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次世代住宅は「AI×IoT×再エネ」でスマート&エコな暮らしを実現

間取り・住宅の特徴

2024/07/31

2024/08/20

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

次世代住宅は「AI×IoT×再エネ」でスマート&エコな暮らしを実現

近年、テクノロジーの進歩により住宅のあり方が大きく変わりつつあります。スマートホームやIoT(モノのインターネット)の発展により、私たちの暮らしはより便利で効率的になっています。さらに、環境への配慮や省エネの観点から、住宅のエネルギー管理も進化を遂げています。では、次世代住宅はどこまで進化しているのでしょうか。この記事では、最新の、そして近未来の家づくりの状況について詳しく解説していきます。

目次

最新の家づくりの状況

次世代住宅は、私たちの想像を超えるほど進化しています。エネルギー管理システムの高度化、IoTの活用、そして地域全体でのエネルギーの効率的な利用など、さまざまな技術革新が住宅に取り入れられています。以下では、その具体的な事例をいくつか紹介していきます。

家と家、街をつなぐスマートグリッド

スマートグリッドは、次世代住宅における重要な技術革新の一つです。従来の電力網に最新のIT技術を組み合わせることで、より効率的で柔軟な電力供給システムを実現します。この技術により、家と家、そして街全体がつながり、エネルギーの効率的な利用が可能になります。 スマートグリッドの主な特徴と利点は以下の通りです。

リアルタイムの電力需給管理: 各家庭の電力使用状況をリアルタイムで把握し、需要に応じて電力を適切に分配します。これにより、電力の無駄を減らし、安定した電力供給を実現します。

再生可能エネルギーの効率的な活用: 太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、天候に左右されやすいという特性があります。スマートグリッドは、これらの変動を予測し、効率的に電力を配分することで、再生可能エネルギーの活用を最大化します。

ピークカットの実現: 電力需要のピーク時には、各家庭に節電を促したり、蓄電池からの放電を行ったりすることで、電力需要のピークを抑制します。これにより、電力会社の発電コストを削減し、電気料金の安定化にもつながります。

双方向の電力融通: 各家庭が発電した余剰電力を、電力会社や近隣の家庭に売電することが可能になります。これにより、エネルギーの地産地消が進み、電力系統全体の効率が向上します。

停電時のレジリエンス向上: 局所的な停電が発生した場合でも、周辺地域からの電力融通や蓄電池の活用により、影響を最小限に抑えることができます。

エネルギーの見える化: 各家庭のエネルギー使用状況をリアルタイムで可視化することで、消費者の省エネ意識を高めることができます。また、電力会社側も需要予測の精度を向上させることができます。

新しいサービスの創出: 電力データを活用した新しいサービス(例:高齢者見守りサービス、家電の遠隔制御など)の創出が期待されます。

このようなスマートグリッドの導入により、私たちの住まいは単なる電力の消費地点ではなく、エネルギーネットワークの重要な一部となります。家庭用太陽光発電システムや蓄電池、電気自動車などと連携することで、より柔軟で効率的なエネルギー利用が可能になります。

また、スマートグリッドは環境負荷の低減にも大きく貢献します。再生可能エネルギーの効率的な活用やエネルギー消費の最適化により、CO2排出量の削減につながります。 ただし、スマートグリッドの実現には、技術面だけでなく、法制度の整備やプライバシー保護などの課題もあります。

これらの課題を一つずつ解決しながら、より効率的で持続可能なエネルギーシステムの構築を目指していく必要があります。

電気自動車が家の蓄電池になる!?

電気自動車(EV)技術の進歩に伴い、EVを単なる移動手段としてだけでなく、家庭用の大容量蓄電池として活用する「Vehicle to Home(V2H)」システムが注目を集めています。この革新的な技術により、EVと住宅のエネルギーシステムが密接に連携し、より効率的で柔軟なエネルギー管理が可能になります。 V2Hシステムの主な特徴と利点は以下の通りです。

電力の双方向利用: EVは充電するだけでなく、蓄えた電力を家庭に供給することができます。例えば、昼間に太陽光発電で得た余剰電力をEVに充電し、夜間にその電力を家庭で使用するといった使い方が可能になります。

ピークシフトの実現: 電力需要のピーク時には、EVから家庭に電力を供給することで、電力会社からの電力購入を抑えることができます。これにより、電気料金の削減や電力系統の負荷軽減につながります。

非常時の電力供給: 災害などで停電が発生した場合、EVが非常用電源として機能します。最新の電気自動車は40〜100kWhもの大容量バッテリーを搭載しており、一般家庭の2〜5日分の電力をまかなうことができます。

再生可能エネルギーの有効活用: 天候に左右される太陽光発電などの再生可能エネルギーを、EVのバッテリーを介して効率的に利用することができます。晴れた日の余剰電力をEVに蓄え、曇りや雨の日に使用するといった運用が可能になります。

エネルギーの自給自足: 太陽光発電システムとV2Hシステムを組み合わせることで、エネルギーの自給自足に近づくことができます。これにより、電力会社への依存度を下げ、より自立的なエネルギー利用が可能になります。

電力系統の安定化: 多数のEVが電力系統に接続されることで、いわゆる「仮想発電所(VPP)」としての機能も期待されています。電力需給のバランスが崩れそうな際に、多数のEVから同時に放電することで、電力系統の安定化に寄与することができます。

経済的メリット: 電力の自家消費率を高めることで、電気料金の削減につながります。また、将来的には電力会社との協調により、EVのバッテリーを電力市場に提供することで収入を得られる可能性もあります。 ただし、V2Hシステムの普及にはいくつかの課題もあります。

初期投資コスト: V2H対応の充放電設備の導入には、現状ではある程度の初期投資が必要です。

バッテリーの劣化: 頻繁な充放電はEVのバッテリー劣化を早める可能性があります。ただし、最新の技術では劣化を最小限に抑える制御が行われています。

規格の標準化: 現在、V2Hシステムの規格は完全には統一されておらず、EVのメーカーや車種によって対応状況が異なります。

法制度の整備: V2Hシステムの普及に伴い、電力取引や保安規制などの法制度の整備が必要になります。

このように、EVを家庭用蓄電池として活用するV2Hシステムは、私たちの暮らしとエネルギー利用のあり方を大きく変える可能性を秘めています。今後、技術の進歩や制度の整備とともに、より多くの家庭でこのシステムが導入されていくことが期待されます。

家のエネルギー系統はITで一括管理する

次世代住宅では、家全体のエネルギー系統をITシステムで一括管理することが標準となります。これは、ホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)と呼ばれる技術を中心に実現されます。HEMSは、家庭内のさまざまな機器やシステムと連携し、エネルギーの使用状況を可視化し、最適化する役割を果たします。

HEMSによるエネルギー系統の一括管理には、以下のような特徴と利点があります。

1. リアルタイムのエネルギー使用状況の可視化

HEMSは、家庭内の電力使用量をリアルタイムで計測し、スマートフォンやタブレット、専用のディスプレイなどで確認できるようにします。これにより、居住者は自身のエネルギー消費パターンを把握し、無駄な電力使用を抑える意識を高めることができます。

2. 機器の遠隔制御と自動最適化

HEMSは、エアコンや給湯器、照明などの家電製品と連携し、遠隔で制御することができます。例えば、外出先からスマートフォンでエアコンの温度を調整したり、不要な照明を消したりすることが可能になります。また、AIを活用して、居住者の生活パターンや気象条件に応じて、自動的に最適な運転モードを選択することもできます。

3. 再生可能エネルギーの効率的な活用

太陽光発電システムや蓄電池と連携することで、HEMSは再生可能エネルギーの効率的な活用を実現します。例えば、太陽光発電の余剰電力を蓄電池に貯めたり、電力需要の少ない時間帯に蓄電池から放電したりすることで、自家消費率を高め、電力会社からの購入電力を減らすことができます。

4. デマンドレスポンスへの対応

HEMSは、電力会社からのデマンドレスポンス信号に応じて、家庭内の電力消費を自動的に調整することができます。電力需要のピーク時には、エアコンの設定温度を少し上げたり、蓄電池から放電したりすることで、電力系統の安定化に貢献します。

5. 家電の故障予知と省エネアドバイス

HEMSは、家電製品の使用状況や消費電力の変化を常時監視することで、故障の予兆を検知することができます。また、収集したデータを分析することで、各家庭に最適化された省エネアドバイスを提供することも可能です。

6. スマートグリッドとの連携

HEMSは、より大規模なスマートグリッドシステムと連携することで、地域全体のエネルギー最適化に寄与します。例えば、地域内の電力需給バランスに応じて、各家庭の電力消費や蓄電池の充放電を調整することができます。

7. セキュリティと快適性の向上

エネルギー管理だけでなく、HEMSは防犯システムや温湿度センサーなどとも連携し、住宅のセキュリティや快適性の向上にも貢献します。例えば、不在時に異常な電力消費を検知した場合に警報を発したり、室内環境に応じて換気システムを自動制御したりすることができます。

このように、ITによるエネルギー系統の一括管理は、家庭のエネルギー効率を大幅に向上させるだけでなく、居住者の快適性や利便性も高めます。今後、AIやIoT技術の進化に伴い、HEMSの機能はさらに高度化していくことが予想されます。ただし、プライバシーやセキュリティの確保、初期導入コストの低減など、克服すべき課題もあります。これらの課題を解決しながら、より多くの家庭でITによるエネルギー管理が普及していくことが期待されます。

家電が電力ニーズを察知 自動で省エネに貢献

次世代住宅では、AIやIoT技術の進歩により、家電製品が自ら電力ニーズを察知し、自動で省エネ運転を行うことが可能になります。これにより、家庭全体のエネルギー消費を最適化し、電気代の節約と環境負荷の低減に貢献します。

1. AIによる電力需要予測

家電製品に搭載されたAIが、過去の使用パターンや気象情報、家族の行動予定などのデータを分析し、電力需要を予測します。これにより、電力需要が高くなる時間帯や低くなる時間帯を事前に把握し、最適な運転計画を立てることができます。

2. リアルタイムの電力需給バランス把握

家電製品がスマートメーターや家庭用エネルギー管理システム(HEMS)と連携し、家庭内の電力需給バランスをリアルタイムで把握します。太陽光発電の発電量や蓄電池の残量なども考慮に入れ、常に最適な運転モードを選択します。

3. 自動的な省エネモード切替

電力需要が高い時間帯には、家電製品が自動的に省エネモードに切り替わります。例えば、エアコンが設定温度を少し高めに調整したり、冷蔵庫が一時的に冷却運転を抑えたりすることで、消費電力を抑制します。

4. 電力ピークシフトへの貢献

電力需要のピーク時には、家電製品が連携して消費電力を分散させます。例えば、洗濯機や食洗機の運転を電力需要の少ない深夜にシフトしたり、電気温水器が昼間の余剰太陽光発電を利用して湯を沸かしたりすることで、ピーク時の電力消費を抑えます。

5. 使用頻度に応じた待機電力の最適化

家電製品が使用頻度の低い時間帯を学習し、その時間帯には待機電力を最小限に抑えます。例えば、深夜にはテレビやパソコンが完全にスリープモードに入り、起動に時間がかかっても消費電力を極限まで抑える運転を行います。

6. 再生可能エネルギーの効率的利用

太陽光発電システムと連携し、発電量が多い時間帯に家電製品の使用を集中させます。例えば、天気予報から翌日の日照時間を予測し、洗濯機や食洗機の運転タイミングを自動的に調整します。

7. ユーザーの生活パターンに合わせた最適化

AIが家族の生活パターンを学習し、各家電製品の使用タイミングを最適化します。例えば、朝の起床時間に合わせてエアコンや給湯器が事前に運転を開始し、快適な室温と十分な湯量を確保します。

8. デマンドレスポンスへの自動対応

電力会社からのデマンドレスポンス信号に応じて、家電製品が自動的に消費電力を調整します。例えば、電力需給が逼迫している時には、エアコンや冷蔵庫が一時的に消費電力を抑える運転を行います。

このように、AIやIoT技術を活用した家電製品の自動省エネ機能は、私たちの生活の快適性を損なうことなく、効率的なエネルギー利用を実現します。ユーザーが意識することなく省エネが進むため、持続可能な社会の実現に大きく貢献することが期待されます。ただし、プライバシーの保護やセキュリティの確保、初期導入コストの問題など、解決すべき課題もあります。これらの課題に取り組みながら、よりスマートで環境に優しい家電製品の普及が進んでいくでしょう。

みんなで助け合う! 地域で電気を融通

次世代住宅では、地域全体で電力を融通し合うシステムが普及します。これは「地域型マイクログリッド」や「P2P(Peer-to-Peer)電力取引」と呼ばれる仕組みで、各家庭が発電した余剰電力を近隣の家庭に提供したり、電力需要の高い家庭に優先的に電力を供給したりすることが可能になります。

1. 地域型マイクログリッドの仕組み

地域型マイクログリッドは、一定の地域内で電力の需給を調整する小規模な電力網です。太陽光発電システムや蓄電池、EVなどを活用し、地域内で電力を自給自足することを目指します。大規模な送電網から独立して運用することも可能で、災害時のレジリエンス向上にも貢献します。

2. P2P電力取引の実現

ブロックチェーン技術を活用したP2P電力取引プラットフォームにより、個人間で直接電力の売買が可能になります。太陽光発電で余剰電力が発生した家庭は、電力を必要としている近隣の家庭に直接販売することができます。これにより、再生可能エネルギーの地産地消が促進されます。

3. 地域エネルギーマネジメントシステム(CEMS)の導入

CEMSは、地域全体のエネルギー需給を最適化するシステムです。各家庭のHEMSと連携し、地域内の電力需給バランスを見ながら、各家庭の発電量や消費量を調整します。これにより、地域全体での省エネと再生可能エネルギーの有効活用が実現します。

4. バーチャルパワープラント(VPP)の活用

VPPは、多数の小規模な発電設備や蓄電池を一つの発電所のようにまとめて制御するシステムです。地域内の太陽光発電システムや家庭用蓄電池、EVなどをVPPとして統合することで、電力系統の安定化に貢献し、再生可能エネルギーの導入拡大を後押しします。

5. 地域通貨やポイント制度との連携

電力の融通に地域通貨やポイント制度を組み合わせることで、地域経済の活性化にも貢献します。例えば、余剰電力を提供した家庭に地域ポイントを付与し、そのポイントを地域の商店で使用できるようにするなど、エネルギーの地産地消と地域経済の循環を同時に促進します。

6. 災害時のレジリエンス向上

大規模災害による停電時には、地域内で電力を融通し合うことで、より長期間の電力供給が可能になります。太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせた各家庭が「ミニ発電所」となり、地域全体の電力レジリエンスを高めます。

7. 再生可能エネルギーの地産地消促進

地域で電力を融通し合うシステムにより、再生可能エネルギーの地産地消が促進されます。これにより、送電ロスの削減や電力系統への負荷軽減、そして地域のエネルギー自給率向上につながります。

8. コミュニティ意識の醸成

電力の融通を通じて、地域住民同士のつながりが強化されます。エネルギーの面で互いに助け合う関係が構築されることで、他の面でも協力し合える強いコミュニティが形成される可能性があります。

このように、地域で電気を融通し合う仕組みは、エネルギーの効率的利用だけでなく、地域経済の活性化や災害時のレジリエンス向上、さらにはコミュニティの強化にも貢献します。ただし、技術面での課題や法制度の整備、プライバシーの保護など、解決すべき問題も存在します。これらの課題に取り組みながら、より持続可能で強靭な地域社会の実現に向けて、電力融通システムの普及が進んでいくことが期待されます。

節電に協力すればお金がもらえる?

未来の住宅では、節電に協力することで経済的なインセンティブを得られる仕組みが導入されます。これは「デマンドレスポンス(DR)」や「ネガワット取引」と呼ばれる制度で、電力需要のピーク時に節電に協力した家庭に対して、電力会社からポイントや割引、現金還元などの報酬が提供されます。

1. デマンドレスポンス(DR)の仕組み

DRは、電力需給が逼迫する時間帯に、電力会社からの要請に応じて消費電力を抑制する仕組みです。家庭では、エアコンの設定温度を調整したり、不要な照明を消したりすることで協力します。その節電量に応じて、経済的な見返りが得られます。

2. ネガワット取引の導入

ネガワット取引は、節電した電力量を「発電した」とみなして取引する仕組みです。例えば、1kWhの節電に対して一定額の報酬が支払われます。これにより、家庭は能動的に節電に取り組むモチベーションを得られます。

3. AIやIoTを活用した自動節電

スマート家電やHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)がDR信号を受信し、自動的に節電モードに切り替わります。ユーザーは特別な操作をすることなく、節電に協力し報酬を得ることができます。

4. 段階的な報酬システム

節電量に応じて段階的に報酬が増えるシステムが導入されます。例えば、10%の節電で基本ポイント、20%の節電で2倍のポイント、30%以上の節電で3倍のポイントというように、より多くの節電を促す仕組みが整備されます。

5. 地域や季節に応じた柔軟な報酬設定

電力需給の状況は地域や季節によって異なるため、それぞれの状況に応じて報酬が設定されます。例えば、真夏の電力需要ピーク時には高い報酬が設定され、より積極的な節電を促します。

6. ポイント制度との連携

節電協力の報酬として付与されるポイントは、電気料金の支払いに充当できるだけでなく、地域の商店での買い物や公共サービスの利用にも使える「地域ポイント」として設計されます。これにより、地域経済の活性化にも貢献します。

7. リアルタイムフィードバックシステム

スマートフォンアプリなどを通じて、リアルタイムで節電量と獲得ポイントを確認できるシステムが導入されます。これにより、ユーザーの節電意欲を高め、継続的な取り組みを促します。

8. 節電コンテストやランキング制度

地域や街区単位で節電コンテストやランキング制度を導入し、競争原理を活用して節電を促進します。上位の家庭や地域には追加の報酬や表彰が行われ、楽しみながら節電に取り組める環境が整備されます。

このような「節電に協力すればお金がもらえる」仕組みは、個人の節電意識を高めるだけでなく、社会全体のエネルギー消費の最適化にも大きく貢献します。電力会社にとっても、新規の発電所建設を抑制できるなどのメリットがあります。 ただし、プライバシーの問題や、経済的に余裕のある家庭が有利になる可能性など、公平性の観点から検討すべき課題も存在します。また、過度な節電が健康や生活の質に影響を与えないよう、適切なガイドラインの設定も重要です。 これらの課題に取り組みながら、より効果的で公平な節電インセンティブ制度の構築が進められていくことでしょう。未来の住宅では、環境への配慮と経済的なメリットが両立する、新しい形のエネルギー利用が実現されていくと期待されます。

よくある質問(Q&A)

未来の住宅に関する技術や制度について、多くの人が疑問を抱いています。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。

Q1: スマートホームの導入にはどのくらいのコストがかかりますか?

A1: スマートホームの導入コストは、導入する機能や規模によって大きく異なります。基本的なスマートホーム機能(スマートスピーカー、スマート照明、スマートサーモスタットなど)を導入する場合、数万円から数十万円程度で始められます。より高度な機能(HEMSや太陽光発電システム、蓄電池など)を導入する場合は、数百万円以上かかる可能性もあります。ただし、長期的には光熱費の削減などのメリットもあるため、総合的に考えることが重要です。また、政府や自治体の補助金制度を活用することで、初期費用を抑えられる場合もあります。

Q2: スマートホームのセキュリティは大丈夫ですか?

A2: スマートホーム技術の発展に伴い、セキュリティ対策も進化しています。多くのスマートホームデバイスは暗号化通信を採用しており、定期的なソフトウェアアップデートによってセキュリティホールを塞いでいます。ただし、ユーザー側でも強力なパスワードを設定したり、不要な機能をオフにしたりするなど、基本的なセキュリティ対策を行うことが重要です。また、信頼できるメーカーの製品を選び、常に最新のファームウェアに更新しておくことも大切です。

Q3: 既存の住宅をスマートホーム化することは可能ですか?

A3: はい、可能です。多くのスマートホームデバイスは、既存の住宅にも後付けで導入することができます。例えば、スマートスピーカーやスマート照明、スマートサーモスタットなどは、比較的簡単に導入できます。既存の家電製品も、スマートプラグを使用することでIoT化が可能です。ただし、より大規模なシステム(太陽光発電システムや蓄電池、HEMS)を導入する場合は、専門業者による工事が必要になる場合があります。リフォームのタイミングでスマートホーム化を検討するのも良いでしょう。

Q4: 電気自動車(EV)を家庭用蓄電池として使用する場合、車のバッテリーへの影響はありますか?

A4: EVを家庭用蓄電池として使用する(V2H: Vehicle to Home)場合、確かにバッテリーへの負荷は増加します。しかし、最新のEVや充放電システムは、バッテリーの劣化を最小限に抑えるよう設計されています。例えば、バッテリーの充放電量を適切な範囲内に保つ制御や、バッテリーの温度管理などが行われています。また、EVメーカーによっては、V2H利用時のバッテリー保証を提供しているケースもあります。ただし、頻繁な充放電は避け、適切な使用方法を守ることが重要です。

Q5: 地域で電力を融通し合うシステムは、法的に問題ないのでしょうか?

A5: 地域での電力融通システムについては、各国で法制度の整備が進められています。日本では、2016年の電力小売全面自由化以降、一定の条件下で個人間の電力売買が可能になりました。ただし、大規模な電力融通システムの運用には、まだ課題が残されています。現在、政府や関係機関が、P2P電力取引やマイクログリッドの普及に向けた制度設計を進めています。将来的には、より柔軟な電力融通が可能になると予想されますが、安全性の確保や公平な取引ルールの策定など、解決すべき課題もあります。

Q6: AIやIoTによる自動制御で、プライバシーが侵害される心配はありませんか?

A6: プライバシーの保護は、スマートホーム技術の普及に伴う重要な課題の一つです。多くのメーカーやサービス提供者は、データの暗号化やアクセス制限など、プライバシー保護のための対策を講じています。また、EUのGDPR(一般データ保護規則)など、各国でデータ保護に関する法規制も整備されつつあります。ユーザー側でも、デバイスのプライバシー設定を確認し、必要最小限のデータ共有に留めるなどの対策が可能です。ただし、便利さとプライバシーのバランスを取ることは難しい課題であり、今後も継続的な議論と技術革新が必要とされています。

Q7: 節電に協力してポイントをもらう仕組みは、低所得者層に不利にならないでしょうか?

A7: 確かに、経済的に余裕のある家庭の方が節電に協力しやすい面はあります。しかし、多くの節電インセンティブ制度は、公平性を考慮して設計されています。例えば、過去の使用量からの削減率で評価する方式や、世帯人数や住居の広さなどを考慮した基準の設定などが検討されています。また、低所得者層向けの省エネ機器導入支援策や、節電協力へのボーナスポイント付与といった取り組みも行われています。さらに、節電による電気代の削減自体が、低所得者層にとってのメリットにもなります。ただし、健康や生活の質を損なうような過度な節電は避けるべきで、適切なガイドラインの設定が重要です。

Q8: 未来の住宅技術は、高齢者や障がい者にとっても使いやすいものになりますか?

A8: はい、未来の住宅技術は、高齢者や障がい者の方々にとっても使いやすいものになることが期待されています。例えば、音声制御システムにより、身体的な操作が難しい方でも家電や設備を簡単に制御できるようになります。また、AIによる生活パターンの学習と自動制御により、必要最小限の操作で快適な環境を維持できるようになります。さらに、健康モニタリング機能や緊急通報システムの統合により、安全・安心な生活をサポートすることも可能になります。ただし、新しい技術に不慣れな方々のために、分かりやすい説明や操作方法の提供、必要に応じたサポート体制の整備も重要です。ユニバーサルデザインの考え方を取り入れ、誰もが使いやすい住宅技術の開発が進められています。

まとめ

未来の住宅は、テクノロジーの進歩によってますます進化を遂げています。スマートグリッドによる効率的なエネルギー管理、電気自動車を活用した蓄電システム、AIやIoTによる自動省エネ、地域全体でのエネルギー融通など、さまざまな革新的な技術が導入されています。これらの技術は、私たちの暮らしをより便利で快適にするだけでなく、環境負荷の低減にも大きく貢献します。 住宅メーカーにとっても、これらの新技術を取り入れることで、より魅力的な住宅を提供できるようになります。エネルギー効率の良い住宅や、より快適な暮らしを実現する住宅を提供することで、顧客満足度を高めることができるでしょう。 未来の住宅は、単なる「住む場所」ではなく、私たちの暮らしを豊かにし、社会全体のサステナビリティに貢献する重要な存在となっています。これからの家づくりでは、これらの新しい技術や概念を理解し、自分たちのライフスタイルに合わせて適切に取り入れていくことが大切になるでしょう。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

    :地下鉄日比谷線都営浅草線東銀座駅より徒歩3分

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