが、専門的なローン商品や、不動産担保ローンなどの選択肢があります。金融機関との綿密な相談が必要です。

Q2: 再建築不可物件は将来的に売却できますか?

A2: 売却は可能ですが、買い手が限られる可能性が高いです。立地や物件の状態によっては、投資目的の買い手が見つかることもあります。

Q3: 再建築不可物件で火災保険に加入できますか?

A3: 加入は可能ですが、再調達価額(新築に建て替える費用)での保険金支払いはできないため、時価額での契約となります。

まとめ

再建築不可物件は、低価格で良好な立地の物件を手に入れられる可能性がある一方で、将来的な制限やリスクも存在します。購入を検討する際は、自身のライフプランや将来的な利用目的を十分に考慮し、専門家のアドバイスも得ながら慎重に判断することが重要です。メリットとデメリットを十分に理解し、詳細な調査と検討を行うことで、再建築不可物件を活かした魅力的な住まいづくりや投資が可能になるかもしれません。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

サービスについて
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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

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