省エネ・エコ住宅の魅力や注意点、補助金活用から選び方まで一挙解説!
間取り・住宅の特徴
2024/08/14
2024/08/14
近年、地球温暖化対策や持続可能な社会の実現に向けて、省エネ・エコ住宅への注目が高まっています。政府も様々な補助金や優遇制度を設けて、省エネ・エコ住宅の普及を後押ししています。この記事では、省エネ・エコ住宅の基準や種類、メリットや注意点、さらに利用できる補助金や優遇制度について詳しく解説します。マイホーム計画の参考にしてください。
目次
省エネ・エコ住宅とは?
省エネ・エコ住宅とは、エネルギー消費量を抑え、環境への負荷を低減させることを目的として設計・建築された住宅のことを指します。これらの住宅は、従来の住宅と比べて高い省エネ性能と環境性能を持ち、快適性と環境配慮を両立させています。
省エネ・エコ住宅の主な特徴は以下の通りです。
高断熱・高気密設計
壁や屋根、床、窓などに高性能な断熱材や断熱サッシを使用し、住宅全体の断熱性能を高めています。また、隙間風を防ぐ高気密設計により、冷暖房効率を向上させています。
省エネ設備の導入
高効率給湯器、LED照明、省エネ家電などの省エネ設備を積極的に導入し、エネルギー消費量を抑制しています。
再生可能エネルギーの活用
太陽光発電システムや太陽熱利用システムなどの再生可能エネルギー設備を導入し、クリーンなエネルギーを自家生産・消費しています。
パッシブデザインの採用
自然の光や風を効果的に取り入れる設計や、日射を調整する工夫など、自然エネルギーを上手に利用するパッシブデザインを採用しています。
長寿命化と資源循環
耐久性の高い材料や構造を採用し、長期間使用できるよう設計されています。また、リサイクル可能な材料の使用や、解体時の分別しやすさにも配慮しています。
これらの特徴により、省エネ・エコ住宅は以下のような効果を生み出します。
・光熱費の大幅な削減
・CO2排出量の削減による環境負荷の低減
・快適で健康的な室内環境の実現
・資源の有効利用と廃棄物の削減
省エネ・エコ住宅の中でも、特に高い性能を持つものとして、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅などがあります。これらは、年間のエネルギー収支をゼロにしたり、建設から解体までのライフサイクル全体でCO2排出量をマイナスにするなど、より高度な環境性能を実現しています。
省エネ・エコ住宅は、快適な暮らしと環境保護の両立を目指す現代の住宅のあり方を示しており、今後ますます重要性が高まっていくと考えられます。
省エネ・エコ住宅の基準
省エネ・エコ住宅の基準は、住宅の省エネ性能や環境性能を客観的に評価するための指標です。これらの基準を満たすことで、各種補助金や優遇制度の対象となります。主な基準について詳しく見ていきましょう。
省エネ基準(建築物省エネ法)
2015年に施行された建築物省エネ法に基づく基準で、住宅の省エネ性能の最低ラインを定めています。
主な評価項目
– 外皮性能(UA値):住宅全体の熱の出入りのしやすさを表す指標
– 一次エネルギー消費量:冷暖房、給湯、照明、換気などのエネルギー消費量
誘導基準
省エネ基準よりも高い水準の省エネ性能を定めた基準です。この基準を満たすと、より有利な補助金や税制優遇を受けられる場合があります。
ZEH基準
Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の基準です。
主な要件
– 強化外皮基準(UA値)を満たすこと
– 再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の削減
– 再生可能エネルギーを含めて、正味で年間の一次エネルギー消費量が概ねゼロ以下
長期優良住宅認定基準
長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅の認定基準です。
主な認定基準
– 劣化対策
– 耐震性
– 維持管理・更新の容易性
– 可変性
– バリアフリー性
– 省エネ性
– 居住環境
– 住戸面積
低炭素建築物認定基準
二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物の認定基準です。
主な認定基準
– 省エネ基準に比べて一次エネルギー消費量が10%以上削減されていること
– 低炭素化に資する措置(太陽光発電やヒートポンプ給湯器の設置など)が講じられていること
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)
建築物の省エネルギー性能を第三者機関が評価し、5段階で示す制度です。
評価指標
– 外皮性能(UA値、ηAC値)
– 一次エネルギー消費量
これらの基準は、住宅の省エネ性能や環境性能を客観的に評価し、消費者が住宅を選ぶ際の判断材料となります。また、国や自治体の補助金制度や税制優遇措置の条件にもなっています。
省エネ・エコ住宅を検討する際は、これらの基準を参考にしながら、自身のニーズや予算に合った住宅を選択することが重要です。また、基準は定期的に見直されることがあるため、最新の情報を確認することをおすすめします。
住宅ローン控除の優遇や、補助金等の対象となる住宅
省エネ・エコ住宅の普及を促進するため、政府や自治体はさまざまな優遇制度や補助金を設けています。これらの制度を活用することで、初期費用の負担を軽減できる可能性があります。主な制度について詳しく見ていきましょう。
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の優遇
一定の省エネ性能を有する住宅を取得した場合、通常の住宅ローン控除よりも優遇された控除を受けられます。
主な優遇内容
– 控除期間の延長(13年間)
– 控除額の増額
– ZEHレベルの省エネ性能を有する住宅の場合、さらなる優遇措置あり
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)支援事業
ZEHの新築やリフォームに対して補助金が支給される制度です。
補助金額
– 戸建住宅:上限100万円程度(地域や仕様により変動)
– 集合住宅:戸当たり上限70万円程度
グリーン住宅ポイント制度
一定の省エネ性能を満たす住宅の新築やリフォームに対してポイントが付与され、様々な商品や追加工事と交換できる制度です。
付与ポイント
– 注文住宅の新築:上限100万ポイント
– 既存住宅の購入:上限60万ポイント
– リフォーム:上限30万ポイント
こどもみらい住宅支援事業
子育て世帯や若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して補助金を支給する制度です。
補助金額
– 注文住宅の新築:上限100万円
– 既存住宅の購入:上限80万円
– リフォーム:最大30万円(省エネ改修等)
フラット35S
省エネルギー性や耐震性などに優れた住宅を取得する場合に、住宅ローンの金利を一定期間引き下げる制度です。
金利引下げ幅
– 当初5年間:年▲0.25%
– 当初10年間:年▲0.25%(ZEHなどの特に優れた性能を有する住宅の場合)
認定長期優良住宅に対する税制優遇
長期優良住宅の認定を受けた住宅を取得した場合、様々な税制優遇措置を受けられます。
主な優遇内容
– 所得税の軽減
– 登録免許税の軽減
– 不動産取得税の軽減
– 固定資産税の軽減
地方自治体独自の補助金制度
多くの地方自治体が、独自の省エネ住宅補助金制度を設けています。例えば、
– 太陽光発電システムの設置補助
– 蓄電池の設置補助
– 高効率給湯器の設置補助
– ZEH の建築補助 など
これらの制度は、年度や予算によって内容が変更されたり、申請期間が限定されたりすることがあります。また、複数の制度を組み合わせて利用できる場合もあります。省エネ・エコ住宅の建築やリフォームを検討する際は、最新の情報を確認し、専門家や自治体の窓口に相談することをおすすめします。
これらの優遇制度や補助金を上手に活用することで、省エネ・エコ住宅の導入コストを抑えつつ、長期的には光熱費の削減や快適な住環境の実現といったメリットを享受できます。自身のニーズや予算に合わせて、最適な選択をすることが重要です。
種類別 省エネ・エコ住宅
省エネ・エコ住宅には、その特徴や性能によっていくつかの種類があります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
長期優良住宅
長期優良住宅は、長期にわたって良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅です。
主な特徴
– 耐久性:75年以上の耐久性
– 耐震性:極めて稀に発生する地震に対しても倒壊しない
– 維持管理の容易性:点検・補修が容易な構造
– 可変性:間取りの変更が容易
– 省エネ性:省エネ基準を上回る断熱性能
– バリアフリー性:将来のバリアフリー改修を考慮した設計
メリット:税制優遇、住宅ローンの金利優遇などが受けられます。
認定低炭素住宅
認定低炭素住宅は、二酸化炭素の排出を抑制するための措置が講じられた住宅です。
主な特徴
– 省エネ基準比で一次エネルギー消費量を10%以上削減
– 太陽光発電やヒートポンプ給湯器などの低炭素化設備を導入
– 節水対策や緑化などの環境への配慮
メリット:税制優遇、フラット35Sの金利引下げなどが受けられます。
性能向上計画認定住宅
既存住宅の省エネ改修を行う際に、一定の基準を満たす計画を認定する制度です。
主な特徴
– 省エネ性能を現状から一定以上向上させる改修計画
– 耐震性、バリアフリー性、維持管理・更新の容易性の向上も含む
メリット:所得税の特別控除、固定資産税の減額などが受けられます。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
ZEHは、年間の一次エネルギー消費量が正味でゼロまたはマイナスになる住宅です。
主な特徴
– 高断熱・高気密設計
– 高効率な設備機器の導入
– 太陽光発電などの創エネ設備の導入
– HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)の導入
メリット:補助金の対象、住宅ローン控除の優遇などが受けられます。
LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅
LCCMは、建設時から解体・廃棄までの全過程で、CO2排出量をマイナスにする住宅です。
主な特徴
– ZEH以上の省エネ性能
– 大容量の太陽光発電システム
– 建材製造時のCO2排出量を考慮した素材選択
– 長寿命設計による建て替え回数の削減
メリット:補助金の対象となる場合があります。
パッシブハウス
パッシブハウスは、自然エネルギーを最大限に活用し、機械的な冷暖房をほとんど必要としない住宅です。
主な特徴
– 超高断熱・高気密設計
– 太陽熱や地熱の利用
– 自然換気システム
– 高効率な熱交換換気システム
メリット:光熱費の大幅な削減、快適な室内環境が実現できます。
スマートハウス
スマートハウスは、IT技術を活用してエネルギーの効率的な利用を実現する住宅です。
主な特徴
– HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)の導入
– 太陽光発電や蓄電池の導入
– スマート家電の活用
– 電気自動車との連携
メリット:エネルギーの最適化、快適性と省エネの両立が図れます。
これらの省エネ・エコ住宅は、それぞれ特徴や性能が異なります。自身のライフスタイルや予算、環境への配慮の度合いなどを考慮して、最適な住宅を選択することが重要です。また、これらの住宅タイプは相互に重なる部分もあり、例えばZEHでありながらスマートハウスの機能も備えているといったケースも多くあります。専門家に相談しながら、自分に合った省エネ・エコ住宅を見つけていくことをおすすめします。
省エネ住宅の魅力と注意点
省エネ住宅には多くの魅力がありますが、同時に注意すべき点もあります。ここでは、省エネ住宅の魅力と注意点について詳しく解説します。
省エネ住宅の魅力
・光熱費の削減
高断熱・高気密設計や高効率設備の導入により、冷暖房や給湯にかかるエネルギー消費量を大幅に削減できます。これにより、月々の光熱費を抑えることができ、長期的には大きな経済的メリットとなります。
・快適な室内環境
高い断熱性能により、室内の温度変化が少なく、夏は涼しく冬は暖かい快適な空間を実現できます。また、結露やカビの発生も抑えられ、健康的な住環境を維持できます。
・健康的な暮らし
室内温度の急激な変化が少ないため、ヒートショックのリスクが低減されます。特に高齢者や子供にとって、安全で健康的な住環境を提供します。
・環境への貢献
エネルギー消費量の削減により、CO2排出量を抑制し、地球温暖化防止に貢献できます。再生可能エネルギーを導入すれば、さらに環境負荷を低減できます。
・資産価値の維持
省エネ性能の高い住宅は、将来的な省エネ基準の強化にも対応できるため、中長期的に見て資産価値が維持されやすいと言えます。
・補助金や税制優遇
省エネ住宅は各種補助金や税制優遇の対象となることが多く、初期投資の負担を軽減できる可能性があります。
省エネ住宅の注意点
・初期コストが高い
高性能な断熱材や設備を使用するため、一般的な住宅と比べて建築コストが高くなります。ただし、光熱費の削減や各種優遇制度を考慮すると、長期的にはコスト面でもメリットがあると言えます。
・適切な換気が必要
高気密住宅では、室内の空気が滞留しやすくなります。そのため、計画的な換気が重要です。24時間換気システムの導入や、こまめな窓開けなどの対策が必要となります。
・メンテナンスが重要
省エネ設備や高性能建材を長期間効果的に使用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。例えば、太陽光パネルの清掃や給湯器のフィルター交換など、適切な管理が求められます。
・専門知識が必要
省エネ住宅の設計や施工には、高度な専門知識が求められます。信頼できる工務店やハウスメーカーを選ぶことが重要です。また、施主側も基本的な知識を持っていると、より良い家づくりができます。
・夏の暑さ対策
高断熱・高気密住宅では、冬の寒さ対策は優れていますが、夏の暑さ対策には注意が必要です。日射遮蔽や通風計画など、夏の暑さ対策も考慮した設計が重要です。
・生活習慣の変化が必要
省エネ住宅の性能を最大限に活かすには、住まい方にも工夫が必要です。例えば、季節に応じた窓の開閉や、設備の効率的な使用方法など、新しい生活習慣を身につける必要があります。
・過度な省エネへの注意
省エネを追求するあまり、快適性や健康性を犠牲にしないよう注意が必要です。バランスの取れた設計と運用が大切です。
省エネ住宅は、多くの魅力と同時にいくつかの注意点も持ち合わせています。これらを十分に理解した上で、自身のライフスタイルや価値観に合った選択をすることが重要です。また、設計段階から施工、入居後の生活まで、専門家のアドバイスを適宜受けながら進めていくことをおすすめします。
省エネ・エコ住宅を建てるには?
省エネ・エコ住宅を建てるには、計画段階から入居後まで、様々な点に注意を払う必要があります。以下に、省エネ・エコ住宅を建てるための具体的なステップと注意点を詳しく解説します。
目標設定と情報収集
– 省エネ・エコ住宅の種類(ZEH、長期優良住宅など)を研究し、自分に合ったタイプを決める
– 予算、土地の条件、家族構成などを考慮し、具体的な目標を設定する
– 最新の省エネ技術や補助金制度について情報を集める
信頼できる工務店やハウスメーカーの選定
– 省エネ・エコ住宅の実績がある工務店やハウスメーカーを探す
– 複数の会社から提案を受け、比較検討する
– 施工例の見学や、過去の顧客の評判を確認する
設計段階での配慮
– 高断熱・高気密設計を基本とする
– 太陽光や風などの自然エネルギーを活用するパッシブデザインを取り入れる
– 家の向きや窓の配置、庇の設計など、日射制御を考慮する
– 将来の暮らし方の変化も見据えた可変性のある設計を検討する
省エネ設備の選択
– 高効率給湯器(エコキュートなど)の導入を検討する
– LED照明や省エネ家電を選択する
– 太陽光発電システムや蓄電池の導入を考える
– HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)の導入を検討する
素材の選択
– 高性能な断熱材を選ぶ(真空断熱材、セルロースファイバーなど)
– 遮熱性能の高い屋根材や外壁材を選択する
– 複層ガラスや真空ガラスなど、断熱性能の高い窓を採用する
– 自然素材や環境負荷の少ない建材を積極的に使用する
施工品質の確保
– 断熱材の施工や気密処理が適切に行われているか確認する
– 定期的に現場を訪れ、設計図通りに施工されているか確認する
– 第三者機関による性能評価や検査を受ける
補助金や優遇制度の活用
– 国や地方自治体の補助金制度を調べ、申請する
– 住宅ローン控除や税制優遇措置を確認し、適用を受ける
– フラット35Sなどの優遇金利住宅ローンの利用を検討する
引き渡し後の対応
– 省エネ設備の使用方法や効果的な住まい方について説明を受ける
– エネルギー消費量のモニタリングを行い、省エネ効果を確認する
– 定期的なメンテナンスの計画を立て、実施する
生活習慣の見直し
– 季節に応じた適切な換気や遮熱の方法を学ぶ
– エネルギー消費量の「見える化」を活用し、無駄な消費を抑える
– 家族全員で省エネ意識を高め、継続的な取り組みを行う
注意点
– コストと性能のバランスを考慮し、過剰な設備投資を避ける
– 省エネだけでなく、快適性や健康性も重視する
– 地域の気候特性を考慮した設計を心がける
– 将来的な設備の更新や住宅の改修も視野に入れた計画を立てる
省エネ・エコ住宅を建てるには、綿密な計画と専門知識が必要です。専門家のアドバイスを積極的に取り入れながら、自分たちの理想の住まいづくりを進めていくことが大切です。また、建てた後の暮らし方も重要です。省エネ・エコ住宅の性能を最大限に活かすためには、住む人の意識と行動が鍵となります。家族全員で省エネ・エコライフを楽しみながら実践していくことが、真の意味での省エネ・エコ住宅の実現につながります。
よくある質問(Q&A)
省エネ・エコ住宅に関して、多くの方が疑問に思う点について、Q&A形式で詳しく解説します。
Q1. 省エネ住宅は本当に光熱費が安くなりますか?
A1. はい、省エネ住宅は一般的な住宅と比べて光熱費を大幅に削減できます。高断熱・高気密設計により冷暖房効率が向上し、高効率給湯器やLED照明などの省エネ設備の導入により、エネルギー消費量を抑えることができます。例えば、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の場合、年間の光熱費を従来の住宅の50~70%程度削減できるケースもあります。ただし、具体的な削減額は家族構成や生活スタイル、地域の気候条件などによって異なります。
Q2. 省エネ住宅は夏も涼しいのですか?
A2. 省エネ住宅は、高い断熱性能により外部からの熱の侵入を防ぐため、適切に設計されていれば夏も涼しく過ごせます。ただし、単に断熱性能を高めるだけでなく、以下のような工夫が必要です。
日射遮蔽:庇やルーバーなどで直射日光を遮る
通風設計:風の流れを考慮した窓の配置
遮熱塗料:屋根や外壁に熱を反射する塗料を使用
夜間換気:夜間の冷たい空気を取り入れる
これらの対策を組み合わせることで、夏も快適に過ごせる省エネ住宅を実現できます。
Q3. ZEH(ゼッチ)の補助金はいくらもらえますか?
A3. ZEHの補助金額は年度や地域によって異なりますが、一般的に戸建住宅の場合、100万円前後の補助金が受けられることが多いです。例えば、2024年度のZEH支援事業では、以下のような補助金額が設定されています。
戸建住宅:定額105万円
集合住宅:70万円/戸
ただし、これらの金額は変更される可能性があるため、最新の情報を確認することをおすすめします。また、地方自治体独自の上乗せ補助金がある場合もあるので、お住まいの地域の制度も確認するとよいでしょう。
Q4. 省エネ住宅は一般の住宅と比べてどのくらいコストが高くなりますか?
A4. 省エネ住宅の建築コストは、一般的な住宅と比べて約5~15%程度高くなると言われています。ただし、この追加コストは省エネ性能のレベルや導入する設備によって大きく変わります。例えば、ZEHの場合、一般住宅と比べて200~300万円程度のコスト増になることが多いですが、太陽光発電システムの容量や蓄電池の有無などによっても変動します。
しかし、光熱費の削減や補助金、税制優遇などを考慮すると、長期的には経済的なメリットがあると言えます。また、快適性や健康面でのメリットも含めて総合的に判断することが重要です。
Q5. 省エネ住宅は夏場に熱がこもって蒸し暑くならないですか?
A5. 適切に設計された省エネ住宅であれば、夏場に熱がこもって蒸し暑くなることはありません。むしろ、高い断熱性能により外部からの熱の侵入を防ぐため、適切な換気システムと組み合わせることで快適な室内環境を維持できます。
ただし、以下の点に注意が必要です。
計画的な換気:24時間換気システムの導入や定期的な窓開けが重要
適切な冷房の使用:室内に熱がこもりにくいため、こまめな温度調節が効果的
湿度管理:除湿機能付きエアコンの使用や調湿素材の活用
これらの対策を適切に行うことで、夏場も快適に過ごせる省エネ住宅を実現できます。
Q6. 省エネ住宅は冬場の結露の心配はないですか?
A6. 省エネ住宅は高断熱・高気密設計により、一般的な住宅と比べて結露のリスクは大幅に低減されます。断熱性能が高いため、室内の温度が外気温の影響を受けにくく、壁や窓などの表面温度が下がりにくいためです。
ただし、完全に結露がなくなるわけではありません。以下の点に注意が必要です。
適切な換気:結露の原因となる湿気を外に逃がす
断熱の連続性:熱橋(ヒートブリッジ)を作らない施工
湿気の発生源対策:調理や洗濯時の換気、観葉植物の管理など
これらの対策を適切に行うことで、結露のリスクを最小限に抑えることができます。
Q7. 省エネ住宅は将来的な設備の更新や修理にコストがかかりませんか?
A7. 省エネ住宅に導入される設備は一般的に高性能で耐久性が高いものが多いですが、将来的な更新や修理のコストは考慮する必要があります。特に、以下の点に注意が必要です。
太陽光発電システム:パネルの寿命は20~30年程度、パワーコンディショナーは10~15年程度
蓄電池:10~15年程度で交換が必要
高効率給湯器:10~15年程度で更新が推奨される
これらの設備の更新コストは決して安くはありませんが、技術の進歩により性能が向上し、コストが下がる可能性もあります。また、計画的な修繕積立金を設定することで、将来の更新に備えることができます。
長期的な視点で考えると、エネルギー消費量の削減によるコスト削減効果と、快適性や健康面でのメリットを総合的に判断することが重要です。
Q8. 省エネ住宅は一般の住宅と比べて、メンテナンスの手間がかかりませんか?
A8. 省エネ住宅は高性能な設備を多く使用するため、一般の住宅と比べてある程度のメンテナンスの手間は増えます。しかし、これらのメンテナンスは省エネ性能を維持し、快適に暮らすために重要です。主なメンテナンス項目には以下があります。
換気システムのフィルター清掃(月1回程度)
太陽光パネルの清掃(年1~2回程度)
高効率給湯器のフィルター清掃(年1回程度)
HEMSのソフトウェアアップデート(不定期)
これらのメンテナンスは、多くの場合、専門知識がなくても自分で行えるものです。定期的なメンテナンスを習慣化することで、設備の長寿命化や省エネ効果の持続につながります。また、専門業者による定期点検を組み合わせることで、より確実なメンテナンスが可能になります。
まとめ
省エネ・エコ住宅は、快適性と環境性能を両立した次世代の住まいです。初期コストは高くなりますが、長期的には光熱費の削減や健康的な暮らしなど、多くのメリットがあります。また、様々な補助金や優遇制度を利用することで、コスト面での負担を軽減することができます。マイホーム計画の際は、省エネ・エコ住宅の選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。専門家に相談しながら、自分に合った省エネ・エコ住宅を見つけていくことをおすすめします。
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