住宅ローンの借り換えのポイントや注意点、借り換え不可の事例を解説
家づくりの予算・費用
2024/11/25
2024/11/25
住宅ローンの借り換えは、現在の金利情勢を踏まえると検討する価値のある選択肢といえます。ただし、借り換えには適切な時期や条件があり、誰もが必ずしも借り換えできるわけではありません。
そこで今回の記事では、住宅ローンの借り換えの基礎知識から、メリット・デメリット、注意点、そして借り換えができない事例まで詳しく解説していきます。
目次
住宅ローンの借り換えとは
住宅ローンの借り換えとは、現在契約している金融機関から別の金融機関に住宅ローンを切り替えることを指します。主な目的は、毎月の返済額を減らすことや、総支払額を削減することにあります。
住宅ローンの借り換えの仕組み
借り換えの基本的な流れは、新しい金融機関から借り入れをして、その資金で既存の住宅ローンを一括返済する形になります。新規の住宅ローン契約を結ぶことと同じため、収入証明書の提出や担保評価など、改めて審査を受ける必要があります。
借り換えのタイミング
借り換えを検討する最適なタイミングは、いくつかの条件が重なった時となります。市場金利が既存の借入金利より1%以上低くなっている場合や、残りの返済期間が10年以上ある場合が特に有利です。また、借入残高が1,000万円以上ある場合や、固定金利特約期間が終了する時期が近づいている場合も、借り換えの検討に適したタイミングといえるでしょう。
住宅ローンの借り換えと組み換えの違い
借り換えは金融機関を変更するのに対し、組み換えは同じ金融機関の中でローン商品を変更することを指します。借り換えの方が手続きは複雑になりますが、一般的に金利面では有利な条件を見つけやすいとされています。
借り換えの種類
借り換えの種類は金利タイプによって大きく分かれます。変動金利から固定金利へ、固定金利から変動金利へ、同じ金利タイプ間での借り換えなど、様々なパターンがあります。選択する際は、将来の金利動向や自身のライフプランを考慮して判断することが重要です。
借り換えに必要な費用
借り換えには様々な費用が発生します。保証料は新規の借入れと同様に必要となり、事務手数料は金融機関によって金額が異なります。また、抵当権の設定変更に伴う登記費用や、団体信用生命保険への加入が必要な場合は保険料も発生します。これらの費用は、借り換えによる節約効果を計算する際の重要な要素となります。
借り換えの準備と必要書類
借り換えの手続きには多くの書類が必要となります。本人確認書類や収入証明書といった基本的な書類に加え、既存の住宅ローンの返済予定表や返済用預金通帳のコピー、資産証明書なども求められます。また、物件関連では登記簿謄本や固定資産税評価証明書なども必要です。これらの書類を事前に用意しておくことで、スムーズな手続きが可能となります。
住宅ローン借り換えのメリット・デメリット
住宅ローンの借り換えは、毎月の返済額や総支払額を見直すことができる一方で、様々な費用やリスクも伴います。ここでは、借り換えの具体的なメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
住宅ローン借り換えのメリット
借り換えの最も大きなメリットは、金利の低下による毎月の返済負担の軽減です。現在の金利が2.5%のローンを、金利1.5%で借り換えた場合、毎月の返済額を大きく抑えることができます。特に借入残高が大きいほど、この金利差による効果は顕著になります。
総支払額の削減も重要なメリットといえます。返済期間が長く残っている場合は、総支払額の削減効果が大きくなりやすく、数百万円単位の削減も期待できる場合があります。
返済方法の見直しも借り換えの利点です。新しい生活スタイルや収入に合わせて、返済期間を短縮したり延長したりできます。また、ボーナス払いの割合変更や、繰り上げ返済がしやすい商品への切り替えなども可能です。
住宅ローン借り換えのデメリット
一方で、借り換えには保証料、事務手数料、登記費用などの諸費用が発生します。これらは一般的に50万円から100万円程度必要となり、借り換えによる金利負担の軽減効果を相殺してしまう可能性があります。
新たな審査が必要となることも留意点です。収入が減少している場合や年齢が高くなっている場合、既存の返済実績に問題がある場合などは、審査に通らないリスクがあります。審査に落ちた場合、事前に支払った手数料が無駄になってしまう可能性もあります。
また、団体信用生命保険も新規での加入が必要となります。年齢が上がっていることで保険料が高くなったり、健康状態によって加入できないケースもあります。これにより想定していた以上のコストが発生する場合があります。
借り換えの費用対効果
借り換えの効果を判断するには、単純な金利の差だけでなく、諸費用を含めた総合的な費用対効果を考える必要があります。一般的に、現在の金利と新しい金利の差が1%以上あり、かつ残債務が1,000万円以上、返済期間が10年以上残っている場合に借り換えのメリットが大きくなります。
借り換えの判断ポイント
借り換えを検討する際は、自身のライフプランに合わせた判断が重要です。たとえば、転職や退職を予定している場合は、それらの時期を考慮に入れる必要があります。また、将来的な収入の変化や、子どもの教育費など、大きな支出が予想される場合も、慎重に検討すべきポイントとなります。
借り換えのタイミング
市場金利の動向を見極めることも重要です。金利の先行きが上昇傾向にある場合は、固定金利への借り換えを検討する価値があります。一方、金利の低下が予想される場合は、変動金利型を選択することで、将来的な金利低下のメリットを享受できる可能性があります。
最後に、借り換えは住宅ローンの見直しを行う良い機会といえます。単に金利を下げるだけでなく、自身の生活設計に合わせた返済プランを選択することで、より効果的な借り換えを実現できます。ただし、諸費用やリスクも含めて総合的に判断することが重要です。
住宅ローンの借り換えに向いている人
住宅ローンの借り換えは、誰にでも向いているわけではありません。ここでは、どのような人が借り換えに適しているのか、具体的な条件や状況について詳しく解説していきます。
借入条件から見た向いている人
まず、現在の住宅ローンの残債務が1,000万円以上ある方は、借り換えによる効果が期待できます。また、返済期間が10年以上残っている方も、借り換えの恩恵を受けやすい傾向にあります。これは、残債務が大きく、返済期間が長いほど、金利の差による効果が大きくなるためです。
現在の金利が市場金利と比べて1%以上高い場合も、借り換えを検討する価値があります。たとえば、3%の固定金利で借り入れている方が、1.5%の金利で借り換えできる場合、大きな節約効果が期待できます。
収入面から見た向いている人
安定した収入がある方は、借り換えに向いています。これは、借り換えには新規の審査が必要となり、収入証明書の提出が求められるためです。むしろ、借り入れ当初よりも収入が増えている場合は、より有利な条件での借り換えが期待できます。
また、将来的な収入増加が見込める方も、借り換えを検討する価値があります。たとえば、昇進や昇給が予定されている場合、返済期間の短縮などを視野に入れた借り換えプランを検討できます。
返済履歴から見た向いている人
これまでの返済履歴が良好な方も、借り換えに適しています。返済の遅延や延滞がない場合、金融機関からの審査も通りやすく、より有利な条件を引き出せる可能性が高まります。
特に、これまで変動金利で返済してきた方で、今後の金利上昇を懸念している場合は、固定金利への借り換えを検討する良いタイミングといえます。
物件条件から見た向いている人
築年数が比較的新しい物件をお持ちの方も、借り換えに向いています。一般的に、築20年以内の物件であれば、多くの金融機関で借り換えの対象となります。また、一戸建てやマンションなど、一般的な住宅用途の物件であることも重要です。
物件の資産価値が維持されている場合も、借り換えがスムーズに進みやすいといえます。特に人気エリアの物件や、交通アクセスの良い場所にある物件は、借り換えの審査が通りやすい傾向にあります。
生活設計から見た向いている人
ライフプランが明確で、長期的な住居予定がある方も借り換えに向いています。引っ越しや住み替えの予定がない場合、借り換えによる長期的なメリットを十分に享受することができます。
また、教育費など将来の支出計画が明確な方も、それらを考慮した返済プランを組み立てることができます。たとえば、教育費が必要になる時期に合わせて返済額を調整するなど、柔軟な対応が可能です。
家計管理から見た向いている人
毎月の収支をしっかりと管理できている方も、借り換えの効果を最大限に活用できます。借り換えによって減った返済額を、将来の資金計画に組み込んだり、繰り上げ返済に回したりすることで、より効果的な返済が可能となります。
また、諸費用の準備ができている方も、借り換えに適しています。借り換えには50〜100万円程度の費用が必要となりますが、これらを事前に準備できていることで、スムーズな借り換えが可能となります。
住宅ローン借り換えのポイントや注意点
住宅ローンの借り換えを成功させるためには、いくつかの重要なポイントと注意点があります。ここでは、借り換えを検討する際に押さえておくべき要点について詳しく解説していきます。
借り換え時期の見極め
借り換えのタイミングは非常に重要です。固定金利特約期間中は、一般的に高額な手数料が発生するため、借り換えに適していません。特約期間の終了時期が近づいてきた時や、金利の先行きに不安がある時期が、借り換えの検討に適したタイミングといえます。
また、年齢による制限も考慮する必要があります。多くの金融機関では、完済時の年齢に上限を設けています。たとえば、完済時の年齢が80歳までといった条件がある場合、現在の年齢から逆算して返済期間を設定する必要があります。
諸費用の確認と計算
借り換えには様々な費用が発生します。具体的には、新規の保証料、事務手数料、登記費用、抵当権設定費用などが必要となります。これらの費用は金融機関によって異なるため、複数の金融機関で見積もりを取り、総額を把握することが重要です。
また、既存の住宅ローンを繰り上げ返済する際に手数料が発生する場合もあります。これらの費用と借り換えによる節約効果を比較し、実質的なメリットを判断する必要があります。
金利タイプの選択
借り換え時には、変動金利型と固定金利型のどちらを選択するかも重要な判断ポイントとなります。将来の金利動向や自身の収入状況、リスク許容度などを考慮して選択する必要があります。
特に、変動金利型を選択する場合は、将来的な金利上昇リスクも考慮に入れる必要があります。一方、固定金利型は金利が高めに設定されていますが、返済額が固定されることで家計の見通しが立てやすくなります。
団体信用生命保険の加入要件
借り換えの際は、新たに団体信用生命保険への加入が必要となります。年齢が上がっていることで保険料が高くなったり、持病がある場合は加入を断られるケースもあります。事前に加入の可否を確認し、必要に応じて代替案を検討することが重要です。
返済期間の設定
借り換えの際は、返済期間を見直すことも可能です。返済期間を延長すれば毎月の返済額は減りますが、総支払額は増える傾向にあります。反対に、返済期間を短縮すれば総支払額は減りますが、毎月の返済額は増加します。自身の家計状況に合わせて適切な期間を設定することが重要です。
審査基準の確認
借り換えには新規の審査が必要となります。現在の年収や勤続年数、他の借入状況などが審査の対象となります。特に、収入が減少している場合や、他の借入れが増えている場合は、審査に通りにくくなる可能性があります。事前に審査基準を確認し、必要に応じて改善策を講じることが重要です。
物件価値の確認
借り換えの際は、物件の現在価値も審査の対象となります。築年数が経過していたり、立地条件が変化している場合は、当初の評価額から大きく下がっている可能性があります。特に、投資用物件や収益物件の場合は、借り換えができない可能性もあるため、事前の確認が必要です。
書類準備と手続きの流れ
借り換えには多くの書類が必要となります。収入証明書や返済予定表、物件の登記簿謄本など、準備に時間がかかる書類もあります。手続きの流れと必要書類を事前に確認し、計画的に準備を進めることで、スムーズな借り換えが可能となります。
住宅ローンの借り換えをしてお得になる事例
住宅ローンの借り換えでは、適切な条件とタイミングが重なることで、大きな節約効果が期待できます。ここでは、実際にお得になった具体的な事例を交えながら解説していきます。
金利差による節約事例
35歳の会社員の方が、借入残高2,500万円、金利2.8%、残りの返済期間が25年のローンを、金利1.2%で借り換えた事例があります。この場合、毎月の返済額は約12万円から約10万円に減少し、さらに総支払額では約450万円の節約となりました。諸費用として約80万円かかりましたが、長期的に見ると大きなメリットが得られています。
また、変動金利型から固定金利型への借り換えにより、将来の金利上昇リスクを回避できた事例もあります。40代の自営業の方が、変動金利1.5%から10年固定の1.8%に借り換えることで、金利は若干上がるものの、将来の返済額の見通しが立てやすくなりました。
返済期間の調整による効果
45歳の公務員の方が、残債務1,800万円、残り20年の返済期間を15年に短縮した事例があります。金利も2.5%から1.5%に下がり、毎月の返済額は約2万円増加しましたが、総支払額では約300万円の削減に成功しています。将来的な教育費の支出を見据えて、早期の完済を目指した計画的な借り換えとなりました。
収入増加を活用した事例
30代後半の共働き夫婦が、配偶者の復職を機に借り換えを行った事例があります。世帯収入の増加により、より有利な条件での借り換えが可能となり、毎月の返済額を抑えながらも返済期間の短縮を実現しました。収入増加分は教育費の積立てに回すことで、計画的な家計管理が可能となっています。
ボーナス払いの見直し事例
ボーナス払いの割合を見直すことで、より効率的な返済を実現した事例もあります。従来50%だったボーナス払いの割合を30%に減らし、毎月の返済に重点を置くことで、家計の管理がしやすくなりました。また、ボーナスの変動リスクも軽減され、安定した返済計画が立てられるようになっています。
金融機関の選択による効果
地方銀行から、より金利の低いネット銀行に借り換えを行った事例があります。金利が1%以上下がったことに加え、インターネットでの手続きが中心となることで、来店の手間も省けました。また、繰り上げ返済の手数料が無料となり、臨時収入があった際の柔軟な返済が可能となっています。
団体信用生命保険の見直し事例
借り換えを機に、より保障内容の充実した団信を選択した事例もあります。従来の死亡保障に加え、三大疾病保障や介護保障が付加されることで、将来的なリスクに備えることができました。保険料の上乗せはありましたが、総合的な保障の充実により、家族の安心につながっています。
複数の住宅ローンの一本化
住宅購入時のローンとリフォームローンを一本化した借り換え事例もあります。それぞれのローンの金利や手続きを一本化することで、管理が容易になり、かつ総支払額も削減できました。また、返済期間も柔軟に設定できることで、より効率的な返済計画が立てられるようになっています。
これらの事例に共通するのは、単に金利の低下だけでなく、自身の生活設計に合わせた借り換えプランを選択している点です。諸費用も含めた総合的な判断のもと、長期的な視点での効果を実現しています。
住宅ローン借り換えのよくある失敗事例
住宅ローンの借り換えでは、慎重な検討や計画が必要です。ここでは、実際によくある失敗事例とその対策について、具体的に解説していきます。
諸費用を考慮しない失敗
借り換えの際に発生する諸費用を十分に検討せずに判断してしまい、実質的な負担が増えてしまうケースがあります。たとえば、金利が2.5%から1.8%に下がることだけに注目し、保証料や手数料など合計80万円の諸費用を考慮しなかったために、実質的な節約効果が得られなかった事例があります。事前に総費用を確認し、借り換えによる効果を細かく試算することが重要です。
返済期間を安易に延長する失敗
毎月の返済額を減らすことだけを目的に返済期間を延長し、結果的に総支払額が大幅に増加してしまうケースがあります。35歳で残り20年の返済期間を30年に延長した事例では、毎月の返済額は2万円減少しましたが、総支払額は300万円以上増加してしまいました。返済期間の延長は慎重に検討する必要があります。
固定金利特約期間中の借り換え
固定金利特約期間中に借り換えを行い、高額な違約金が発生してしまった事例があります。たとえば、5年の固定金利特約期間の3年目で借り換えを行い、50万円以上の違約金が発生したケースがありました。特約期間の終了時期を確認し、適切なタイミングを見極めることが重要です。
審査の見通しが甘い失敗
事前に審査の可能性を確認せずに手続きを進め、結果的に審査が通らず、事前に支払った手数料が無駄になってしまうケースがあります。収入が減少していたり、他の借入れが増えていたりすることで、想定していた借り換えプランが実行できなかった事例が多く見られます。事前に仮審査を利用するなど、慎重な確認が必要です。
団体信用生命保険の見落とし
借り換え後の団体信用生命保険の加入条件を確認せずに手続きを進め、健康上の理由で加入できず、借り換えそのものが実行できなくなった事例があります。また、年齢による保険料の上昇を考慮せず、想定以上の負担が発生するケースもあります。事前に加入条件や保険料を確認することが重要です。
金利タイプの選択ミス
将来の金利動向を見誤り、不適切な金利タイプを選択してしまうケースがあります。たとえば、金利上昇局面で変動金利型を選択し、その後の金利上昇により返済負担が増加してしまった事例や、金利低下局面で固定金利を選択し、低金利のメリットを受けられなかった事例があります。市場動向を見極めた慎重な判断が必要です。
複数の金融機関を比較しない失敗
一つの金融機関の提案だけで判断してしまい、より有利な条件を見逃してしまうケースがあります。金利だけでなく、手数料体系や繰り上げ返済の条件など、総合的に比較検討することで、より良い選択が可能となります。少なくとも3社程度は比較検討することをお勧めします。
将来の収入変動を考慮しない失敗
将来的な収入の変化や支出の増加を考慮せずに借り換えを行い、後になって返済が厳しくなるケースがあります。たとえば、定年退職後の収入減少を考慮せずに返済計画を立てたり、教育費などの大きな支出を見込まずに返済額を設定したりする失敗が見られます。長期的な視点での計画が重要です。
手続き期間の見積もりミス
借り換えの手続き期間を甘く見積もり、既存の金融機関への返済と新規の借り入れのタイミングにずれが生じてしまうケースがあります。手続きには通常1〜2ヶ月程度かかることを考慮し、余裕を持った計画を立てることが重要です。特に書類の準備や審査には予想以上に時間がかかることがあります。
借り換えの失敗を防ぐためには、これらの事例を参考に、慎重な検討と計画的な準備を行うことが重要です。専門家への相談や、複数の金融機関での検討を通じて、最適な借り換えプランを選択することをお勧めします。
住宅ローンの借り換えができない事例
住宅ローンの借り換えは、様々な理由で実行できないケースがあります。ここでは、借り換えができない主な事例について、その理由と共に詳しく解説していきます。
住宅ローンの借り換えができないケース1:銀行やローンの仕組みの問題
フラット35などの公的融資を利用している場合は、民間金融機関への借り換えができません。これは制度上の制限によるものです。また、固定金利特約期間中の借り換えも、高額な違約金が発生するため現実的ではありません。
特殊な金利優遇を受けているケースも借り換えが困難です。たとえば、子育て支援型の住宅ローンや、震災復興支援型のローンなど、特別な条件で借り入れている場合は、通常の住宅ローンへの借り換えができないことがあります。
住宅ローンの借り換えができないケース2:物件の条件が理由
築年数が古い物件は借り換えが難しくなります。特に木造住宅で築15年以上、マンションで築20年以上の場合、多くの金融機関で対象外となってしまいます。これは、物件の将来的な資産価値の低下を懸念してのことです。
投資用物件や収益物件、店舗併用住宅なども借り換えが困難です。また、リゾートマンションや別荘、ワンルームマンションなども、一般的な住宅用途とは異なるため、借り換えの対象外となりやすい物件です。
住宅ローンの借り換えができないケース3:ローン契約者の状況
収入が減少している場合は、新規の審査が通りにくくなります。たとえば、転職や業績悪化により年収が当初より30%以上減少している場合、多くの金融機関で借り換えを断られる可能性が高くなります。
返済実績に問題がある場合も借り換えは困難です。具体的には、過去の返済遅延や、他の借入れの延滞歴がある場合です。また、カードローンやキャッシングの利用が多い場合も、借り換えの審査に影響を与える可能性があります。
年齢による制限も重要な要因です。一般的に、完済時の年齢が70歳や80歳を超える場合は、借り換えができない可能性が高くなります。また、団体信用生命保険への加入が必要条件となるため、健康上の理由で加入できない場合も借り換えは困難です。
代替策の検討
借り換えができない場合は、現在の金融機関での金利の組み換えや返済期間の見直しを検討することをお勧めします。また、収入状況の改善や他の借入れの整理など、将来的な借り換えに向けた準備を進めることも重要です。
特に、複数の要因が重なっている場合は、一つずつ改善を図っていく必要があります。専門家への相談を通じて、自身の状況に適した対応策を見つけることが、長期的な返済計画の立て直しにつながります。
よくある質問
住宅ローンの借り換えについて、多くの方が疑問に感じる点をQ&A形式でまとめました。実際の相談でよく寄せられる質問を中心に解説していきます。
借り換えの基本について
Q:借り換えの手続きにはどのくらいの期間がかかりますか?
A:一般的に、申し込みから実行まで1〜2ヶ月程度かかります。書類準備や審査、物件調査などの各段階で時間を要するため、余裕を持った計画が必要です。
Q:借り換えの手数料はいくらくらいかかりますか?
A:一般的に50〜100万円程度の費用が必要です。具体的には、保証料、事務手数料、登記費用、抵当権設定費用などが含まれます。金融機関によって費用は異なりますので、複数の機関で確認することをお勧めします。
審査について
Q:借り換えの審査は新規より厳しいのでしょうか?
A:基本的には新規の住宅ローンと同様の審査基準が適用されます。ただし、これまでの返済実績が良好であれば、プラスに評価されることがあります。
Q:審査に落ちた場合、手数料は返還されますか?
A:事前審査の段階での費用は基本的に発生しませんが、本審査に進んでから否決となった場合、それまでにかかった手数料は返還されないことが一般的です。
金利について
Q:金利が何%下がれば借り換えする価値がありますか?
A:一般的に1%以上の金利差があれば検討する価値があります。ただし、諸費用と総支払額の比較を行い、実質的なメリットを確認することが重要です。
Q:変動金利と固定金利、どちらを選ぶべきですか?
A:将来の金利動向や自身のリスク許容度によって判断します。安定性を重視する場合は固定金利、金利低下局面では変動金利が有利になる可能性があります。
諸費用について
Q:諸費用の分割払いは可能ですか?
A:金融機関によっては、諸費用の分割払いや住宅ローンへの上乗せを認めているところもあります。ただし、その場合は金利が上乗せされる可能性があります。
Q:繰り上げ返済の手数料は借り換え後も必要ですか?
A:金融機関によって異なります。ネット銀行では無料のところが多いですが、従来の銀行では手数料が必要な場合があります。契約前に確認することをお勧めします。
保険について
Q:団体信用生命保険は再度加入する必要がありますか?
A:はい、借り換えの際は新たに加入する必要があります。年齢が上がっていることで保険料が高くなったり、健康状態によっては加入できない可能性もあります。
Q:がん保障や三大疾病保障は必ず付ける必要がありますか?
A:必須ではありませんが、家族構成や収入状況によって検討する価値はあります。ただし、保障を付加することで金利が上乗せされる場合があります。
返済期間について
Q:返済期間は延長できますか?
A:基本的には可能ですが、完済時の年齢制限があります。多くの金融機関では70歳や80歳までとしており、これを超える返済期間の設定はできません。
Q:借り換え時に返済期間を短縮することは可能ですか?
A:可能です。毎月の返済額は増加しますが、総支払額を抑えることができます。収入に余裕がある場合は検討する価値があります。
トラブルについて
Q:借り換え手続き中に金利が上がってしまった場合はどうなりますか?
A:申し込み時の金利が適用される金融機関と、実行時の金利が適用される金融機関があります。事前に確認し、金利上昇リスクに備えることが重要です。
Q:現在の金融機関に借り換えの相談をすべきですか?
A:必ずしも必要ではありません。ただし、現在の金融機関で金利の引き下げや条件の見直しができる可能性もあるため、相談してみる価値はあります。
まとめ
住宅ローンの借り換えは、慎重に検討すれば大きなメリットが得られる可能性がある一方で、様々な条件や注意点があります。ご自身の状況を十分に確認し、必要に応じて専門家に相談することをお勧めします。
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