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住宅ローンの事前審査(仮審査)の審査基準や落ちるケースを解説

家づくりの予算・費用

2024/11/25

2024/11/25

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

住宅ローンの事前審査(仮審査)の審査基準や落ちるケースを解説

住宅ローンを組む際に避けて通れないのが事前審査(仮審査)です。本審査の前に行われる この審査では、借入希望額に対して返済が可能かどうかの判断が行われます。しかし、「事前審査って何をみられるの?」「落ちたらどうしよう」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、住宅ローンの事前審査の仕組みや審査基準、落ちるケースについて詳しく解説していきます。

目次

住宅ローンの事前審査(仮審査)とは

住宅ローンの事前審査(仮審査)とは、本審査の前に行われる予備審査のことです。申込者の基本的な情報をもとに、金融機関が融資の可能性を判断する重要なステップとなります。

事前審査の目的と意味

事前審査の主な目的は、申込者が希望する借入額に対して返済能力があるかどうかを事前に確認することです。本審査では膨大な書類と時間が必要となるため、この段階で融資の可能性を判断することで、双方の時間と手間を節約することができます。

本審査との違い

事前審査は本審査と比べて簡易的な審査となります。本審査では詳細な資料の提出や実地調査なども行われますが、事前審査では基本的な情報のみで判断が行われます。ただし、事前審査を通過しても本審査で否決される可能性もあるため、注意が必要です。

事前審査にかかる期間

事前審査の結果は、早ければ即日、遅くとも1週間程度で通知されます。金融機関によって審査期間は異なりますが、一般的には数日程度で結果が分かります。インターネットでの申し込みの場合、さらに早く結果が出ることもあります。

事前審査の申し込み時期

事前審査は、物件購入の検討を始める3~6ヶ月前から申し込むことをおすすめします。これは複数の金融機関に申し込む時間的余裕を確保するためです。また、審査結果によって購入物件の予算を見直す必要が出てくる可能性もあります。

複数の金融機関への申し込み

事前審査は複数の金融機関に同時に申し込むことが可能です。金利や融資条件は金融機関によって異なるため、複数の選択肢を用意しておくことで、より有利な条件での借り入れが可能になります。

事前審査で確認される主な項目

事前審査では、年収や勤務先の情報、他の借入状況など、基本的な情報が確認されます。具体的には以下のような項目が審査の対象となります。

・年収(給与所得者の場合、前年度の源泉徴収票などで確認)

・勤務先の企業規模や業種

・現在の勤務先での勤続年数

・他の借入金の有無と返済状況

・年齢や家族構成などの基本的な属性

事前審査の重要性

事前審査は住宅購入における重要なマイルストーンといえます。この段階で融資の可能性が高いと判断されれば、より具体的な物件探しや購入計画を進めることができます。逆に、この段階で課題が見つかれば、早めに対策を講じることが可能です。

事前審査後の流れ

事前審査を通過した場合、次のステップとして物件の検討や購入条件の交渉に進むことができます。その後、物件が決まれば本審査の申し込みとなります。事前審査の結果は通常3ヶ月程度有効ですが、金融機関によって期間は異なります。

住宅ローンの事前審査(仮審査)の審査基準や必要書類

住宅ローンの事前審査では、申込者の返済能力を判断するために、様々な基準や書類による確認が行われます。ここでは、具体的な審査基準と必要書類について詳しく解説していきます。

審査基準の詳細

事前審査では、主に以下の項目について審査が行われます。これらの基準をクリアすることで、融資を受けられる可能性が高まります。

収入に関する基準

・前年度税込年収が200万円以上であること

・安定した収入があること(原則として正社員であることが望ましい)

・ボーナスがある場合は、その支給実績が安定していること

勤務状況に関する基準

・現在の勤務先での勤続年数が2年以上であることが望ましい

・勤務先の企業規模や業績が安定していること

・職種や雇用形態が安定的であること

返済負担率に関する基準

・年収に対する返済額の割合(返済負担率)が35%以内であること

・他の借入れも含めた総返済負担率が40%以内であること

属性に関する基準

・年齢が20歳以上であること

・完済時の年齢が65歳~80歳以下であること(金融機関により異なる)

・日本国籍を有するか、永住権を持っていること

必要書類一覧

本人確認書類

・運転免許証、パスポート、マイナンバーカードのいずれか

・健康保険証(補助書類として)

収入証明書類

・源泉徴収票(直近1年分)

・給与明細書(直近3ヶ月分)

・確定申告書(自営業の場合は過去2年分)

勤務先関連書類

・在職証明書

・雇用契約書(契約社員の場合)

・会社の登記簿謄本(経営者の場合)

その他必要に応じて提出を求められる書類

・住民票

・資金計画書

・預金通帳のコピー

書類準備のポイント

事前審査の書類準備において、以下の点に注意が必要です。

・書類は原則として3ヶ月以内に発行されたものが必要

・コピーの場合は、原本証明が必要になることがある

・記載内容に不備や矛盾がないことを確認する

金融機関による違い

審査基準や必要書類は、金融機関によって若干の違いがあります。特に以下の点で差異が見られます。

・年収基準の違い(最低基準が150万円~300万円と幅がある)

・勤続年数の要件(1年以上~3年以上とさまざま)

・必要書類の種類や提出時期

審査書類の提出方法

書類の提出方法は、申込方法によって異なります。インターネット申し込みの場合は、スマートフォンでの撮影画像やスキャンデータでの提出が可能な場合もあります。ただし、本審査の際には原本の提出が必要となることが一般的です。

住宅ローンの事前審査(仮審査)に落ちるケース

住宅ローンの事前審査で落ちてしまうケースは決して珍しくありません。ここでは、どのようなケースで事前審査に落ちやすいのか、具体的に解説していきます。

年収・収入に関する要因

年収が基準額の200万円を下回っているケースでは、審査に通りにくい傾向にあります。また、収入の大部分が歩合給やボーナスで構成されているなど、安定性に欠ける場合も要注意です。特にフリーランスの方は収入の変動が大きいことが多く、金融機関から見ると返済能力の判断が難しいとされます。確定申告の内容に不備があるケースも、審査落ちの原因となってしまいます。

勤務状況に関する要因

勤続年数が1年未満と短い場合や、契約社員、パート・アルバイトなどの非正規雇用の方は、審査のハードルが高くなります。また、勤務先の企業規模が小さい、または業績が不安定な場合も注意が必要です。頻繁な転職歴がある場合も、金融機関からは安定性に欠けると判断される可能性が高くなります。

借入・返済に関する要因

年収に対して借入希望額が高すぎる場合は、審査に通りにくい大きな要因となります。また、カードローンや車のローンなど、他の借入残高が多い場合も要注意です。特に返済負担率が金融機関の基準である35%を超えているケースでは、返済能力に懸念があると判断されます。過去に返済の延滞歴がある場合は、さらに厳しい審査となることをご理解ください。

信用情報に関する要因

個人の信用情報に傷がある場合、審査落ちの大きな原因となります。過去の借入れでの延滞や、携帯電話料金、公共料金の支払い遅延歴は要注意です。特に破産や債務整理の経験がある方、他社での住宅ローン審査が否決されている方は、審査が非常に厳しくなることが想定されます。

属性に関する要因

申込者の年齢が若すぎる、または高すぎる場合は審査に影響を与えます。特にローン完済時の年齢が金融機関の基準を超えてしまう場合は注意が必要です。また、配偶者の収入や職業に不安定要素がある場合も、世帯全体としての返済能力に疑問符が付く可能性があります。外国籍の方で永住権を持っていない場合も、審査のハードルは高くなります。

申込内容に関する要因

申込書類の記載内容に不備や記載漏れがある場合、審査に悪影響を及ぼす可能性があります。また、提出書類の内容に矛盾がある場合や、虚偽の申告、情報の改ざんが発覚した場合は、即座に審査落ちとなってしまいます。正確な情報提供が審査通過の大前提となります。

審査落ちを防ぐための対策

事前審査の落ちを防ぐためには、申込前に自身の信用情報をしっかりとチェックしておくことが重要です。また、他の借入れがある場合は、可能な限り整理しておくことをおすすめします。申込書類は正確に記入し、不明な点があれば金融機関に確認するようにしましょう。また、審査基準は金融機関によって異なるため、複数の金融機関に申し込んで選択肢を増やすことも有効な戦略となります。

審査落ちした後の対応

もし事前審査に落ちてしまった場合は、借入希望額を減額して再申請することを検討しましょう。また、可能であれば頭金を増やして借入額を抑えることも効果的です。状況に応じて、配偶者や親族を連帯保証人として加えることで、審査が通りやすくなるケースもあります。いずれにしても、勤務状況や収入が安定してから再度チャレンジすることが、審査通過への近道となるでしょう。

住宅ローンの事前審査(仮審査)を通過する確率を高めるポイント

住宅ローンの事前審査を通過するためには、事前の準備と対策が重要です。ここでは、審査通過の確率を高めるための具体的なポイントについて解説していきます。

収入面での対策

年収は審査における最も重要な要素の一つです。安定した収入を証明できるよう、給与明細や源泉徴収票をきちんと保管しておきましょう。また、副業収入がある場合は、確定申告をしっかりと行い、収入として計上できるようにすることが大切です。ボーナスがある場合は、過去3年程度の支給実績を示せるよう、書類を整えておくことをおすすめします。

勤務状況の安定化

金融機関は申込者の勤務の安定性を重視します。現在の勤務先での在籍期間は最低でも2年以上あることが望ましく、できれば3年以上あると審査が通りやすくなります。転職を考えている場合は、住宅ローンの審査が終わってからにすることをおすすめします。また、正社員として働いている方が、契約社員やパート社員よりも審査が通りやすい傾向にあります。

返済負担の軽減

金融機関は申込者の返済能力を慎重に見ています。年収に対する返済額の割合(返済負担率)は35%以内に収めることが理想的です。借入希望額が多すぎる場合は、頭金を増やすなどして借入額を抑える工夫が必要です。また、他の借入れがある場合は、可能な限り返済を進めておくことで、審査通過の確率が高まります。

信用情報の改善

クレジットカードや携帯電話の支払いは必ず期日内に行い、延滞を発生させないよう注意が必要です。過去に延滞がある場合は、最低でも1年以上は確実に支払いを続けることで、信用を回復することができます。また、不要なクレジットカードは解約するなど、借入可能額を必要以上に増やさないよう心がけましょう。

書類準備の徹底

事前審査に必要な書類は、漏れなく準備することが重要です。本人確認書類、収入証明書、在職証明書などの基本書類に加え、金融機関が求める追加書類にも迅速に対応できるよう準備しておきましょう。書類の記載内容に矛盾や不備がないよう、提出前に十分確認することも大切です。

申込のタイミング

事前審査の申込タイミングも重要です。年度替わりの時期は転職や異動が多いため、できれば避けたほうがよいでしょう。また、年末年始やゴールデンウィークなどの長期休暇前は、審査に時間がかかる可能性があります。余裕を持って申し込むことで、じっくりと審査に対応することができます。

複数金融機関への申込戦略

事前審査は複数の金融機関に同時に申し込むことができます。審査基準は金融機関によって異なるため、2~3社に申し込んでおくことで、審査通過の確率を高めることができます。特に、勤務先の関連会社や取引のある金融機関は、審査が通りやすい傾向にあります。

具体的な資金計画の策定

借入希望額だけでなく、具体的な返済計画まで立てておくことが重要です。月々の収支バランスを考慮し、無理のない返済プランを提示できることで、金融機関からの評価も高まります。また、頭金の準備状況や将来の収入見込みなども、できるだけ具体的に示せるようにしておきましょう。

専門家へのご相談

住宅ローンの事前審査は、専門的な知識が必要な場面も多くあります。ファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザーなどの専門家に相談することで、自身の状況に合わせた最適な申込戦略を立てることができます。特に、フリーランスの方や転職を考えている方は、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

これらのポイントに気をつけることで、事前審査通過の確率を高めることができます。ただし、すべての条件を完璧に満たす必要はありません。自身の状況を正確に把握し、できるところから着実に準備を進めていくことが大切です。

よくある質問(Q&A)

住宅ローンの事前審査に関して、多くの方が疑問に感じる点について、Q&A形式でわかりやすく解説していきます。

申込時期・審査期間について

Q. 事前審査はいつ頃申し込むべきですか?

A. 物件購入の3~6ヶ月前が理想的です。複数の金融機関に申し込む時間的余裕を確保でき、審査結果によって購入予算の見直しも可能です。ただし、事前審査の有効期限は通常3ヶ月程度ですので、物件購入までの期間を考慮して申し込むようにしましょう。

Q. 事前審査の結果はどのくらいで分かりますか?

A. 金融機関によって異なりますが、早ければ即日、通常は1週間程度で結果が通知されます。インターネットでの申し込みの場合、システム審査で数時間以内に結果が出ることもあります。ただし、書類の不備や追加確認が必要な場合は、さらに時間がかかる可能性があります。

申込方法・条件について

Q. 複数の金融機関に同時に申し込んでも問題ないですか?

A. 問題ありません。むしろ、金利や融資条件を比較するためにも、複数の金融機関に申し込むことをおすすめします。ただし、あまりに多くの金融機関に申し込むと、かえって信用度を下げる可能性があるため、2~3社程度が適切です。

Q. 事前審査の段階で物件は決まっていなくても大丈夫ですか?

A. はい、問題ありません。むしろ物件を検討する前に、借入可能額の目安を把握しておくことで、効率的な物件探しが可能になります。ただし、最終的な融資額は物件の評価額によっても変わってくる点に注意が必要です。

審査結果について

Q. 事前審査に落ちた場合、本審査を受けることはできますか?

A. 基本的には難しいと考えられます。事前審査は本審査よりも簡易的な審査であり、この段階で承認が得られない場合、本審査での承認はさらに厳しくなります。条件を見直すか、他の金融機関での申し込みを検討することをおすすめします。

Q. 事前審査に通過しても、本審査で落ちる可能性はありますか?

A. はい、可能性はあります。事前審査はあくまで予備審査であり、本審査ではより詳細な審査が行われます。特に、物件の担保評価や提出書類の精査によって、融資条件が変更されたり、場合によっては承認が得られないこともあります。

必要書類について

Q. 事前審査の時点で、すべての書類を用意する必要がありますか?

A. 事前審査の段階では、本人確認書類や収入証明書など、基本的な書類のみで申し込むことができます。詳細な書類は本審査の段階で必要となりますが、スムーズな審査のために、できる限り早めに準備を始めることをおすすめします。

収入・返済について

Q. パートやアルバイトでも住宅ローンは組めますか?

A. 可能です。ただし、正社員と比べて審査基準は厳しくなります。一定期間以上の勤務実績や、安定した収入があることが求められます。また、パート・アルバイト収入でも確定申告をしている場合は、その実績が評価の対象となります。

Q. 他の借入れがある場合、どの程度まで認められますか?

A. 年収に対する借入れの総返済負担率が、一般的に40%以内であることが望ましいとされています。ただし、金融機関によって基準は異なり、年収や借入れの種類によっても判断が変わってきます。可能な限り、他の借入れは返済を進めておくことをおすすめします。

その他

Q. 親の収入も合算することはできますか?

A. 同居予定で、収入合算の条件を満たす場合は可能です。ただし、親の年齢や返済期間などの制限があります。また、収入合算をする場合は、親も連帯債務者または連帯保証人となる必要があることを理解しておきましょう。

Q. 頭金はどのくらい必要ですか?

A. 一般的に物件価格の2割程度が目安とされています。頭金が多いほど借入額が少なくなり、審査も通りやすくなります。ただし、金融機関によっては頭金なしの融資プランもありますので、資金計画に応じて検討することができます。

まとめ

住宅ローンの事前審査は、本審査の前に行われる重要なステップです。審査基準をしっかりと理解し、必要な準備を整えることで、通過の確率を高めることができます。

万が一落ちてしまった場合でも、借入額の見直しや他の金融機関への申し込みなど、様々な選択肢があります。焦らず、じっくりと検討を重ねることが大切です。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

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