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住宅ローンの収入合算を事実婚で使用する場合のポイントを解説

家づくりの予算・費用

2024/12/25

2024/12/25

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

住宅ローンの収入合算を事実婚で使用する場合のポイントを解説

事実婚カップルでも住宅ローンの収入合算が可能な場合があります。本記事では、事実婚でも住宅ローンの収入合算を活用する方法とその注意点について詳しく解説します。

住宅ローンの収入合算とは

住宅ローンの収入合算とは、住宅を購入する際に組むローンにおいて、主たる借入人の収入だけでなく、配偶者やパートナーの収入も合わせて借入可能額を算出する制度です。これにより、単独での借入れよりも多額の住宅ローンを組むことが可能になります。

収入合算のメリット

収入合算には以下のような大きなメリットがあります。まず、借入可能額が増加することで、より希望に沿った物件を購入できる可能性が広がります。また、二人で返済を分担することで、一人当たりの返済負担を軽減することができます。

収入合算の基本的な条件

一般的に、収入合算を行うためには、安定した収入があることが前提条件となります。多くの金融機関では、正社員として一定期間以上の勤務実績があることや、年間の最低収入額の条件を設けています。また、両者とも債務者となるため、双方の年齢や健康状態なども審査の対象となります。

収入合算時の借入可能額の計算方法

借入可能額は、主たる借入人と収入合算者の年収を合計し、その合計額に対して一定の倍率を掛けて算出されます。一般的な目安として、年収の7〜8倍程度が借入限度額とされていますが、金融機関によって基準は異なります。

収入合算の種類

収入合算には、完全収入合算と部分収入合算の2種類があります。完全収入合算は両者の収入を100%合算する方式で、部分収入合算は収入合算者の収入の一部(例:50%)のみを合算する方式です。金融機関によって採用している方式は異なります。

収入合算時の注意点

収入合算を行う場合、両者が連帯債務者となるため、返済義務も共同で負うことになります。そのため、将来の収入変動リスクや、関係性の変化なども考慮に入れた慎重な判断が必要です。また、収入合算者の年齢や職業によって、団体信用生命保険の加入可否や保険料が変わる場合があります。

必要書類について

収入合算を行う際には、通常の住宅ローン申込時の書類に加えて、収入合算者の各種証明書類が必要となります。具体的には、収入証明書、健康保険証の写し、住民票、源泉徴収票などが求められます。書類の種類は金融機関によって異なるため、事前の確認が重要です。

収入合算と金利の関係

収入合算によって借入可能額は増えますが、金利面での優遇を受けられる場合もあります。例えば、二人の合算収入が金融機関の定める基準を超えることで、より有利な金利が適用されるケースがあります。ただし、これは金融機関の商品設計によって異なります。

住宅ローンの収入合算を事実婚で使用する場合のポイント

事実婚カップルでも住宅ローンの収入合算を利用することは可能ですが、通常の法的婚姻関係にあるカップルと比べて、いくつかの重要なポイントと追加の条件があります。

事実婚での収入合算における基本的な条件

金融機関によって条件は異なりますが、一般的に事実婚カップルが収入合算を行う場合、以下の基本条件を満たす必要があります。同居の実績があること、将来的な結婚の予定があることを証明できること、そして双方が安定した収入を得ていることが重要な要素となります。

必要な追加書類

事実婚での収入合算では、通常の収入合算時の書類に加えて、事実婚関係を証明するための追加書類が必要となります。具体的には、同居証明書、婚約証明書、両者の住民票、将来の結婚予定を示す誓約書などが求められます。これらの書類は金融機関ごとに要件が異なる場合があります。

対応金融機関の確認

すべての金融機関が事実婚カップルの収入合算に対応しているわけではありません。特に地方銀行や信用金庫では対応していない場合が多いため、事前に複数の金融機関に確認することが重要です。一般的に、メガバンクや大手住宅ローン専門金融機関の方が柔軟な対応をしている傾向にあります。

審査のポイント

事実婚カップルの場合、通常の婚姻関係にあるカップルよりも審査が慎重に行われます。特に、同居期間や関係の安定性、将来的な結婚の確実性などが重視されます。また、両者の職業や収入の安定性、年齢なども重要な審査項目となります。

リスクと注意点

事実婚での収入合算には特有のリスクがあります。法的な婚姻関係がないため、関係が破綻した場合の債務の取り扱いが複雑になる可能性があります。また、相続や権利関係についても、法的婚姻関係にある場合と比べて不利な立場になる可能性があることを理解しておく必要があります。

金利への影響

事実婚というステータスが直接金利に影響することは少ないものの、審査の結果として通常よりも金利が高めに設定される可能性があります。ただし、これは金融機関の方針や、その他の条件(年収、職業、物件の種類など)によって大きく異なります。

対策と準備

事実婚で収入合算を検討する場合、早めの準備と情報収集が重要です。具体的には、複数の金融機関への事前相談、必要書類の準備、同居実績の証明方法の確認などを計画的に進めることをお勧めします。また、将来的な結婚の予定がある場合は、その計画も具体的に示せるようにしておくと有利です。

法的保護の考慮

事実婚の場合、法的な保護が限定的であるため、住宅ローン契約と併せて、財産分与や相続に関する契約書や覚書を作成することを検討すべきです。これにより、将来的なトラブルを防ぐことができます。

よくある質問(Q&A)

住宅ローンの収入合算に関する疑問や不安を解消するため、よくある質問とその回答をまとめました。事実婚カップルの方々が特に気になるポイントを中心に解説します。

事実婚と収入合算の基本

Q:事実婚でも全ての金融機関で収入合算が可能ですか?

A:すべての金融機関で可能というわけではありません。メガバンクや大手住宅ローン専門金融機関では比較的対応していますが、地方銀行や信用金庫では対応していない場合が多いです。事前に複数の金融機関に確認することをお勧めします。

Q:事実婚カップルの場合、特別な条件はありますか?

A:はい、通常、同居実績があることや将来的な結婚の予定があることを証明する必要があります。また、安定した収入があることも重要な条件となります。

必要書類について

Q:事実婚での収入合算に必要な書類は何ですか?

A:通常の収入証明書類に加えて、同居証明書、婚約証明書、両者の住民票、将来の結婚予定を示す誓約書などが必要です。具体的な書類は金融機関によって異なります。

Q:同居証明はどのように行えばよいですか?

A:同一住所の住民票、賃貸契約書の写し、公共料金の支払い記録など、同居実態を示す書類で証明できます。同居期間が長いほど有利になる傾向があります。

審査と借入について

Q:事実婚の場合、審査は厳しくなりますか?

A:一般的に、法的な婚姻関係にある場合と比べて審査はより慎重に行われます。特に関係性の安定性や将来的な結婚の確実性が重視されます。

Q:借入可能額は法的婚姻の場合と変わりますか?

A:基本的な計算方法は同じですが、事実婚というステータスにより、やや控えめな査定となる可能性があります。ただし、これは金融機関の方針によって異なります。

リスクと対策

Q:収入合算のデメリットやリスクはありますか?

A:双方が債務者となるため、返済責任も共同で負うことになります。関係が破綻した場合の債務の取り扱いが複雑になる可能性があり、法的保護も限定的です。

Q:将来的なリスクに対する対策はありますか?

A:財産分与や相続に関する契約書や覚書を作成することで、将来的なトラブルを防ぐことができます。法律の専門家に相談することをお勧めします。

金利と保険

Q:事実婚だと金利は高くなりますか?

A:事実婚というステータス自体で金利が高くなることは少ないですが、審査結果によって影響を受ける可能性があります。

Q:団体信用生命保険への加入は可能ですか?

A:基本的に加入は可能です。ただし、保険の種類や保障内容によって条件が異なる場合があるため、詳細は金融機関に確認が必要です。

将来の対応

Q:途中で法的に結婚した場合、契約内容は変更できますか?

A:多くの場合、婚姻届の提出後に金融機関へ報告することで、契約内容の一部を変更することが可能です。具体的な手続きは金融機関に確認してください。

Q:片方が退職した場合はどうなりますか?

A:基本的に返済義務は継続します。収入状況が大きく変わる場合は、早めに金融機関に相談し、返済計画の見直しを検討することをお勧めします。

まとめ

事実婚でも住宅ローンの収入合算は可能ですが、金融機関によって条件や必要書類が異なります。事前に複数の金融機関に相談し、自分たちに合った条件を探すことが重要です。また、共同で債務を負うことのリスクも十分に理解した上で、慎重に検討することをお勧めします。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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